どうも!
『解決事務所 パワフル☆ピース』(解フル☆)
『わじ小ラジオ部ON AIR!』(わじラジ部!)
『ガールズバンド フピガルッ!』(フピガルッ!)
シリーズ作者の、薫+*Mio+*です!(基本的には、薫)
掛け持ちは3作まで!と決めたので、飽きないように(小声)スレ建てました!
各物語のキャラクターの物語を書いていきます。
昔の物語だったり、本編に関係ある短編だったり、いろいろです。
感想などもぜひお願いします。
それでは………start‼
その1
『解フル☆』&『フピガルッ!』
『正直*嘘つき*好き*嫌い byミオウ』
《登場人物紹介》
真路美桜 シンジミオウ
小学4年生。有名な私立進学校に通う。
友達といるより、1人でいる方が気楽。
姉も優秀だが、本当にやりたいことを見つけたと言われて……。
真路美桐 シンジミキリ
中学3年生。ミオウと同じ学校(中高一貫校)に通う。
1人だが、友達といるのは好き。
優秀だが、本当にやりたいことを見つけて……。
『ミオウもミキリも、自分のやりたいと思えることを見付けるんだ』
亡くなったお父さんからの遺言。
私は、勉強をしたい。
とっくに、見付かってると思っていた。
でも、何かが欠けている。
脳内のパズルで、1かけら足りない。
そんなの、気にしてたけど気にしてなかったんだ…………
《正直*嘘つき*好き*嫌い byミオウ》
1.推薦
なんで児童会長戦に立候補する人を推薦で決めるの?
やりたい人が立候補すればいい話じゃん。
大体、立候補できる学年でも1番下じゃない。
児童会長?なれるわけないよ。
そう思うのは私だけではない。
児童会なんてやりたい人が好きにやって、自分達は勉強をしていたい。
みんなの瞳に、そう書いてある。
「だれか、推薦する人はいますか?」
誰が手を挙げますか。
絶対に、挙げない。
しかし、高畑さんは違った。
堂々と手を挙げて、指名される。
ま、関係ないんだけど。
「真路さんがいいと思います!」
……………
……………
……………は?
私?真路って、私だよね。
私なんかが?
「他にいませんか?」
先生が確認を取るが、誰も反論はしない。
だって、自分には関係ないことだから。
ふんっ。
「じゃあ、真路さんで決まりでいいですね。真路さん、いいですか?」
なんだよ。
でも、4年生は推薦されたから、と直ぐに立候補という形になるわけではない。
4年生の推薦された人同士で予選(?)がある。
だから、悪くはない。辞退もできるし。
それに………私がやればいいんでしょ。
そうすれば、面倒臭いことにならないもんね。
時間だってかからない。
自分が推薦されるかも、と怯えることもない。
……私がやれば。
……………私が、やれば。
>>3
小中一貫校です。すいません。
2.姉
その日私が家に帰ると、珍しく姉、美桐がいた。
いつもはソフトボール部として活動して、その後塾に行き、学校の宿題、予習復習をしている。
いわゆる『文武両道』というやつだが、今日何故かソファーで休んでいる。
「お帰り、ミオウ。その顔どうしたの?」
は?
顔?
「いつも通り。地顔だし、何もついてないと思うけど」
なに?
姉さん、おかしくなった?
「違うわよ。表情。なにかあったの?」
なによ。
なんでそんなことも分かるわけ。
神様は酷い。
世の中は不公平だ。
私がいくら頑張っても、姉さんにはすぐ見抜かれて、先を越される。
姉さんだって努力しているのは知っている。
でも、なんで美人で性格も良くて、勉強も運動もできる人なの?
