瑞です。たくさん作品を書いていますが、責任を持って完結させます。どうか、よろしくお願いします。
『アホ少女』の>>1に書いてある通りで頑張っていきます。
ちなみに、この作品は何ヵ月かストーリーやキャラクターを考えました…
>>2 登場人物
>>3 ストーリー
>>4 作品
>>5 プロローグ
登場人物
飛鳥 有翔(あすか ゆうと)
男っぽい名前だか女子。学校ではいじめられている中3。
アニメ、ゲームが好きすぎてみんなからは『オタク』と呼ばれていた。
一人称は『私』ではなく、『俺』
勇者になる。
アイナ
小学生くらいの身長。見た目は小4くらい?実は、14歳。
魔女。
ダイト
男子中学生。中二病。『ダークマター』(ネーミングセンスわりぃw)と名乗るバカ。
ただの中二病。
カズキ
執事みたいな奴。高校生くらいの男子。
他にも登場したらメモ板などにプロフ書きます。
ストーリー
学校でいじめられているユウトはゲームやアニメ好き。
ところが…ある日車に引かれててしまった!目を覚ますとそこはゲーム世界!?
アイナ、ダイト、カズキとの大冒険!
作品
あの日の物語
私の恋は叶うの?
心に声を響かせて…
うちのクラスのアホ少女!
4つの四季フレンズ
短編物語〜はじまりを一つに…〜
プロローグ
俺の名前は飛鳥有翔。中学3年生。ただのオタクだ。
「今日も最悪だったな…」
俺は『はぁ…』とずっと我慢していたため息をする。
俺は学校でいじめられているのだ。
「おーい!オタク!」
「オタク〜お前キモ〜い」
こういう風に毎日毎日いじめられている。俺は正直辛い。家では父に暴力をふるわれる。俺の人生は最悪だった。
「はぁ…」
俺はまた大きくため息をつく。
すると、何処かから泣き声が聞こえる。
「えーん…えーん……」
横断歩道で女の子が一人泣いていた。俺は今信号が青だから女の子のそばに言った。
「大丈夫か?」
「うん…」
私が心配すると、女の子はグスグスしながら言う。
すると、女の子の方に曲がる車が通ってくる。
「危ない!!」
俺は女の子を強く押して、女の子の代わりに車に引かれた。
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃ…!」
女の子は私のことを何回も呼ぶ。私を引いた人も「君大丈夫か!?」と心配する。私は少し目を開いてたけど、もう生きる価値がなく目を気づかれないようにゆっくりと目を閉じる。
そして、事件は起こった…………
1.謎の町
「ん…」
俺はゆっくりと目を開ける。すると、何処かに居た。病院か?俺まさか生きてたの…?嫌だ!
「あら…目を覚ましたのね」
看護師なのかな…?看護師は眼鏡をカチャッとあげて目を覚ましたのが嬉しくて喜んでいた。
「えっと…ここって何町ですか?」
私は周りをキョロキョロしながら聞く。
「ここはね…」
「おーい!!勇者!大丈夫なの!?」
看護師が言いかけた時だいたい小学生くらいの人が病室に飛び込んでくる。
てか、勇者?
「あら!紹介するわね!この子はアイナよ!貴方と冒険する人よ!」
看護師はニコニコしながら言う。俺が!?意味わかんない!
でも、アイナって奴は魔女っ子っぽい感じの服を着ている。
「安静にしてたから外に出て良いわよ」
看護師はニコニコしながら私を追い出す。まぁ、痛みは消えたし良いや…
「さぁ!勇者!どうぞ!」
魔女っ子はニコニコしながら町を見せる。
ここは、まるでゲームの世界のような町だ。
私はほっぺをつねる。夢じゃないのだ。私が体験してみたかった夢がついに叶ったんだ!
