ましろが小説を書いていくよぉー

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1:ましろ:2018/01/07(日) 18:42

長編書きます真面目にやります!
楽しんでもらえたら、うれしいかな…

2:萌恵◆yc:2018/01/07(日) 19:15

お、先輩も書くんですね。
楽しみです(^o^)/~~~

3:ましろ:2018/01/07(日) 19:21

「はぁっ……はぁっ……」

もうどれくらい、飛んでいるだろうか。

息は上がって、飛ぶ速度も落ちてきた……。


「だ、ダメ……!ここで止まったら……」


休みたくなる。足を止めたくもなる。
でも、私は止まれない。

追手に追いつかれたら、私がここまで飛んだ意味がなくなる。
進まなければ……。



「ふふ……、見つけたぜ」


「あ……」


見つかった。追手だ。

「持ってるソレを、大人しく渡してもらおうか。命までは取らねえ」

「渡さない……」

渡してもひどい目に遭わされてしまう。
そう思って私は、断った。


「あーあ、めんどくせえよ。大人しく…」

しびれを切らした追手が手を伸ばしてくる。
もう、速度を出して飛べない。


「ぐわああっ!」


……え?

私は驚いた。
突然、追手が苦しみ始めたのだ。


「これって……」

私が持って、守っていたあるものから、光が出ている。
なんだか、とても暖かい……。


「目があ!ぐわあああ!」

追手は、光を見てすごく苦しそうだ。

今なら行ける……。
そう思った私は、また飛び始めた。



「これを、魔法少女に渡さないと……!」

4:ましろ:2018/01/07(日) 23:16

ジリリリ ジリリリ
うるさい目覚まし時計の音が、部屋いっぱいに鳴り響く。

「……んぅ?」

私はそれを聞いて、半分くらい目を覚ましていた。

ジリリリ ジリリリ
目覚ましは止まらない。

「うう……」

もう少し寝ていたい。だけど、目覚ましを止めなきゃすっごくうるさい。
止めなきゃいけない。そのためには、起きなきゃいけない。

「はぁ。起きるから……」

目覚ましを止めたころには、私は完ぺきに起きていた……。


「おはよう……!」

部屋に私だけしかいなくても、大きな声であいさつをする。
誰かが聞いてるわけじゃないけど、なんだか明るい気分になれるからだ。



「ごはん、出来てるぞー!」

リビングの方から、お父さんの声が聞こえた。

「うん!すぐ行くー!」

私は返事をして、リビングへ向かった……。

5:ましろ:2018/01/08(月) 11:38

リビングにつくと、それはそれはいいにおいが漂っていた。


「おはよう、かれん」

そんないいにおいのご飯を作っていたのは、私のお父さん。


「お父さん、おはよう!」

私は元気に、挨拶を返した。
そういえば、このいいにおいは何だろう……。

気になったので、私はすぐにテーブルに座った。

「……おお!」

サンマ……なんだろうな。いい感じに焼かれたおさかなさんに、
とうふのたくさん入ったおみそしる。

そして、炊き立てのご飯!
いいにおいの元は朝ごはんたちだった!