私がいくら努力したって、姉さんには追い付けないし、抜かせることなんてなにもない。
だから私は、姉さんが嫌い。
だから一方的に話しかけられても、優しくされても困るのは私。
児童会長戦のことも絶対に話さない。
なんで今日は帰りが早いかなんて、絶対に聞かない。
「なんかあったんでしょ?話聞くよ?」
姉さんはずるい。
姉さんなんかに分かるはずない。
私は、塾の予習、復習で忙しいの。
そう言おうとしたけれど、私の口から出たのは絶対に言わないと決めていた言葉だった。
「実は、児童会長戦に………」
神様は酷い。
世の中は不公平だ。
どうして、姉さんばかり恵まれているのだろう。
3.大鳥湖子
『そうねぇ。ミオウは学校をどういう風にしたい?それを言えばいいと思うな。最初は自分の理想でいいのよ』
昨日、姉さんから言われた言葉。
私が求める環境。
それを言葉にすれば良い、と。
早速、学年予選で読み上げる原稿を作った。
別に、なにも難しくない。
完璧な原稿だし、完璧な話し方も身に付けた。
だから、きっと予選は通過するだろうな。
心の何処かで、そう思っていた。
予選を通過したら、本戦が待っている。
それを思うと、ドキドキしたけれど。
その気持ちが幼稚すぎて、気付いていたけれど気付いていない振りをした。
自分の気持ちに蓋をして、心の中で唱える。
私は、やりたくてやるんじゃない。
仕方なくやるんだ。
そうすると、教室の入り口からワアッと騒がしい声があがった。
「ねぇ〜真路さんている?」
幼稚なねちっこい話し方。
気持ち悪いくらい幼い。
ふんっ、なにあの人。
「真路さんて、テスト毎回1位の人でしょ?」
「あー、テスト以外で見たことも聞いたこともないわ」
ケラケラ、下品に笑う声。
あんな下品でレベルの低い人たちに知られてなくて良かった。
心底そう思った。
私に何の用よ。
朱に交われば赤くなる、って知らない?
私のレベル下げないでよ。
ふんっ。
「あ〜れ〜、真路さんはぁ?いないのぉ?」
1番はじめの、ねちっこい話し方の人が聞く。
……うざったい。
でも、空気を読めない高畑さんが、手をブンブン振る。
「この子だよぉ〜真路美桜ちゃん!」
ミオウちゃん、って。
馴れ馴れしく呼ばないで。
「あ〜、あれが真路さん?初めて見たわぁ。ダサくない?ははっ、うけるー!」
あ、そうですか。
だからなんだ。
あなた達に関係あるの?
「ねー、真路さん?私、大鳥湖子!お、お、と、り、こ、こ!」
耳の悪い人に言うようにのんびり言われて、カチンと来る。
でも、あなた達と同じレベルになりたくないの。
言い返したら、この人達よりずっとレベルが低い。
「あのねぇ、ウチ〜生徒会戦、立候補したの!ぜぇーったい、負けないよ?」
あっそ。
私だってあんたには負けたくないわ。
「何の用ですか?」
私はたまらず、声を出す。
が、意外にも冷たい声になってしまい、場の空気が変わる。
「えー、これが真路?だっさ〜」
「声聞いた?イカれてない?」
「てか湖子〜、こんな奴には絶対に負けないっしょ!湖子と戦うにはレベル低すぎない?」
あんたらのレベルが低いんだよ。
そう言いそうになって、口をおさえる。
「なんの用か聞いているんです。用が無いなら帰ってください」
私がピシャリと言うと、他のクラスの人は悪口を言いながら出ていく。
うざったい。
でも、この件でより私は自信がついた。
あんな低レベルの人には負けない、って。
4.どうして
「それじゃあ、予選突破したのは〜っ、大鳥湖子さんです。皆さん、拍手‼」
なんで………どうして……。
私の方がレベル高かった。
完璧だったもん。
なのに……なんであんな人が?
なんでこんな人が?
なんでこんな低レベルな人が選ばれるの………
この予選は、4年生の立候補者以外の人の投票で勝負をつける。
自信あったのに……。
なんて、思ってないしっ!
あー、幼稚幼稚。
自分が嫌になるよ。
でも、なんで大鳥湖子が?
