《 其れはとある昔の伝説
分からない事の方が多い
姓も 生まれた年も 好物も 『能力』も
何もかもが不明とされている
〔ヒト〕と呼ぶに相応しいのかも分からない
魔術師が居た
魔術師は才能に溺れ 自身の欲の為に
大罪を犯しては... 無意味な年月を生きてきた
いつかまた 再び誕する
その魔術師 悪人につき
出会わぬ事 近寄る事なかれ
魔術師神話------第10章》
( フード付きの濃い紫色のローブを被り 腰まで垂れる長い赤髪を束ねた人物は暇そうに腕を組み佇む。
側の大岩に藍色の宝玉が首輪の様に着けられた愛用の木製杖を掛けながら 人の形をしたモノは“悪”の笑みを浮かべながら呟く )
『 ....暇だ、暇だよ 実に暇だよ ...まだ大人しくしておこうか ...動かなくて良い 』
『 ......想像以上に此処は平和みたいだ ......楽しみだよ、悪を成した時 どのように変わるかが.... 』
( 宝玉を覗き込みながら不敵な笑み 無数に思い付く闇事が実行されれば 果たしてどうなるのか?
興味が湧いて仕方がない ...好奇心だけで動く )
「 ……見ていて面白かったがこれ以上は私達がギルティ。」
( どこからともとなく現れるは 影のように靡く白衣 )
「 その悪をトライした時はどういった影響があるか
私にアンダスタンできるかね?」
『 .....正義振った奴はどの時代にも良く居る ...まぁ、少しだけ話そうじゃあないか 』
( ...両腕を広げて語り出す )
『 .....そうだなぁ、君の血縁関係にあたる人物 そして君の友人達は全て消息不明になるだろう?死亡したかも分からずに消え去り行く.....
...もしかしたら私の元で忠実な奴隷として働いている、というのもあるかもしれないなぁ?」
( 余裕綽々 スタスタと歩いては異空間から辞書を取り出し “悪”を読み直す )
『 私欲でも有るが、此れは皆の不満の代弁でも有るんだねぇ?
善が勝ち、悪は打ち負かされるべきとされる事 ...それが私は腹立たしくて仕方が無い...!!!! 』
( 握り拳を作り出しながらそう思ってもいないような愉快な笑みを作り出す。杖を片手に持てば辞書を再び異空間に仕舞い込み )
「 なるほど。ノンストップ 」
( 許可もされないので壁にもたれかかって腕を組む )
「 要は 君なりのビッグエゴ…正義に対してダークネスの
鉄槌を振りかざし、有象無象のジャァスティィスに
いい加減にホワイトを示したい訳だ 」
『 Exactly ...最も、私の崇高な理想など君には理解出来まい?』
( 煽りを続ける ....気味の悪い不気味な笑みを常時浮かべながら )
『 ....あぁ、それとは別に私は王になりたい、全てをこき使いたいんだよ 』
「 ガレット嫌いなベイビィキングの言う事とは思えませんわね 」
【 A・C・V [ 解除 ] 】
( 黒い殻が取り払われ、黒衣の少女の姿へ )
「 …わぁりとこき使う状況ってめちゃくちゃ面倒くさいのですわよねぇ。
と言うか扱き使えるってんならやらせる以上に自分でやった方が早いですわぁ 」
『 ....君とは分かり合えないみたいで残念だよ、とても残念に思うよ私は...分からないかね?上に立つというその快感 ....自由に欲を満たせる立場に 人をこき使い嘲笑い ....そういうモノへと私はなりたいのだよ 』
( 姿形が変わったのには少し面白いと思い 監視するように視線を尖らせ )
『 ....さてと、折角だ、君の事は見て来たから知っているが、記念に教えてもらおうか?』
「 そしてぶくぶく堕落しますのね。」
( 酷いったりゃありゃしない とぱっぱ手で払い )
「 先程から口の悪くて失礼しましてよ、け・ど!
貴方高飛車気取りさんの割に礼儀の一部も知りませんのね。
名乗りは己から!…嗜みでございますわよ?」
『 ..... 私は魔術師だよ?何でも出来るモノだ 君みたいな小娘の経験談とは違うんだ 』
( クツクツと笑い声を漏らしながら まぁそんな生活も嫌いじゃ無いがと付け足し )
『 ....ハァ、注文の多い小娘だ
...名は「ベート・ビート」 ....以上だよ、他に質問は?』
( 必要以上には答えない 答えたくも無い )