傍観世界

此処は、ボクの傍観世界。
特別な結界を貼ってあるから、恐らく並の人間では足を踏み入れる事も愚か、辿り着く事さえ不可能だろうね。

崩れゆく世界の中で、魔女は慟哭する。

____ボクは、君を許さない…

ボクらの魂を身勝手に蹂躙した君に…____必ず！！


ただ消えない怒りだけを残して。

…拍動ではない、螺旋回転の音を聞きながら。

回り続ける球体の中で、静かに眠る【それ】が微かに身を震わせた。

無限回路を越えて憤怒が耳朶を叩く。


________。



うっすらと開いた瞼の隙間から、【雫】が流れて止まった。

…この怒りの答えを、ずっと探していた。

私の名前はカロン。
ただこの魂に宿る怒りだけが使命。
怒りの知覚は…

【さあ、行きなよ。罪を裁いた先に奴がいる。ボクらの悲願がある。】

私の中の【誰か】を認識した時から。
それが囁き、促し、誘い、私の怒りの炎を絶やさないでいる。
神を殺せと、そう語りかける。

全てが終わった時、世界すら終焉に向かうとしても…
そこに【私】がいなくてもいい。

この怒りの為に…ただ

　　　　　刹那、爆散。

球体の中の赤子が激しく戦慄き、野原が赤色に染まる。
禍々しく回り続ける球体の下で一人の男が死んだ。

否、それはもはや『人間』の原型はとどめていない。
耳をつんざく悲鳴と共に、命が殺戮されていく。
まるで全方向から圧力をかけられたように魂ごと凝縮され、肉体が爆ぜる。

　　　　　不可解、理不尽、摂理の行進。

命乞いを聞こうか。

(チャキ、と歪な形状をした銃を男に向ける)

ヒッヒィィ…お、おれはなにもしてねえぜ！

…君の命乞いはつまらないね。まあ、予想はしていたけれど。
なんの欲も満たせやしない。

(そういって男を睥睨するのは、色が抜け落ちたような短い白髪の女。それと同じ色の睫毛を伏せ、ため息をつく。)

君の罪はこの【銃】が裁こう。

(バンッ！銃声が響く。)

グアアアアアア！！！ああああああああ、やめろやめろおおおおおおお！！
痛い、痛い痛い
痛い
痛い
いたいたいいいい！！

(腕を押さえ、のたうち回る。やがて傷口から火が燃え出した)

ファーーーーーーー！！！

(焼け死んだ)

それが君の『罪の重さ』だよ。
この銃は、対象の罪過に応じて与える罰が変化する。
君は…一家を殺害したそうだね。つまらない命乞いも、運命も、最初から全て分かっていたさ。

…ああ、もう聞こえていないね。失礼。

「オレんアジトの裏切りもんを捕まえたってのは…誰かと思ったが、まさかこんなガキとはな」

怒り。
幼い頃から私にはそれしかなかった。

「おいガキ、お前はなんで奴を捕まえた？」

「…罪を許さない。だから裁く。それだけです」

男は私の目を見て言った。「悪くない目」だと。
生まれて初めて頭を撫でられたあの日から、私はボスの元で使命を執行している。
やがて…神に辿り着く為に。

赤子は慟哭をやめない。

狂ったように喚き続け、幾つもの死体の上に影を落とし、血で染まった野原を行進する。
なにが【それ】をそうさせているのか。
答えなど、誰も持ち得はしない。
なぜなら【それ】に意思など存在しないのだから。

壊れた機械のような鳴き声が辺りに響き渡る。
外界へと赴いたその時、球体が結界にはじかれた。

ひときわ高い声が空高く響いたあと、しばらくして赤子は再び眠りについた。

紅の草原がそよそよと風に揺れる。
球体はその上でひたすら眠り続けた。

…ニクスは、上手くやれているでしょうか。

(地下、鎖をくるぶしに繋がれた少女が一人。抱いた肘に顔を埋める視線の先に、憂鬱そうにため息をこぼす女の姿があった。)

さあ…それにしても、魂が分離するとはね。

死を願うことすら叶わず、永久に魂をこの世界に縛り続けられる…ああ、大罪を抱くほどに恋しい怠惰を手放したいと思う日が来るとは思わなかったわ。それにしてもあかり、確かあなたは魂を分身させられるんじゃなかったかしら…？