あのうざったい大鳥湖子がなんで‼
教室に戻る途中、ひそひそとした声が聞こえた。
「真路さんなんかに投票する人いるのかな?」
「いないっしょ〜っいたら凄い!」
「湖子は友達多いし?あんなボッチに誰が投票すんの?」
ケラケラ、下品に笑う声。
あっそ。
そんなこと言う人に投票する人、いるんでしょうかね?
「ね〜ぇ、ミ〜オウちゃん?誰に投票した?」
高畑さんだ。
「私……」
「あ〜そっか、立候補したんだったね。ごめぇん、忘れてたぁ」
は?
高畑さんが推薦したんでしょ?
「ウチねぇ、誰に投票したと思う?」
そんなの誰でもいいし。
関係ないじゃん。
「あのねぇ、湖子ちゃんに投票したよ〜ねっ、ねっ?」
なんだよ。
うざったい。
自分で推薦したくせに。
なによ。
この風景を、大鳥湖子が満足そうに見ていた……。
5.菅名茜さん
下校中。
「真路さん‼」
………………?
地味な見た目の女子(ここは女子校だけどね)が走ってくるのが見えた。
あっ!
いつもテストが2位の……
「菅名さん?」
菅名茜。
私の勉強のライバルのような人。
「あっのっ、ハア、ハア……わた、し……ハァ……」
菅名さん?
大丈夫……ですかね?
息が静まって、菅名さんは言った。
「あの、大鳥湖子さんの事なんですけど……みんな、仲良から、って理由で投票して不公平だって先生たちが話していましたよ」
「はい……?」
「うん、だから……じゃあね?」
え?
これを言うためだけに?
なんで………?
なんで………?
>>12
仲良いから、です。すいません!
6.正直*嘘つき*好き*嫌い
「ミオウ、じ……」
「ほっといて‼」
なんでだろう、姉さんを拒絶してしまう。
でも姉さんは悲しそうな、でも嬉しそうな顔をしている。
姉さんにとって、私はなんでもない。
ただの家族。
家族は特別だと言うけれど、姉さんなんて。
私の苦労も知らずに生きているんだから。
姉さんのやりたいことなんて、勉強に決まってる…………ふと、お父さんからの遺言を思い出した。
自分のやりたいことを見つけろ。
姉さんなんて、とっくに見つかってるはずだよ。
私は……私は、なにかが足りないのに。
姉さんになんて、私の気持ちが分かるわけない。
私が勉強の合間に水を取りに行こうとした時、事件は起こった。
私は2階にある自分の部屋で勉強をしていて、1階のリビングにある水を取りに行こうと階段を下りた。
半分ほど行った所だろうか。
話し声が聞こえた。
姉さんと、お母さんの。
「だから私は、やりたいことを見つけたんですっ………!」
頭が真っ白になった。
なんで……見付かってなかったの?
自分のやりたいこと。
じゃあ、なんで隠してたの………。
急に頭にクラッシュバックされた。
部活に行かず、早く帰ってきた姉さん。
どこか嬉しそうな顔の姉さん………。
「それは、何?」
お母さんが聞く。
勉強でしょ。
勉強と言って。
私は何故こんな気持ちになるんだろう……
でも、それを私は知っている。
姉さんに、自分の憧れを押し付けているんだ。
そして、姉さんが言った言葉、それは………
「バンド」
嘘つき。
嘘つき。
私にはなにも言わなかったのに。
でも、正直。
でも、嘘つき。
嘘つき。
嘘つき。
嘘つき―――――
姉さんなんか大嫌い。
大嫌い。
大嫌い。
大大大嫌い。
なんだよ。
悔しい。
また、先を越された。
また、先を越された。
なんでよ。
なんでよ。
なんでいつも、私は姉さんに追い付けないのだろう――――
先を越された、悔しさ。
私には何も伝えてくれなかった、という嫉妬。
この件があって、私は姉さんが嫌いになった。
バンドだって。大嫌い。
心の狭い人だ、くだらない。
自分でもそう思うけど、今更姉さんを応援するなんて、私のプライドが許さない。
だから、人とは関わらずに生きていきたかったんだ。
2年後、解決事務所という不思議な空間で、浄坂桃奈と共に成長していくことを、この時の私はまだ知らない。
《正直*嘘つき*好き*嫌い byミオウ》END
ミニあとがき&解説
はじめまして!こんにちは!薫といいます。
このスレの説明……とかはいいとして、この物語について解説。
本編『解決事務所 パワフル☆ピース』の主役の一人、ミオウの4年生の時の物語。
なぜミオウが人とは関わりたくない、楽しいだけじゃやっていけない……と考えるようになったのかについてのエピソードです。
詳しくは、ぜひ本編を読んでください。
もう一人、ミキリはミオウの姉。
まだ始まっていませんが、『ガールズバンド フピガルッ!』の登場人物。
意外と大事な役です。
このエピソードを心にとめて、読んでいただければと思います。
また、詳しいキャラクター設定についても創作板で書いておりますので、ぜひ見てください。(ウザいくらいの宣伝すみません)
読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
次はトウナの話かな……お楽しみに!
