コピペが多い。
メモとは言えがたいものが多い。
私以外は、書き込まないでください。
間違えたなら別におk
───────────────────────────────────────────────────
「私ね、あの頃からずっとお兄ちゃんのこと大好きだったんだよ。」
私は下を向きながら話始める。
「あの手紙、仲良かった子が引っ越して久しぶりに戻ってくるよっていう手紙だったんだよね。あのあと、両親がいってた
お兄ちゃん、楽しみにしてたよね、嬉しかったよね、でもっ
わっ、私が手紙破っちゃって、お友達さんはお兄ちゃんが破ったって勘違いしたんだよね。
それでっ、そのっ、あんなことになっちゃって…」
声が震える、何を言えばいいのかわからない。
お兄ちゃんは今、どんな顔しているのか気になるけど、勇気がでないっ…
「お友達さんもお兄ちゃんも嫌だったよね、あの日は。
私もあの日のことも、お兄ちゃんのことも忘れたくて、
『泰彦さんのことは嫌い』だなんて自分に嘘ついて、自分から嫌おうとして、
お兄ちゃんに近づかないようにしてっ…
でも無理だよ、いつも窓の外をみると思い出しちゃって、心が痛くて痛くて…
自分に『泰彦さんのことは嫌い』と何度もいいきかせても、自分にはちゃんと嘘つけないっ、
だって昔から今までずっと、お兄ちゃんのこと好きだったもんっ…」
勇気をだして顔をあげ、お兄ちゃんをみる。
真っ正面から、ちゃんと。
「あのお友達さんからの手紙、私はてっきりラブレターかと思っちゃって…
泰彦さんに彼女とか思ったらすごいイラついちゃって破っちゃって…!
だって、そしたら泰彦さんと遊べる時間少なくなっちゃうもん!
嫌だったの、もっと一緒に、居たかったっ…!!」
言い切った…
お兄ちゃん…
口をあけてポカーンとしている。
やだっ、こんなこと痛いか…!
急に顔が赤くなって、恥ずかしくてまた下を向く。
「こんなの、言い訳、だよね…
きっとあのお友達との間にもあれからいろいろあったと思う。
あのときのことはもう戻らないよね。
今になってこんなこといって、もう私のところにこなくてもいいです、ネットで話すのもやめましょう、ね…」
「なんだよ、お前…」
うっ!
怒られる…!
「たっく、何回言わせるの?
そんなに俺にかまってほしいの?そんなに何度も俺に言わせといて、こっちも疲れるんだけど…」
「ごめんなさいっ!!」
「謝ってもらっても…
いい、ちゃんと聞け、ちゃんと顔あげろ」
「う……」
「前のことは忘れろって何回もいったろ?もう、ほんと何回いわせるわけ?
まだ言わせる気なの、百愛?」
「いや、そんなこと…」
「じゃあもう昔のことは口に出すな。
俺は基本怒らないけど、そのことを口にだしたら怒るからな。」
「はい」
「確かにあのあとはいろいろあったけど、そんなことで絶好とかするような仲じゃないってば!
それに俺、頭いいから百愛がなんでそんな行動したのかすぐわかったし!
いやぁ、モテるってつらいよなぁ〜」
「……」
「でも俺も謝らなきゃな。本当は引っ越す前に言いたかったんだけど、そういうの苦手で…
あのとき、『二度と来るな』なんていってごめんな?
ほんとうはそんなこと、思ったこと一度もないから」
「お兄ちゃ…」
やばい、泣いちゃう…
あ、もう…
「お兄ちゃんっ、うわぁっ…!!」
お兄ちゃんに抱きつく。
「百愛!?うわぁ、どうした!!」
「よかった、よかったぁ…」
泣く泣く。頬に涙がつたる。
お兄ちゃんは私を包み込むように私の頭に手をおいた。
「俺がそんな酷いこと思うとでも思ってたのか?」
「……うん」
「うわー、百愛酷いな…」
「だってぇ〜」
私の涙はお兄ちゃんのふくまでを濡らす。
喉も痛くなってくる。
私はこの時、6年ぶりに心のそこからモヤモヤがなくなった。
986:ゆり:2021/11/28(水)17:09 ID:asd4
ねぇねぇきいて!
私今日可愛い手袋買ったの〜
987:匿名:2021/11/28(水) 20:48 ID:qwe1
へぇー、どんなの?
988:ゆり:2021/11/28(水) 20:48 ID:asd4
えっとね、白くてふわふわの
989:匿名:2021/11/28(水) 20:49 ID:qwe1
いいな、暖かそう
990:ゆり:2021/11/28(水) 20:50 ID:asd4
うん、暖かいよ
991:匿名:2021/11/28(水) 20:51 ID:qwe1
寒くなってきたもんなー
俺も買おうかな
992:ゆり:2021/11/28(水) 20:52 ID:asd4
お兄ちゃんが手袋…
993:匿名:2021/11/28(水) 20:55 ID:qwe1
なに、変?
994:ゆり:2021/11/28(水) 21:06 ID:asd4
いや、イメージできないなぁって…
お兄ちゃんって手、大きいよね
995:匿名:2021/11/28(水) 21:08 ID:qwe1
んー、そう?
百愛は手も小さいよね
996:ゆり:2021/11/28(水) 21:09 ID:asd4
ん、まぁよく言われるけど…
もって何ですか…
997:匿名:2021/11/28(水) 21:10 ID:qwe1
あー?そりゃあ背も小さいしあと…
998:ゆり:2021/11/28(水) 21:13 ID:asd
え?
999:匿名:2021/11/28(水) 21:13 ID:qwe1
うん、背と手が小さいかな!
あ、スレおわるから次ここ
1000:ゆり:2021/11/28(水) 21:13 ID:asd4
ちょ…貧乳だとか思ってないよね…?
1001:1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててください。
六月五日
40:はるる◆/M hoge:2015/06/01(月) 20:56
「ねぇねぇ、テストの学年順位、★位だった!」
冬休み前のテスト、私は★位だった。
中学生になってから一度もとったことのない順位と点数。
テストが終わったのでうちでお茶でもしようと★いくみを家にあがらせた今でも舞い上がっている。
「もうそれ、何回も聞いたんだけど…」
「だってぇー。もう嬉しすぎて!」
嬉しい、嬉しすぎる。
これで親にも誉められる、そしてお兄ちゃんにも!
