これで、小説3作目です。
今回は、恋愛のお話です。まだまだですが、感想や良かった処などを書きこんで、応援して下さい!
アドバイスは大歓迎ですが、誹謗中傷などの荒らしは禁止となっています。
夏休みも終わり、亀更新になると思います。なるべく、週に1回は更新します。
皆さん、よろしくお願いします!
更新遅い時は、前作を読んで待って下さい。
https://ha10.net/novel/1533868840.html
私は、その時、身体に人生で初めての感覚がした。何というか、まるで身体中に電流が走ったような。ビリビリ、ビリビリ。そんな感覚。
一瞬にして、自分の心の言っていることが、分かった。
恋をしたのだと。
ピリリ、ピリリ、ピッ。
目覚ましの電子音で、身体を起こす。視界がまだぼんやりとしていて、眠い。自分の部屋から、一階のリビングへ向かおうと、階段を降りる。
今日の朝ごはんは、卵焼きに、味噌汁、ほうれん草のサラダ。後は、ピーマンの肉詰め。
「お母さん、ピーマン減らしてって言ったのに。」
昨日と同じ。又は、昨日より増えているくらいの量だった。
テレビからは、清々しいBGMが聞こえ、お天気アナウンサーが、今日の天気予報を言っている。
今日は、新学期初日。あっ。
「今日から、学校だった〜!」
私は、慌てて制服に着替え鞄を持つ。
「行ってきます!」
そう言って家を飛び出した。
学校に着いたのは、チャイムの鳴る直前だった。HRも終わり、今は休み時間。
「那月ちゃんって王子様みたい。」
「いろはの方こそ、お姫様みたいだよ。」
キャーキャーと、女子のみんなが感性をあげる。
「私も、那月に言ってもらいたい!」
「私も、私も!」
那月ちゃんは、きっと男の人より、イケメンだ。長いまつ毛。ショートカットのサラサラの黒髪。整った顔立ち。少し筋肉質な、脚。
男勝りの性格で、とっても頼れる。
「お姫様みたいだよ。」
また、キャーキャーと声が挙がる。私の、親友、紫藤 那月ちゃん。
キャラ紹介
白石 いろは シライシイロハ
高校一年の、女子。天然で、ドジ。この物語の主人公。運動が苦手。紫藤 那月の親友。
「やっぱり、いろはは、お姫様だよ!だって、腰まであるふわふわの茶色の髪の毛。サイドの三つ編みに、ぱっちりした目。ちゃーんと、ケアしてる艶のある肌。お姫様が、一番あってるよ!」
そんなこと言われると、照れてしまう。体温が、上がっていく。
「那月ちゃんが王子なら、私はただの使用人だよ…‥」
「おはよ。いろは。」
ちょっとだけそっけなく挨拶をしたのは、大輝だった。大輝は、小学生の頃より、私に冷たい気がする。
「おはよ!」
大輝と那月とは、小学生の頃からの仲である。二人とも、家が近いという訳でもないのだが、席が近かったりと色々と縁があって、今でも仲が良い。あと、もう一人‥…
キャラ紹介2
紫藤 那月 シドウ ナツキ
高校1年生の、女子。友達が多く、スポーツが得意。いろはとは、親友。王子と呼ばれることも。
「大輝、今日も寝癖がついてる。」
颯太だ。颯太も、小学生の頃からの仲である。小学生の頃から、ぼーっとしていることが多く、本当に男なのか疑うくらいだ。
「おはよ!颯太。」
夏休み明け、久しぶりに3人に会った。みんな、元気そうでなりよりだ。
目黒 大輝
高校1年。男子。スポーツが得意。モテたりもする。
今日は、始業式ということもあり、いつもより早く帰ることができた。
「ただいま。」
「お帰り!いろは。」
元気よく私の妹、華が応える。まだ、幼稚園児で子供っぽい。
「華は、今日も元気だね〜!」
私は、そう言って華を抱きしめた。リビングへ行くと、だらしない格好をした姉がいた。
「おはえりー。」
アイスを口に加えながら、私に挨拶をする。
「学校は、大丈夫なの⁉」
キャラ紹介
緑川 颯太
高校1年生。男子。ぼーっとしていることが多く、よく大輝といる。
姉は、口に加えていたアイスを手に持ちなおした。
「大学って、あんまり授業ないし大丈夫、大丈夫。」
さすが、白石家お気楽No.1。本当に、大丈夫なのだろか。心配になる。
自分の部屋で、のんびりしていると、母が声をかけてきた。
