私がお初に小説を書こうと思います。
元々投稿サイトの作品だったのですが、こっちで不定期更新します…。
感想ご自由にどうぞ〜
一話(元々の方からコピペ)
「ブラックコーヒーを一つ、ミルクと砂糖はいらない。」
少年はそう言って万札をカウンターに置いた。
それを見て少女は答える。
「それで本当に、よろしいでしょうか。」
**********
レンガを基調とした洋風な街並み。
その中心の広場の十字路を曲がったところにその喫茶店はあった。
そこの店の手伝いをしている少女は、たくさんいる客の中で、一人の少年を見つめていた。
少年というより、青年に近いだろうか。
ツヤのある緑色の髪の毛が特徴的だが前髪は長く、そのせいで目元は見えなかった。
手のひらサイズの手帳を手にコーヒーを少しずつ飲んでいる姿が見えた。
少女はレジを先ほど青年が出した万札をもう一度見つめた。
元はと言えば、ここは不思議な店だ。
青年が先ほど頼んだコーヒーに値段は無い。
ここに来る人々…いや、冒険者は懐にある金から思い思いの値段を出していく。
旅立って間も無い冒険者、冒険慣れした冒険者、出すお金で大体の身寄りはわかる。
だけど、そのお金は高くとも700円程度で。
万札を出す物好きはほとんどいない。
あの人は、何者なのだろうか。
そう考えたとこで少女の想像は終わった。次の客だ。
そもそも青年がそのお金を自分の好意で出しただけであって。
別にそれに関して、多いやら少ないやら言う資格は無い。
次に来た客は五百円を少女に手渡し席へ行った。普通はこんなものだ。
少女はレジへお金を入れた。
おそらく、ここまで来て疑問に思った人がいるのでは無いだろうか。
こんなゆる〜い喫茶店がどうやってお金を儲けているのか。
実はこの喫茶店は、旅をする冒険者たちの集う喫茶店なのだ。
ここに来た冒険者たちは、ここに滞在するの仲間(パートナー)と呼ばれる機械が必要になる。
その仲間(パートナー)。少女もその一人だ。
冒険者たちはここで働く少女の中から、自分と相性のいいの仲間(パートナー)を選んで共に冒険をする。
仲間(パートナー)としての仕事が無いうちは、こうやって喫茶店で働くことになる。
少女が以前仕事をしたのは、つい最近のことだった。
「ちょっと、そこの君。」
突然肩をポンポンと軽く叩かれ振り向くと、そこには見慣れた笑顔があった。
「何でしょうか、マスター。」
少女はコーヒーを準備しながら片手間に答えた。
「仕事だよ。ご指名でね。」
「指名?」
指名というのは珍しいことだ。冒険者と仲間(パートナー)。
二人は仕事上の関係でしか無い。
冒険者が旅立てばそこで終わり。二度と街に戻ることは無い。
と言っても、仕事は仕事だ。少女はエプロンを外し。
「はい、今行きます。」
作っていたコーヒーをカウンターに置いて、新しい雇い主の元へ急いだ。
何かいい日になりそうだ、そんな予感があった。
とても、良いですね!私も小説書いてるんですけど、こういうふうにかけなくて…題名を見たとき面白そうだなと思いました!頑張ってください!応援してます!
4:かてぃあ:2017/03/25(土) 23:09グータラ病の私でずが見てくれると嬉しいです( ´ ▽ ` )ノ
5:かてぃあ:2017/03/26(日) 09:24 (二話です(^o^)早えですが4話まで書いてるのでコピペっす)
ウエストをキュッと締めた深い緑色のワンピースに、背中には杖を装備して。
非常用の折りたたみスティックを赤いポシェットに入れたら、仕事用の服装の少女がそこにいた。
杖に何度か魔力を込める練習をしてから控室とカウンターを隔てるカーテンを開けた。
そこにいたのは__________________。
先ほどカウンターに万札を置いて行った青年だった。
前髪の間から綺麗なアーモンド色の釣り目がみえて、優しくも凛々しい雰囲気を匂わせた。
「よろしくおねがいします。」
少女はお辞儀をした。マニュアル通りの対応だった。
「よろしく」
青年は小さくお辞儀をしてマスターに向き直ると、万札を手渡した。
「確かに。」
お金は確かに儲けているはずなのに、マスターは大事そうにお札を受け取った。
そういうところも、きっと変わっている。
「部屋は二回の宿屋を使っていいからね。それと.....」
「はい」
マスターの話を遮り返事をすると、青年は少女の腕をつかんで、半ば強引に少女を外に連れ出す。
なぜかマスターは止めない。
「え......ちょっと、まってください!」
「なに?」
喫茶店から出たところで少女は解放された。
「ちょっと.....なんで.....いきなりなにするんですか!?」
「ここには90日しかいないから。一日目も無駄にせずに依頼をこなしたいんだっつーの。」
90日........。その3文字がどこか引っかかった。
「90日!?」
「うん、聞いてないの?」