「猛勉強したの?すごい勉強方でもあるの?」
私のあまりの順位の上がり差に★いくみもかなり驚いているようだった。
「えへ、秘密!」
「えー、ずるい!あ、そうだじゃあ明日…
★
「ごめん、メールだ。ちょっと待ってて!」
★
お兄ちゃんからメール!初めてだ。
興奮しながら返信する。
★
「誰?」
横川伊久実
「えへ、お兄ちゃんー」
「お兄ちゃんって、百愛お兄ちゃんいたっけ?」
伊久実は私の家のこともよく知っている。お兄ちゃんがいるなんて聞いてもありえないだろう。
「ううん、お兄ちゃんだけどお兄ちゃんじゃないの」
伊久実は首をかしげる。
「いつか紹介するよーじゃあバイバイ」
話している間に、伊久実との別れ道だった。
「うん、じゃあまたね」
手をふって帰ろうと
して前を向くとそこにはお兄ちゃんがたっていた。
お兄ちゃんは私の顔を確認してから私に手を振って歩いてきた。
「あ、ちょっ、伊久実、待って!」
伊久実を呼び止めると伊久実はすぐに振り返って少し大きい声で「何?」と言った。
せっかくお兄ちゃんに会ったんだ、さっき話したばかりだし丁度いい。
って偶然すぎるけど…
「私のお兄ちゃん今会ったから紹介するー」
「えっ、まじで!?」
「は?え?」
お兄ちゃんは今の状況を理解できてないようだった。
「」
今の状況を理解できてないお兄ちゃんに、友達にお兄ちゃんを紹介することを小さな声でいった。
するとお兄ちゃんは驚いたあと、「そんなことしていいのか?」と困ったように言った。
「嫌だったかな、お兄ちゃん。だったらごめんなさい…」
「嫌というか、俺たちがやってること、普通じゃないっていうかさ…」
「そうだけど…」
そう、私たちがやっていることはみんながやったこともないことだろう。
そんなことを言って伊久実は引かないのかということをお兄ちゃんは心配しているのだろう。
「たぶん大丈夫だよっ、伊久実しっかりしてるし!」
「伊久実がいいならいいんだけど…」
そして伊久実にお兄ちゃんを紹介することにした。
「伊久実、紹介するね。これが私のお兄ちゃん」
お兄ちゃんは一歩前にでて手を差し出す。
「いつも百愛がお世話になってるようで。麻生泰彦。百愛の一応お兄ちゃんです。」
伊久実は戸惑いながらもお兄ちゃんの手と握手した。
「一応って、何ですか…?」
伊久実がお兄ちゃんに尋ねた。
私に義理の兄がいないことぐらい知ってる伊久実には全然想像がつかないんだろう。
「あー、一応ってのは…血も繋がってないけど兄妹がほしい同士、兄妹のふりをしてるんだよ。」
それを聞いて伊久実はお兄ちゃんから手を離して、胸元に手をおいた。
やっぱり駄目ただったのかな。
「それって、兄妹ごっこ、ですか…?」
''兄妹ごっこ''
今までこそんなふうに思ったことはなかったけど、そうなのかもしれない。
「んー、そんなところかな…」
お兄ちゃんはそう答える。
私は何故か心が少しなぜ痛んだ。
「そうなんですか…」
そう言って伊久実は私に駆け寄って小さく呟いた。
「お兄ちゃん、かっこいいね。」
その後伊久実は家に帰る道に行ってしまった。
「あ…」
伊久実の反応は私の予想と離れていた。
私とお兄ちゃんの関係を聞いて驚いて、お兄ちゃんとも話せるようになって、
三人で少し話して、私たちの関係を恨ましやがって、伊久実承認の関係になるはずだった。
だけど…
伊久実は私たちの関係を聞いてすぐに帰ってしまった。
お兄ちゃんはこのようになることを知っていたのだろうか。
なんかすごく辛い。
「言わない方がよかったかもな。」
お兄ちゃんは私に近づいた。
「うん、ごめんなさい…」
今は早くお兄ちゃんから離れたい…
受信MAIL[117/500]
──────────────────────────────
time20★/12/17/16:36
from麻生泰彦
題名
──────────────────────────────
テストの結果どうだった?
成績、少ししか上がってなかったり、下がってたら許さないからな!
あとそうだとしても俺のせいにすんなよ!
この俺がバカなお前に教えてやったんだからな!
受信MAIL[117/500]
──────────────────────────────
time20★/12/17/16:39
from篠原百愛
題名ありがとう!
──────────────────────────────
会ってから話したい!
でも期待してていいからね!
伊久実はニコニコしながらそういった。
「伊久実っ★」
まさかお兄ちゃんのこと、好きになっちゃったりしちゃった…?
結構面食いっぽいから…
「あっ、別にただそう思っただけでね、好きとかそういうんじゃなくって★」
なんだあ、よかった。そうだったら私、ぼっつっちになっちゃうんもんね…
「えっ何?百愛のおにいがかっこいいねとか話してんの〜?」
「えっ?」
伊久実は突然のお兄ちゃんのはいりでおどろいている。
てかお兄ちゃんは地獄耳なんですか、推測ですか、勘ですか、それともただのナルシストなんですか?
「あれ、もしかしてあたり?そりゃあ俺に会ったら思うよな〜」
お兄ちゃんは格好つけたようなポーズをした。
…お兄ちゃんはただのナルシストでした。
「お兄ちゃん、ナルシストなんだね…」
伊久実は完全に引いている。私とお兄ちゃんの関係位で引くよりお兄ちゃんの性格で引いてるよ…
「でっ、テストの結果はどうだったんだよ、百愛」
そういえば忘れてた。会ってすぐさま言おうと思っていたのに★
「そうっ、聞いて聞いて★私ね、27位だったんだよ★27位もあがったんだよ★」
私はジャンプしながら言う。お兄ちゃんはどんな反応をしてくれるのか★
「27位★まじ★」
「うん、まじまじ★」
よかった、お兄ちゃん、喜んでくれたかな?
「はっ、ばーか!そんなこと言うとでもおもったかあー!」
「えっ、ええ?なっなんでよ、27位もあがったんだよ!」
「だからお前ばかだって!27位ぐらいとるに決まってんだよ、俺の授業をうけたら!なんだよ、この俺をなめてんのかあ⁉」
「べつになめてなんかないもん!でもまさかこんなにあがるなんて…」
「だからそこがなめてるんだよ!本当じゃあもっと上にいくはずだからな!いいか、目指すは一位なんだぜ?わかってんの?」
「一位⁉そんなの無理!」
「はあ⁉お前もとは頭いいんだからいけるにきまってんだろ?まだ才能が開花してないだけだ。」
あ…
やっぱりお兄ちゃんはちがう。
今までは私が弱音をはいたら「親ができるんだからできるだろ」だったけど、お兄ちゃんは親がどうのこうのより、私に才能があると言ってくれた。
「あれ、どうした?もう言い返せない?」
お兄ちゃんは私を嘲笑う。
「うん、言い返せない。私、絶対学年一位とってみせんだから!そして親がどうのこうのなんていわせないんだから!それで伊久実のこともぬかすからね!」
伊久実の方を向いて、いつもより大きな声で言った。
「総合点数をぬかされたとしても英語だけは抜かされるきはしないけどね。じゃあ私は帰るね。」
「そうか、もう五時だもんね。うん、ばいばい!」
もうあたりは暗くなっていた。私も家に帰らなきゃ…
でも、なんでお兄ちゃんはここい来たんだろうか。
家もこのあたりじゃないはずなのに。
「お兄ちゃんさ、なんでこっちに来たわけ…?」
「え、ああ。じつはこれをわたしに…」
そういったお兄ちゃんはお兄ちゃんの背中で隠れていた袋を取り出した。
もしかしてだけど…
「はい、ピーマン。」
やっぱり…
「いらないなんていうなよ、俺のおかげでテストでいい結果残せたんだからな!」
「うけとりますよ…」
そういいながらも無理やり袋をわたそうとするお兄ちゃんから、私は素直に受け取った。
「あ、あとこんどなにかくれよな。」
「ええっ、何でよ!」
私がそんなことをしなきゃいけないことがありました?