「華のスイミングの迎え行ってくれない?」
私は丁度、暇だったので返事をして、行くことにした。
華の通っている、スイミングスクールは、家から自転車で15分ほどの場所にあって、規模もそこそこ大きい。
自動ドアを通り、中に入ると受付のお姉さんが立っていた。さらに奥へと進むと、室内プールがあり周りの観客席に座った。このスイミングスクールは、大会の会場になることもある。
着いたのが速かったようで、少し時間がある
ちびっこクラスの、華の様子を見てみる。元気に笑って、変顔なんかしてふざけている。いつも通り、元気だ。
向こうの選手クラスを見てみると、一際目立つ人がいた。思わず、目を奪われる。
白石 舞
お気楽。いろはの姉。大学生。実は、3股掛けてるらしい……
一番速く泳いでいて、素人でも分かるほど、フォームが綺麗。
私は、その時、身体に人生で初めての感覚がした。何というか、まるで身体中に電流が走ったような。ビリビリ、ビリビリ。そんな感覚。
「えっ!いろはが、一目惚れ⁉」
「那月ちゃん、声大きい!」
私は、人差し指を立てた右手を、口のあたりに持ってきて、しーと言う。
「まさかいろはが、一目惚れとは。しかも、何処の誰だかも知らない人に!」
私は、那月ちゃんに真っ先に報告した。
「恋って、そんな簡単に落ちるもん?私は、いろはが変な男に取られないか、心配ー‼」
私は、そんなことお構いなしに言う。
「私、また華のお迎え行った時に、また見てくる!」
華のスイミングスクールの日は、週2日。少し速く家を出て、自転車をこぐ。心が、ワクワクで一杯で、あの人を一目みただけで、もうとても華やかな気持ちになる。
今日も、居るかな?と思い、選手クラスの方を見てみる
バタフライだろうか。やっぱり、他の人よりも速く、かっこいい。
帰り道、華を自転車の後ろの席に乗せ、ママチャリをこぐ。
「お姉ちゃん、今日いいことあったの?」
「えへへ。秘密〜!」
えーっと、言っている華の声が、住宅街に響いた。
「あのね、あのね。今日は…‥」
「またあの人の話?違う人のこと、好きになりなよ。大輝とかさー。」
私はまた休み時間、那月ちゃんに、あの人の話をする。
「えー。私、今はあの人のことで夢中なんだもん!」
今は名前も分からないのでとりあえず、「あの人」 と言うことにしている。
「あの人の、何処がいいの?話を聞く限り、もっといい男がいそうだけど。」
那月ちゃんは、ズバッと物事を言うタイプで、お世辞とかが苦手。それも、いいところの一つだと私は思っている。
「まず、あの人の名前くらい知らなきゃ!身元の調査する!」
「じゃあ、大輝に頼めば?華ちゃんと、同じスイミングスクールだったような…‥」
「でも、相談とか恥ずかしいし…‥」
私がそう言うと、那月ちゃんは少し悩んでから、こう言った。
「思いついた!」
早速、今日の昼休みに大輝を屋上に呼び出した。私は、結構いい場所だと思うのだが、まだ暑さのせいか人が私以外誰もいない。
あんまり、人には聞かれたくはないから好都合かも。なーんて、思っていたら、屋上の扉があいて、大輝が入ってきた。
那月ちゃんはここに呼び出したら、絶対お願い聞いてくれるって言ってたけど、大丈夫かな。ちょっぴり、ドキドキする。
「こんなとこに呼び出して、何の用?」
私は一回、呼吸を整えてから、言った。
「じ、実は、私の王子様を探して 欲しいの。」
「はぁ?」
大輝がそう言うのも、無理は無い。恥ずかしいが、一通り説明した。
大輝は、ため息をつくと、口を開いた。
「いいよ。とにかく、そいつについて調べればいいんだろ。」
「ありがとう!早速、今日からよろしくね! 報告は、明日のお昼休みにこの場所で。」
「分かった。」
水の音がする。ここはどこ? 記憶が無い。ここは、水の中? しかし、自然と息ができる。
下に、線が見える。これは、プールの中だ。下の線は、ラインだろうか。
プールサイドに上がろうと、上へ上へと泳いでみる。でも、足に鎖が繋がっているように下に沈んでいく。
ふわっといきなり体が浮いて、上に上がる。いや、正しくは上げられた。
助けてくれたのは、私の王子様?