「まずは仲間2人を探さないとね!」
魔女っ子はニヒヒと笑い、俺を引っ張る。
着いたところは大きな建物だった。
「アイナ様。お待ちしておりました」
編み混みをしているメイドが魔女っ子にお辞儀をする。
「すぐに男性に冒険の旅を出させる準備を…」
「かしこまりました。勇者様とアイナ様は、こちらにおかけになってください」
魔女っ子はメイドに命令をすると、俺と魔女っ子は近くの椅子に座った。ふかふかだろ…
「そう言えば、お前名前はなんだ?俺の名前はユウト」
「私?アイナだよ〜!ユウトって女だったんだ〜!制服着てるし」
アイナはジロジロと私の制服姿を見る。
すると、アイナは黙って私を引っ張った。向かった先は更衣室だった。
「これに着替えて!」
アイナはドサッと服を置く。俺はアイナに言いかけた時にドアを閉められた。
「はぁ…」
俺は呆れてため息をついた。アイナが出した服に着替えた。
でも、どうしよう…制服はどうするのかアイナに聞くか…
「着替え終わったぞ」
俺は更衣室を開けてアイナに見せた。すると、アイナはぱぁっと目を輝かせた。
「うん!似合ってる似合ってる!」
アイナは嬉しそうにこくりこくりと元気よくうなずく。
確かに俺に似合うな…あの『このすぱ』の上は動きやすい感じで、ショーパンでニーソックスにスニーカー。腰にはジャージをまいている。
「アイナ。これはどうするんだ?」
俺は畳んだ制服をアイナに渡すとアイナは制服を受け取った。
「私の部屋に一応置いとくわ」
アイナは髪をとかしながら言う。俺は「ありがとう」と告げた。
「アイナ様。連れてきました」
メイドが戻ってくると、ゾロゾロと男性が集まっている。
「私とユウトで男子二人を選ぼう!」
アイナはニコニコしながら言う。俺は選び始めた。
誰か良い人居ないかな〜?
「わぁ……」
俺の目の前にイケメンできちんとした感じの男性が立っていた。
「アイナ!俺この人がいいな!」
俺はアイナに目を輝かせて言うと、手で丸を作った。OKのようだ。俺は跳び跳ねるくらい嬉しかったのだ。
「私も決まったよ!ダイトって言う人!」
ダイト…こいつは頭、腕に包帯をつけて、左目には眼帯をつけている。なんだ?目が潰れたのか?
「ダイトではない…我が名はダークマターだ…」
ダイトは左目を押さえながら『ダークマター』と名乗る。センスわりぃ名前だ…しかも、こいつ中二病じゃねぇか…
「あ、僕はカズキと申します。執事となってユウト様達をお守りします」
カズキさんかぁ…
カズキさんはにっこりと笑い、礼儀正しく自己紹介をした。
「よろしく!」
俺はニヒヒと笑い、ピースをした。
「明日から出発だな!」
「おー!!!」
さぁ!明日から俺達の冒険が始まる!
2.冒険!
次の日俺はすーすーとぐっすり眠っていた。
「ユウト様…そろそろ起きないといけませんよ…」
すると、執事のカズキさんが俺を優しく擦って起こしてくれた。さすが執事!優しいじゃない!
「起こしてくれてありがとな」
俺は服に着替えながらにっこりしてお礼を言う。
服に着替えて、冒険の準備をしてアイナの家から出た。
「じゃあ、ママ行ってくるね!」
アイナは元気よくお母さんとお父さんに手を振った。
アイナは凄く元気だな…俺の家庭なんて最悪だったよ…あのクソジジイ…
「この森を通ると、湖があるからそこに向かおうじゃないか…俺がドラゴンを呼び出そうじゃないか…」
ダイトは地図を見ながらドヤ顔で言う。その顔腹立つな〜…
「はぁ…ったく!あいつは〜!」
俺は大きな声で独り言を言うと、カズキさんは俺の口をふさいだ。
「ユウト様お静かに」
カズキさんは俺の耳元でそうささやく。私はこくりこくりとうなずいた。
すると、何やら何かが鳴く声が聞こえてくる。
「な、何!?」
「ヤバい!あいつが来たかも!」
俺は周りキョロキョロしながら焦る。アイナは真っ青にしながら言う。あいつ?