「お父さん、会社もあるのに一人で作ったの?」


「あいつの遺したお前のためだからな。おいしい朝ご飯を作りたいんだ」



あいつ……というのは、私のお母さんのことだ。
私を生んで、死んじゃったらしい。写真もないから、顔がわからないけど。

私を一人で育てて大変だけど、すごく助かってる。
いつもこうしてくれるお父さんは、自慢の父親だ。


「だが、それで時間が無くなった……先に行くから、鍵して出ろよ!」

「はーい!」

お父さんは少し慌てながら、会社へと出かけて行った……。


「じゃあ、感謝を込めて…いただきます!」

私も朝ご飯を食べて、したくを始めるのだった……。

6:ましろ:2018/01/08(月) 19:40

「あとはノートに、ふで箱だね……」

ご飯を食べた後は着替えたり、荷物をまとめたり……
学校へ行く準備をしていた。


「……うん、荷物ばっちり!」
ピンク色のランドセルには、今日必要なものを入れて、手提げかばんもOKだ。


「あっ、こんな時間!」

時計を見ると、7時50分。
8時30が朝の会だから、そろそろ家を出なければ。


「それじゃあ、行ってきます!……お母さん」

顔もわからないお母さん。だけど、見守ってくれてると思うから
……小さな声で、行ってきますを言った。


家を出て鍵を閉め、私は自分の小学校へ向かう。

今日はどんな日になるかなと、いろんなことを考えながら……。

7:ましろ:2018/01/08(月) 20:35

「かれんちゃん、おはよう!」

「あ、おはよう!」


学校への通学路……
8時近くになると、クラスメイトとか学校の子たちでとってもにぎわう。

学校に行くまでに、色んな子と会話できたりして、とっても楽しい。

「おい、聞いたかよ……」

「なんだよ……?」

ん?

後ろの男の子たちが、何かを話している。
テレビの話だったりするかもしれないけど、なんだか気になったので聴いてみた。


「今日さ、転校生が来るらしいぜ……」

「なんだって!」

一人が話すと、ほかの男の子たちが同時に驚いた。


「え!?」

遠くの話だけど、私も驚いている。
転校生……男の子だとか女の子だとか、気になることはいっぱいあるのだ。


「転校生かぁ……楽しみー!」

私にわくわくを隠しきれるわけもなく、ニコニコしながら通学路を走り出した。

8:ましろ:2018/01/08(月) 22:28

キーン、コーン カーン、コーン



「……間に合った!」

お決まりのチャイムが鳴り響くころ、私は学校に着いていた。


「よし、上靴上靴ー!」

私はさっきから、転校生が来るということですごくワクワクしてる。
だから、上靴を履くだけなのにとっても機嫌がいい。



「……はい、それでは皆さん。今日は転校生を紹介しますよ」

教室に着いてから朝の会が始まってすぐ、担任の先生が話しだした。
……待ち望んでいたことが、訪れる。


「おおー!!」

クラスメイト達がざわつきだす。


「ついに…!」

それは私も同じだった。


「それじゃ、入ってください……」




ガラガラと戸を開け……転校生は、クラスに入ってきた。

「これから4年2組で一緒に勉強します。
さくらおか、つきかです。みなさん、よろしくお願いします」


月の花でつきかと読むことを、彼女が黒板に書いたきれいな字で知った。


「おおおおお!」

「かわいい……」


モデルさんみたいにスラっとした身体……、カチューシャをつけた長くて黒い髪。
そして上手な字!

「あの子……なんだか、すごい!」

私も感激しちゃうくらいの転校生で、今日の話題はもちきりになった……。

9:ましろ:2018/01/09(火) 07:04

休み時間……。
いつもならみんな、外で遊んでる。

だけど、今日は違った。


「転校生に質問するコーナー!」

そう言いだしたのは。学級委員の柊(ひいらぎ)さん。

クラスのみんなが桜丘さんの周りに集まって、質問をする時間になった。


「どこから来たの?」

まずは、よくある質問から始まった。


「えーと、四葉町に住んでいました」


「四葉って、同じ県だよね!」

この町からは離れてるけど、電車一本で行けるくらいのところだ…。

「はい。でも、この町のことはまだわからないので、たくさん教えてください!」

そう言うと桜丘さんは、丁寧におじぎをした。
おじぎの仕方も、とってもきれい……。


「じゃあ次、朝光(あさひか)かれんさん!」

「えっ、私!?」

柊さんの迫力ある声にびっくりしたけど、次は自分が質問する番みたいだ。
何を聞こう……?

10:ましろ:2018/01/09(火) 21:35

「朝光ー!頑張れー!」

「変わった質問お願いー!」



結構きつい要求が、クラスメイト達からぶつけられる……。


「ううん・・・」
だけど、何を質問すればいいかわからないっ!