顔は、残念ながら光の反射で見えない。
私の顔に近づいてくる。
口に、キスをされた。
ピリリ、ピリリ、ピッ
体を起こし、目を擦る。どうやら、さっきのは夢だったらしい。
とんでもない夢を見てしまった。
少し、恥ずかしいが嬉しい気持ちもある。
やっぱり、好きだなぁ。
昼休み。大輝との待ち合わせ場所の屋上へ行く。変な噂が立たないようわざと別々に来ているのでもう、大輝はいた。
「どう?分かった?」
「分かるか!だいたい、あんだけの情報しかないのに見つけられる訳ないだろう。もっと、特徴とか言って貰わないと。」
早口で、勢いに呑まれそうになる。えっと、特徴か…‥
「バタフライが、得意だったかな。」
「特徴少ないな。本当にソイツのこと好きなのか?」
「本当だもん‼」
ムキになって答える。だが、あまり特徴を言えなかったことには反論できない。
「報告終わりっ!教室戻るね。」
華のスイミングスクールは、月曜日と水曜日。今日は、水曜日だからあの人に会えるのは、来週か。遠いな。
今日は、待ちに待った月曜日。いつもだったら、月曜日なんて来て欲しくないなんて思ってるのに、わくわくする。
授業も上の空。早く、放課後にならないかな。
帰りの挨拶が済んだ瞬間、鞄を手に玄関に猛ダッシュする。その勢いで、家に着いた。
次は、鞄を放り投げママチャリに乗る。急いで、スイミングスクールに行って、あの人を目で追う。
(あれ?今日は、いないのかな……」
あの人の姿が見当たらない。休憩時間なのかも。と、ギリギリまで待ったが、華のお迎えに間に合わなくなりそうだったので、仕方なく諦めた。
昼休み、昨日は見ることは出来なかったがせめてなにか手がかりがあったらいいなと、期待が高まる。大輝が、入ってきた。
「どう⁉分かった?」
「えっと、そのことなんだけど……」
少し、間があき緊張が高まる。
匿名さんに、白石いろはを作ってもらいました。
https://i.imgur.com/pabOgeF.jpg
もう一枚。https://i.imgur.com/epUZVJM.jpg
36:七羽:2018/10/08(月) 19:11いろはちゃん可愛い!
37:菜梨◆azw:2018/10/08(月) 20:27 >>36
コメント、ありがとうございます!
匿名さんが、かなりイメージに近いものを作って下さったので、貼らせていただきました。
これからも、応援して下さると嬉しいです(*^^*)
>>36
ですよねー、いろは可愛い(´∀`*
>>38
ありがとう!
みぃちゃんの小説楽しみにしてるねー!
>>39
うん、ありがとう!私も更新待ってるよ(^^V
「見つかった。」
「え!」
思わず、声を漏らす。
「昨日、大会の記録を見たら一位だったのがソイツだったんだ。だから、ソイツだと思うんだ。ソイツは、女子にモテるから、いろは頑張れよ。」
「ソイツばっかり!で、誰なの?」
「名前は、赤塚 隼人。年は、俺らと同い年。」
ここまで、分かるなんて。正直驚いている。さすが、大輝と言いたい。
「俺、隼人とは結構仲良いから、協力してやるよ。」
「ありがとう‼」
今の気分は、例えるなら御花畑。飛ぶように教室に入る。
「なっつきちゃーん!大輝が、協力してくれるって‼」
「そ、それは良かったね。と、言いたいけど、もう我慢できない!私も見てくる‼」
机に手を叩きつけ、大きな声で言われた。
「いいよ!でも、ゴーグルで顔は見えないよ?」
「いいの!」
スイミングスクールの客席には、那月ちゃんが座っていた。
「那月ちゃん!」
「あ、いろは。どの人?」
いきなり聞いてくる。かなり、直球で。
「えっとね……。あの、黒のゴーグルと、キャップの人。」
「あの人?」
少し身を乗り出しながら、指を指す。
「そう!その人!」
「へぇ。」
少し、ニヤリとした顔で言われる。思っていたのと、少し違うかも。
昼休み。今日は、何かしてくれただろうか。赤塚 隼人さんだったけ。どんな人なのだろう。
「隼人と、今度の日曜、カフェに行くことになった。そこにいろはも来い。」
「え!やった〜!やっと会える‼」
喜びのあまり、大きな声で言う。
「11時現地集合。」
「うん!」
日曜日。
「ヤバイ!時間が無い〜!」
朝、目覚まし時計を見ると10時を差していた。あと、一時間。急いで朝ごはんを食べ、洗顔をする。
髪を一つに結び、ポニーテールにする。メイクは、時間が無いので軽くアイシャドーを塗り、リップで済ませる。
洋服は、クローゼットを開け、どれにしようと迷う。スポーティ?それともガーリー?
面白いですね。
49:菜梨◆azw:2018/10/23(火) 18:04 >>48
ありがとうございます!
