さぁ、17まで来ました!
どんどんKZについて語りましょ!
【ルール】
T.入りたいときは敬語で、了解がでたら入って下さい。
U.荒らし、喧嘩はやめて下さい。
V.荒らしはスルー、連レスは控えめに、スレはあまりたてないように!
W.後はネットマナーと葉っぱ天国のルールを守って活動して下さい!
https://ha10.net/rule.html ←葉っぱ天国のルール
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17と連動しているスレです↓
《夏本番!暑さに負けないKZLovegirlsの専スレ
Part18》
https://ha10.net/yy/1498998694.html
このスレ(1〜17)に入っている人の雑談板です。KZに関係ないことはこの板で!
《*KZ板深夜メンバーの寝室*part9》
https://ha10.net/yy/1487604639.html
KZ板にいる方ならだれでも入れる「夜専用」の雑談板です。20時〜6時までが書き込み可能です。
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→ではでは、startです!→
『忘れられた思い出は知っている』
1,プロローグ【??side】
お母さん、ごめん。
親不孝な娘で。一人で逃げて。
でもあたし、耐えられない。
もうあの人に暴力を振るわれたくない。
お母さんが苦しそうな顔でそれを見て見ぬフリをしているのを見たくない。
あの人はあたしのことが嫌いで、目障りなんだよね。
…だから、あたしは消えます。
あの人、お母さんには優しいから、きっと仲良く暮らせるよ。
お母さん、本当にごめんなさい。
今までありがとう。幸せになってね。
さようなら。
そう書いた紙をお母さんのバッグに忍ばせて、そうっと玄関に向かう。
そこに置いておいた荷物を持ち、サンダルを引っ掛けてドアを開け外に出ると、解放感に包まれた。
「…お母さん、元気でね」
一度だけ、振り返ってお母さんが寝ているであろう寝室の窓を見上げて呟き、歩き始める。
さて、これからどうしよう…行くところないし…。
2,どうしたんだろう【彩side】
はぁ…。
今日も結局、KZの集合かからなかったな…。
最近、また停滞気味なんだよね。
そんなことを考えていると。
「うわ、KZだ!」「やった、嬉しい。会えた!」「やっぱりカッコイイ…!」
背後が盛り上がり始めた。
『KZ』という単語に、思わず振り返ってしまう。
…若武と上杉君、そして黒木君。
騒がれているのがその3人だと理解したときには、既に私の足は早くなっていた。
若武と目があった気がするけど、そんなのはいい。
見つかる前に、さっさと退散しなければ。
足を止めて振り返っている塾生たちの合間を縫って塾を出る。
そこでやっと、チラリとだけ後ろを見ても追いかけて来ている気配はしなかった。
ホッと一息をつき、早めていた足を少し緩める。
…若武たち、私に用があったんじゃないよね?
うん、ないよね。そうだよ、小塚君いなかったし。
あーもう考えるのやめ、大丈夫だもん。
色々と考えながら歩いていると、いつの間にか駅に着いていた。
__ドン!
「…あ、ごめんなさい!」
ぼうっと歩いていたら、誰かにぶつかってしまったらしい。
慌てて顔を上げると、同い年くらいの女の子が立っていた。
その子は長い前髪で目を隠していたけれど、その視線は私の顔に向いていた。
「え、あの…何か?」
耐えられずにそう尋ねると、その女の子は落としていた大きな荷物を掴み、何かに怯えるかのように走り去って行った。
どうしたんだろう、あの子。
…私、何かしたっけ?
3,もしかして…?【彩side】
あの後は特に何もなく家に帰ることができた。
さ、お風呂も入ったし…寝ようかな。
__ピーンポーン
…ん?こんな時間に…誰?
ママが出たみたいだから…。パパだったのかもね。
さあ、今度こそ私は寝よう!
「彩!起きてるでしょう?早く来なさい、黒木くんよ!」
びっくりした…って、黒木くん?!
聞いてない聞いてない、うちに来るなんて聞いてないよ!
着替えなきゃ、またお風呂に入り直さなきゃ…!
慌てて服を着替え、転がるように階段を駆け下りる。
と、そこには…。
「やあ、アーヤ。遅くにごめんね」
艶やかに微笑んでいる黒木くん。
「別に大丈夫だから」
ちょっと突っ慳貪だったかも…。
「アーヤに、頼みがあるんだ」
「頼み?」
黒木くんが私に頼み、って何だろ?
「ほら、前に出てきて」
そう声をかけたのは、なんと。
「あ…あなた、さっきの…!」
先程、私がぶつかってしまった女の子だった。
「……っ!」
その子も、相当びっくりしているよう。
「アーヤの家に、この子を泊めさせてほしいんだ」
「…え?」
この子を、うちに泊める…?