すると、俺の目の前に大きな鳥が襲いかかる。
「うわぁぁ!!!!」
「逃げるぞ!!」
俺はびっくりして大きな声で叫んだ。ダイトは焦ってみんな同時に走り出した。
「あの巨大な鳥はなんだよ!」
「あれは、ビッグバード!」
「センスわりぃ名前だな!!」
俺は走りながらアイナに聞いた。アイナは図鑑を見ながら答える。あまりにもセンスが悪くツッコんだ。
「お前らこのダークマターが相手をするからお前らは消え去るがいい…」
ダイトはザッと俺達の前に立って言った。
「でもダイト様が…」
「俺はこいつと戦うんだ!!」
カズキさんはダイトのことを心配してもダイトは聞かない。
ダイトは何も持たずにビッグバードの目の前に立つ。
「いでよ!俺の魂!ゴールドアイ!」
ダイトは左目の眼帯を外した。すると、ダイトの左目から光が出ている。
すると、ビッグバードは空へ逃げっていった。
い、いったいこいつは何者なんだよ!センスわりぃけど…
「まぁ、助かったね。ありがとうダイト!」
「あったりめぇだろ。俺は最強だしな…」
アイナはニコッと笑いながらお礼を言うと、ダイトは眼帯をつけながらカッコつける。
「そろそろ着きますよ!」
カズキさんは地図をチラッと見ると、指を指した。
「どんなところかな?」
俺は胸がわくわくしてきて楽しみになってきた。
「わぁ!!!」
俺は思わず声に嬉しい声が漏れた。
俺の目に飛び込んだのは、青く太陽の光で光っている湖だ。
俺は喜んでいると、お腹が「グゥー」となった。
「ご飯でも食べましょうよ!今お昼だし!」
アイナは手を合わせてニコニコしながら言う。
すると、アイナはバッグから何かを取り出す。
「じゃん!おにぎり!ママが行く前に渡してくれたの!」
アイナはみんなにおにぎりを渡しながら言う。アイナのお母さんすげぇな…
俺はおにぎりを渡されるとかぶりついた。
「うんまっ!」
「美味しいです」
「美味しい!」
それぞれバラバラに言いながらおにぎりを食べる。
なんか、お母さんのこと思い出すな…なんでだろ…
「ふぅ!食った食った!」
ダイトはお腹を叩きながら満足そうに言う。まぁ…アイナのお母さんが作ったおにぎり大きかったもんね…
「少し湖の近くに行こ…」
俺はボソッと呟くと、湖の近くに言った。
俺は少し悲しげの顔をして湖をぼんやりと見る。
「ん…?」
俺は足に何かが当たり、拾い上げる。拾ったのはサファイヤのピン留めだった。
「おーい!ユウト!何拾ったの?」
すると、アイナは不思議そうに俺の後ろからひょっこりと出てきた。
「アイナ…これ…」
俺はアイナのところを振り返り、さっき見つけたピン留めを見せた。
アイナはジーッとピンを見つめる。
「これユウトに似合いそう!」
「え?」
アイナはニコッと言うと、俺は意味がわからなかった。
すると、いつの間にかアイナは俺にピンをつけてくれた。
俺は湖を鏡にして自分を見た。なんだか別人に見えてしまう…
「そろそろ行こっか!」
アイナはニコッと笑いみんなに言う。
俺はバッグを持った。持ち物は大丈夫。
「んじゃ、出発しましょう」
カズキさんはニコッと微笑み出発した。
「それにしてもアイナは凄いよね〜」
俺はアイナの隣で歩きながら言う。
アイナは頭に『?』を浮かばせてる。
「だってなんか俺の方が年上なのにアイナが年上に見えるっていうか…」
俺は言葉の意味にごちゃごちゃに言う。
通じてるどうかわからないけど…
「だよな〜!お前小学生のくせに」
「あ?誰が小学生だよ」
「え?」
ダイトは中二病のことなんて忘れて眩しい笑顔をしながら言う。すると、アイナはダイトをギロリと睨む。
「誰が小学生だ」と聞いた瞬間ぽかーんとしながらダイトと俺で首をかしぐて言う。
「私は14歳よ!」
「えーー!!!!」
アイナは怒りながら言うと、俺とダイトはびっくりして叫んだ。
「わ、私を何歳だと思ってたの!?」
アイナはびっくりして俺とダイトに聞く。
「12歳」
「5歳」
俺とダイトは予想の年齢を言う。もちろん順番に。
「全然ちがーう!ユウトは良いとして…ダイト!!!」
アイナは俺のことはあっさり許してくれたけど、ダイトを睨みつけ、ダイトに怒った。
「こう見えても147cmよ!」
「お前チビだな〜!俺は160越えてるぞ?」
アイナとダイトはなぜか凄くみにくい口喧嘩をしている。
まぁ、二人同じ年だしね…
「ユウト様とてもこちらのピンお似合いです」
さっきまで黙っていたカズキさんは爽やかで優しい笑顔で褒めてくれる。
俺は顔を隠して照れた。本当に恥ずかしいんだから…
「もう着いたので喧嘩はお辞めください」
カズキさんは冷静に歩きながら言う。
すると、ダイトとアイナはお互い目を合わせないように離れて歩いた。
「わぁ!こんなところ凄い!」
「久しぶりに来たな〜!」
やっと目的地に着いた!