そう言って頂けて、とっても嬉しいです。
時間があれば、続きも読んでみて下さい(*^^*)
結局、白のブラウスに、紺色の星が散りばめられたスカートを履いた。
急いで家を出ると、時刻は11時。ここから駅前のカフェまでは、徒歩10分。集合時刻は、11時。どう考えても間に合わない。
少しでも、遅れないよう、走る。スカートなので走りにくいが、けれども頑張って走る。早く、早く、早く‼
どうか集合時間までに着いて…!
52:菜梨◆azw:2018/10/24(水) 20:30 さて、どうなるのやら。
みぃちゃんの小説、続き気になる(≧∇≦)
リンリンッ。
息を切らしながらカフェのドアを開ける。店員が、決まり文句を言い、またこちらも決まり文句を言って通してもらう。どこ?大輝の姿を目で追う。
ちょっと私にはおしゃれなソファーに、大輝は腰掛けていた。その隣には、赤塚隼人さんらしき人物が座っていた。
大輝がこちらに気付いたようで、手を降る。
「あははっ!お前、遅刻?しかも、靴バラバラじゃないか!」
「え?」
私は、大輝に笑われたことに腹がたったが、私の履いていた靴は、確かに左右バラバラで、右に白のサンダル、左には黒のヒールを履いていた。
「別に、これくらい誰にでもあるでしょ⁉」
「いや無いって!」
大輝はまだ、腹を抱えて笑っていた。悔しい。私、初めてあの人と会うのに。
大輝の隣の席に座る。
「えっと、自己紹介しますね。私は、白石いろはっていいます。大輝とは、小学生からの知り合いです。」
「僕は、赤塚隼人。僕は、大輝と知り合ったのは中学の時だったかな?スイミングで、知り合ったんだ。よろしくね、いろはちゃん。」
私は、隼人さんはチャラそうな人だな、という印象を受けた。いきなりのタメ口。首には、銀のネックレス。茶髪で、髪にはパーマでもかけているではないだろうか。
那月ちゃんとは、真逆の王子様だった。
「よろしくお願いします。」
自己紹介が、一通り終わったところでメニューを見る。
あれ?こういう時って、何を頼めばいいのだろう。あんまりガツガツした物を頼むと、男らしいって思われちゃうし、サラダだけとかだとつまらない人だと思われちゃうかも。
そうだ‼
「すいませーん。あのこれを……」
「おまたせしました!「メガモリデラックスパフェ」になりまーす。」
そう、私が頼んだのはパフェ。がっつりもしてないし、つまらなくもない。女の子らしくて、いいよね!
「いただきまーす。」
メガモリデラックスパフェは、さくらんぼ、いちご、ぶどう、みかんなど様々なフルーツが乗っている。さらに甘い、いちごソースがかかっていて、高さは30センチメートルくらい。
「いろはちゃん。本当に、お昼ご飯それでいいの?」
「うん!」
とは言ったものの、やはり大きい。半分ほど食べたところで、お腹いっぱいだった。
二人は、もう食べ終わっていて暇そう。どうしよう。迷惑だよね……。
「いろは、お前絶対それ無理だろ。俺も、手伝ってやる。」
「僕も、少しくらいなら食べられるよ?」
「二人とも、ありがとう!」
ここでまさかの、救世主。まさか、大輝が手伝ってくれるなんて。しかも、隼人さんも。
私たちは、3人でパフェを食べ始める。私は、すぐに限界が来て脱落。けれども、2人が間食してくれた。
「ありがとう!本当、ごめん。」
「今度からは、自分の食べられる量を考えろよ。」
「あはは。ごめん、ごめん。」
笑って誤魔化すが、隼人さんの前でこんな失敗するなんて。穴があったら、入りたい。
「えっと、そろそろお会計だよね。お財布、お財布。あっ‼」
財布、忘れた。というか、鞄ごと忘れた。
「すみません。お財布忘れたみたいなので、お金貸して下さい!」
「いいよそんなの。僕が、おごるね。」
「わーー!本当ごめんなさい。いつか、この恩は必ず。」
「気にしないで。」
そう言って、払ってもらい、私たちは家に帰った。
「失敗した……。」
パフェは食べて貰うは、お金は払って貰うや、もう、本当私って最低。こんな女、嫌われたよね。
邪教に狙われてる助けて。
65:菜梨◆azw:2018/11/08(木) 20:47 大丈夫ですか?