「テスト。」
「うっ……はい。」
真顔でいわれちゃ、私はこういうことしかできなかった。
.2
1:匿名:2021/11/28(水)21:11 ID:qwe1
前スレおわったから、新スレ。
・
・
・
110:匿名:2021/12/17(月) 20:25 ID:qwe1
えー、百愛おめでとう
111:ゆり:2021/12/17(月) 21:38 ID:asd4
お兄ちゃん!?
わーい、誉められた!
112:匿名:2021/12/17(月) 21:42 ID:qwe1
まぁ一応?一応な!
113:ゆり:2021/12/17(月) 21:46 ID:asd4
それでも嬉しいですー
114:匿名:2021/12/17(月) 21:48 ID:qwe1
あれ、俺に感謝の言葉は?
115:ゆり:2021/12/17(月) 21:50 ID:asd4
あ、えっと…
ありがとう…
116:匿名:2021/12/17(月) 20:52 ID:qwe1
心こもってないんだけど。
117:ゆり:2021/12/17(月) 20:54 ID:asd4
いやでも文字で伝えろって言われてもそりゃあ…
118:匿名:2021/12/17(月) 20:56 ID:qwe1
そうか。じゃあ今度でかけるか?
119:ゆり:2021/12/17(月) 20:57 ID:asd4
えっ、いいの?
うん、出掛けたい!
120:匿名:2021/12/17(月) 20:59 ID:qwe1
じゃあ場所は俺が決めとく。
メールで送るからいいよな?
121:ゆり:2021/12/17(月) 21:00 ID:asd4
OK!
122:匿名:2021/12/17(月) 21:03 ID:qwe1
あとゆりから何か貰う約束、だったよなぁ?
123:ゆり:2021/12/17(月) 21:03 ID:asd4
うっ…
受信MAIL[222/500]
──────────────────────────────
time2021/12/18/07:22
from麻生泰彦
題名
──────────────────────────────
遊園地行こうぜー!
八時半ごろに迎えにいくから。
急だけど、次の土曜じゃだめか?
受信MAIL[120/500]
──────────────────────────────
time2021/12/17/18:28
from篠原百愛
題名もちろんだよー
──────────────────────────────
遊園地!行くー
大丈夫だよ、もう冬休みだし。
うん、待ってるね!
受信MAIL[223/500]
──────────────────────────────
time2021/12/17/19:15
from横川伊久実
題名次の土曜さ、
──────────────────────────────
次の土曜日、テストもおわったしカラオケ行かないかな?
受信MAIL[91/500]
──────────────────────────────
time2021/12/17/19:21
from篠原百愛
題名伊久実ー!!
──────────────────────────────
わー、ありがとう!
でもこの前話したお兄ちゃんと遊園地に行く約束してて、いけないです…
ごめんね、嬉しいけど…
受信MAIL[224/500]
──────────────────────────────
time2021/12/17/19:25
from横川伊久実
題名
──────────────────────────────
そうかぁー、じゃあ楽しんできてね!
カタカタカタカタ
カタカタ
カタカタ カタカタカタカタ
カタッカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカ
ポチッ
ふう………
「お母さんっ、私の鞄しらない!?」
朝八時、私は広い家の中を走り回っていた。
お兄ちゃんが迎えにくるまであと30分しかないのに鞄がみあたらない。
昨日、今日のために準備しといたのに、それからどこに置いたのかがどうも覚えていない。
「知らないわよ。ちゃんと探したの?」
リビングで朝食のパンを優雅に食べる母は少しキレぎみに言った。
朝からこんなさわがしく動いていたら気分も悪くなるだろう。
「探したもん!椅子の下もクローゼットの中も!」
出掛ける前になって物がみつからない、どこに置いたのか忘れることは今までにもよくあることだった。
椅子の下とクローゼットの中は今までよく物をおきっぱなしにしてしまう場所だった。
「もう一度探してみなさいよ。あと他の場所もよーく。」
お母さんはあいかわらず優雅に、今度は紅茶を飲んでいる。
「でもこんな広いし…わー、あと25分しかないよ!どうしよう!!」
むしゃむしゃして、どうしたらいいのかわからない。
こういうとき、なんで私の家はこんなに広いんだと駄目だと思ってても思ってしまう。
私は髪をわしゃわしゃする。
「百愛〜髪をそんなぐしゃぐしゃにしていいの?」
「あ…………」
もう嫌…。
髪ももう一度セットしなきゃだし、鞄も探さなきゃ…
最悪鞄が見つからなかったら他のでもいいんだけど、あの鞄にはあれが入ってる。今日は絶対駄目だ。
ピンポーン
あぁ、このままだとお兄ちゃんを待たせちゃうな…
「待った…かな?」
息を切らせながら外に出る。
風が気持ちよく吹いており晴れ。最高の天気だ。
そんな中、お兄ちゃんは家の前の電柱によりかかり、暇そうにスマホをいじっていた。
首にはえんじ色のマフラーに少し生地の暑そうなパーカーとジーパン。
こんなので寒くないのだろうか…
私なんかこの前お兄ちゃんに話した白い手袋にコートまで着ているのに。
私に気づいたお兄ちゃんはスマホをポケットにしまいこう言った。
「うん、待った。」
「あ、ごめんなさい。」
確かに私が鞄をどこにおいたか忘れてしまい、あげくのはて20分も外でお兄ちゃんを待たのだから私が悪いけど、
楽しみにしていた日、お兄ちゃんの最初の会話がこうなるとまた傷つく。
「お前、なんで息きらせてんだよ…家の中からでてきただけなのに…」
お兄ちゃんが私のことをじっと見て呆れながらそう言った。
「あー、えっといろいろありまして…」
私は焦りながら答える。
お金持ちの家の長女が朝から家の中を走り回り、飛び回り?、
ベッドの下を自動販売機のおつりがとられずに残っているか確かめる人のように覗いてましたなんて言えるもんじゃない。
「まぁ、いいや。行こうぜ。」
お兄ちゃんはそう行って遊園地の方へと歩きだした。
交通手段はお兄ちゃんに任せてしまったが、遊園地までは8qほどあるので途中でバスかなにかに乗るかもしれない。
「あ、うん…」
私もお兄ちゃんのあとに続いて歩き出す。
なんかお兄ちゃん、変…?
見た目とかは全然変わんないんだけど…
さっきのお兄ちゃんの言葉を聞いて私はそう思った。
少し小走りする。
お兄ちゃんは歩幅が大きくて普通に歩いていたら置いていかれてしまう。
いつものお兄ちゃんなら、10分も待たせたら怒るよね…
顔ちょっと赤いし、風邪、とか…?
あっ、やっぱり待たせたとき、冷えて風邪引いたのかなっ?
ふえぇ、どうしよう…
もしそうだったらどうしよ、怒られるしなにもしないってわけには…
「百愛」
そんなことを歩きながら考えているうちに、お兄ちゃんに呼ばれ、私はびくっとして「はい!」と返事をする。
「ほら乗るぞ。これ、ちゃんとつけろよな。」
いつの間にかどこか知らない駐車場についており、目の前にあるのはバイクだった。
「バイク!?えぇっ、お兄ちゃんのバイク!?これ乗るの?」
目の前にある黒い大きなバイクに少し興奮する。
「そんな驚くこともないだろ?俺、大学生だし、そんな貧乏じゃねーし。ほら、乗るぞ。」
バイクに乗るなんて生まれて初めてだ。
ドキドキしながらバイクに一歩近づいたとき、ふと思った。
お兄ちゃんが風邪をひいていて、それで運転でもしたら…
「あ、あのっ、お兄ちゃん…なんか変だよ?何かあったの…?」
私は戸惑いながらもバイクに乗る準備をしている後ろ姿のお兄ちゃんを呼び止めた。
風邪なんてひいていたら運転できないし、遊園地にいっても歩けなくなるだろう。
「朝、待たせたとき、風邪とかひいちゃったかな?私のせい、ですか…?」
「そう、お前のせいだ。」
またグサッと胸にささる。
やっぱり風邪かな、お兄ちゃん、怒ってるかな?
