2作品目です。「たてすぎだろ」って思うけど気にしないで((気にするわ
これを読んでみての感想やアドバイスをください!
『あの星みたいに輝く君は…』と言う、小説も書いてるんでね、気になる人は>>3にURLを貼っとくので見てください!
>>2-4
登場人物
青山 夢奈(あおやま ゆめな)
ある日事故で記憶喪失になってしまった、小学6年生。
歌を聴くことが好き。
空野 美咲(そらの みさき)
記憶喪失になってしまった夢奈と友達になる。元気一杯な子。
主の作品
あの星みたいに輝く君は…
http://ha10.net/novel/1540283792.html
ストーリー
ある日、事故で記憶喪失となった夢奈は自分、家族、友達の記憶を忘れてしまい、友達も失ってしまった。ある日、元気の良い女の子 美咲から友達宣言をされ…?
プロローグ
「ん…」
目を開けると病院の中。周囲には知らない人達がいる。
「夢奈!!大丈夫?」
「夢…奈…?誰?」
「え…お母さんのことは?」
「え……誰…ですか?」
全然記憶ない私には、思い出せることが出来なかった。
「残念ですが、お子さんは記憶喪失になったそうです」
白衣を着ている人は言った。すると、お母さんと言っている人は涙を流していた。
なんで泣くのかは私にはシラナイ…
1.青山夢奈
「夢奈、体調大丈夫?」
ドアの音に気付き、起き上がると昨日来ていた人だった。
私はこくりとうなずく。
「そろそろ退院出来るらしいから退院の準備してね」
私はまたこくりとうなずく。私はパッと思い付いたことがある。
「ねぇ…お母さん…」
「ん?何?」
お母さんはにっこりと笑って振り向く。
「私って誰?私ってどんな人?」
「貴方の名前は、青山夢奈よ」
青山夢奈…これが私の名前…
お母さんによると、私は事故にあって記憶喪失になったらしい。記憶を失う前は明るくて友達がたくさんいたらしい。私…そういう風に戻れるといいな…
2.入院生活
入院してから約1週間がたつ。来週ぐらいには退院して学校に行けるらしい。友達出来るかな…
「青山さん、ご飯ですよ〜」
看護師さんがトレーに乗せたご飯を持っている姿を見て、私はゆっくりと起き上がった。
「食べ終わったら、ここの机に置いててくださいね」
看護師さんはにっこり笑うと、私は小さくうなずく。
「いただきます…」
私は小さな声で言う。
今日ご飯はいつもより少し美味しく感じない。食欲がないからかな…
消灯時間になると、私は自分の病室のカーテンを開ける。個室だから別に誰にも迷惑はかからない。
「今日もきれい…」
私はベッドに座り、空に移る綺麗な星を見る。それが毎日夜になるとやっていること。たまに、月が見えるともっと嬉しい。私もあんな風に輝いてみたいと思う。夜って素敵だな…明日は良いことがありますように…
3.入院している女の子
「そう言えばね、夢奈ちゃんに言い忘れてたんだけど、この病院には夢奈ちゃんと同じ年の子が入院しているんですよ」
「え?」
看護師さんがそう言うと、読んでいた本をしおりに挟み、看護師さんの方へ視線を向ける。
「ほ、本当ですか…?」
「えぇ。この一週間ここの病院で入院しているの」
へぇ〜、同じ年なら友達になれるはず!早く会ってみたいな…
「こんにちは〜!」
「あ、丁度来たみたいね。私は仕事だから行きますね」
元気の良い挨拶に気がつき、看護師さんはその場から去っていく。
女の子は松葉杖で体を支えてピョンピョン跳ねて入ってくる。
「えっと…私と同じ年の子がね、入院してるって聞いてきたんだ!」
「わ、私も…貴方に会いに行こうとしたの…!」
まさか、心が通じあってるのかなって正直わくわくしちゃう。
「私ね、空野美咲って言うの!呼び捨てで良いからね!貴方は?」
「私は……青山夢奈…」
空野美咲……良い名前だな…
「あのね、夢奈にお願いがあって来たんだ!」
「え、なぁに?」
「私と友達になってくれる?」
私の心に喜びの風が吹いた___!
4.友達宣言
「……」
個室に沈黙が続く。
「だ、ダメ…かな?」
「ううん、嬉しい!ぜひ、友達になりたい!」
私は美咲の両手をギュッと握り締めて言う。
「んじゃ、これからは友達として宜しくね」
「うん!」
私は記憶を無くしてから初めて友達が出来た。
___次の日。
(今度は私から美咲の部屋に行こう!)