ええ…そういう風に創られました。ですが、ニクスのように魂が分離したわけではないので所詮分身。この世界の結界は抜けられません。でも…

…？

『あれ』が私にこの能力を与えたのは…何か意味があるように思えてならないんです。

時が止まった球体の赤子。あれは時折感情を見せることがあります。さっきも…どうやら暴れたようですし。

ああ、そうね…幾つも命を創造しては消していく。まさに怠惰というやつだわ。
だけど、その感情がなんだというの？魂の代謝以外には思えないのだけれど。

…時々、涙を流すんです。

え？

きっと、なにか伝えたいことがあるんだと思います。…残された魂だけが、無限化した球体の中でそれを発しようとする。
時が止まっているのに…

球体が無限化する前、あの魂になにがあったのか。それを知ってほしくて、気づいてほしくて、神は私にこの能力を与えたんです。

たとえそれが真実だとしても…一体誰があの無限の時を動かすというの？

だからこそ…ニクスに託します。

いつか、あの怒りが悲しみを打ち砕いてくれることを信じているんです。

……

ふふ、怠惰ね、あなたも。
だけどあたしも最後の希望に懸けたい。

ニクス…いいえ、今は名前が変わっているのかしらね。
行くのよ、私達の魂と…そして、神の魂を解放するために。

【…分かっているよ、みんな】

おいおい、過去スレあさってたらまた懐かしいの出てきたでー

どっからか知らんけど自分のことに必死でそれで人を傷付けて、何回もキャラ作り直したんやっけな?誰からも好かれようとしたくてこおり作ったと思うんやけど結局死んだと思うわ

でも今思えばあの頃はみんなそうやったと思うけどな

何回か闇堕ちしてそれでも絶対戻ってきたんここが好きやったからや　それにしても復活するたび板盛り上げよーいうてんな。そんな過疎ってた風に思わへんけどな

強欲さー、お前私とロル回すだか話すだかしてて楽しかったってほんまか?