親に相談した方が良いですよ(*^^*)
このようなことは、他の板の方が相談に乗ってくれる人がいると思うので、他の板の方でお願いします。
ピリリ、ピリリ、ピッ。
朝、身体を起こそうとするが、重い。昨日のことをまだ引きずっているよう。私の気持ちとは、反対に、鳥は可愛く鳴いていた。
今日は、スイミングスクールへ華の迎えに行くが、少し遅く家を出る。今は、隼人さんの顔も見る気にならないからだ。
しかし、この決断が不運なことに、隼人さんに会ってしまった。
おーい!いろはちゃーん!」
話かけられたなら、仕方ない。私は、自転車を降りた。
「この前は、すいません!お金なら、払いますので……」
まだ、前のこと怒ってるよね。なんで今、一番会いたくない人に会うのか。
「いいって、いいって。別に気にしてないし。」
「良かった!もう、てっきり慰謝料でも払わせられるのかと……」
隼人さんが、優しい人で良かったと、内心ホッとする。
「こんなことで、慰謝料なんて請求しないよ〜。それよりも、こんど遊園地でもどう?って大輝な言ってたんだけど。どう?」
迷いなんて、米粒一つも無かった。
「行きたいです!」
「良かった!あっ。そろそろ行かなきゃだから、またね〜。」
良かった〜。許して貰えて。一気に肩の力が抜けていく。ということは、まだチャンスがあるってことだよね。
今度は、遊園地か。そうだ!那月ちゃんも一緒にどうかな。会いたがってたし。でも、それだと大輝はいいとして、隼人さんにご迷惑だよね。
スイミングスクールの人が、じつは隼人じゃなくて、大輝だった!という展開を期待!!
大輝カッコいい!
小説、すごく面白いですね!
ありがとうございます!
さて、どうなるのやら。
続き、楽しみにして下さい(*^^*)
家に帰って、那月ちゃんにLINEで相談する。
「今度、遊園地に隼人さんと大輝と行くんだけど那月ちゃんもどう?」
5分後、返信があった。
「私がきたら、いろはの恋の邪魔になっちゃうよ?私は、家でエールでも送っとくわ。」
「ありがとう!」
今度は、遅刻するなんてことのないよう、前もって服は決めておく。
遊園地なら、動きやすい服がいいよね。カーキーのガウチョに、上にはスポーティなパーカー。キャップを合わせて髪型は、いつもはしないポニーテールにした。鞄は、黒のリュックにしよう。
寝坊なんてしないよう、目覚ましも用意。
今回行く遊園地は、電車で行くので、切符も買っておく。
お風呂では、むくみを取るマッサージをし、いつもより念入りに洗顔をする。
私は、準備万端で前日の夜を過ごした。
ピリリ、ピリリ、ピッ
朝、寝坊することなく起き、しっかり朝ごはんを食べる。
服も、メイクもバッチリ。リュックの中には、スマホ、ハンカチティッシュ、財布、メイク道具、切符。
「行って来まーす!」
電車に乗り、外を眺める。この格好で、大丈夫だったかな?忘れ物あったかな?不安な気持ちが横切る。
やっぱり残念ながら、嫌な予感は当たったようだ。
「あっ。」
しまった。と、思った時には遅かった。用意周到、完璧だったはずだった。
私、電車逆方向だった‼
電車を降り、ホームを出る。
「もしもし。大輝?実は、えっと、事情?的なので遅れるから……」
「事情って何なの?」
うっ。聞かれると思った。電車逆だったとか、ダサすぎだよね。絶対、馬鹿にされる‼
「色々っ!じゃあね。」
ブチっと、電話を切り、切符を買い直す。急いで、電車に乗る。多分、一時間は遅れるな……
なんか、遅いなとは思ってたもん‼ 気づかなかったけど……。
またやってしまった〜!もう、流石に愛想尽かされたかも。次こそはって、思ってたのに……。
「駄目だな、私。」
ボソっと、呟いた。
いろはーーーーーー!!!!!!
78:菜梨◆azw:2018/11/22(木) 20:56いろは、ピンチ!どうなるいろは。
79:みぃ◆VZbV1gU:2018/11/23(金) 08:42いろはファイト…
80:菜梨◆azw:2018/11/23(金) 20:46 今度こそ、本当に駅を降り、遊園地の賑やかなゲートを通る。
スマホを取り出し、大輝に電話する。
「えっと、もしもし。今どこ?」
遊園地の広場のところで、待ち合わせになった。広場には、沢山の親子連れがいて、お菓子を食べていたり、遊んでいたりする。
広場のベンチに座る。もう、このまま座って過ごすのも良いかもしれないなんて、思っていた。
大輝と、隼人さんがやって来た。
「いろは、大丈夫だったのか?」
「は?」
大輝に、そう声を掛けられて驚く。
「こいつさー。いろはちゃんが、事故にでもあったんじゃないかって心配してたんだよ。」
そうだったのか。大輝のくせに、心配してくれていたとは。ちょっと、嬉しい。
「えっと、この状況で言うのも気が引けるけど、実は電車逆でした。」
「は?あははっ!いろはらしいな。心配して、損したわ。」
やっぱり、笑われた。
「大輝の馬鹿!」
「まぁまぁ、二人とも。とりあえず、なんか乗ろう!」
隼人さんに言われ、仕方なくこの場を離れる。
「私、あれ乗りたい!」
私が、指さしたのはジェットコースター。しかも、この遊園地で一番怖いやつ。
「いいね!」
と、隼人さんは言う。
10分ほど並ぶと、係員の人が私たちを通す。ガシャンと、安全装置を付け、係員の人の元気な声で出発する。
でも、私はちょっと不満。
だって、隣が大輝なんだもん!