(byミオウってことは、ミキリも書くことになるのかなぁ←独り言)
本編です!感想もぜひお願いします。
『解決事務所 パワフル☆ピース』(小説板)
http://ha10.net/novel/1501480340.html
『ガールズバンド フピガルッ!』(小説板)
http://ha10.net/test/read.cgi/novel/1503290818/l50
『薫の小説裏設定集』(創作板)
http://ha10.net/sou/1502247037.html
もう一度いいます。
ウザいくらいの宣伝、ごめんなさい‼
ちょ〜っと付けたし。
掛け持ち3作までとか言いつつ、新作スレ立てることにした(バカな)作者です(笑)
その2
『解フル☆』特別編
『ねーちゃんのヒミツを暴け!』
《登場人物紹介》
浄坂檪(じょうざか くぬぎ)
小学3年生。トウナの弟。
双子の兄。お調子者でおちゃらけているが頭はいい。
浄坂檜(じょうざか ひのき)
小学3年生。トウナの妹。
双子の妹。落ち着いていてシャイな性格だが、頭はいい。
浄坂桃奈(じょうざか とうな)
小学6年生。くぬぎとひのきの姉。
解決事務所員として人の悩み相談に乗り、前向きにするヒミツの仕事をしている。
怪しい。
ねーちゃんは、絶対に怪しい。
今までより、出掛けることが多くなった。
普通なら、有名アイドルや名門校の児童会長と仲良くなったりしない。
去年までボッチだったねーちゃんが。
絶対に秘密があるんだ。
絶対に、このくぬぎ様が暴くのだ!
ねーちゃんの、秘密!
《ねーちゃんのヒミツを暴け!》
1.ねーちゃん
オレのねーちゃんはバカだ。
そして超ポジティブだ。
とても賢い天才の弟、くぬぎ様とは大違い!
とても賢い天才の妹、ひのきとは大違い!
それに、ポジティブな所だって、オレ達とは違う。
ひのきはいつもオドオドした、ネガティブな妹なのに。
そんなねーちゃんは、今年になってものすごく変わった。
今までボッチだったのに、友達が沢山出来た。
ユイカさんやモナミさん、ミオウさんのような素敵な人達の他に、超有名アイドルや名門校の児童会長さん等も。
他にも、沖縄宛の手紙を書いていたのも見たことある。
そんなこと、ある?
オレ達はねーちゃんが思っている以上に、ねーちゃんのことを知っている。
だから決めた。
オレがねーちゃんのヒミツを暴く!
2.ひのきの協力
翌日、早速調査開始!
まずはテッパンの、さりげなく事情を聞くところから!
でも、これには期待しない方がいいね。
このくぬぎ様の過去の経験から、こんなのじゃ簡単に誤魔化されることを知ってるんだから!
じゃ、ねーちゃんの部屋に……
「行ってきます!あぁ、ミサンガ遅れちゃう‼」
しまったぁ!