「はい」
もともと冒険者は、一つの街に、いつまでもいていいことになっている。
もっと言えば住むこともできる。
「もしかして.....あ」
少女はあることに気付いた。
「そういえば、名前はなんていうんですか?聞いてませんでしたよね」
思い出したように少女は聞いた。
確かに、という表情をしてから青年は口を開いた。
「俺はユウ。君は?」
「無いです」
「はい?」
「だから、名前がないんです。」
即答だった。
「この町のギルドの仲間パートナーは名前がないんですよ。冒険者の方がその都度名前を付ける決まりなんです。」
さっき説明できなかったことを淡々と話す。
「それって寂しくないか?」
ユウは予想外の答えを返してきた。
「はい?」
「だってさ。その冒険者がどんな名前を付けて、お前がそれを気に入っていても、その仕事が終わったらその名前はそこまでで、その存在は消えてしまうんだろ。ちゃんとここにいるのに。」
「そんなこと、考えたことないです。」
少女は今までたくさんの名前をつけられてきた。いわばペットの様なものだ。
すこし暗くなった空気を持ち上げるかのように少女は言った。
「と、いうわけで名前を....。」
「じゃあ、アンで」
またまた話を遮りユウは言った。
この人、人の話聞かない人だ........。
そう思いながら、
「はい、私はアンです。よろしくおねがいします。」
『アン』は笑顔で答えた。
二人の1日目_________。いや、0日目が終わろうとしていた。
街の明かりのせいでそこまで綺麗な夕焼けは見えないものの、昼と夜の境界を示すグラデーションは、確かに夕方を意味していた。
「本、お好きなんですか?」
自分の足元の影を踏みながら、アンは聞いた。
「うん、好き。」
ユウの答えは素っ気なかった。ふとユウを見ると、その緑の髪が光を反射してキラキラと光っていた。
喫茶店までは10分ほど。特にしゃべることもなく歩いた。
喫茶店のドアを開けると、チリンチリンと音がなる。
ドアを押さえて、先にユウを中に入れてから、アンも入った。
本日の営業は終了したのだろう。元々冒険者の集まる場所だし、この時間からやっても意味はない。
「ただいま、マスター。」
奥で食器を拭いていたマスターに声をかけた。
「おかえり」
自分の手つきに合わせるようにゆっくりとマスターは答えた。
「お手伝いしましょうか。後、彼に部屋を用意してあげてください。」
「もう君は部屋に帰って大丈夫だよ。そこの魔法使いさん、コーヒーおひとついかがかな。」
マスターは手招きをした。
アンはそれを横目に自分の部屋に帰って行った。
「明日、朝5時起きだから」
ユウの声が聞こえた気がした。
_____________________
【ユウ視点】
『魔法使いはひとつの街に90日間しかいられない。』
だから、1日も無駄にすることは出来ない。そう考えていた。
だけどここのマスターの話は長い。だからキリの良さそうなところで今日から自分の仲間パートナーとなる少女を連れ出してきた。
だけど彼女は驚くような顔をして、今日は90日に入らないと説明した。
それといくつか、この街についても聞かされた。
そして最後に、名前をつけて___。と。
なんとなく、懐かしい名前のような気がして、アンとつけた。
それなのに、嬉しそうに「よろしくお願いします。」って。
この街も変わっているが、きっとこの子も変わっている。
結論から言うに、この子はよく喋る。
でも図々しいわけではなく、詮索することもないので、どこか心地よかった。
会話の内容は、他愛もないことだ。
そこに八百屋があるだとか、そこを曲がると酒場だとか。
そこで気になることを聞きつけた。
「そこをまっすぐ行くと本屋です。本の種類が豊富なのでオススメですよ。」
自分が犬なら、たぶん尻尾を振っていた。
この国では、あまり本を読むという文化はない。
だから、このように本屋がある街はなかなかない。
何かを悟られたのか、自由に本屋内を見て良いと言われた。
きっと、僕は単純だ。
この子とはうまくやっていける。そんな気がした。
そういやこの話抜けてた…
8:かてぃあ◆R2:2017/03/28(火) 22:54 >>5>>6の間にこれが入ります。
「はい、私はアンです。よろしくお願いします。」
『アン』は笑顔で答えた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
その後、90日の内訳に今日は入れないこと、そして依頼は受けられないことを説明し、ユウとアンは街を散歩していた。
ユウはあまり喋らない方だし、アンも一度区切られたら詮索はしない。
そのため、会話も途切れ途切れだった。
まさに、今もどちらも話題がない状況だった。
「そういえば、まだ聞いてませんでしたよね。」
会話を断ち切るように、アンは口を開く
「ん?」
