人間彼女と宇宙人彼氏

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1:依夢:2020/10/08(木) 01:24

琴宮花音、15歳。


ただいまピンチです。
高校1年生の春。一番最初のテストに撃沈いたしました…。
第一志望だった、この私立五月宮高校に入学してから初の挫折。


はあ、とため息をついて横を見ると、数人のクラスメートの女の子たちが一覧表の前の方を見てたくさんの感嘆詞を上げている。

「どうしたんだろ。」
「花音〜!どうだったー?」
「わっ!あ、晶ちゃん…う〜、訊かないで…」

晶ちゃん。中学校から唯一、一緒の高校に来た女の子。すっごく可愛くて、頭もいい、大好きな子です。

「はは…だろうと思ったけどさ。」
「うぐっ。あ、それより、みんななんであんなに騒いでるの?」
「え?アンタ知らないの?」
「え?うん。」
「長月。一位だったって、ファンの子らが騒いでんのよ。」
「ああ…。」

長月秋桜くん。
実は、すごく気になってるんだよね。
もちろん、好きとかじゃなくって、なんとなく、不思議だなって。
たしかに、身長も高くて、顔も素敵で、誰にでも優しい。うわさじゃ、クラスの大半は秋桜君が好きだとか。
ちなみにこすもす、じゃなくて、しゅうおう、と読むらしいよ…という晶ちゃん情報。

「しゅうおうかー、名前もかっこいいねぇ。」
「あれ、アンタは好きじゃないの?」
「わたしはアイドルの追っかけが忙しいもん。」

それに、きっとすむ世界が違うもん。

2:依夢:2020/10/08(木) 19:00


*感想以外の乱入、荒らし禁止 *語彙力はかき集めてもミジンコ原寸大程度。

3:依夢:2020/10/08(木) 20:02

明くる日の朝、坂道はないのに無駄に長い道のせいで、入学早々鬱になりそうになりながらで校門をくぐると、

「おはよう、花音。」
「おはよ。晶ちゃん…元気だね…」
「アンタはもう死んだみたいな顔してんね。」
「だってさー。そろそろ私が大の苦手とする体育祭があるじゃない?」
「あー、アレ。」
「そうそう、徒競走も綱引きも持久走も、ぜーんぶダメ。」
「パン食い競争は得意そうね。」
「あははは、よく言われます…」
「あっ。花音、前!」
「前?…わふっ?!」

前を見ずに会話するのはすごく危険なのを忘れてた。
…と、そんなことを考える暇はないや


「あ、あの、ごめんなさい…あ。長月君…」

あれ?なんかものすごく…視線が痛い。教室の女子たちからマイナス100度くらいの冷たい視線を感じる…
ああ、長月君にぶつかったからか…

「俺こそ、ごめんね、けがない?」
「あ、ああ、全然!!転ぶのとかも慣れてるしっ!な、長月君もけがとかない?」
「うん、大丈夫。それじゃ。」

…ニコリ、と見た人全員を恋に落としそうな笑顔を向けると、そのまま廊下の人ごみに消えてしまった。

「……。」
「ちょっとアンタ、前見てないとでしょ。…花音?どした?」
「…てた…」
「は?」
「茅野君に似てた…!」
「はぁ?」

……まさか、クラスメートに自分の推しに似てる人がるなんて…!!

「アンタさ、気を付けた方がいいよ?」
「え?何に?」
「気づいてないの?長月にぶつかったときのあんたへの視線!鋭いなんてもんじゃなかったわよ?」
「うそ、そんなに?」
「そんなに。アンタもさ、長月のこと好きなのはいいけど、気を付けてよ?」
「うん…ん?好き?私が長月君を?」
「え?違うの?」
「違うよ?!もしかしてクラスで…」
「噂になってるよ、長月のこと好きで、わざとぶつかったんじゃないかって。」
「そんなわけないよ!まだ長月君のこと全く知らないし…」

これは…私もしかして…放課後、校舎裏に呼ばれちゃったり…?!

「って、それは古いでしょ。…まあ目ェ付けられるとかはあるかもね。」
「そ、そそそんな…!私は平穏でいたいのに…」

何でこんなことになったのか、誰かわかりやすく三行で教えてくれる人を募集いたします…


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