今日はねーちゃんの習い事の日じゃん。
プラン2に変更だ!
オレは抜き足、差し足、忍び足……でねーちゃんの部屋の前まで行くと、ドアノブにそっと手を掛ける。
こっそりねーちゃんの部屋に入って、ヒミツを探るんだ!
「くぬぎ?何してるの?」
ビクゥッ!見付かった?
「?くぬぎ?」
あ、ひのきじゃん。
「ビックリさせるなよぉ」
「で、何してるの?」
目をキラキラさせて、ひのきが聞く。
フフン。
ひのきは外では大人しいけど、好奇心旺盛でイタズラ好きなんだよな!
これは、きっとオレしか知らない。
「じ、つ、は……」
今までの経緯(?)を説明すると………ひのきは目をキラッキラにさせる。
次のセリフは、当然……
「わたしもやるっ!」
だよなぁ。まあ、悪くはない。
ひのきだって、賢いし。
二人で協力すれば、ねーちゃんのことなんてすぐ分かっちゃうんだなぁ〜
このくぬぎ様とひのきで、ねーちゃんのヒミツをすぐに暴いちゃうぞ!
3.後をつける!
で、それから。
ねーちゃんが何をしているかを調べるために、放課後、ねーちゃんを尾行した。
放課後、いつもどこかに出掛けてるねーちゃん。
ここにヒミツが隠されてる!
……はず。
薫ちゃん上手いね!
29:薫+*Mio+*◆v.:2018/03/23(金) 15:48 オレの予想は当たった。
毎日、ねーちゃんは同じ所に欠かさず行ってる。
それが分かって調子に乗ったオレたちだが……。
そこから先が分からなかった。
毎日行く公園も突き止めた。
でも、そこから先がどうしてもわからない。
公園に入るとすぐに見失う。
消える?ねーちゃんが。
そんな風に、ねーちゃん宇宙人説まで浮上した。
そして、毎日が過ぎていく。
オレとひのきも分からない、暴けないヒミツって……
なんなんだよーーーーっ!!!!
(おわり?)
あとがき
最後の方、雑ですみません。
ただ単に、トウナに双子の弟妹がいるのを知って欲しかっただけです(笑)
皆さんのまわり、双子っていますか?
私は学年にいました。
双子の男の子、全然似てない二人でした。
だから似ている女の子の双子や男女の双子……実際に会ってみたいです。
また、徐々に葉っぱ復帰していきますので、よろしくお願いします!
薫でした!
《あの子に負けたくないから byモナミ》
『解フル☆』登場人物
神野最那実(かんの もなみ)
気の強い、プライドの高い小学一年生。
ユイカの幼馴染。
真田唯科(さなだ ゆいか)
気の弱い小学一年生。
モナミの幼馴染だが、本心は分からない。
はい!ちょっと>>31休みます!
〜乙葉にお礼する短編〜
こちら、◯◯県M市、律鎌小学校にて。
モナミは会議室の机をイライラと叩く。
「もう、なんでこんな時にあの人は遅いのよ!まったく」
「まあまあ、モナ落ち着いて……」
「トウナは本当に時間にルーズだから……。初めて会ったときなんて、待ち合わせ場所の前で45分も躊躇ってたのよ」
ユイカ、ミオウの言葉を聞いたモナミが、フンッと鼻を鳴らしたその時。
「遅くなってごめん!いやー、間違えて教室行っちゃったー」
トウナが騒がしく入ってきた。
「「遅い!」」
案の定、モナミとミオウに怒鳴られる。
「ごめんってば!!ユイカー!助けてー!」
助けて……と言っているが運動神経だけは良いトウナ、逃げ足もめちゃくちゃ速い。
「みんな、集まったんだからちゃんとしないと……」
ユイカの声に、みんなの動きが止まった。
「せーのっ」
「改めて!乙葉、七瀬ちゃん夏音ちゃん紗彩ちゃん、お祝いありがとう!これからもよろしくね!!」
END☆
>>32
一人称で、トウナが事務所に行く〜事務所メンバーで挨拶っていうのにしようかと思ったけど、こっちで。
ミオウとモナミは面識ある……って、本編でちょっとやったよね?(多分……)
ってことで小説再開します!