仕方ないよね。混んでるし。
それにしたって、大輝と隣なんて。しかも、顔が青冷めていやがる。
隼人さんの隣が、良かったな。
ジェットコースターは、どんどん上へ、上へと上がっていく。
ちらりと、大輝の方を見るとますます顔は青くなり、まるでこの世の終わりみたいな顔をしていた。
そんなことを考えていると、急降下。やっぱり、ジェットコースターは、これでしょ!
「あー!」
手を挙げて、叫んだ。もう、一度急降下したらあっという間。すぐに終わった。
降りると、大輝の顔は幽霊のようなげっそりとした顔をしていた。
「大輝って、もしかしてジェットコースター苦手だった?」
「別に」
大輝は、そう言っているが100パー嘘。口に手を当てて、足も少し震えている様子だった。
少し、申し訳ない。しばらく、ベンチに座りこむ。私は、スマートフォンをいじりながら大輝の方へ目をやる。大分、落ち着いて来たかな?
隼人さんは、飲み物を買っているようで今はいない。沈黙の、気まずい時が流れていった。
「あのさ、大輝。」
先に、沈黙の空気を破ったのは私。耐えられなくなっちゃった。
「何?」
「なんかさ、ごめんね。気晴らしにでもさ、観覧車乗らない?」
観覧車なら、早くもないし怖くもないだろう。それに、嫌な思い出が残るのは、悲しい。
「いいよ。」
そっけない返事だったが、少し表情が柔らかくなった気がして安心する。
早速、観覧車に乗る。私と、大輝は向かいに座る。そして、またもや沈黙の時間が続く。
あちゃー。話すこと、考えてなかった。想定外。
何もしないのも暇なので、外の景色を覗く。あっ!
「あのさ」
「大輝〜!見て見て、隼人さんがこっちに気づいたみたい!おーい!」
大輝の言葉を無視して、私はブンブンと手を降る。
「あっ。ごめん大輝。さっき、なんて言った?」
「俺も、隼人に気づいたとこだった。」
「一緒だね!案外、気が合うのかも?」
そんなことを言っていると、観覧車はどんどん下へ、下へと下がって行き、あっという間に終わってしまった。
「楽しかったね!」
「まあな。」
すっかり外は、夕焼け色に染まっていた。そろそろ帰る時刻かな?
「じゃ、そろそろ帰ろうか!」
そう言って、私たちは遊園地を出た。今日は、幸せだったな。長いようで、短かった一日だった。
「ねぇ。これから、カフェでも行かない?」
そう、隼人さんは言う。
「行きたいです!」
「あっ!俺、塾だから先帰るわ。」
そう言って、大輝は先に帰ってしまった。
「大輝、またね〜。」
私たちは、駅前のカフェに行くことになった。そこは、最近オープンしたばかりの、話題のカフェ。私もちょうど行きたいなって思ってた所だった。
カラン、コロン。
私たちは、二人がけのテーブル席に座り、ホットコーヒーを頼んだ。
「ここ、今度行きたいなって思ってた所だったんです‼」
「そう、それは良かった。」
隼人さんは、笑顔になったと思いきや、スッと真剣な表情になり身構える。
「あのさ。」
「はい?」
「付き合ってみない?」
隼人さんに突然そう言われ、フリーズしてしまう。今の私コンピュータだったら、理解不能というところだろうか。
「付き合う?」
「うん。彼氏彼女になろう。」
「え、えっと。私、そんなこと言われたの始めてで…‥。」
慌てる私に、隼人さんは予想内だったのだろうか。落ち着いているようだった。
「今日、返事くれなくてもいいから、とりあえず保留でお願いしたいんだけど…‥。」
「わっ、分かりました!」
出てきた熱々のコーヒーを、いっきに飲み干し、私はまるで、光の速さで電車に乗った。
帰りの電車。試しに、ほっぺたをつねってみる。
帰りの電車。試しに、ほっぺたをつねってみる。
痛い。夢じゃない。現実?