でもごめんな　いつか忘れたけど自分勝手なエゴでお前を傷付けてもうたよな…なんかいっつも堅苦しい感じで社会絶望系みたいな感じやったし精神キツイんかと思ったんや

全部お前のためやったかな。めちゃくちゃ好きやったんやほんまは。こんな形であんな別れでマジ申し訳ないけど。ただの独り言でも本当にごめん

私も楽しかったよ　現実で中二空想してても馬鹿にされるだけやから友達ほしかってん、まあ3年だか4年だか前の話やけど
そこにお前がいてくれてほんとによかったよ

いつからあんな風に曲がったのかしらんけどな、今でも好きやねん
お前に惚れたあん時から気持ち一切変わってないんや

お前がどこで何しても私は変わらず好きで、嫌いになられへんねん
ま、もうそんなことどーでもいいけど

マモンさぁ、私も受験生やわ。クソガキだったあの頃と比べて大分成長したと思うよ
お前のおかげかもな

またどっかで会えるといいな　じゃ頑張れよ
こっから祈っとくからな

はー私なに言ってんや?まいいか。続きでも書こ
誰も見てへんからヘーキヘーキ

つか勉強しろよな！

私のキャラ曖昧すぎて忘れてしまったけど…万有摂理の神の魂と一時的に繋がったから姿を現したよ。

ホワイト、あなたとは同じ学園だったわね。

そうだね。ボクは殺人鬼の仮面がどうとかいう意味の分からない魂だったけど。
そんなことはどうでもいいんだ。

少し思い付いたんだがね。ここから出る方法を。

出る方法…？

『使役』だよ。

使役…それが神によって気まぐれに行われたとしても、この結界には入れないし、どうせまた魂を縛られるだけよ？

それは分かっている。だからこそ協力を仰ぎたい。丁度今…奴は学園戦争の情景を追憶しているようだしね。

あなた…魂の動きが分かるの？

もともと、魂を仮面にする能力者だ。分かって当然。この能力も…あかりが言っていたように、意味を持って生まれたものなのかもしれないけど。

そう…でも、一体誰が使役を？

君だよ、理科子。君が行くんだ。

私…？

学園戦争に関してあれの魂に最も強く残っているのはね、君なんだよ。理科子。

でも、花笠さんとかいるじゃない？

いや、あれは負の遺産というか黒歴史だからノーカンらしい。

とにかく…近々君が使役される可能性がある筈だ。その時に…分かったね。

ええ、分かっているわ。私はあの人と…ニクスさんと魂の位置が遠いからあまり知らないけれど、心の底で同じ想いを感じる。
これはもう…あなただけの戦いじゃないのよ。

神よ、私を使役しなさい！
学園の記憶をその魂に映し出すのよ！

____ドクン

　　　音が、鳴る。

うわっ！まぶしい…ん？

理科子…そうか、無事に『使役』されたのか。

…上手くやるんだよ。

あいつがいた方が盛り上がってたんだな。
いつもそーやけど、なんで私と強欲は時期すれちがうんや?
私がおらん時におって私がおる時におらんやんけ
もう最初で最後やったんかなあいつと話すの
記憶の片隅にも残ってないだろうけどなぁ…悪かったよ

　　　　　音がする

　　　　　音がする

　　回る音　破滅の音　涙の音

　　　　　さあ____



　　　　　【使役】

あー、なんかもうここにいんのも疲れてきたな…つか俺ら一応魔王ダムド軍なんだけど一切出てこなかったな魔王。

魔王様は初めから魂なき存在…故に、この世界にもいなのだろう。

いい加減この閉鎖空間も飽き飽きしてきたっすよねー、せめてトランプさえあればな。

そういや僕…魂刈り取れる死神設定だったらしいんだけど、ここでも通用するのかな？
まあ、【あれ】には魂の外に無限があるから無理だけど。

…私たちの魂も刈り取るつもりですか？スメルト。

お、俺は早く殺してほしいんだよォォ〜〜、もうこんなのゴメンだァ〜！！

まさか。不吉なことを。そんなことしませんよ…ねえ、スメルト。

ああ、しないさ。僕らの魂に深く刻み込まれてる…大切な仲間だってね。

わたしたちが、神様に創られた存在でも…この友情も…愛も、本物だよ。そうでしょ、ハングマン？

ベネノは…優しい…優しいから、死にたくなる！
こんな俺に優しくしてくれるなんてェ〜〜ッ！！

あ、また始まった。ほんと夫婦漫才だよねぇ…

ったく、しんみりすんなっつーの馬鹿野郎！ハングマンお前なぁ…死ぬとか簡単に言うなよ。
俺らもう魂だけなんだし死んだらそれで終わりなんだよ。

グラース…悪かった…そうだよな、俺もっとお前と一緒にいたいし…

っはぁ〜、神の野郎！なんでハングマンを俺好きのキャラにしちまったんだよ！一応男なんだぜこっちは！

あら…あなた、女の子ではなかったのかしら？

煽んじゃねーよ！たしかに俺がかわいいのは認めまくってやるけどよ、ハングマンお前にはベネノがいるだろーが！

ううん、いいのグラース。わたしは…グラースが好きなハングマンを見るのも大好きだから。

あはは、やっぱ変わってるっすねー俺ら。

一番影薄くてなにがなんだか分からん俺もいるしな？

黙りなよヴォート。魂刈り取るよ？

俺の扱い酷くね？さっき大切な仲間とか言ってなかったっけ？オイ

ま、んなこたぁどーでもいい。とりあえず今日から俺が魔王だ！こん地獄を脱出するぜ！

は？魔王の座は俺だろう。女装癖の魔王など示しがつかん。

むしろ女王…とかですかね？

グラースはかわいい…王女様ってのがピッタリだ。

とりま王女でも女装魔王でもなんでもいーから作戦会議だ！馬鹿共！ぜってーここ抜け出すぞ！

「オーーッ！！」

はぁー、なつかし魔王ダムド軍。けっこう好きだったな

さてと…理科子は上手くいってるかな？
いずれ戻ってくるだろうが、それまで辛抱だ。
神は気まぐれだからね、なぜ使役し、そして縛り付けるのかが分からない。

…どうか、逃げ切ってくれよ。

ハッハッハー！ひれ伏せ愚民！北の魔王、アマイモン様の降臨じゃー！