短編投げる
お題は随時募集中 丁寧に消化します
お題あればください
20:ミルク抜きカフェオ↑ーレ:2019/07/29(月) 15:29 僕は一ノ谷九郎。前回の話で、定食屋で静にだし巻きを勧めていたあの一ノ谷九郎です。いやでもあそこのだし巻き本当に美味しいんですよ。卵がふわっふわで、箸で分割するときにプルっと震えて、それでいて卵の甘みと鰹出汁の組み合わせが最高なんです。もうこれ一種のフェチなんですかね。だし巻きフェチ。
僕は今大学2年生で、そこそこ有名な大学の史学部に通っています。まぁ、なかなか楽しいですよ。僕が当事者だった事件や戦いが講義のテーマになったりすると、僕みたいな特異な人間は圧倒的に有利になりますので、ついつい饒舌になってしまいます。先日はあの衣川の戦いがテーマになりまして、まぁ辛かったです。
ちなみに静は大学3年生。なんと先輩なんですね……しかし僕と静の間には強い因縁があるので、先輩後輩といったことは意識していません。静は別の大学に通っているし、僕の家からも距離がありますが、僕がこうして頻繁に会いに行くので「遠距離恋愛だなぁ」と思うことはないです。静に会えるなら交通費なんていくらでも出しますよ。
「唐突に思い出したけど、九郎は私の一個下かぁ」
静が年の話をする度に、僕の死後、静がどうなったかということを思い出して胸が痛くなります。――本当に、申し訳ないことをしました。
「前世は、僕の方が年上でしたね」
「てっきり生まれ変わっても年上なのかと思ったよ。まあでも、今世ならよぼよぼになったあんたが見れそうだし、これからが楽しみだよ」
「ふふ」
本当はあのとき吉野山で別れずに、お互いしわくちゃになるまで一緒にいたかったんですけどね。運命がそれを許しませんでした。
史実上の僕――源義経はやはり、平泉で死ぬ運命でした。どの文献を読んでもそう書いてあります。たまにモンゴルまで逃げてチンギスハンになったとか色々言われていますけど、そこまで逃げる体力はまずありませんでした。
せっかく鎌倉よりも平和な時代に生まれ変わってきたんです。それに、愛した(いや、愛している)静もいる。これだけ平和なら、二人で歩いていても誰も襲いかかってこないでしょうね。本当にいい時代になったもんです。
「ねぇ、義経さま」
「なんだい、静」
何か自カプばっかり書いてるけど自カプ好きだから躊躇なく自カプ書く
22:ミルク抜きカフェオ↑ーレ:2019/08/16(金) 18:45 炎天下の渋谷で長いこと並んでようやく手にしたタピオカはお世辞にも「おいしい」と思えるようなものではなかったが、ついでに寄った区立図書館で一瞬目に入った『文学とは何か』というタイトルの本の中身は「フルーツジュースのように凝縮されていて、さぞかしおいしい知識の宝庫なのだろう」と思った。
続かない