君が泣いたとき

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1:珱り:2016/09/15(木) 17:19

『ごめんね……』

その言葉を最後に、君はいなくなった。

不思議と僕は……









君が誰か、わからない。

2:珱り:2016/09/15(木) 17:29

3年前。

僕が中学3年生だった時、不思議な転校生がやってきた。

その子は2週間だけ、僕らのクラスメイトになった。

名は、月海和という。

特徴的な名前だったから、よく覚えている。

夏だったのに、長い黒髪をずっとおろしていた。

すっきりとした前髪の下に見える顔は整っていて、男子たちはいつ髪を上げるのかわくわくしていた。

その頃、僕は俗にいう【ガリ勉】で、女の子のことなんて興味を持ってなかった。

もちろん、月海和にも。

3:珱り:2016/09/15(木) 17:34

Character☁

高江 陽太  Takae Yuuta

雲海 月海和 Unnkai Ruuwa

4:珱り:2016/09/16(金) 18:07

偶然にも、僕と月海和は隣の席に……

にはならなかった。

でも僕は、月海和に恋をしたんだ。

きっかけは、委員会だった。

僕は栽培委員だったのだけれど、月海和も栽培委員会に入った。

小さい時から植物は好きで、小学生の時は環境委員会だった。

最初は、何も喋らない月海和にイライラするばかり。

月海和が植物に水をあげていた時、あいつは笑ってた。

その笑顔は、今でも忘れられない。

5:珱り:2016/09/16(金) 18:20

そんな月海和は、親の転勤が続いて……という理由で、他県へ引っ越してしまった。

ほとんどの男子が告白し、夢破れた。

僕も告白しようと思ってた。

でもみんな振られてて、告白しても意味ないと思った僕は、その気持ちをぐっと抑えた。

最後に握手した時……

涙が出そうになって、目尻に力を入れてわざとそっけなくした。

そんな月海和と、またこの時期に会うなんて。

思いもしてなかった。

6:珱り:2016/09/16(金) 18:33

高3の夏といえば、青春真っ盛りだけれど。

友達は彼女とでかけてて、正直暇だ。

この暑いのに、先生はなかなか冷房をつけないものだから、皆保冷剤やらなんやらを隠し持っている。

そんな時に、1人の転校生がやってきた。

名を、月海和という。

なかなか可愛い子だなぁ、と思った。

髪はシンプルにまとめていて、それが整った顔を引き立てている。

月海和は、僕の1つ前の席になった。

最初に席についた時、月海和は小さな声で

「陽太……くん?」

と言った。

なんで僕の名前を……知ってるんだろう。

「初対面だよね?」

僕が聞くと、

「あ……、えっと……ごめん、人違いかも」

月海和は少ししどろもどろになって、目線をずらす。

そう。今、僕は月海和を覚えていないんだ。

7:珱り:2016/09/16(金) 18:37

月海和はいつも、ある時間に姿を消す。

気になってついていくと、月海和の手にはじょうろがあった。

ん?と思いもう少し覗いていると、月海和は花壇の方に歩いて水をあげる。

このとき……なんだか見覚えのある笑顔が僕の目に映った。

一瞬だけ、記憶が蘇る。

あれ……。

僕、こいつのこと好きだった……?。¥

8:珱り:2016/09/16(金) 18:37

最後のやつは誤爆です。すみませんm(__)m

9:珱り:2016/09/16(金) 18:44

気づくとそこはベットだった。

「保健室……?」

「そうだよ。大丈夫?倒れてたらしいよ……。暑さだと思うけどねえ。」

「しっかりしろって〜!」

「まあ、何事も無くてよかったよ」

養護の先生、友達、担任の先生。

みんな心配してくれたんだ……。

「お前〜、校舎裏でなにしてたんだよ?」

「それは……っ」

それは……っ。

なに……してたんだっけ……?

10:珱り:2016/09/16(金) 18:51

教室に戻り席につくと、月海和が振り返る。

「大丈夫?しんどかったら言って?」

「ありがと……でも、暑さで倒れただけだから、多分大丈夫」

僕の言葉に、月海和はでも……と言いたげだったが、諦めて前を向く。

僕、ほんとに何してたんだろ。

11:珱り:2016/09/16(金) 18:54

+Character☁

小林 幸亜 Kobayasi Yukia

12:珱り:2016/09/16(金) 18:55

コメントは随時受け付け中です(*^^*)
ただ、雑談は控えていただけると嬉しいです

13:珱り:2016/09/16(金) 20:10

陽太どうしたんだろう。

そう思うことが増えてきた。

私は、陽太のことが好きで、この高校を選んだ。

私と陽太は幼馴染。

でも、最近の陽太はなんか……、変。

何かに取り憑かれているみたいだ。

思い当たることといえば、雲海さんだ。

雲海さんが転校してきた時から、いつもなにかを考えてるような気がする。

なにかあったんだうか……。

14:珱り:2016/09/16(金) 20:22

夏休みが終わり、秋になった。

この高校では、夏休みが終わるとすぐに林間学校というイベントが有る。

男女4人グループで新種の虫を探そうという趣旨だ。

ペア決めのとき、ちらっと月海和を見ると、1人でいた。

「なあ、雲海入れね?」

僕が提案すると、すでにグループとして決まっていた幸亜と考祐は快く受け入れてくれた。

「雲海、僕らのグループに入らない?」

「え……、いいの?」

ちょっと困惑気味な月海和だったが、その後幸亜が

「何いってんの〜、全然オッケ〜!」

とフォローしてくれたおかげで、月海和の表情が緩んだ。

「ありがとう」

あれ……

なんでこんなに嬉しいんだろう。

15:珱り:2016/09/16(金) 20:23

+Character☁

桑田 考祐 Kuwata Kousuke


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