そう思った私はカウンターの人に、美咲の病室を教えてもらい、病室へ向かう。
「確か、512号室…」
私はカウンターの人から教えてもらった病室を探す。
私の病室は502号室。同じ階だけど、少し離れている。
「あ、あった…」
私は512号室の病室を見つけると、ノックをする。
すると、ガラッとドアを開ける音がした。すると、そこには美咲がいた。
「夢奈、来てくれたんだね!入って!」
私は美咲から背中を押され、病室へと入る。
美咲の病室はスッキリとしていて、ベッドの横には、茶色のくまのぬいぐるみがあった。
「ねぇ、夢奈っていつ退院出来るの?」
「私は、来週の日曜日には退院するよ。星野宮小学校に転校するの」
「え!?」
すると、美咲が驚いている様子だった。私、なんかヤバいこと言った?
「私…土曜日に退院だけどね、私ね星野宮小学校に通ってるの」
「え!?」
こんな奇跡ってあるの!?
早く、退院して美咲と学校で会いたい!
5.美咲の退院
__土曜日。
ついに、美咲が退院する日がやって来た。私は明日で、一日違い。
「えっと、この白いお花をください」
私は綺麗に開花している白い花に指を指す。
今は、美咲の退院のために、病院の中にあるお花屋さんに来ている。
「ありがとうございました!」
私はお花屋さんから出ていくと、車が一台止まっていた。
やっぱり、今日本当に美咲…帰っちゃうんだね…
で、でも、一緒の学校だしきっと会えるよね!
「あ、そろそろ行かないと…」
私は小走りで病室へ戻る。
病室へ向かう途中、夫婦らしき人と小さい男の子が歩いていた。
もしかしたら、この人達が美咲の家族かなって思う。
「いいな…家族って…」
私はボソッと呟いた。
__11時30分を廻った。
この時間はついに美咲が退院する。
私は美咲の病室まで急いで向かった。
すると、そこには美咲の家族がいた。すると、美咲が私に気がつく。
「夢奈!来てくれたんだね!」
美咲は花束を抱えて、嬉しそうにこっちを見る。
お母さんらしき人が『誰?』と聞くと、美咲が『友達』と言ってるのが耳に入る。
「えっとね、これ花束」
「わぁ、ユリの花だ!ありがとう!」
美咲はまた嬉しそうに笑う。
実は、そのユリの花束の間に手紙が入っている。
『美咲へ
退院おめでとう!私は美咲が退院する日の次の日!正直、一緒に退院したかったな〜!でも、学校一緒だしまた会えるよね!
また会うときは学校でね!
夢奈より』
って書いた。
私は記憶喪失になって友達なんか作れる訳がないって思ったけど、美咲って言う向日葵みたいに笑う子と出会った。それが嬉しかった。
6.病院とバイバイ
「青山さん、今日退院ですね」
朝食を食べているとき看護師さんが嬉しそうに言う。
そっか、今日退院か…入院している時は退院を楽しみにしていたのに、退院すると聞くと、少し寂しい。
「青山さんと居るのもあっという間だったわね」
「そうですね…」
なんだか少し重くて気まずい空気だった。
「あ、青山さんにねこれを渡そうと思ったの」
看護師さんはポケットから何かを探る。
すると、手に置いてきたのは可愛らしい編み物。
「青山さんのお母様から『夢奈は猫が大好きなんですよ』って言ってたからちょっと作ってたんですよ」
「本当に良いですか?」
「えぇ、もちろん」
「ありがとうございます!」
私が猫好きだったこと、そして可愛らしい猫の編み物。こんなわくわくした気持ちは初めてかもしれない…
10時頃、コンコンとノックをする音が聞こえる。そこにはお母さんとお父さんがいた。
「夢奈、久しぶりね」
「うん」
お母さんの顔を見たのは何日振りだっけ…
今は午前中に退院すると聞いた。
「さ、荷造りしましょ」
お母さんは両手を合わせながら言う。
「では、私は失礼します」
看護師さんはゆっくりと病室から出ていった。
それから、棚の中などの荷物を出して、リュックに入れる。
「終わったわね。じゃあ、行くわよ」
「もう行くの?」
「えぇ」
寂しいな…って気持ちはあるけど、退院できて嬉しい気持ちもある。
「青山さん退院おめでとう」
病院の出入り口に着くと、私の担当をしてくれた看護師さんが色とりどり花束を渡す。
他にもたくさんの看護師さん、医員の方々がいる。
「短い間、お世話になりました!」
私は大きな声でお辞儀をする。
「元気でね」
「はい!」
そして、私は病院を後にし、家へと向かった。