もう一回、つねってみる。
痛い。
あまりの非現実さに、信じられなかった。とりあえず保留にしといたけど、返事どうしよう。
隼人さんのことは、好きだけど。
でも私、あの時すぐに返事できなかった。隼人さんといると、安心する。でも、恋とかのドキドキとは違う気がする。
家についてからも、なんとなくぼーっとしていて、寝る直前までずっと考えてた。
どうしよう。
…‥‥ ピリリ、ピリリ、ピリリ、ピリリ、ピッ。
重い身体を起こし、目覚まし時計を止める。
ん?
時計を見ると、8を指している。
いつもは、6。
「寝坊した〜‼」
朝早くから仕事でいなかった私の親は、もちろん起こしてくれなかった。
今日に限って、二人とも仕事なんて……。
昨日は、ずっと隼人さんのことを考えていてほとんど眠れなかった。
「行って来まーす‼」
家を飛び出すと、慌てて学校へ飛び込む。
すると、校門の近くの裏庭に大輝と、女の子だろうか。二人が何か話している。
え!彼女?
思わずパッと、柱の後ろに隠れてしまった。もしかして、恋の予感⁉
耳をすまして、二人の話を聞いてみる。
「あの、私ずっと大輝さんのことが好きでした!」
彼女じゃない⁉
え?告白⁉
キャーー!大輝どうするんだろ。
「ごめん。」
あ、大輝、断っちゃうんだ。ちらりと、柱から顔を覗かせてみる。
わあ、美人。いかにも、マドンナって感じ。綺麗。
あんな可愛い子の告白断っちゃうんだ。
「俺、好きな人いるから。」
え!
いいこと聞いちゃった〜!
大輝好きな人いたなんて、知らなかった。誰なんだろ。
でも、いいこと聞いちゃったはずなのに、心がモヤモヤする。どうして?
私は、教室に入った瞬間真っ先に那月ちゃんの元へ、飛び込んだ。
「那月ちゃん!あのね……。」
私は、那月ちゃんに隼人さんのことと、大輝のことを相談した。
「いろは。あのね、実は、黙ってたんだけど、スイミングスクールのあの人、隼人さんじゃないんだ。」
「え⁉」
どういうこと?隼人さんにうっとりしていたをじゃないなら、誰に私はときめいてたの⁉
「誰?」
「いろはが一目惚れしたのは、大輝。」
「えっ⁉」
そんな‥……。私、ずっと大輝のこと、かっこいいって言ってたってこと⁉恥ずかしすぎる。
「嘘でしょ!」
「ほんと。」
ガーン。ちょっと、ショックを受けるが、なんだか少しホッとしたような、嬉しい気もする。
いやいやいや。嬉しいって、まるで私が大輝のことが好きみたいじゃん!そんなはずは、無い!
絶対、無い‼
やっぱり、隼人さんじゃなかったなんて、ショック‼
ましてや、大輝なんて!
「まぁ、折角告白してもらえたんだから、返事はいろはが良く考えた方がいいよ。」
「そっか……。」
私は、頭を一度整理して、考えてみることにした。
私、隼人さんと「付き合い」たいのかな?
モヤモヤする。
はぁ。
そういえば今日、華のスイミングスクールの日だった。思い出してみれば、最近スイミングで隼人さんと会ってないな。
返事、まだだけど見に行ってみようかな!
早速、家を出て、自転車に乗りスイミングスクールに向かう。
いつもの席に座ると、隼人さんを見つめる。
やっぱり、気まずいなー。
ていうか、なんで私来ちゃったの⁉
馬鹿馬鹿!
なんか、見たかったんだよね。
隼人さんは、やっぱり、速い。
やっぱり、恰好いい。
一着でゴールすると、ゴーグルを外した。
ん?
あれって、大輝?
よくよく見てみると、髪の色も違う。
那月ちゃんの言ってたこと、本当だったんだ。
てことは、ずっと大輝のこと恰好いいっ言ってたってこと⁉
ガーン!
恥ずかしすぎて、倒れそう。
まさか、本当に大輝だとは……
なんだか、もう見ていられなくなって、華だけ連れて帰ることにした。
丁度、休憩時間だろうか。大輝が下にいる。
急いで、通路を歩く。
顔を合わせたくなく、急いで階段を降りる。
手すりを使い、足を素早く動かして。
下を見、大輝と目を合わせず。
自分でも、顔が暑いのが分かる。
早く!早く!
あ。
「危ない‼」
そう言われた時には、もう遅かった。
「……は…‥ろは!…‥いろは!」
「うん?」
ゆっくりと体を、起こそうとする。全身が、ズキズキと痛い。
見慣れない蛍光灯のついた天井。腕に繋がれた点滴。
ふかふかの布団。掛けられた、毛布。
私を囲む、お母さん、お父さん、お姉ちゃん、華。家族たち。
ここは、どこ?