「う…ごめんなさい…。あのっ、待たせちゃって悪いって思ってたけど、鞄が見当たらなくて…
寒かったですよね、本当にすみません!今日はもういいから帰ろ?看病もするから…」
声が震えて、早口になって、言っていることもめちゃくちゃ。
病気だなんてそんなこともわからないのに色々考えてしまう。
「ちげーし、このばかが。」
「え…?」
いきなり私の考えを否定されて驚いた。
「だから風邪じゃないし!少し外で待ってただけで風邪とか?んなのひくわけねーし!」
「じゃあ…?」
くるっとこっちに顔を向け言うお兄ちゃん。
それなら何だと言うんですか?
もしかして酔っぱらい?えええ、お兄ちゃん何しているの!?飲しゅ 運転になっちゃうよ!?
「────いんだよ」
「な、え?」
僅かに小さい声でお兄ちゃんは下を向きながら言った。
小さくて最後しか聞き取れず、聞き返した。
「おまっ、どんだけはてななの、どんだけ聞き返してんの?耳遠いの?おばあちゃん!?」
お兄ちゃんはいきよいよく早口で言う。
いやっ、まだ14歳ですよ!ぴちぴちの中学二年生ですよ!?
「いや、もう、だから可愛いっていってんの!!」
「え…?」
「いやだから『え?』じゃねぇって!お前がかわい、すぎ、て…」
いきよいのあったお兄ちゃんの声は最後の方で小さくなり、顔を赤くしながらまた下を向いた。
「朝、お前が玄関からでて『待ったかな?』なんて言った時点で駄目だったんだ。
百愛は何故か息切らしてるし、髪おろしてるし、可愛い私服着やがって…」
「お兄ちゃん…」
私の顔はどんどん赤くなっていった。
まさかそんなんでお兄ちゃんがいつもと違ってただなんて…
「わっ、私もお兄ちゃんを見たとき、すごいドキドキしたよ!」
私は声を震わせながらも精一杯答えた。
するとお兄ちゃんは顔をあげ、こう言った。
「いや、嘘だろ…」
「いやいやっ、嘘じゃないよ!お兄ちゃんかっこよすぎて鼻血でると思ったよ!!」
「えー、俺にはただ俺を怖がっているようにしか…」
図星…!!
「まぁいいからさ、早く遊園地行こうよ!人いっぱいになっちゃうよ!」
焦ってこの場からしのぐため、話を進めた。
お兄ちゃんは「たっく…」と肩をすくめながらバイクのヘルメットをつけた。
「ほら、お前の分。」
そう言ってヘルメットを渡されたので、ヘルメットをつけてバイクの後ろの方にまたがった。
「俺の背中、ちゃんとつかんでろよ。」
お兄ちゃんは私の前に座り、バイクのエンジンをかけた。
私はお兄ちゃんにぎゅっとつかまった。
バイクを乗ることなんて人生のなかで一回もないと思っていた。
バイクは車みたいに屋根もなくて風が強くてバイクから落ちそうで、
タイヤも二つしかなくていつ倒れてもおかしくなさそうだし、不良が載ってそうで…
とにかく悪いイメージがあったから、乗りたくもなかった。
だけど今、そのイメージは全部改められた。
向かってくる風が気持ちいい。全身にあたって髪がなびく。
やっぱり車のように安定はしてはない。でもそれがとてもスリル感があって楽しい。
いつも車に乗って、歩いて見ている風景も、バイクではまた違く感じられる。
「お兄ちゃん、バイクって楽しいね!」
バイクのエンジン音が大きいので、自分もそれに負けまいと大きな声で言った。
「だろ?これでいつも大学へ行ってるんだぜ?」
私の声はちゃんと届いたようだった。お兄ちゃんの声も真剣にきけば聞こえる。
「いいなぁ…私はいつも車か歩きだから…」
私は
「いいなぁ、私はいつも歩きか自転車だけど…」
大学の講師と医者の娘。そんな子はお手伝いさんがいて、いつも車で移動しているのかと思うかもしれない。
だけどうちはお手伝いさんなんていない、親は仕事で忙しいので車にも乗れない。
お手伝いさんがいない理由は母親曰、「自分の事は自分がやるのが当たり前。人に頼んでたら生きていけないわよ。」らしい。
と言っても親はやはり忙しいので、私の祖母がうちに遊びに来るついでにやっていたり、私が家事をやったりしている。
私もこの「お手伝いさんを雇わない」は気に入っている。
料理も上手くなるし、他の人に任せていたらこれから仕事にもつけないと思う。
いつも車に乗っていたら運動不足にもなって太っちゃうし…
「あ、そういえば…」
さっきお兄ちゃんは「これでいつも大学に行ってる。」と言っていたけど、どんな大学にいっているんだろう…
「お兄ちゃん、どんな学校に行ってるの!?」
「んー、何か言ったかー!?」
どうやら聞こえなかったらしい。これ以上大きな声を出すのも疲れるので、「着いてから言うー!!」と大きな声で言って終わらせた。
そして気づけば遊園地の観覧車が目の前にみえていた。
これから遊園地でお兄ちゃんと遊べると思うと、すごくドキドキした。
「ねぇねぇ、何のる?もう一回ジェットコースター乗る?あ、ポップコーン食べる?」
「ええ!?ジェットコースターなんてもう乗りたくないです。こんなあとにお菓子食べたくないです。」
「お前、乗る前ははしゃいでたのに、乗ったらすごい叫んで終わったとき、涙目だったよな」
「だってー…こんなこわいとは思わなかったし……けほん、ちょっと喉痛い…」
「いや、こんなにジェットコースターぐるぐる回ってるし、前の人だって泣いてる人いたじゃん」
「私なら平気かなーって…」
「いや、無理だろ」
遊園地に着いて、私とお兄ちゃんは3Dシアター、メリーゴーランドなど軽いものから乗っていた。
4このアトラクションを終えたあと、ジェットコースターに乗ったのだった。
そのジェットコースターはかなり大きく、高いところから落ちたり、ぐるりと一回転したりと、
見た目からしてもかなり怖そうなものだった。
なのに乗る前の私はテンションがあがっていたからなのか、お兄ちゃんの誘いをうけ、すぐさまジェットコースターに乗ったのだった。
案の定、そのジェットコースターは最後には声を出せないぐらいに怖くて、私は泣いていた。
そのとなりでお兄ちゃんはずっと手をあげて笑っていた…
「」
「じゃああそこのベンチ座ろう?落ち着いたら何か食べたいし」
私はそう言って近くにあったベンチを指差した。
「なんだ、結局食べるのかよ。」
「疲れたときは食べればいいの!」
「お前、そんなこと言って太るぞ?」
「そんな食べないし!私は食べても太りません!」
そんなふうに会話をして、アトラクションに乗って、食べて歩いて、夕方まで過ごした。
バイク!?えぇっ、お兄ちゃんのバイク!?これ乗るの?」
目の前にある黒い大きなバイクに少し興奮する。まさかバイクに!?