「それは…ママが許すかどうか…」
「彩?まだなの…って、どちら様かしら?」
あ…バレた…。
「あ、お母さん、すみません。実は…」
黒木くんがママに説明を始める。
「あなた、名前はなんて言うの?」
そう聞いた途端、その女の子は長い前髪を払い、真っ直ぐに私を見てきた。
その顔があらわになったとき、あるひとの面影と重なった。
「もしかして…?」
「あなた…」
背後から、黒木くんからの説明が終わったらしいママの声も聞こえてきた。
「レーア?」
「レイちゃんなの?」
その子は驚きながら名前を口にする私たちを見て、くすりとあの懐かしい笑顔を見せた。
4,久々の再会【彩side】
すごくビックリした…。
まさか、あのレーアだったなんて!
レーアこと花沢 鈴空(はなざわ れいあ)ちゃんは、私の幼なじみ。
家が隣同士で、小さい頃から家族ぐるみで仲が良かった。
アーヤってニックネームも、レーアと一緒に付けられたんだったな。
でもレーアのお父さんが亡くなってしまい、しばらくしてお母さんが再婚することになったらしくて、お母さんの再婚と同時に引っ越しちゃったんだ。
それが、小学3年生のときの話。
それから今まで連絡を取り合うこともなかった。
黒木くんは帰り、レーアと3人でダイニングに入る。
「レイちゃん、お父さんはどう?美鈴ちゃんは元気?」
「…はい、まあ」
『美鈴ちゃん』というのは、レーアのお母さんの名前。
仲が良かったからね、お母さん同士も名前で呼び合ってた。
…それよりも。
今の質問に答えるとき、一瞬だけレーアの顔が曇ったような気がしたんだけど…。
『お父さんはどう?』って質問にはさりげなく答えてないし。
「あの…しばらく、ここに居させてくださいませんか?」
それは、唐突だった。
「え?今日は良いけど、お家に帰らないの?」
「…はい、ちょっと色々あって…」
「そう、分かったわ。でも美鈴ちゃんが心配するから…電話くらいしたほうが良いんじゃないかしら?」
「…分かりました、明日の朝になったら家に連絡します」
何か、あったのかな…?
新しい家庭で嫌なこととか…、喧嘩しちゃったとか…。
「さ、もう夜遅いから、ふたりとも寝なさい。レイちゃんは彩の部屋でいい?」
「もちろんです、ありがとうございます!」
「じゃあ、私は床に布団敷いてくるね」
必然的に、きっと私は下で寝なきゃいけないんだろうな…。
床で寝るのか…嫌だけど、でもレーアを床で寝させるわけにもいかないし!
…今回だけは、諦めよう…。
「あっ、アーヤ」
「ん、なに?」
ダイニングを項垂れながら出ようとしたら、レーアに呼び止められた。
「あたしさ、小さい頃みたいに一緒にベッドで寝たいな〜って思うんだけど、どうかな?」
そう言いながら、レーアはぱちりとウィンクをした。
『アーヤが潔癖ってことくらい、知ってるんだからね!』とでも言いたげに。
「あら、それ良いじゃない!久しぶりに再会したんだし」
私が何か言う前にママが答えた。
「ですよね〜!じゃ、決まりっ」
ということで、いつの間にかレーアと私は仲良く並んで寝ることになっていたのだった。
…別に、いいけどね。
5,幼なじみのチカラ【彩side】
何か、隠してるような気がする…。
だって家に連絡入れてないし、作り笑顔だし。
やっぱり、おばさんとトラブルでもあったのかなぁ。
それとも…新しいお父さんと…?
「今日、休日だし遊びに行こうよ!」
レーアの声が間近で聞こえてはっと我に返る。
「え?わ、私と?」
「当たり前!おばさん、いいですか?」
嬉しいけど…ママ、許してくれるかな…。
今日も秀明あるからダメかもしれない。
「いいわね!行ったら?」
……はい?
思わず、ママの顔を見たまま静止してしまう。
そんな私に気付かないのか無視しているのか、笑顔でこうも言った。
「彩、秀明には連絡しておくから。レイちゃんもいるんだし、今日くらい楽しんできなさい」
まさか…ママが二つ返事でOKするとは。
幼なじみのチカラってすごい…。
「やったあ!おばさん、ありがとうっ!」
そう言ってにっこり笑ったレーアの顔は、陰なんかない昔の無邪気な笑顔だった。
私の、気のせいだったのかな…さっき思ったことは。
「じゃあ、準備して行こ、アーヤ!」
「あ…うん!」
取り敢えず、今日は何も考えずに楽しもうっと!
