小説初挑戦なので至らないところもありますがご容赦くださいm(__)m
感想などあれば書き込んでいただいて結構です。
読んだよ!という報告やここ直した方が?というコメントでも嬉しいです。
気まぐれ更新です。
僕ってなんだろう
考えれば考えるほど
壊れる
雑音が煩わしい
この
狂った世界め
ーーーノイズーーー
向日葵。
それが彼女の第一印象だった。
母が亡くなり1週間。別に悲しくなんてない、人は死ぬものだ、そう思ってた。
ー少なくともこの時は。
「ね、ちょっと来て!」
そう言って僕は手を引かれていた。
「えっ、ちょっ、まっ」
「いーいーかーらー!」
抵抗する理由もなかったから、手を引かれるまま、走っていた。
暫く走ると、そこには向日葵畑が広がっていた。
「ほら、綺麗でしょ」
そう言って彼女は、僕に大輪の花のような笑顔を向けた。
「元気でた?」
僕の頬を、暖かい何かが流れていた。
僕は、彼女に顔を埋めてひたすら泣いた。どう帰ったかとか、そんなことは覚えてない。
あまりしたくないがここで少し状況説明。
僕・君(15)
母を亡くした少年。「彼女」との関係は不明。
彼女・わたし(15)
「僕」と同い年。
それにしても、彼女は何者なんだろう。
あれから毎日一緒にいる。というか一方的についてくるのだ。
草むらを2人で歩きながら、12度目の挑戦。
「ねぇ、君は誰なの?」
「んー、なんだろうね。自分でもよく、わからない。」
12度目、失敗。
学校はどこ?両親は?名前だって知らない。
なのに、なぜか、むねのおくがあたたかい。
ふしぎと、たのしい。
ふしぎと、うれしい。
ふしぎと、やさしい。
ああ、このときが、永遠に、終わらなければいいのに。
煩かった蝉の声が消える頃、夏休みも終わった。
またいつもの日々が始まる、そう思っていたのに、なんだか教室が騒々しい。
「転校生じゃん」
「まじ?」
「転校生くるんだって」
「ふーん」
そして、教室のドアがガラリと開いた。
僕は目を疑う。
「おはようございます」
そう言って入ってきたのは、大輪のような笑顔を咲かせた彼女だった。
転校生だったのか…。それならそうと早く言ってくれればいいのに。
「よろしく、」
彼女の席は僕の隣だった。よりによってなんでここなんだろう、とか考えたけど、やっぱり彼女の隣は落ち着く。
それから数週間経った。
彼女は、なんだか前とは違う、枯れた向日葵だった。
「な、知ってる?転校生のあいつ、ーーーーなんだって」
「まじ?やばくない?」
今日もそんな会話が耳に入る。
夏が終わった頃からだろうか、「転校生のあいつ」というフレーズをよく聞く。僕はそろそろ我慢の限界だった。
「さっきから話してる、その、“あいつ”の話って何?」
なぜか聞いてはいけないような気がして、我慢していたのに、聞いてしまった。
ーーーーあいつ、人殺しの子供なんだって
人殺し、ひとごろし、ヒトゴロシ。
僕の彼女への脳内イメージが書き換えられていくのが嫌という程分かる。
彼女が人を殺したわけじゃない、そう言い聞かせたけど、人間は酷な生き物だ。
僕と彼女の間に溝ができるのに、時間はかからなかった。
学校が始まってからも彼女は、僕に一方的についてきていた。彼女が枯れてからも、僕の前では、大輪のような笑顔を咲かせていた。
僕は、彼女が何故笑顔なのかもうわからなかった。
教室の中では、毎日彼女の話題で持ちきりだった。
誰かが唐突に話しかけてきた。
「なあ、、なんでお前あんなやつと関わってんの?」
『え?』
「あいつ、人殺しだよ?お前も殺される」
「殺されたいの?」
「最近あいつ目つき怖くなったよね」
「刃物とか持ち歩いてるんじゃない?」
「こわ…まじ消えればいいのに」
「「「「「お前もそう思うよね?」」」」」
僕はもう壊れていた。
『うん。消えればいいのにね。』
それからも彼女は、僕に付き纏ってきた。
屈託のない笑顔を浮かべて、たくさん喋っていた。
それは、もう、僕には、雑音でしかなかった。
ーーーーそろそろ消えてくれない?