>>31
あたし、モナミの幼友達ユイは、本当にヘタレだ。
ヘタレというか、弱い。
とにかく内向的で、幼稚園ではあたししか友達がいなかった。
っていうか、他に友達が出来ないようにしていた、というところだろうか。
あたしだったのだ。友達がいないのは。
仲の良い子はたくさんいる。
でも、本当の友達はユイだけだった。
でも、バカなあたしは
「ユイよりすごい」
と威張ることで、ユイに必要とされたかったのだ。
だから小学生になってユイにも仲良しが出来たとき、言った。
詳しくは記憶にないが、
「あたしだけと話すか絶交するか選んで」
という感じだったと思う。
それで、
「これからもモナと仲良くしたい」
と言って欲しかったのだ。
これからも、あたしと仲良くしてね。
その一言が言えれば。
意地を張らずにいれたのに。
その一言が言える人は、強い。
言えなかったあたしが、ヘタレなんだ。
あたしが言えたら、あたしが……。
あたしがもっと、強かったら。
強がらずにいれたら、ユイは………
あの子に事実上、負けていると思われたくなかったあたし。
負けたくない、その意地がなければ。
その意地がなければ、よかったのに…………
《解フル☆1話に続く》
〜ユイカの場合〜
私が、弱かったから。
小学生になって、いけると思った。
みんな友達を作ろうとしている。
その波に乗れば、私もたくさん友達ができる。
そう思って。
幼稚園でも、友達を作ることはできた。
でも、モナが言ったから。
「ユイはあたしといればいい。他に友達いなくても大丈夫」
それは、『あたしと仲良くしてね』っていう、モナの優しさの裏返し。
それに縛られていた。
内気でも内向的でもない私は、モナに必要とされない。
モナと仲良くしていたいから、内気だ、内向的だって自分に言い聞かせた。
そう。
モナに迫られたあの選択の意味を私は分かっていた。
『あたしとも仲良くしてね』ってモナは言いたかったんだ。
それを知りつつ、絶交を選んだ私。
私が強ければ、「みんなで仲良くしよう」って言えたら。
その一言が言えたら、また違ったはずなのに。
その、一言が言えなかった。
ヘタレなんだ。弱いんだ。
内気でも内向的でもない。弱い。
その事実を受け止められない人は、もっと弱い。
一言言えなかったヘタレは、弱虫は、強くなれたのだろうか。
強くなれて、その一言を言えたら、また、きっと………
《解フル☆1話に続く》
あとがきっぽいもの
この話は、いつか書かないと、と思っていました。
モナミとユイカのゴタゴタは1話にありましたが、少々ぶっ飛んだところがあるので。
解フルの、「こんなの初めて聞きました!」という感じの物語進行は、非常に良くないなぁと作者も思っていたところなので、その説明をいつか、と思ってました。
果たしてそれはいつなのか……?