「ふふ、何でも聞いてください」

「な、なんでも……」


困る私に、桜丘さんは笑顔を見せてくれた。
こんな顔されたら、答えないわけにはいかないよね……。

「……」

私の、聞きたいことかぁ……。


「……あのっ!」

「なんでしょう?」

聞きたいこと、思いついた……ていうか、ほんとに言葉づかいが丁寧だなぁ。


「スタイル良くて、モデルさんみたいだけど……どうして?」

最初に見たときに思った、なんで身体がこんなにキレイなんだろって。
この際だから聞いてみたい。


「ああ……私、雑誌でモデルをしてるんです」

「…え?」

11:ましろ:2018/01/10(水) 16:12

そう言うと桜丘さんは、
自分の引き出しから雑誌のようなものを取り出した。

「表紙に載っているのが、私……」

皆が雑誌を見た。そして多分、皆驚いてる。
…私もそうだ。


月刊ミラクルスター……そう書かれた綺麗な色の雑誌の表紙には、
桜丘さんが載っていた。


「これ、桜丘さん!?すごーい!」

「読者モデルってやつか?サインくれー!」


転校生で、さらにはモデル……
周りの子たちが騒がしくて、本人には直接言えなかったけど、


「凄いなぁ……」

私は改めて、感激していた。

そして、いつもと違う学校生活になって、あっという間に下校時間。


「みなさんさよーなら!」

いつものあいさつ。お決まりのあいさつ。
でもちょっと違う。桜丘さんの声が入っているから。

ひとつ気になるのは、おしとやかそうなのに
皆と同じ挨拶だってこと。


「帰ったら何しようかなぁ……」

私は靴箱で上靴を脱ぎながら、家で何をするかを考えていた。



「……あさひかさん、でしたよね?」

「ん? ……あ!」


後ろから声をかけられたから、振り向いた。

立っていたのは、今日の主役だった子……桜丘さん。

12:ましろ:2018/01/10(水) 20:46

「一緒に、帰りませんか?」


「え!」


クラスの注目の的な桜丘さんに声をかけられて、
しかも一緒に帰りたそう……

「あ…、ダメですか…?」

桜丘さんは、なんだか申し訳なさそうな感じだ。
……しまった!びっくりして、私の顔に出ちゃったかも。

「ううん、そんなことないよ!道が一緒じゃなかったら、どこまで行けるかわかんないけど……」

一緒に帰りたくないなんて、とんでもない……だから急いで、誤解を解こうとした。


「良かった!あさひかさんと、お話してみたくて……」

「私と?」

転校生が、いきなり私なんかとお話……嬉しいんだけど、これでいいのかと
何だか不思議な感じだった。


「歩きながら、詳しく話しましょ」

靴箱で話してる間にお互い、靴を履いたりとか準備が済んだみたい。


今日は帰るときでさえも、ちょっとだけ違うようだ……。

13:ましろ:2018/01/12(金) 02:35

「それで、私に話したいことって……」

靴箱を出た後、私と桜丘さんは、並んで話しながら歩いていた。



「……休み時間の時、私のことを、モデルさんみたいだと言ってくれましたよね」

「うん。だって、桜丘さん……何だかきれいで、可愛いし…」


桜丘さんからは、何というか
出てくるオーラみたいなのが他の人とは違っていた。

今思えば、それであの質問をしたのかもしれない。


「可愛いだなんて……。でも、あなたが気づいてくれたおかげで、
私はモデルの自分を見せることが出来た…」


この時桜丘さんは、嬉しそうだったし……寂しそうだった。


「モデルの自分を、見せる……?」
私はそれがちょっと心配になって、話を広げようと聞き返してみた。


「ええ。前の学校では、自分がモデルをしていることを話してなかったんです」

「なんでー!今日みたいに、絶対人気ものになれるのに!」

今日の学校は、色々と凄かった。
桜丘さんに会うために、他のクラスからも女子が来たり、いきなりラブレターを渡す男子がいたり…



「言うタイミング、つかめなかったんです。それで、ここに来るまでずっと…」

えー!と、また驚きそうになったけど、桜丘さんの顔を見てたら
驚いていい雰囲気じゃない気がして……

「でも、この学校では桜丘さんはアイドルだよ!モデルだけど!」

「くすっ……そうね。ありがとう」

かける言葉、あんまり見つからなかったけど……桜丘さん、
顔が明るくなった気がする……。


「あ……」

歩いていると、十字の道に入ってることに気づいた。


「あさひかさん、もしかしてここで、お別れ?」

「うん……」


急に立ち止まったからか、桜丘さんは簡単にわかったみたい。


「私は左の道。また明日、話してくれますか?:

「うん、もちろん!」


こっちは右の道……そうして、私は桜丘さんと別れた……。

14:ましろ:2018/01/12(金) 20:05

「明日も学校、楽しみだなぁ…」

桜丘さんと別れてからも、私は何だかどきどきが抜けなかった。

明日はもっと楽しくなる……
そう考えながら、帰り道を歩いていた。



「ん?……何か、道に……」

もうすぐ家に着くところだった。
少し離れたところに、何かが落ちているのが見える。



「え、猫ちゃん……?」

落ちていたのは、
白くて小さな猫ちゃんだった。



「かわいい……」

猫ちゃんを拾い上げたら、思わず口に出してしまったけど……
ホントにかわいい!

「猫ちゃん、おーい……」

落ちてるというよりは、眠ってるみたいな感じで…
呼んでみても、返事がない。


「……お父さん、許してくれるかなぁ?」


このまま、猫ちゃんを置いていきたくない……
心配になった私は、家に連れて帰ってみようと思った。


「お、おきてるみぃ……」

「…え?」


連れて帰ろうと、猫ちゃんを抱きかかえた瞬間…
信じられないことが起きた。


「ニャルは、起きてるみぃ…!」

「ね、猫ちゃんが、しゃべった!」



……猫って、しゃべったっけ?
突然、白い猫ちゃんがしゃべりだしたのだ。

15:ゆな◆KY:2018/01/13(土) 23:06

ましろ君の小説はじめて読んだけど、面白かったよ!続きがきになる〜!
続きを楽しみにしてますね!

16:ましろ:2018/01/13(土) 23:07

なぜここに書き込んだぁ!別にいいけど!
雑談したらレス遮っちゃうじゃん!

17:ゆな◆KY:2018/01/14(日) 00:20

ごめん!!今度からは書かないようにするね!

