異次元に迷い込んでしまった女の子
――――――帰りたい?
朝起きると見たこともない場所にいた。
確か昨日はテレビ見て、お風呂入って、ベッドで寝た…はず。
ここはどこだろう?
外の様子を見るために、大きな窓をカーテンの隙間から覗こうとしたとき――――――
バンッ!
ドアが大きな音をたてて開いた。
見たこともない男の子が立っていた。
「起きたんだね。大丈夫?」
彼は心配そうな目で私を見た。
「ここはどこ?貴方は誰なの!?さては私を誘拐したのね!!!」
「誘拐した」そうとしか考えられなかった。
彼は困ったように
「まぁまぁ、落ち着いて!あのね!君、うちの家の玄関のそばで倒れていたんだ
それで、うちに運んだのさ」
私は昨日ベッドで寝ていたはずだ…。道端で倒れていたはずがない
それよりも外の様子を窺いたかった。
「運んでくれたのね。ありがとう。それより、外の様子を見させてくれない?」
「分かった!」っと言って彼はカーテンを開けた
――――――そこに広がった光景はまさに異世界だった
(今さらですが感想等の書き込みOKです。正し、スレ主の落ち込むような発言はお控えください)
4:ろん◆NUg:2019/03/10(日) 15:43 建ち並ぶカラフルな家々、人類外の住民たち、不思議なペット。
「い、い、い、い、異世界………」
思わず言葉が漏れた。
男の子は私がこのような反応をするのは予想通りだというような冷静さだった。
「やっぱり、君、ここの世界の住民じゃないんだね」
「そ、そうよ。な、な、なんで、、、こんなとこ」
彼は諦めたような顔で言った
「どうしてここの迷い込んだのかは分からない。ただ一つ言える事は
――――――迷い込んだらもとの世界へは戻れない」
「なんでそう断言できるのよ!」
彼は悲しそうな顔をし
「俺も、この世界の住民じゃない。
ほら、人間の姿をしてるでしょ?」
私は言葉を失った
――――――迷い込んだらもとの世界へは戻れない
何故そう断言できるか問い詰めた
彼は困ったようにして
「色々試したんだ。
都市伝説を検証したり、古い本を読んだり、長老に話しを聞いたりもした。
ダメだった…。
…それに、異世界からこの世界に来る人が絶えないんだ。
俺たちの他にも数人いる。」
彼は一息置いて――――――
「手がかりは一つだけ掴めたんだ。」
「手がかりって何!?」
私は身を乗り出して聞く
「この世界のどこかに、この世界ともといた世界の狭間というのかな?
この世界ともといた世界をつなぐ場所があるんだ。そこにいって、ある条件
のことをすれば帰れる。」
「それ、いいじゃない!条件って…?」
彼は残念そうに言った。
「その、条件が分からないから前言ったように断言できるんだ」
「全然ダメじゃないの」
「そう、全然ダメ」
「ちなみに場所は特定しているんだ」
彼は胸を張って言った。
「条件が分からなきゃ行っても無駄よ」
私はあきれてしまった。
「だから、その条件を探すのを君に協力して欲しい。
見つければ帰れるんだ。悪い話じゃないだろ?」
確かに悪い話ではない。なにより、元の世界に帰りたかった。見も知らぬ場所は不安だ。
「うん、悪い話ではないね。協力する」
「名前…言ってなかったね。
俺の名前は―――――― 」
「俺の名前はユウトって言うんだ。歳は16。」
幼いの割には私よりも年上だった
「私はミキ。15歳よ」
自己紹介を済ませると私は急かして言った。
「早く、条件を探しましょうよ」
彼は穏やかに笑った。
「時間はあるんだ。まぁそう焦らなくてもいいさ。少し俺と街を廻って見ない?」
のんびりとした彼の様子に少しイラついた。
「私は帰りたいの!ここで無駄な時間を過ごすわけにはいかないの」
「あー」と納得したように彼は頷いた。
「ここでは時間の流れがないから大丈夫だよ。向こうの世界にいつ帰っても、君が
この異世界に迷い込む前の時間さ。
…それとも俺と街を廻るのがイヤなの?」
彼の悲しそうな瞳に私の良心が痛んだ。