それまでお付き合い、よろしくお願いします。
感謝を込めて、薫
解フル☆SS
@始まり
水晶を見つめて、声をかける。
「ソウマ、そろそろ」
「おう」
今年はどんな奴が来るんだろうな、ミクさん。
ソウマの声が聞こえた気がした。
1年が始まる、今日―――
A呼び方
「ねえ、ユイカー」
「なに、トウナちゃん」
「ユイカって、わたしのことちゃん付けするよね」
「えっ?うん」
「トウナ、って呼んでくれる?」
こっちは呼び捨てなのにちゃん付けされると、変な感じだから。
そう付け足す、トウナちゃん……じゃなくてトウナ。
「えっと、トウナ……」
今日も平和である。
Bあの子の分も
運動は、そこまで得意ではない。
トロいと言われているのにも無理はない。
実際、トロいし鈍いのだから。
でも今回の持久走は、頑張ると決めていた。
できるなら、りんごちゃんの分も。
喘息がひどいから、持久走大会には出たことがないと言っていた。
だから、りんごちゃんの分も。
持久走は、練習した分だけ速くなる。
だからわたしが頑張って練習したら、いい記録が出せる。
だから―――
トウナさんに手紙を送ろう。
トウナさんなら、持久走で速く走るコツも知っている。
C私の分も、きっと
そろそろ持久走大会の季節だ。
私は1度も出たことがないけれど、まことちゃんは出るのだろう。
――元気にしているかな。
きっと沖縄で頑張っている。
私の分も頑張ってくれるだろう。
まことちゃんなら。
手紙を書こう。
まことちゃんが頑張っている。
そう思うことで、狭い東京での入院生活にも耐えられるから。
『沖縄県那覇市……空閑まこと様』
元気に、していますか?
今回のSS4つ、
@ララさん(ららこ みく)
Aユイカ(真田唯科)
Bまことちゃん(空閑まこと)
Cりんごちゃん(飴石りんご)
視点になっています。
沖縄の二人組の話(覚えていますか?)でも特に、まことちゃんは出番が無いに等しいな……と思っていたので、またちょくちょく出していきたいです。
どうでもいいですが、まことちゃんとりんごちゃんは作者の私が唯一ちゃん付けで呼ぶキャラクターです。
出番がないから、忖度しているといったところでしょうか……。
《5年生の時のトウナと大地》
浄坂桃奈(じょうざかとうな)
底抜けに明るく能天気な小学5年生。
友達とクラスが別れ、現在ぼっち。
チアダンスが得意で、運動神経が良い。
天宮大地(あまみやだいち)
トウナと同じクラス、隣の席になった男子。
爽やかなスポーツ少年で勉強もそこそこでき、まあまあイケメン。
女子の事は余り好ましく思わないが……。
>>43
名前間違えました……。
トリップかえました、これからはこれで統一しようと思います。
《大地side》
5年生に進級した。
仲が良いヤツがいるとかいないとか、そういうことはどうでも良かった。
友達がいないなら、作ればいいじゃん。
そんな考え、女子にはないらしい。
もしくは、そう思っても行動に移せないのか。
……女子って、面倒だ。
なんて思っていたオレが、女子に惚れるなんて。
当時は信じられなかった……。
《トウナside》
なんでこうなんだろう。
……クラスが離れたら、親しくなくなるなんて。
毎年おかしいと思っている。
だから話しかける。
遊ぼうって言う。
おはようって挨拶する。
でも、だんだん距離が離れて行くのは何故だろう。
なら、新しい友達を作ろうって思う。
だから話しかける。
遊ぼうって言う。
おはようって挨拶する。
それなのに、会話が続かないのはどうしてだろう。
わたしは、わたしは……。
《大地side》
席替えをした。
最初だから、クジ引きだった。
そんで隣になったのは、浄坂桃奈。
朝、会った人に必ず挨拶していて、周りに積極的に声をかけて。
明るくて元気で、クラスの中心にいてもおかしくないようなヤツだ。
この数週間、そう思っていた。
それなのに女子は、なんとなく距離を置いているモンだから、よく分からない。
普通に接しているようで、壁を1枚挟んでいる。
女子は本当によくわからない。
群れてキャーキャー騒いで、何が楽しいんだ。
でも、そんな事せずに、一人でも頑張っているあいつが隣。
