《あの子に負けたくないから byモナミ》
『解フル☆』登場人物
神野最那実(かんの もなみ)
気の強い、プライドの高い小学一年生。
ユイカの幼馴染。
真田唯科(さなだ ゆいか)
気の弱い小学一年生。
モナミの幼馴染だが、本心は分からない。
はい!ちょっと>>31休みます!
〜乙葉にお礼する短編〜
こちら、◯◯県M市、律鎌小学校にて。
モナミは会議室の机をイライラと叩く。
「もう、なんでこんな時にあの人は遅いのよ!まったく」
「まあまあ、モナ落ち着いて……」
「トウナは本当に時間にルーズだから……。初めて会ったときなんて、待ち合わせ場所の前で45分も躊躇ってたのよ」
ユイカ、ミオウの言葉を聞いたモナミが、フンッと鼻を鳴らしたその時。
「遅くなってごめん!いやー、間違えて教室行っちゃったー」
トウナが騒がしく入ってきた。
「「遅い!」」
案の定、モナミとミオウに怒鳴られる。
「ごめんってば!!ユイカー!助けてー!」
助けて……と言っているが運動神経だけは良いトウナ、逃げ足もめちゃくちゃ速い。
「みんな、集まったんだからちゃんとしないと……」
ユイカの声に、みんなの動きが止まった。
「せーのっ」
「改めて!乙葉、七瀬ちゃん夏音ちゃん紗彩ちゃん、お祝いありがとう!これからもよろしくね!!」
END☆
あたし、モナミの幼友達ユイは、本当にヘタレだ。
ヘタレというか、弱い。
とにかく内向的で、幼稚園ではあたししか友達がいなかった。
っていうか、他に友達が出来ないようにしていた、というところだろうか。
あたしだったのだ。友達がいないのは。
仲の良い子はたくさんいる。
でも、本当の友達はユイだけだった。
でも、バカなあたしは
「ユイよりすごい」
と威張ることで、ユイに必要とされたかったのだ。
だから小学生になってユイにも仲良しが出来たとき、言った。
詳しくは記憶にないが、
「あたしだけと話すか絶交するか選んで」
という感じだったと思う。
それで、
「これからもモナと仲良くしたい」
と言って欲しかったのだ。
これからも、あたしと仲良くしてね。
その一言が言えれば。
意地を張らずにいれたのに。
その一言が言える人は、強い。
言えなかったあたしが、ヘタレなんだ。
あたしが言えたら、あたしが……。
あたしがもっと、強かったら。
強がらずにいれたら、ユイは………