彼も私と同じように不意に異世界へ飛んだのだろう。
きっと話し相手が欲しかったのだ。
「いいよ。行こう」
「それで街を廻るって何をするの?」
彼はニヤっと笑った。
「俺と… デ ー ト ♡ 」
「は?」
初対面であるのに関わらず殴りかけていた。
せっかくの私の良心を…。
「やっぱ、行かない」
彼は焦った。
「ウソウソウソウソ、嘘だよ!!!!!冗談だよ!」
あまりに慌てるので面白かった。
彼のジョークのおかげで異世界や彼に対する緊張感が薄れたような気がした。
「冗談かー、仕方ないな。行ってあげるよ」
私がわざとらしく言うと彼は笑った。
「…相変わらず素直じゃないなぁ」
「…相変わらず素直じゃないなぁ」
一瞬誰が言ったのか分からなかった。
彼が言った…。
ユウトが言っていたのだ。
どこかで会ったことのあるような口ぶり。
私は思わず聞いた。
「私たち、どこかで会ってた…?」
「んーん、気にしないで」
優しく私に微笑んだ。
「明日、街を廻ってみようか」
と話を変えてきたので、私はこれ以上言及するのはやめた。
その日はベッドを借りて寝させてもらった。
どこかで彼と会っていたのだろうか、と記憶を廻らせていたが、思い出すことは
できなかった。
あまり眠れない夜だった。
「おはよう!眠れた?」
眠れなかった、と言って彼を心配させるわけにはいかないので
嘘をついた。
「うん、寝れたよ。ありがとう」
「よーし、じゃあ早く準備して!」
彼はそう言って部屋を出て行った。
張り切った様子に私は思わず笑みが浮かんだ。
外に出てみると私は異世界に来たのだ、と実感できるような街並みだった。
カラフルな屋根、活気付いている商店街、そして、人類外の住民達。
新鮮な光景だった。
「最初見たときはびっくりするよねー」
彼は驚かず、何度も見てきた光景のようであった。
そういえば。
と思い尋ねてみる。
「ユウトはいつから異世界にいるの?」
「うーん、もとの世界でいう3年前ぐらい?」
そういえば、この世界では「時間の流れ」が存在しないのだ。
「結構前なのね。ってことは異世界に飛んでこなかったら、約19歳ぐらい?」
「うん、そういうことになるね。でも異世界に飛んだから16歳のまま。
…永遠の16歳的な!?…魔法少女とか!」
そんなフザケル彼を見ていると異世界にいること以外は普通の少年なんだな、
と思えた。
買い物をしたり、観光したりして分かったことがある。
―――ここの住人たちは優しい。
異世界への警戒心、緊張感はこの一日で随分和らいだような気がした。
一つ不思議な体験をした。
私たちは観光する中、「ある場所」へ行くと不思議な感覚がした。
柔らかい雰囲気に包み込まれぼーっとしてしまうようだった。
その後、元の世界での私を思い出した。
忘れていたのだ。
思い出したのは学校での辛い思い出…。
元の世界へ戻る気が少し失せてしまった。
不思議な体験を彼に伝えてみることにした。
「うんうん、なるほどねえ…」
彼は少しの間考え込んだ。
「俺もそんな体験したことあるよ。
ミキはどんなこと思い出したの?」
あまり聞いて欲しくなかった。
「帰る気が失せるような学校での思い出…」
「そっか…。よかったら俺に話してくれない?
一人で抱え込むよりいいだろ?」
「いやだ…。ユウトにも言いたくない」
「俺も元の世界に……
学校に嫌な思い出がある。
俺も話すよ。多分同じ境遇だったんだと思う」
「同じ境遇だったと思う?なんで…?」
「その様子だとミキは覚えてないと思う…。ミキと俺は以前同じ学校だった。
ミキは不登校だった。
俺も不登校だった。
―――少し話すよ。過去のこと
〜過去〜(ユウト編)
俺は変わり者らしい。
普通なんて誰か決めるんだ…。
人間に定理なんてあるのか?
俺と同じように「変わり者」と言われている女子生徒がいた。
ちょこっとお邪魔します、。
もとの世界で繋がりある二人、これからどんな進展があるのか楽しみです、!