面倒なヤツじゃなくて、良かった。
これが、トウナの第一印象だ。
《トウナside》
席替えで隣になったのは、天宮大地という男子。
同じクラスになったのは初めてだ。
「よろしく」
って声をかけると、
「こっちこそ、よろしく」
と返って来たので安心した。
というより、嬉しかった。
話しかけても心をこちらに向けて返事をしてくれる人が、いなかったから。
「同じクラスになるのは初めてだよね。大地って呼んでいい?」
隣の席だもん。これから楽しく会話したい。
そう思って言うと、
「うん。トウナは面白そうだから、隣で嬉しい」
ちゃんと会話が続いた。それだけで楽しくなってしまう。
そして何より、『トウナ』と呼んでくれたのが嬉しかった。
大地は、私と対等に接してくれる。
直感した。
《大地side》
トウナは面白そう。
そんな風に言ってしまったが、それはオレの語彙力がないだけ。
良い意味で女子らしくない。
誰にでも対等に接している…男子とか女子とか、友達とか他人とか関係なく。
だから、ちょっと言ってみた。
「トウナって、前向きだな」
と。
「ありがとう。わたしの唯一の長所だよ!前向きに、楽しく過ごしていれば良いことあるから!」
ああ、いいな。
こんな女子って、凄くいい。
語彙力がなくて上手く表せないが、とにかく…そういうトウナに、オレはいつの間にか惚れていたんだ。
消しゴム貸して、って言うと笑って貸してくれる。
オレの冗談に笑ってくれる。
ノリがいいというか、素直。
皆の違いを認めて受け入れている彼女は、オレが会った中で、1番…………
《おわり?》
スペシャル短編《告白前夜》
トウナがオレのものになったら。
トウナは、いろいろな表情や感情をオレだけに見せてくれるのだろうか。
それは魅力的だが、それはトウナでは無いような気がした。
だから、気持ちだけを伝えて、楽になろう…そう思っていたのに。
恋に楽になる道は、無いらしい。
スペシャル短編《楽しいお返事》
トウナがあの告白に返事をしてくれる…返事をくれ、とは一言も言っていないのに。
オレの前で恥じらう女子は、本当にトウナなのだろうか。
そう思ってしまったほど、普段見せない表情を見れたことに、喜びを覚えた。
オレ以外の男子には、見せるなよ。
……そんな台詞、絶対に言えないけれど。
解フル☆特別編
『ドキドキ☆修学旅行‼』
登場人物 ※名前のみの紹介です
★トウナ(主人公)
★光璃(ひかり)
★杏(あん)
★志乃(しの)
★美亜(みあ)
★大星(たいせい)
★誠(まこと)
〜ホテルにて〜
「ん〜っ!着いた〜‼」
同室の杏ちゃんとひかりちゃんと、誰がどのベッドにするかを決めて。
狭い窮屈な室内に、どうにか荷物を置いた。
修学旅行、1日目の夜。
あとは、お風呂に入って寝るだけです。
そこまで親しくなかった二人に、同じ部屋にしないかと言われたときは驚いたけれど、楽しくなりそうだし嬉しい!
外村杏ちゃんと、高野光璃ちゃん。
二人とも明るくて優しいの。
ピンポーン
チャイムが鳴ったため、1番近くにいたわたしが出る。
先生達、見に来るって言ってたよね。
「あ…あれ?開かない」
手間取ってるうちに、もう一度ピンポーン。
「あ…開いた開いた」
押すんじゃなくて、引くんだね!
何て考えてると、
「ここ、こう」
学年主任の河西先生が、ドアを外からでも開けられるようにする。
そして、ズカズカ入ってきて、
「お風呂入る順番決めてるでしょ、待ってる間にまとめとか色々書いときなね」
はーい。
先生が出て行ったら、ひかりちゃんが
「じゃああたし、お風呂行くね」
と浴室へ入っていった。
その後、お風呂に入ったりまとめを書いたりして、消灯時間に。
……とは言いつつ、先生が見回りに来たあとは、コソコソお喋り。
基本的には、杏ちゃんとひかりちゃんが話しているんだけど。
「じゃあ、あたしもう寝るね」
というひかりちゃんの声に、わたしと杏ちゃんも
「おやすみ」
と布団に潜った。
ウサギの耳が付いたフードをかぶって、目を閉じる。
『トウナって、うさぎみたいだよね。ツインテールだし、小さくて可愛いし』
そう言ってくれた、同室の二人の声を思い出しながら。