彼女の笑顔が、僕の前で初めて、歪んだ。
それから、彼女が僕の前に姿を表すことはなかった。
数ヶ月が経った。
相変わらず彼女は学校に来ていない。もちろん僕の前にも現れない。
彼女のことは、忘れかけていた。
向日葵のような笑顔も。
あの、ふしぎなあたたかさも。
そんな夜道に、ふらあっと人影が1つ。
誰だ?
そんなことを考える暇もなく、僕に非日常が降って来た。
人影は、僕に向かって、キラリと光る何かを持ち走り出した。
ああ、僕、ここで死ぬんだ。
でも、空っぽの僕は、嫌いだったから、ちょうどいいや。
僕は、夜の闇に身を任せた。
ぐちゃ、という内蔵の音のあとに、
こきっ、という骨の音。
ぐぁっ、という女の子の声。
女の子の声…?
僕は恐る恐る目を開ける。そういえば、どこも痛くない。
肩が重い。
視線を傾けると、そこには見覚えのある誰かが、もたれかかっていた。
向日葵の彼女だった。
人影はいつの間にか消えていた。
不甲斐ない僕から捻り出た言葉は、
「お前っ…どうして」
というありがちなセリフだった。
「ははっ…さされちゃったなぁ。…ごめんね、消えてって言われたのに。」
喋るたびに腹から血が溢れる。
僕の目からも、水が、溢れる。
「君を…守ろうと思ったの…あいつが、必ず、君をっ、」
口から出る血が、彼女の言葉を遮る。
「わたし…少しは…お姉ちゃんらしく…なれたよね。」
そう言って、彼女は大輪の向日葵のような笑顔を咲かせながら、瞳を閉じた。
「ごめん…ごめん…ごめん」
僕から出た言葉は、それだけだった。
暫くは、何もしたくなくて、家でじっとしていた。
目を瞑れば、耳を塞げば、あの日を思い出すから、眠れなかった。
僕は、なんで忘れたんだろう。彼女…僕の、唯一の、姉の事を。
そして、僕の、母のことを
僕は、母と、双子の姉の3人暮らしをしていた。
4歳の頃、母が罪を犯した。
そう、人殺しだ。
あの人は、物心ついた頃から狂った人だったのを覚えている。自分の腕の皮を薄く剥ぎ取って、食べていたこともあった。
よく自分は殺されないで生きているな、と小さいながらに感じていた。
でも、あの母親が人を殺さないでいられる訳がなかったのだ。
僕たちの弟が標的となった。
ぐちゃ、ぽきっ、そんな音を、ひたすら聴いていた記憶がある。
できるだけ息を潜め、存在を潜め、弟が殺されるのを見ていた。
でも、何も感じなかった。
この頃から、僕を僕じゃなくするのが得意だった。
僕はもうとっくに、壊れていたんだな。
そういえば、日々の会話だって、挨拶だって、僕は空っぽだから、ノイズにしか聞こえなかった。
煩い。
煩い。
ひたすらに煩い。
僕って、どんな人間だっけ?
考えれば考えるほど、壊れる。
わからない
わからない
わからないなぁ
教えて、お姉ちゃん。僕の向日葵。
ノイズを、消して。
ーーーノイズ “僕”篇 finーーー
できるだけ早く、彼女篇もあげます!
レス大歓迎!