「そんな驚くこともないだろ?俺、大学生だし、そんな貧乏じゃねーし。ほら、乗るぞ。」
バイクに乗るなんて生まれて初めてだ。 ドキドキしながらバイクに一歩近づいたとき、ふと思った。
お兄ちゃんが風邪をひいていて、それで運転でもしたら…
「あ、あのっ、お兄ちゃん…なんか変だよ?何かあったの…?」
私は戸惑いながらもバイクに乗る準備をしている後ろ姿のお兄ちゃんを呼び止めた。
風邪なんてひいていたら運転できないし、遊園地にいっても歩けなくなるだろう。
「朝、待たせたとき、風邪とかひいちゃったかな?」
「いや、そんなんじゃ…」
風邪じゃないなら何?
「じゃあどうしたの?無理してるんですか?そんなこといいから帰ろうよー」
お兄ちゃんのパーカーをくいっと引っ張りながら言う。
病気だなんてそんなこともわからないのに色々考えてしまう。
「ちげーし、このばかが。」
「え…?」
いきなり私の考えを否定されて驚いた。本当になんだというの?
「だから風邪じゃないし!少し外で待ってただけで風邪とか?んなのひくわけねーし!」
「じゃあ…え?」
くるっとこっちに顔を向け言うお兄ちゃん。
それなら何だと言うんですか? もしかして酔っぱらい?えええ、お兄ちゃん何しているの!?飲しゅ運転になっちゃうよ!?
「────いんだよ」
「な、え?」
僅かに小さい声でお兄ちゃんは下を向きながら言った。
小さくて最後しか聞き取れず、聞き返した。
「おまっ、どんだけはてななの、どんだけ聞き返してんの?耳遠いの?おばあちゃん!?」
お兄ちゃんはいきよいよく早口で言う。
いやっ、まだ14歳ですよ!ぴちぴちの中学二年生ですよ!?
「いや、もう、だから可愛いっていってんの!!」
「え…?」
「いやだから『え?』じゃねぇって!お前がかわい、すぎ、て…」
いきおいのあったお兄ちゃんの声は最後の方で小さくなり、顔を赤くしながらまた下を向いた。
「朝、お前が玄関からでて『待ったかな?』なんて言った時点で駄目だったんだ。
百愛は何故か息切らしてるし、髪おろしてるし、可愛い私服着やがって…」
「お兄ちゃん…」
私の顔はどんどん赤くなっていった。 まさかそんなんでお兄ちゃんがいつもと違ってただなんて…
「わっ、私もお兄ちゃんを見たとき、すごいドキドキしたよ!」
私は声を震わせながらも精一杯答えた。 するとお兄ちゃんは顔をあげた。
「いや、嘘だろ…」
「いやいやっ、嘘じゃないよ!お兄ちゃんかっこよすぎて鼻血でると思ったよ!!」
「えー、俺にはただ俺を怖がっているようにしか…」
図星…!!
「まぁいいからさ、早く遊園地行こうよ!人いっぱいになっちゃうよ!」
焦ってこの場からしのぐため、話を進めた。
お兄ちゃんは
日はとっくに沈み、遊園地には灯りがともなり、疲れてくだくだ歩いてる人もみえるなか、
遊園地の大部分では夜のパレードが行われていた。
私とお兄ちゃんもそのパレードをベンチに座ってみていた。
「お兄ちゃん、綺麗だね。」
夜のパレードは大きい広間、道、湖をつかったもので、派手な服装をしたサーカス団のような人が躍り、
音楽を奏で、全面に明るい光が照らされ、湖の水に反射し、きらきらと光っていた。
とても幻想的なもの。
「うん。まぁ百愛よりは綺麗じゃないかな。」
「え?」
真っ直ぐ前を向いて、無表情で言うお兄ちゃんに、私はまた'はてな'で返した。
きっと嘘なんだろうけど。
「あはっ、嘘だよばーか。」
笑いながらお兄ちゃんはこっちを向いて言い、ニカッと白い歯をみせた。
「やっぱり…」
「あれ、気づいてた?なんだ、つまんねぇの。」
お兄ちゃんは口をとがらせ、また前を向いた。
「もうそんなのわかります…」
お兄ちゃんは私のことをこんなすぐに誉めない。
大抵は私のことを馬鹿にするだけだ。
「百愛。今日楽しかった?」
「うん、すごく楽しかったよ?」
私は素直にそう答えた。
お兄ちゃんと話しているだけで楽しいけど、
今日は外出して、ずっと一緒にすごいて、いっぱい話してすっごく楽しかった。
「じゃあよかった。俺もすごく楽しかったよ。」
私をみつめてお兄ちゃんはしんみりと笑った。
「今日、百愛と一日すごしてもっと百愛のことを知れた気がするな。」
「たとえば?」
「え、言っていいの?例えばねぇ、百愛は大食い、よく転ぶ、絶叫に弱い」
「」
「猫舌、とか。」
「それって良いところひとつもないじゃん…」
「まぁまぁ怒るなって。可愛い顔が台無しだよ?」
「怒ってないし!」
私はそっぽを向く。
お兄ちゃんはいつもほんとに面倒だなぁ…
「怒ってるじゃん。」
「怒ってないです。」
「嘘。」
「本当!」
「あは、怒った百愛も可愛いよ?」
「もう…」
もう疲れてしまった私はまたお兄ちゃんの方を向いた。
お兄ちゃんは立ち上がり、こう言った。
「さぁ、帰ろう?パレードも終わったみたいだしな。」
「うん…」
私も立ち上がり、先に歩き始めたお兄ちゃんのあとを追った。
「あ、そういえば…」
お兄ちゃんは急に立ち止まった。
お兄ちゃんの歩くスピードが速かったおかげでぶつからずに済んだ。
そしてお兄ちゃんは私の方を向いて悲しそうに言った。
「しばらく、百愛に会えないや。」
「なっ、なんで…?」
「といってもたったの三週間だけど?大学の先生が俺のおすすめの就職場所みつけてくれてさ。
就職するのはまだ先なんだけど、今しかあちらがわが時間がないみたいで。」
しばらくなんていうもんだから何ヵ月とか思っていたけど、よかった。
「そうなんだ。じゃあ待ってるね。
ていうか、大学ってお兄ちゃん、どこの大学なの?」
ずっと気になっていて、ずっと忘れていたことをやっと聞けた。
「洸進大学、★化。」
「洸進大学…っええ!?お兄ちゃんそんなに頭いいの!?」
洸進大学。
理数系をあつかった
医療、化学など理数系をあつかった大学で、そういった分野では国のなかで6番目に頭がいい。
父がいってる大学はそこではなく、それより頭のいい大学なのだけど、
そこの大学には父の友達がいて一緒に実験をすることもあるらしい。
まさかお兄ちゃんがそこの大学の人だなんて…
「なんだよ、そんなに驚くことないだろ?前に数学教えてやったじゃん。」
「頭いいなーとは思ったけど、そこまでとは…就職ってお兄ちゃん、何目指してるの?」
「もちろん★だけど。」
「そうなんだ!頑張ってね!応援する!」
「応援されなくても全然大丈夫だけどな。あと冬休み中も勉強しとけよな。」
「っ、いったぁ… 」
髪の分け目を手でチョップされた。
大して痛くもないのに、反射的にそう言ってしまう。
「冬休み、本当はみっちり勉強させようと思ったんだけどなー」
私の頭に手をのけたままお兄ちゃんは話す。
「大丈夫ー私だけで頑張れますー」
私は頭に手をのっけられたまま話す。
「さみしがって泣くんじゃねーぞ?」
「お兄ちゃんいなくなっても悲しくないもん。たったの三週間だし。」
そう、たったの三週間我慢すればいいんだ。たったの…
「それに私たちには掲示板があるので!」
全力の笑顔で私は答えた。
「そうだな。じゃあ行こうか。」
そう言うとお兄ちゃんはやっと私の頭から手をどけて、また歩きだした。
もう空には満点の星がみえていたその時、
「─────あれ、誰か…」