私達はホテルに向かった。
3.目的地!
「いらっしゃいませ。ではこちらの鍵をお使いください」
鍵を丁寧に渡し、札に書いてある号室のドアを開けて一休みする。
「うわぁ!広いな〜!」
俺は興奮して目を輝かせる。
なんか俺が生きていた時に来たホテルみたいだな…
すると、ドアをノックする音が聞こえ、ドアを開ける。
「失礼します。そろそろ木の実狩りの時間です」
「木の実狩り?」
ホテルの人は俺達にかごを渡す。
俺とダイトは声を揃えて首をかしげる。
「ユウトはわからないわよね。木の実狩りって言うとはね名前の通り木の実を取るのよ!」
「なるほど…でも俺どんな木の実が食べられるかわからないよ?」
「私も一緒にするのでご安心してください」
アイナはテーブルにあったチラシを見せて言う。
俺は少し心配そうな顔で言うと、カズキさんはにっこりして俺に言う。
ま、まさかカズキさんと一緒に…嬉しい!!
部屋から出て、広場に出ると木の実がたくさん実っている。
「制限時間は5分ですよ!よーいスタート!」
店員は言うと、一斉に木の実狩りを始めた。
て、てか…5分なんて短すぎだろ!!
「あぁ!あんなところに木の実!」
俺は大きな声で木の実がある場所に指を指す。
俺は木に登って木の実を取る。ゲームとアニメ好きのオタク女子だけどこう見えても運動はまぁまぁ得意なんだから!
「う〜!あともう少し〜!」
「ゆ、ユウト様!いったい何を!」
すると、下からカズキさんが驚いた表情で俺を見ている。
「大丈夫ですよ!よし!取れた!って…きゃあ!!」
俺はニヒヒと笑ってやっと木の実を取った瞬間木から滑り落ちる。
た、助けて………
「いたっ!!」
俺は何にも支えられずそのまま落ちた。
起き上がると、血が落ちてくる。
「ゆ、ユウト様!!大丈夫ですか!?」
「平気ですよ。俺男子っぽいしこれくらい平気ですよ」
俺は余裕で立ち上がる。すると、なぜかカズキさんは私をおんぶする。
「な、なんですか!?」
「部屋に戻りますよ」
すると、カズキさんは瞬間移動をした。な、なんかすげぇ…一瞬で部屋に着くなんて…
「包帯巻くのでじっとしてください」
カズキさんは俺に包帯を巻きながら言う。
なんだかカズキさん…私が落ちてから凄くイライラしてる感じがする…
「あの…カズキさん…」
「ん?」
「ご、ごめん…なさ…い…」
カズキさんは俺が呼ぶと俺の顔をまっすぐ見る。
俺はだんだん自分が情けなく思い、だんだん涙声になっていく。
「ゆ、ユウト様!?」
「俺が迷惑をかけたんだよね…本当にごめん!!」
カズキさんは凄くびっくりしてる表情。でも、俺はどうしても自分の責任だから深く首を下げる。
「ユウト……様…」
「……」
カズキさんは声が消えそうになりながら言う。
俺は気づかれないようにギュッと唇を噛み締める。
俺は馬鹿だ……カズキさんに迷惑をかけた…しかも、仲間のアイナにも…ダイトにも…
そして…みんなにも!!!
「顔をあげてください」
俺は恐る恐る顔をあげると、カズキさんはにっこり笑っていた。
すると、俺の頭を優しく撫でる。
「ユウト様は悪くありませんよ。私が悪いので…」
「そんな!俺の方が…」
「私の話を最後まで聞くまで絶対に喋らないでくださいよ?」
カズキさんは自分のことを責任感を感じて、俺はびっくりして口答えをする。
すると、人指し指で唇をおさえられ、耳元でひそひとと言う。俺はこくりとうなずく。
「まぁ、簡単に言えば私のせいなんですけどね」
「カズキさんは悪くないです…俺…カズキさんのこと…」
カズキさんはハハハと笑う。俺はカズキさんに言いかけた時………
「よっ!ユウト大丈夫だった〜?」
ドアをバンッと開けて木の実を大量に持ってきたアイナとダイトが居た。
「うん。まぁね」
「ご安心ください」
私は苦笑いを少しする。
カズキさんはサラッと言う。
なんか、カズキさん凄いな〜……
「それでユウト様何か言いかけましたがどうされました?」
「いえ、なんでもないです!」
カズキさんは首をかしげて俺に聞いてくる。
俺は恥ずかしくてなり、顔を赤くして首を振る。
さっき、俺何を言おうとしたのだろ…馬鹿みたい…
「俺ちょっと外に出るね」
「あ、はい。気をつけて…」
俺は椅子から立ち上がって、部屋を飛び出した。
「はぁ……」
俺は外のベンチでため息をつき、下を向く。
カズキさんに心配かけたな…もちろん、アイナとダイトとかみんなにも…
「ユウト〜♪」
顔をあげると、アイナがニコニコしながら俺を見る。
後ろには何かを持っているっぽい。
「何それ」
「これ?木の実ジュース!それ美味しいよ!どうぞ!」
俺はアイナが持っている物を指さして聞く。
アイナは俺に差し出す。せっかく、アイナがくれたんだし飲むか…
「美味しい…」
俺を目を輝かせながら言う。
横ではアイナは安心そうに俺を見る。
「アイナありがとう…」
「いえいえ!ため息つくと幸運が逃げちゃうからね!」
俺はにっこりして言う。
アイナはニコッとピースをして言う。俺のため息聞こえてたのか?