読んだ方、感想やアドバイス頂けたら嬉しいです 人´ω`)
ぐちゃっ
ぽきっ
そんな音を聞きながら、わたしはもう1人の弟を精一杯抱きしめる。
もう奪われまい、そう誓って。
ーーーノイズーーー
彼は、どうしているのだろう。
あれから、11年が経った。
二卵性の双子の私たちは、顔こそあまり似ていなかったが、いつも一緒にいた。
ーーあの日までは。
今も、目を閉じれば、耳を塞げば、あの音が、あのひとが、思い出されて、体が震える。
向日葵が蕾になった頃、わたしは引っ越した。
そんな時だった。あいつが現れたのは。
すぅっと、人影が通る。誰かなんて、見なくても解った。
母だった。
呆気にとられ、見ていると、彼女の口許が動く。
ツ ギ ハ オ ト ウ ト
わたしは、無我夢中で走っていた。
気づいたら、もう夜だった。
それからわたしは、毎日のように彼を探した。
でも、
何日経っても、
見つからなかった。
そして一年経った。向日葵がまた、蕾となる。
もう日本全国回ったんじゃないか、それくらい探した。
諦め掛けていた。
また、すぅっと人影が通る。
誰かなんて、見なくても解った。
なぜならそれは…
「ね、ちょっと来て!」
読んでます
28:澪:2017/06/26(月) 21:47 御空さん、ありがとうございます(*´∀`*)ノ
読んでくれる人がいるってわかると、こんなに嬉しいんですね(*´Д`*)
まだ続きますのでよかったら続きも読んでくださいね^ ^
誤字や良くない点などありましたら遠慮なくm(._.)m
感想もお待ちしております!
読んでます!
面白いです…。この板はファンタジー系が多いので、ミステリー好きの私にもってこいです!
小説初めてにしては上手いと思います。
(本読まない人が何だって感じですがね笑)
続き期待してまーす⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾⁾
うわぁまゆこさん嬉しいです!
ありがとうございます😍
もっと文が上手くなれるようがんばりますm(._.)m
>>19
に訂正です、
家族は、母・双子だけになっていますが弟もいます!はい!
ごめんなさいm(._.)m
更新始めます
33:澪:2017/06/27(火) 18:01 彼は、育ての母親を失ったそうだ。
母親を失って泣けるくらい、素晴らしい両親に出会って幸せに暮らしているのだと思うと、あの事を話せる訳がなかった。
でも私は、彼と話せる。その事実だけで幸せ。
そんなある日、学校に行くと、皆からの目線が変わっていた。
ーーーーしまった。
その日から私は、今までよりさらに、彼の近くでひたすら喋り続けた。
でも
「そろそろ消えてくれない?」
気づいたら、走ってた。
もう何日も、もしかしたら何ヶ月もかもしれないけど、
日の目を見てない。
見たくない。
なぜなら私の幸せは、
なくなってしまったから。
もう、死のう。
そう思って、行くあてもなく外に出た。
そしたら、
人影が、1人。
そしてもう1人の人影が、キラリと光るものを持って、走り出した。
熱い、と言う感覚が腹に染み渡る。
次第に、意識が遠のく。
彼の声が、微かに聞こえる。
あぁ、よかった。
最期に、幸せにしてくれて、ありがと、神様。
精一杯の笑顔を、浮かべた。
ーーーーノイズ 姉篇finーーーー
この世界は、狂っている。
みんな、壊れていく。
全てが、『ノイズ』になる。
ーーー幸せが、なければ。
あなたに、幸せが、訪れますように。
ーーーーノイズ fin.ーーーー
短い物語ですが、読んでくださった方、ありがとうございました!
書いていてとても楽しかったです。
次回作、または改訂版を出すかも?しれません。
その時はまた、よろしくお願いします。
あなたの幸せを、願っています。
澪(みお)
切ないけど綺麗なお話ですね
次回作も期待してます
御空さん、連日ありがとうございます(*´∀`*)
よく考えるとここ辻褄合わないじゃんとか、ここに伏線入れてたのに忘れてた!などなど反省たくさんですが、読んでくれた方がいて嬉しいです。
面白かった!
続編希望したいな。できたら。
もね、ありがとう〜!
続編、書けたら書きます(*´∀`*)ノ
(姉いないからどうなるか分からないが)
新作(続編)を7/4より更新します!
ぜひ、見てくださいm(._.)m
屋敷にはばあやと私だけで暮らしている。
47:澪:2017/06/28(水) 18:17 更新する際は、新たなスレを立てますのでよろしくお願いしますm(._.)m
名前は同じにするので見つけていただければ幸いです(*´∀`*)