誰かが私をみてるような気がして後ろを振り返った。
しかし誰もいないので気にせずお兄ちゃんのあとをおいかけていった。
「あ、ちょっ、お兄ちゃん待って!」
楽しすぎて、肝心なことを忘れていた。
私がお兄ちゃんを呼び止めると、お兄ちゃんの歩いていた足がとまり、振り向いた。
「ん?何?」
お兄ちゃんもすっかり忘れていたようだ。
お兄ちゃんが言ったのに…『何かくれ』って…
「あのね、えっと、私ね、お菓子つくったの…」
そう言いながら鞄の中をあさるようにお兄ちゃんに渡すものを探した。
なんかすごく照れくさい。こんなものを渡してお兄ちゃんは喜ぶのだろうか。こんな漫画にありきたりなもの…
「はい!クッキー!」
見つかったものを両手で
お兄ちゃんの前へと差し出す。恥ずかしいので、顔は下を向いて。
「あ…忘れてた…」
お兄ちゃんはそう言った。すると手にかかってる重力が消えた。私はお兄ちゃんをドキドキしながら見上げた。
袋を持って、じろじろと観察するようにみていた。
「これ、くれるんだよな?」
お兄ちゃんは袋から目を離して私をみながら言う。
「うん。すっかり忘れてたんだけど…作ったの、食べてみて…?」
お兄ちゃんは何も言わず、その場で袋を開けた。そして、私のつくったクッキーを口に運んだ。
どうだろう、料理には自信があるけど、お兄ちゃんの口にあうかどうか…
でも電車で会ったあとに、苦いのは苦手だと言ってたから、甘いのは好きなんだと思うんだけど…
「……おいしい………」
クッキーを一個食べ終わったあと、小さく言った。
「ほんと!」
またお兄ちゃんに誉められた!つくったかいがあった!
自分が得意としているものを誉められるというのは、とても嬉しい。跳ね上がりたい気分だ。
「悔しいけど!認めたくないけど!お前に得意なことがあるとムカつくけど!」
「なっ…なんでよ!私に得意なことあっちゃいけないですか!」
「別に少しぐらいあってもいいかもしれないけど!これじゃあ料理に関して百愛を罵られないんだよ!」
「……Sだ!お兄ちゃんSだぁ…」
「Sじゃねぇし!」
今日もこうして最後までお兄ちゃんと言い合って、一日が終わろうとしていた。
「ふぅ、たっく…もういいや、帰ろうか。」
言い合いにも疲れたし、さすがにもう開園時かんなので帰ることにした。
そして、遊園地の出口に向かってると何かを感じた。
「─────あれ、誰か…」
誰かが私をみてるような気がして後ろを振り返った。
しかし誰もいないので気にせずお兄ちゃんのあとをおいかけていった。
151:ゆり:2021/12/23(日) 21:23 ID:asd4
昨日は
152:匿名:2021/12/23(日) 21:45 ID:qwe1 まぁ一応?一応な!
153:ゆり:2021/12/23(日) 21:50 ID:asd4 それでも嬉しいですー
154:匿名:2021/12/23(日) 21:51 ID:qwe1 あれ、俺に感謝の言葉は?
155:ゆり:2021/12/23(日) 21:53 ID:asd4 あ、えっと… ありがとう…
156:匿名:2021/12/23(日) 20:53 ID:qwe1 心こもってないんだけど。
157:ゆり:2021/12/23(日) 20:54 ID:asd4 いやでも文字で伝えろって言われてもそりゃあ…
158:匿名:2021/12/23(日) 20:56 ID:qwe1 そうか。じゃあ今度でかけるか?
159:ゆり:2021/12/23(日) 20:57 ID:asd4 えっ、いいの? うん、出掛けたい!
160:匿名:2021/12/23(日) 20:59 ID:qwe1 じゃあ場所は俺が決めとく。 メールで送るからいいよな?
161:ゆり:2021/12/23(日) 21:00 ID:asd4 OK!
162:匿名:2021/12/23(日) 21:03 ID:qwe1 あとゆりから何か貰う約束、だったよなぁ?
163:ゆり:2021/12/23(日) 21:03 ID:asd4 うっ…
151:ゆり:2021/12/23(日) 09:23 ID:asd4
昨日は楽しかったです!
152:匿名:2021/12/23(日) 10:45 ID:qwe1
本当?
153:ゆり:2021/12/23(日) 10:50 ID:asd4
うん!ありがとうー
154:匿名:2021/12/23(日) 10:51 ID:qwe1
俺が行きたかったわけだし…
それとクッキーはどうも。
155:ゆり:2021/12/23(日) 10:53 ID:asd4
料理は得意なので!
お兄ちゃん、いつからお出掛け?
156:匿名:2021/12/23(日) 10:53 ID:qwe1
今日の午後。
157:ゆり:2021/12/23(日) 10:54 ID:asd4
そっか、体気を付けてね。
158:匿名:2021/12/23(日) 10:56 ID:qwe1
お前よりは体全然丈夫だし。
ゆりこそ気を付けろよな?
159:ゆり:2021/12/23(日) 10:57 ID:asd4
大丈夫だよー
私、普通に体丈夫なんだからね
160:匿名:2021/12/23(日) 10:59 ID:qwe1
あ、あれか。馬鹿は風邪引かないってやつ。
161:ゆり:2021/12/23(日) 11:00 ID:asd4
ばかじゃなうもん!
162:匿名:2021/12/23(日) 11:03 ID:qwe1
なう?
163:ゆり:2021/12/23(日) 11:03 ID:asd4
あああ…
163:匿名:2021/12/23(日) 11:03 ID:qwe1
ばーか
・
・
・
「洸進大学、臨床検査技師科。」
「洸進大学…!お兄ちゃん、そんなに頭よかったの!?」
洸進大学。
全国でも有名な、国立医療大学。
細胞検査士、診療放射線技師、理学療法士など、さまざまな医療技術者について学べる大学。
お兄ちゃんはその大学の臨床検査技師科についてるらしい。
臨床検査技師の分野は、医師が適切な診断や治療を行うには、
患者様から得られた検査情報を正確に評価する必要があることから設けられたもの。
これらの検査情報を得るための専門的な技術と知識をもつ職能集団が臨床検査技師という。
臨床検査技師の業務(任務)は、医師又は歯科医師の指示の下、
検体や患者様の身体から得られた検査情報を正確に分析・評価し、 それを医師に報告することらしい。
私の母親は医者なので、こういった職業の人ともつながりがある。
それで、この職業を知り、ネットで調べたときがあった。
その職業についてお兄ちゃんが勉強してたなんて…
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタカタ……………………………………
「これで_______」
ポチッ
「できたぁっ_______!!」
午後4時33分。もうお兄ちゃんは家から出て中国地方の病院へと向かっているころだろう。
そんなことを考えるとなんか悲しくなって、『.2』をあけられずにはいられなった。
162:匿名:2021/12/23(日) 11:03 ID:qwe1
なう?