まぁ、気にしないでおこう。俺はまた木の実ジュースを飲んだ。
「ただいま〜」
俺は少し疲れ気味でベッドに倒れる。
うぅ…疲れた〜!
「ユウト様達そろそろお風呂入れるらしいですが行きますか?」
「あ…うん」
俺は置いてあったパジャマとタオルを持ち、アイナと温泉に向かった。
「ひ、広い…」
温泉のドアを開けると、誰もいなくて温泉は大きく、面積も広い。
俺はゆっくりお湯に浸かる。
「ふぅ…暖まる……」
俺はお湯に浸かって満足そうな顔をしながら言う。
温泉なんて何ヵ月ぶりだろ…
「そう言えば…ユウトって人間界ではどんな暮らしをしていたの?」
「………」
アイナは温泉にゆっくり浸かりながら俺に聞く。
俺はその時何かが胸に刺さった痛みを感じて黙ってしまった。
「ユウト?」
「…ん?どうかした?」
「いや、さっきの話聞いてた?」
「う、うん」
アイナはボーッとしている俺の顔を除き混む。
本当にこれは言って良いのだろうか…
「あ、ダメだった?!」
「……本当に聞きたいの?」
アイナは自分の口を強く塞ぐ。
俺は少し考え、髪を結びながらアイナに聞く。
「え…うん。良いの?」
「うん。アイナには言える気がするんだ」
アイナは口から手を離して聞く。
俺は握り拳を作り、こくりとうなずく。
アイナは女仲間でもあるから、アイナにはどうしても言いたいんだ。
アイナならきっとわかってくれるはず…
4.ユウトの過去
俺は飛鳥家の次女として生まれた。
4つ上の姉さんと5つ上の兄さんがいる。
「お姉ちゃん!お兄ちゃん!」
俺は昔からずっと兄さんと姉さんからめんどうを見てもらっていた。
兄さんと姉さんといるとなんだか暖かく感じるのだった。
父さんと母さんも優しかった。凄く優しくて家族で居る時間が夢のようだった…
小5になると、俺はあるものにはまっていた。ゲームとアニメを見ることだ。
よく、アニメ好きの友達とアニメイトに良く行っていた。
父さん、母さん、兄さん、姉さんは、クスクスとにっこりと笑い、
「ユウトはアニメとか好きなんだな」
「ユウトの好きなようにしなさいね」
と、俺の趣味を受け入れてくれたのだ。
誕生日プレゼントによくゲームを買ってもらう。
いつもゲームを軽々とクリアをして、ゲーセンでもたくさんゲームをクリアして『ゲーマー』とも呼ばれるようにもなった。
「ユウト!凄いな〜!」
「ユウト凄いね〜!」
父さんは、俺の頭を優しく撫でて、褒めてくれる。
そう言って貰えるから俺はゲームとかがたくさん好きになった。
_____でも…こんな楽しい時間は長く続かなかった……_____
ある、小6の2月の時だった。小6の時は姉さんと兄さんは高校生だった。
「ただいま〜」
俺はいつも通りに帰宅する。
いつも、姉さんがお菓子などを置いて、にっこり笑って出迎えてくれる。
「あ。ユウトか…今から出掛けるぞ」
「え?なんで?」
「いいから、準備しなさい」
俺は父さんに逆らえなくて、俺はランドセルを置くとすぐに行く準備をした。
「よし。準備が終わったか。出発するぞ」
父さんの車に乗ると、車が動き出した。
向かった先は病院だった。誰か父さんの会社の人が倒れたのかな?と思っていた。
「あら…みんな…」
すると、ベッドにはお母さんがいたのだ。
俺は頭が真っ白になった。
なんで、母さんが?なんで?