18:ましろ:2018/01/14(日) 05:34

「ねこ? ニャルは猫じゃなくて、妖精みぃ!」

「よ、ようせい!?」


これまた信じられないこと。
しゃべる猫ちゃんは、自分のことを妖精だと言っている。


「あなた、一体……」


猫ちゃんで妖精、すっごくわけがわからない。

私は、絵本の中に入っちゃったんじゃないんだろうか……とか、
目の前の不思議な出来事を理解するのに、良い考え方が見つからなかった。


「ニャル・ホワイトカットっていう名前みぃ。ニャルって呼んでほしいみぃ!」


「にゃ、ニャル……」

猫ちゃんの妖精は丁寧に、名前まで教えてくれた。

「私は、朝光かれん。ニャルちゃんとかで、呼んでいいのかな?」

いきなり自己紹介されたけど、なんだか返さないといけない気がして……
私も、自分の名前を言った。


「みぃ!そういえば、こんなことしてる場合じゃないみぃ!」

私が自己紹介をすると、ニャルちゃんはいきなり慌てだした。


「かれん、ニャルには探し物があるみぃ!」


「探し物?何を探して―――」

ニャルちゃんに、もっと話を聞こうと思ったその時……



「……俺も探してたんだよ、お前をなッ!!」


突然、目の前に背の高い男の人が現れた。
なんだか、中学生の不良みたいな格好をしてる。


「あなたは……」

話しかけてみると、男の人はめんどくさそうにこっちを向いた。


「ん……人間か。俺はな、そこの猫に用事があんだよ」

19:ましろ:2018/01/15(月) 05:43

「みぃ……、お前はッ……!」


猫に用事がある……男の人がそう言ったとたん、
ニャルちゃんは固まってしまった。


「ニャルちゃん?ねぇ、どうしたの!」

「み……みぃ……」

固まって、ぶるぶると震えてる。
よくわかんないけど、普通じゃない……。


「怖くて動けねぇか? ならそのまま拾って、持って帰るか……」


「え、持って帰るって……」

男の人は震えてるニャルちゃんに少しずつ近づいてきてる。


「任務完了っと……」

そしてニャルちゃんに、男の人の手が伸びて―――



「……だめっ!」

なんだか、この人をニャルちゃんに近づけさせたら
いけない気がして……

そう思うと、私は勝手に動いていた。


「人間……何しやがる」


「ニャルちゃん怖がってるよ!原因があなたなら、私はニャルちゃんを守る!」

この言葉、こういう時に使うんだなって…
私は無我夢中で、ニャルちゃんを抱きかかえていた。


「ちっ……なら、お前も痛い目遭わせてやる!」

「えっ……!」

男の人は怒った様子で、私にグーを向けてくる。
これってたぶん、殴られちゃうよね……

「っ……!」

思わず身構える余裕もなかったかも。
だけど、その手は私に届くことはなかった。


「ああ?なんだお前……」

「そこまでよ……」

私にグーが飛んでこなかったのは、間に誰かが入ってくれていたからだ……


「大丈夫?」

そしてその誰かは、攻撃を受け止めながら、私に笑顔を向けてくれた。

20:ましろ:2018/01/16(火) 17:51

突然のことで、まだ体が動かない。
だけど私が無事なのは、守ってくれている人がいるからだ。


「あ……」

体は動かないけど、声は出せる。

「あなたは、一体……」


そして、出せるだけの声で、守ってくれたその人に話しかけた。


「私は……魔法使いとでも、言っておこうかしら」


よく見ると、その人は女の子で、私と同じくらいかもしれない。
だけど、その恰好はまるで……

「……魔法使い?」


アイドルみたいなミニスカートのドレス……
色んな所に、月の飾りがちりばめられている。


「魔法使い、だとぉ!?」

パンチを受け止められていた男の人は、かなり驚きながら後ろに下がっている。


「そうよ。あなたみたいな人をやっつけるための……ね!」

そう言うと魔法使いの女の子は、ステッキみたいなのを真っすぐ男の人に向けた。


「受けなさい!――マジカル・ムーンライト!」

女の子が叫んだのは、アニメに出てくるような必殺技の名前……?


そしてステッキから、黄色い光が放たれた。


「ぐ、ぐぉぉぉぉぉぉ!……覚えてろ!」

光を浴びた男の人は、苦しそうにしながら姿を消してしまった……。

21:ましろ:2018/01/16(火) 18:45

「な、なんだったの……」


突然の出来事は、突然終わった。
それも、あまりに一瞬で……


「ふう……」

魔法使いの女の子は、ステッキを下ろして、浅いため息をついていた。


「あれ、その子……」

「ん?」

女の子は私の方を見た。
でも目線は、私が抱えているニャルちゃんのほうに向いているみたい。


「……もう大丈夫よ、ニャル。丸まってないで、顔を見せて」

「みぃ……?」

ニャルちゃんは、女の子の声を聴いたからなのか、
ゆっくりと顔を上げてそっちのほうを見た。


「みぃ!魔法使いの女の子、やっと会えたみぃ!」

ニャルちゃんは私の手を離れて、女の子の方に飛びついた。


「ええっ!!どういうこと?」

……助けてもらったはいいけど、
そのあとから私は何だか、取り残されてるようで……。


「ニャルを守ってくれて、ありがとう……」

「は、はあ……」

守ってもらったのは、私も同じだ。
だけど、魔法使いの女の子はふかぶかとおじぎをしてくれた。


「……今起きたことは、出来たら忘れてほしいわ」

「なんで……?」

正直、忘れられるかどうかが不安なところだけど。


「巻き込むのは、これで最後にしたいから……それじゃあね」

そう言って、魔法使いの女の子は消えてしまった。
なんというか、一瞬で。

ニャルちゃんもいなくなった。
たぶん、さっき一緒に消えてしまったんだと思う。


「……」

一人取り残された私は、とぼとぼと家に帰るしかなかった……。


「それにしても、あの子一体、誰なんだろう?」

名前も言わなかった。わかるのは、私と同い年くらいなことだけ。


「忘れろって言われたけど、また会えないかな……」


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