163:ゆり:2021/12/23(日) 11:03 ID:asd4
あああ…
164:匿名:2021/12/23(日) 11:03 ID:qwe1
ばーか
165:ゆり:2021/12/23(日) 11:04 ID:asd4
ばかっていう方が馬鹿なんだよー、ばーか
166:匿名:2021/12/23(日) 11:05 ID:qwe1
うるせえ!!
167:ゆり:2021/12/23(日) 11:06 ID:asd4
えへへ、うるさくてけっこうだよー
お兄ちゃん頑張ってね!
168:匿名:2021/12/23(日) 11:06 ID:qwe1
おう!
169:匿名:2021/12/23(日) 20:34 ID:qwe1
着いた。
ゆり、会えなくてさみしい?さみしい?さみしくて氏にそう?
ここまではいつものお兄ちゃんとの会話だった。
私はいつもどおりお兄ちゃんの調子の乗った言葉に返信しようとしていた。
だけど、これは____
170:ゆり:2021/12/23(日) 20:34 ID:asd4
は?寂しがるわけないじゃん。
あんた、どれだけ調子のってんの?自分がかっこいいとか、好かれてるとか思ってんの?
____何?なんなのこれは。
私、こんなこと書き込んだっけ?
でも名前も、IDも同じ…
寝ぼけて、いつの間にか書き込んでたとか…?
続きを読んでいく。
171:匿名:2021/12/23(日) 20:38 ID:qwe1
……………ゆり?
どうした、お前?
171:ゆり:2021/12/23(日) 20:38 ID:asd4
どうもしてないけど。
172:匿名:2021/12/23(日) 20:40 ID:qwe1
本当にゆり?
173:ゆり:2021/12/23(日) 20:40 ID:asd4
それ以外に誰がいるっていうの?
ここは私とあんただけしか開けないでしょ?
174:匿名:2021/12/23(日) 20:41 ID:qwe1
そうだけどさ、なんかいつものゆりとは…
あっ、寂しすぎてキャラかわっちゃったかぁ。
そう、ここは私とお兄ちゃんしか開けられないし、書き込めない。
やっぱりこれは私なの?
不安がどんどんつもっていく。
頭の整理がなかなかつかない。
私は『.2』をリロードした。
175:ゆり:2021/12/23(日) 20:42 ID:asd4
いい加減ほんとに気持ち悪いんですけど。
ぞくっ ……!
時計を見ると、時間は午後8時43分。
ということは、8時42分に書き込まれているこの書き込みは、私じゃない…?
確かに私はずっとこのスレッドをみていた。
キーボードにもさわっていない、マウスしかさわっていない。
誰、誰なの?この人は、これを書き込んだのは誰?
というか、こんなことずっと考えてるんじゃない。
私じゃないゆりの書き込みは、どんどん激しく、棘のある言葉を発っしていく。
こんなの私じゃないのに、こんな書き込みをみていたら、お兄ちゃんに嫌われるっ…!!
私は文字をうっていく。
『おにいちゃん!そのゆりは私じゃない!』
そうして書き込むボタンをクリックした。
しかしでてきたのは__
■あなた!ハッキ ングはいけませんよ!
今すぐこのスレッドをでましょう!
なに、なになになになに!?ハッ キング!?そんなの私してない、なんでこんなのでてくるの!?
私はもう一度おなじ文を打って、書き込むボタンをクリックする。
でもでてくるのは何度やってもおなじ。
■あなた!ハッキ ングはいけませんよ!
今すぐこのスレッドをでましょう!
「なんで…?」
■あなた!ハッキ ングはいけませんよ!
今すぐこのスレッドをでましょう!
「ねぇ…」
■あなた!ハッキ ングはいけませんよ!
今すぐこのスレッドをでましょう!
「ねぇ…」
■あなた!ハッキ ングはいけませんよ!
今すぐこのスレッドをでましょう!
「…………………………ふ」
■あなた!ハッキ ングはいけませんよ!
今すぐこのスレッドをでましょう!
「なんでよおっ!!!!」
何度やっても同じ。書き込めない。
私は恐怖で目から熱いものがどんどん溢れてきた。
机に顔を俯かせて、大声をあげた。
何で、という気持ちがどんどんでてくる。
「何でなのぉ…」
私は小さく震えた声で言った。
「っ!そうだっ、メール!!」
掲示板に書き込めなくてもメールがあった。
メールならハッキングとかないよね…?
私は携帯のメール画面を開いた。
麻生泰彦、麻生泰彦、麻生泰彦、麻生泰彦、麻生泰彦…
私はお兄ちゃんの名前を探した。
久しぶりに会ったときにメアド交換して、それから何回もメールしたのに…
お兄ちゃんのメアドが見当たらない…………
確かに登録しておいたはずなのに、ユーザー自体消えてしまっている。
なんでないの?
今までのメールのやりとりは全部幻覚…?
受信メールにもお兄ちゃんのメールはなかったし、ほんとになんで──?
ここでまた私は絶望的になる。
これではお兄ちゃんと連絡の手段がなくなってしまった。
会いに行くっていっても今の私じゃとうてい行けそうもないし、行けたとしても場所がわからない。
お兄ちゃんは忙しいだろうし、あのゆりが私じゃないことだって気づいてないかもしれない。
そんなことを考えると、今まで以上に悲しくなってしまい、涙がとまらなくでてきた。
今おこってることがとても怖くて、どうすればいいのかわからなくて、不安で…
「なんでよぉ…」
私は地面にぺたりと崩れ、つぶやいた。
涙が眼鏡を汚す。私はそれが嫌で眼鏡をはずして涙をぬぐった。
それでもどんどん涙はでてきて、いつまでたっても途絶えない。
もう、どうすればいいんだろう────
もう夜なので私は布団に入った。
だけどお兄ちゃんは今何を思っているのか、どうすればいいのか、何でこんなことがおきているのかを考えると、
なかなか眠りにつけなかった。
不安で不安だったけど、いつの間にか寝ていた。
朝起きたのは午前06時22分。
起きて敷布団をみると、私のかおがあったところが濡れていた。
きっと寝ながら涙を流していたのだろう。
私は自分のメンタルが弱いと自覚している。
嫌なことがあったりするとすぐ弱い心がでてしまう。
そんな自分がとても嫌で、普段はポジティブに物事を考えているけど、それもずっとは続かない。
まぁ逆に言えばメンタル弱子になっていても、落ち着いたらポジティブになれる。
それが今の私だ。
お兄ちゃんは優しいからあとで説明すればちゃんとわかってくれるはず!
こうなった理由も見つけ出してやる!
まずはパソコンを開いて書き込めるか確かめる。
一日たてば書き込めるようになっているかもしれない。
そして一番気になるのは、私が「.」をみなくなったあと、更新されてないかだ。
お兄ちゃんと違うゆりりが新しく書き込んでいたならそれは見るしかない。
175:ゆり:2021/12/23(日)20:42 ID:asd4
いつものお兄ちゃんだー
嘘だよー、ごめんね
176:匿名:2021/12/23(日) 20:43 ID:qwe1
なんだよ、嘘かよ…
177:ゆり:2021/12/23(日) 20:44 ID:asd4
いつまでもお兄ちゃんに負けてられないからね!