そう思ってレーアに向けて微笑んだ。
6,知り合い?!【彩side】
行き先は遊園地に決まり、支度もし、さあ出かけよう!というところでなんと若武から電話が。
出ないわけにもいかず、若武をあまり気に入っておらず嫌そうな顔をしているママから渋々受話器を受け取る。
「もしもし」
「アーヤかっ?!昨日無視しただろ!」
いきなりそれですか…ていうか、耳痛いです。
「別に無視したわけじゃないよ」
「じゃあ何なんだっ」
うるさい。普通のボリュームで話せばいいのに、もう。
「まだー?てか、誰から?昨日のひと?」
すると急に背後からレーアの手がにゅっと伸びてきて、抵抗する間もなく受話器を取り上げられた。
「ちょっとレーア!」
「もしもしー?」
レーアは私の制止を無視し、受話器を耳に当てた。
「あ、初めましてー!…ん?若武?…って、もしかして、」
やっぱり知ってるんだ、若武のこと。
ここら辺では有名なの知ってたけど、レーアまで知ってるとは。
レーアは今ちょっと離れたところに住んでるけど、そっちでも知ってるひとがいるくらいKZってすごいんだね。
ああ、でもこの電話でレーアの若武の印象もだいぶ変わるだろうなあ。
口を開かなければ若武もカッコいいんだけど。
そんなことを一人で考え真っ赤になっていた私の耳に、意外な単語が飛び込んできた。
「…もしかして、一中の若武?私、渡瀬(わたせ)だよ!渡瀬鈴空!」
え、なんで『KZの若武』じゃなくて『一中の若武』なの?
まさか…レーアと若武って知り合い?!
7,目立ちたがり【彩side】
「アーヤと若武って知り合いなの?」
あの後レーアと若武は何かの約束をしてから電話を切った。
そして今は、すでに家を出て歩いているところ。
「え?まぁうん。レーアも知り合いだったんだね若武と」
「ああ、あたしが小3で転校してから小6までずーっと同じクラスだったんだよねえ」
そう言って、やれやれと言いそうな感じで肩をすくめるレーア。
「そうだったんだ」
「卒業式の証書授与ってさ、最初の人と最後の人だけ読まれるじゃん」
卒業式の、証書授与って……いきなり何の話?
「若武って『わ』だからきっと期待してただろうし、目立ちたがりだから読まれたかったはずなんだけど」
確かにそういうの好きだよね。
「あいつは『わか』で、あたしが渡瀬で『わた』だから、あたしが出席番号最後だったんだよねえ」
なるほど。若武ドンマイ。
「若武、顔にこそ出さないけど、死ぬほど悔しがってさあ」
ああ、なんか想像できてしまうのが恐ろしい……。
「あたしなんか、それ分かっちゃってたから笑いが止まんなくて」
そりゃあ、笑っちゃうよね。
「小学校のときは結構あたしのほうが目立つことが多くて、だいぶ目の敵にされてたなあ。あたしは別に目立ちたいわけではなかったんだけど」
レーアは目を細めて懐かしそうにしながらも、ぷくくとどこか悪戯げに笑う。
「楽しかった?」
なんとなく、本当になんとなく聞いたその質問。
それにレーアは私が気になっていた、あの寂しそうな笑顔を見せた。
「まあね。小学校のとき、は」
やっぱり何か隠してる……よね?
8,なんで!?【彩side】
「さっ、早く遊園地行こう!ね!」
「あ、うん、そうだね!」
家を出て駅まで行き、電車に乗って遊園地に向かう。
目指すのはここら辺ではかなり有名な大きな遊園地。
小さい頃はよく、レーアの家族とうちの家族で行ってたな。
「あっ着いた着いた!アーヤ早くー」
「そ、そんなに慌てなくても……!」
すっかりレーアのペースに飲み込まれ、駅を出てから全力疾走することになってしまった。
「さて、どこかな〜?」
着いた途端、なにかを探し始めるレーアの横で私は完全にバテて呼吸もままならない。
「もうアーヤってばバテすぎ」
そう笑いながらレーアは言うけれど、私にとっては笑い事じゃない。
「そういえば、さっきからなに探してるの?」
ようやく呼吸が落ち着いてきた頃、先程から疑問に思っていたことを聞いてみる。
「んっとねー……あっ、いた!おーい!」
「え!?」
「ほらほら、アーヤの仲間たちでしょ?」
げっ。
レーアが手を振る先には確かにKZメンバーの姿が。
「なんでいるの!?」
連レス申し訳ございません!でした!
なんか…アーヤの話し方とかアーヤの話し方とかアーヤの話し方とかが違うような気がしてならないんだけど、まあいいや!
誤字脱字、変な文とかあると思われるけど優しい目で解読してください!一文が長いとこたくさんあってすみません_○/|_
えっと補足…ていうか解説?なんだけど、『渡瀬』ってのはレーアちゃんママの旧姓ね。アーヤの知ってるレーアちゃんパパの苗字が『花沢』、レーアちゃんママは再婚したけど、色々な大人の事情ってもの(?)で苗字は変えないことにしたっていう設定!わかりにくくてごめんなさいー!
あ、大人の事情=作者の都合、です笑
まっぼちぼち更新していきますヨ