「あなたは結局、魔法使いなんですか?」
「んー、まぁ」
少し曖昧だが、確実にユウは頷いた。
「それ先言ってください。」
正直冒険者の役職が何であろうと関係ない。魔法使い以外。
説明すると、この世界では魔法使いは貴重な職業として扱われる。
なぜなら、一つの街に一人の魔法使いが必ずいなければいけない決まりになっているからだ。
アンにも理由は分からないが、管理とか色々あるんだろう。
だが現在、その数は少ない。国の中でギリギリで回しているのだ。
田舎の町には魔法使いがいないところもある。実はこの町も、都会だが王都から離れているせいか魔法使いがいないのだ。
そして、魔法使いは一人前になるために一度、王都に向かわなくてはいけないのだ。
その道は険しくここからでも10年はかかるだろう。
少し長くなってしまったが、問題はここからだ。
そのために、魔法使いのみの特別ルール『制約』が課せられている。
『ひとつの街には90日しかいられない。』もそのひとつだった。
「こっちは制約とか色々大変なんですか……………ら。」
何気なくユウを見ると彼の目が、あるひとつの看板に釘付けになっていることに気がついた。
「あの…ユウさん?」
「……!えっと、なんか言った?」
動揺したような目でユウはアンを見る。
「いや…。そんなに気になるなら見ます?本屋」
「別に見なくて良いし」
ユウは辺りをキョロキョロと見回した。喫茶店からの道のりを覚えようとしているように見えた。
「一人で来ようったって無駄ですよ。最初の一週間はどんな所にもお供するようにとマスターから言われてるんです。気になるなら見ましょうよ。」
ほぼ無理やり。アンはユウを引っ張った。
強引なのはさっきの仕返しだと思おう。そう心で思いながら。
30分ほど色々なるならところを見てから、ユウは戻ってきた。
さすがに本屋の中でつきまとうのもしつこいので店の外で待っていたのだ。
まるで公園で遊ぶ我が子を待つ母のような気分だった。
ユウが出てきた頃には、もう日が落ちかけていた。
そんな時間が経っていたことに驚きつつ、
「もう、帰りましょうか。」
アンは、そうユウに言った。
こんにちは。私海兎と申します。
面白そうなので読ませていただきました。
が、すごいですね。
名前のなかった少女の、
アンの世界が広がるサマがありありと『見え』る……。
これほどまでに清らかでいて繊細な、かつ芽吹くような出会いを描いた作品は、
正直。そうそう味わえないと思います……。
続き。楽しみにしてます。では、
>>9
ご愛読(?)・感想ありがとうございます。
今日の更新で書き溜めていた分が終わるのでこれからは不定期になりますがよろしくお願いいたします。
(ちなみに少し短いです…)
喫茶店の階段を二階に上がると、冒険者が滞在する宿屋がある。
そしてその上…、三階には、少女達の暮らす部屋があった。
二人一部屋で、もちろんアンにもルームメイトがいた。
自分の部屋の前に言って
「ただいま」
と、アンが言うより先に
「おかえりー!」
金色の髪をポニーテールに束ねた少女が部屋から出てきた。クララという名前だった。
「新しい仲間パートナー決まったんだって?ねぇねぇ、お話聞かせて。」
アンの手を引っ張る形でクララは部屋に入った。
本日何回目かの出来事だ。
部屋に入るとクララは手を離し、自分のベッドに寝転がる。
「で、どんな人なの?新しいお名前は?」
クララは女の子っぽいと言うか、キラキラした印象の子だ。
「魔法使いだって。新しい名前はアン。」
部屋着に着替えながらアンは片手間に答えた。
「へぇー。じゃあアンちゃんかぁ。よろしくねっ」
可愛い八重歯を見せるように、クララは笑った。
「うん。」
部屋着に着替え終わると、アンはベットに寝転がった。
「でさー。」
クララはアンに向きなおった。
「イケメンだった?」
「は?」
「あ、うん。なんかごめん。」
クララはアンと反対側を向く。
「うーん、でも悪い人そうじゃ無かったかなぁ」
小さい声で言ったつもりなのに、クララはこっちを向き直って
「あんまり男の人好きじゃないアンちゃんがそんなこと言うの珍しいね〜」
と、驚いた顔をした。もうアンちゃんが定着している。
「人を感情が無い人みたいに言わないでください。」
「あ、うん」
「……………」
「……………」
しばらく沈黙が流れると、クララがガバッと起き上がって
「アンちゃん、お風呂行こう!」
じぃーっとアンを見つめた。
「いいよ。最近お風呂先行くこと多くなったね。」
少女達のお風呂や食堂は24時間開いていて、好きな時間に行くことができる。
「だってクララ最近太って来ちゃったんだもん。先お風呂入ると満腹に感じて食べる量減るらしいし、この時間空いてるし。」
「はいはい。じゃあ行くよ。」
アンが風呂の支度を進めていると
「もー、そっちから言ったんでしょっ?」
クララが頬を膨らませた。