「ユウトには言ってなかったな…実は母さん…病気になったんだ…」
「え……」
俺は倒れ混みそうなくらいびっくりした。
なんで?昨日までは元気だったのに…なんで………
「で、でも…治るんでしょ!その病気」
「治るかどうかわからないらしいの…」
母さんは首を振って平気そうな顔をした。
なんで…どうして、絶対に治るって信じないの?なんで…なんで?
__次の日になると、父さんは仕事で行けなく、俺と姉さん、兄さんでお見舞いに行く。
「お母さん…大丈夫なの?」
「母さん、水とか買ってきたからな」
「3人ともありがとね」
母さんは兄さんからビニール袋を受け取り、にっこり笑いお礼をした。
「いや、お母さんの為だもの」
「早く元気になれよ」
「えぇ。わかったわ」
何分か経つと、私達は病院から出る。
母さんはその時良い笑顔をしていた。
俺は母さんの笑顔を見ると、安心した。
その後…母さんが病に苦しんだことも知らずに……___
俺はぐっすり眠っている頃だった。誰かから優しく体を揺すられる。
俺はゆっくりと目を開けると、姉さんが居た。
「どうしたの?」
「今すぐに着替えて」
「なんで?」
「お母さんが……」
ぷるぷる震えてる姉さんが「お母さんが…」と言いかけた瞬間…俺はハッと目を覚ました。
俺はテーブルに置いてあった服を乱暴に取り、着替えた。
「ユウト、準備終わったか?」
「うん」
「早く、車に乗りなさい」
俺は急いで父さんの車に乗ると、車で急いで母さんがいる病院へ向かった。
今は午前3時…車は走っているが、あまり走っていない。
今日は土曜日だし、学校はない。
病院に着くと、小走りで母さんの病室へ向かう。
「お母さん!」
俺は母さんの病室のドアを開いて、母さんを呼んだ。
「え……?」
目の前の光景は、母さんが寝ているベッドの周りで、大人が泣いている姿だ。
「おい……なんでだよ…」
「母さん……」
「お母さん…!」
父さん、兄さん、姉さんは涙をたくさん流している。
大人が泣いている姿…始めて見た…
俺は何故か泣けない…大丈夫だよ…きっと、「ユウト」って俺の名前を呼んで笑ってくれるよ。
…………でも、それは俺の妄想…
「……」
母さんの病院には最近行っていない。
俺は一人でぽつんとゲームをしている。
すると、玄関からインターホンが鳴った。
(きっとお母さんだ!)
俺はそう思い、笑って玄関を開ける。ところが…
「あ、サイン貰える?」
郵便配達の人は俺に聞くと、俺はペンを取り、サインを書いた。そして、荷物を受けとる。
郵便配達の人が出ていくと、玄関に倒れこみ、一人で泣いた。
もう、母さんとは会えないってこと…死んでしまったことを全部受け入れた。
中学生になると、5教科全部80点以上の点数を取り、学年のトップ10に入るくらいの成績だ。
体育は学年1位。部活はバレー部。頑張って練習などをしたせいか、身長は高くなっていく。最高で160cm以上も伸びた。
でも…後から絶望に変えられてしまう…
「お前は一体何をしてるんだ!!」
「ご……ごめん…なさ…い…」
ある時、トップ10に外された時だった。
父さんは、その事でカッとなり、男女関係なく、俺を殴り続けた。その痛さは酷く、いつも殴られる。まるで、俺が男の子のように…
_次の日になると、アザだらけで、包帯などを巻いた状態で学校に向かう。
教室に入ると、当然みんなはびっくりする。
「お、おい!飛鳥どうしたんだよ!?」
「ユウトちゃん、どうしたの!?そのアザ…」
みんなは俺の周囲に集まり、顔を真っ青にして質問を次々と聞く。
俺は、父さんから虐待を受けていることは、「誰にも言いたくない」と思い、
「ちょっと、ドジっちゃっただけだよ!」
「なんだよ〜!お前馬鹿だな〜!」
「大丈夫〜?」
と、こんな嘘をついた。嘘なのに…
みんなは、ホッとして笑顔になってる。私は誰にも気づかれないように、唇を強く噛み締めた。