「いろは、目を覚ましたのね!」
「お姉ちゃん!」
お母さん、華は喜びの声をかけられる。しかし、お父さん、お姉ちゃんは、ただただ泣いている。
「……どうして、ここに?」
「え!いろは、覚えてないの?」
目を見開いて、こちらを見ている。
「でも、無理もないわね。強く、頭を打ったんだもの。」
何、それ?
自分の記憶を、呼び出してみる。
確か、あの日はスイミングスクールに行って…。
隼人さん見に行こうとして。
でも、大輝で。
それで、華を迎えようとしたら。
階段から、落ちた?
「私、もしかして階段から落ちた?」
「覚えてたのね。そうそう!それで、いろはの下敷きに大輝君が……。」
「え?大輝が、関係あるってどういうこと⁉ それに、下敷きって……。」
考えるより先に、話していた。
「今、大輝はどこ⁉」
お母さんの顔が、どんどん曇ってきた。
「隣の病室。まだ、目を覚ましてないみたい。」
「え?」
全身から、血の気が抜けるような気がした。
指先の病室が、ぼんやりとしてる。
足が震える。
手が震える。
怖かった。大輝が、遠いとこへ行ってしまうような気がして、怖い。
今すぐ行きたかった。でも、痛む体がそれを阻止する。
ああ。どうして。
何日たっただろうか。大分、体は治ってきた。
少しの散歩ならできるようになり、まもなく退院だそうだ。
しかし、まだ大輝は起きない。
点滴は、まだ繋がれたまま。
酸素チューブも繋がれたまま。
ベットで寝ているだけのようにも見えるが、本当は苦しんでいる。
申し訳ない。
今日は、外出許可が出たので、外に出ようと思っていた。
待ち合わせの喫茶店に着くと、もうあの人はいた。
「こんにちは。隼人さん。」
「いろはちゃん。」
ソファーに座ると、コーヒーを一杯頼んだ。
「今日は、お話があります。」
落ち着いて、話す。
「何?」
隼人さんは、もう分かっていたのか。少し、笑っている。
「ごめんなさい。私、他に好きな人がいるんです。」
「そっか、残念。」
隼人さんは、少し寂しいそうな顔をしていた。
「もしかして、大輝?」
「はい。」
すぐに当てられてしまった。さすが隼人さん。鋭い。
自分でも分かる位、顔が熱い。
「ねえ。大輝でいいの?」
そう言って、顔を近づけられる。
「はい!だって、私の王子様は大輝ですから。」
「そう。」
コーヒーを飲み干すと、御代をテーブルに置く。
「それじゃあ。」
そう言って私は、喫茶店を出た。
今日も私は、大輝の様子を見に行く。
意識は、無いようだ。
「あのさ。大輝。」
二人きりの病室で、窓に向かって話す。
「隼人さんに、告白されたの。でもね、断った。」
大輝は、聞いてないのに近状報告をしてしまう。
「何故かって?私、好きな人ができたの。その人はね。泳ぐのが得意で、ジェットコースターが苦手で、不器用で、でもかっこいいとこもあるの。
困った時助けてくれて、頼りになるし気軽に相談できる。大好きな人。
名前?名前は、目黒 大輝って言うの。驚いた?好きだよ、大輝。」
「俺も。」
聞き覚えのある声。そこには、大輝がいて、目を覚ましていた。
「大輝っ!良かった。」
目頭が熱くなり、涙がぼろぼろと零れる。
「いろは。無事で良かった!」
大輝は、顔が涙でぐしゃぐしゃだった。
私もだけれど。
「おっはよー!」
「おはよ。」
すっかり大輝も元気になった。
今は、水泳の大会にも出ている。
この前は、なんと地区大会で優勝していた。
こうやって二人で登校するようになって、何日目かな?
「ね。大輝、手繋ごう!」
「いいよ。」
そう言って大輝は、私の手を取る。
「えー。こっちがいいな!」
私は、大輝の指を絡めて恋人繋ぎをした。
「っ!」
あーあ。大輝、顔真っ赤。
まぁ、私もだけど。
〜完〜
あとがき的な物
これを読んでる、未来の自分とその知り合いへ
黒歴史確定だー(笑)
恥ずかしいので、そっとしてあげて下さい(笑)
読んで下さった皆様へ
最後まで、読んで下さりありがとうございましたm(_ _)m
一レスが短かったり、しばらく更新できなかったときもありました。
文章がおかしいところもあったと思います。
それでも、書ききれて良かったと思っています。
本当に、ありがとうございました!
もしよろしければ、今後の参考にしたいので、アドバイスや感想などお願いしますm(_ _)m
久しぶりに見たらなんか終わってたwお疲れ!