178:匿名:2021/12/23(日) 20:46 ID:qwe1
そうだな。
179:ゆり:2021/12/23(日) 20:46 ID:asd4
じゃあ頑張ってね!
180:匿名:2021/12/23(日) 20:48 ID:qwe1
ありがとうな!
そこで会話はきれていた。
さっきのきつい言い方は消えて、優しい口調になっていた。
お兄ちゃんはこれを私だと思うのだろうか。
【東方】激戦アレンジ集
74: 春瑠 ◆/M hoge :2015/10/03(土) 15:10
171:ゆり:2021/12/23(日) 20:38 ID:asd4
ごめんね、お兄ちゃん。
私、お兄ちゃんともっと話したいし、ずっと一緒に居たいよ。
でもね、本気で学力あげるためにはお兄ちゃんとこうして話している時間も勿体ないと思ったの。
最近会ってないけど、お兄ちゃんがこっちに帰ってきてもしばらく会わなくてもいいかな?
会うことだけじゃなくて、しばらくはここでもメールでも話すのを休みたいの。
お兄ちゃんと勉強してから学力は上がったよ。勉強の仕方はわかった。
あとは自分でちゃんとやらなきゃ。ずっとお兄ちゃんに頼ってちゃいけないもん。
ね?お兄ちゃんならわかってくれますよね..?
172:匿名:2021/12/23(日) 20:40 ID:qwe1
本気かよ?
173:ゆり:2021/12/23(日) 20:40 ID:asd4
うん、本気。
ほんと、ごめんなさい..
お兄ちゃんと会わないかわり、勉強すっごく頑張るから!
174:匿名:2021/12/23(日) 20:41 ID:qwe1
そっか、わかった。
俺はゆりのことを応援するよ。寂しいけど、頑張れよな!
171:ゆり:2021/12/23(日) 20:38 ID:asd4
ありがとう!
私が満足できたら、またここに書き込むね。
寂しくなったらお兄ちゃんの書き込み見てお兄ちゃんのこと思い出して、
それをバネに頑張るから。
172:匿名:2021/12/23(日) 20:40 ID:qwe1
わかった、じゃあまたな。
俺も頑張るからな!
は...?
ちょ、何これ...
お兄ちゃんと会うのをやめるって、話すのをやめるって、一体何なの?
何勝手に話進めてるの?
話はそこで切れていたけど、続きを読むたびに何かよくわからない汗をかいて、
恋愛感情とかそういうのじゃない心臓の鼓動が激しくなっていって、
その書き込みの一文字一文字から目が離せなくて、一文字一文字が意味わからなくて...
私がお兄ちゃんと会うのをやめたい、話すのをやめたいって思うはず無いじゃん...
今、実際にその環境になっているけれど、もう苦しくて苦しくてたまらないんだよ
何でお兄ちゃんは迷いもなく偽ゆりの願いを聞いてるの?
少しぐらい迷ってくれたって、ひきとめてくれたっていいのに.
それに、あのゆりが私じゃないってこともわからないの?
感じてよ...
偽ゆりへの怒りと不安はよりつもり、
書き込めるように、書き込めるように。と強く願い、神様に届くようにと小さな声で囁いた。
神様がいると信じているというわけでもないけど、こういうときは神様に向かって言いたいものだ。
http://www.bannerkoubou.com/photoeditor/scaling
77: はる松 ◆/M hoge :2015/11/08(日) 11:23http://www.bannerkoubou.com/photoeditor/character
78:MEMO hoge:2015/11/08(日) 11:31https://pbs.twimg.com/media/CJjxMY6UsAE04Za.jpg:large
79:MEMO hoge:2015/11/08(日) 11:31https://pbs.twimg.com/media/CEUurlXVAAA3sPB.jpg:large
80:MEMO hoge:2015/11/08(日) 11:35 https://pbs.twimg.com/media/CEUurlXVAAA3sPB.jpg:large
https://pbs.twimg.com/media/CEUurlXVAAA3sPB.jpg:large
https://pbs.twimg.com/media/CEUurlXVAAA3sPB.jpg:large
https://pbs.twimg.com/media/CEUurlXVAAA3sPB.jpg:large
https://pbs.twimg.com/media/CEUurlXVAAA3sPB.jpg:large
https://pbs.twimg.com/media/B6Lpx4nCMAEcZKQ.jpg:large
https://pbs.twimg.com/media/Br8lr2QCMAA9c62.jpg:large
https://pbs.twimg.com/media/Br8n6jgCUAAcdYw.jpg
https://pbs.twimg.com/media/Br8n6jZCEAAJCay.jpg
私の通っている私立白鷺学園は中高一貫の学校で、
この学校に入るための入試試験もそう簡単ではない県でも有名な学校だ。
高校卒業後の大学の進学や就職の成績も平均的に良く、私立なため設備も整っている。
真っ白い壁に大きな窓、広い校庭、部活それぞれにきちんとした練習所があったりと、中学生にはもったいないくらいだ。
私は家も大きく、小学生時の成績が良かったため随分と前から私立に通うことは、誰かが言わなくともわかっていた。
白鷺学園は成績もよく、設備も整っており、家から歩きで行ける場所だったので私はこの学校に通うことにした。
私の二学年は4クラスで1クラス30人。学年120人いる。
今まではずっとその半分の60位だったのに、お兄ちゃんに教えてもらった今回は32位。
28位も順位が上がった。うちの学校は優等生ばかり集まってるから順位を上げるのもそう簡単ではない。
自分でもあり得ない結果でテストが終わった帰り道の下校中でもまだ舞い上がっている。
その様子をみて伊久実はただたんに私を無視る…
「伊久実、聞いてるの?無視しないでよぉー」
私は伊久実のまわりをうろうろして伊久実の顔を覗き込む。
「もうそれ、何回も聞いたし。いい加減うるさい、いちいち相手してられない。」
伊久実はまだ前を向いてスタスタ歩いてく。 伊久実はうるさいときもあるのに、冷たいときはかなり冷たい。
「そんなこと言わないでよ、32位だよ、今までより28位もあがったんだよ?!」
「はいはい、すごいすごい」
伊久実は軽く流した。
絶対すごいって思ってないよね...
「だってぇー。もう嬉しすぎて!」
伊久実に冷たくされても、私の嬉しさは全く冷めない。
これで親にも誉められる、そしてお兄ちゃんにも!そう考えると余計興奮が止まらなかった。
「猛勉強したの?すごい勉強方でもあるの?」
私のあまりの順位の上がり差に伊久実もかなり驚いているようだった。
「えへ、秘密!」
「うわ、自分だけ!ま、今回も伊久実より上だけど。」
伊久実はいつも私より点数が高い。順位だって20位らへんをうろうろ…
伊久実は県外の有名な塾 に通っていてそこで猛勉強しているし、自宅でも頑張っている。
私とは違う伊久実の頑張りに私はいつも憧れている。
そんなことを話していると、鞄からメールの着信音が聞こえた。
「ごめん、メールだ。ちょっと待ってて!」
5*218
1*928
-
Yugioh-Dublado-Episódio 40 -