🌸プロローグ🌸
「今回の期末テスト、学年1位は、5科目500点、菜穂!」
「「おおー」」
私の名前は斉藤菜穂、公立中学校に通う3年生。
私は運動音痴な上にコミュ障持ちで、小中学校では周りから馬鹿にされ続けてきた。
けど、勉強だけは誰にも負けた事がなく、私の唯一の誇りだった。
そんな私はついに、日本最高峰の超名門校、「白黒学院」に入学する事ができたのだ。
「はーいじゃあ、二次関数はここで終わりです、次行きます」
授業について行くのが精一杯だ。
まだ高1だけど塾にも通って勉強しないと間に合わないな。
それから数日後。
「うぃーす」
「あ、莉菜!髪染めたんだ、可愛い!でもそれって、怒られないの?」
「あー、ね、うちの学校は勉強さえちゃんと出来てれば基本何しても大丈夫だよ?」
「あー、まぁ確かに……」
授業中にスマホをいじる奴、髪を染めたり、ピアスをしたりする奴も居るけど、基本的には自由な校風だ。
第3話「勉強に対する拘り」
「では、次の部分の英訳、『もしそれが本当なら、どうすれば良いのか?』と言うのを……菜穂!訳して」
「はい、If this is true,what should we do?」
「正解ですじゃあ次は……」
「先生待ってください!この長文では、今の英訳箇所よりも前に”If”が何度も使われています、その為ここは、”If”では無くてProabiding that this is true.~にして、同表現を避けた方が美しくなると思います」
「いやまってよ、”Providing”は口語寄りでしょ、今回の堅い内容だったら”Provided”の方が相応しいから!」
「いやいやいや、文脈を見るに”Provided”より”Given”の方が表現としては適切だし美しいでしょ?」
「いや英作文で分詞構文は分かりづらいって、ここは初心に帰って”If”を……」
もう、合ってりゃ何でも良いでしょ……
また別の授業の日。
「……したがって、n=−3分のPです」
「よし、正解」
「いや待ってくださいよ、最後の結論を導く接続詞にしたがっては美しくないです、ここはよって、を使うべきだと思います」
「いやどうでも良いけどその文脈だと最後は∴の方が綺麗でしょ」
「したがって、で違和感はないけどそもそもの話代入法で解くのはどうなんですか?ここは解と係数の関係を利用した方が回答としては美しいと思います」
「は?それは……」
「まぁまぁ、少し落ち着きなさい、さぁ次行くよ」
こんな事で言い争ってるなんて面倒くさいな。
第4話「校内順位」
こんな感じの私達とは言え、普段の学校生活は他校とそれ程変わらない。
授業を受けて、部活をして、帰りは友達と遊ぶ。
至って普通の女子高校生だ。
こういう学校は、ガリ勉ばかりいると思われがちだが、部活などに力を入れて活動する人だっている。
「いやーまじ約ネバの展開やばくない?」
「いやそれなー」
「ねえねえそれより今日カラオケいこーよ」
「またー?」
「いーじゃん菜穂いこーよ」
「まぁ行くか〜」
私たちがそんな事を話していると、愛羅が話に入ってくる。
「ちょっと菜穂達、遊んでばっかで勉強大丈夫なの?」
「いやだから、一番最初にも言ったけど勉強ばっかじゃだめなんだって」
「ふん、うるっさいな、次の実力テストでは私が勝つから」
「……まぁ良いや、いこいこ」
こういう偏差値主義の奴も多いけれど、それ以外は普通に青春している。
それから数日後。
学校内に校内テストの結果が張り出された。
貼り出された紙を見て皆びっくりする。
愛羅も
「さ、私はどうかな?……って嘘でしょ!?何で私が1番じゃなく、23位なの!?」
その時莉菜が登校してきた。
「やばい遅刻遅刻!」
「いやちょっと待って待って莉菜!莉菜全然勉強してなかったよね?なのに学年2位って……」
「ん?あぁそうなの?まぁどうでも良いけど」
部活も、遊びも、勉強もできる奴って本当にいるんだな、莉菜にはびっくりだ。
……今まで勉強は誰にも負けたことなかったのに
そう思っていると莉菜が口を開く。
「てかこの制度どうなんだろうね?」
「え?」
「全員分の順位を校内に貼り出すのって」
そう、この学校では、1位から最下位までの全員分の順位が貼り出される。
今まで各地域で、勉強が1番出来た子たちが毎回テストで競わされるのだ。
愛羅が莉菜に問う。
「莉菜、あんたも理三受けるの?」
「は?私は医者になる気はないから行かないけど」
「ふん、びびってんの?高みを目指しなよ」
テストの順位で、大体どこの大学に行けるかが決まってくる。
1位から10位は化け物で、彼女達は、国内最難関である、東京大学理科三類含めてどこにでも行けるだろう。
11位から100位の者は、東大や、国立医学部などに入れるレベルだ。
100位から200位も東大レベルを目指す事が多いだろう。
尚、下位100位や最下位は東大は無理だろう。
模試の結果も大事だけど、校内の実力テストの順位も大切なのだ。
「愛羅は医者になりたいの?」
「私は偏差値が高い所に行きたいんだから最高峰の理三を目指すのが当然でしょ、まぁ、後は医者になれば、20代で年収1000万は手堅いし、開業医になれば、年収3000万ぐらいは稼げるしね」
「あっそ、興味ない」
「ちょっと逃げんじゃないよ!」
第5話「大学受験」
〜高校3年〜
「ご馳走様」
「菜穂、あなたは大学どこ行きたいの?」
「あー、私は東大理Iを目指すよ」
「そーなんだ、まぁあなたならやれるはず、頑張りなさい」
「うん」
そして学校に行く。
「莉菜おはよう、ってあれ?なんか少なくない?」
「あー、一部の子はもう学校あんま来ないと思う」
「え?何で?」
「塾で勉強してるから」
「……それって良いの?」
「うちの学校はもうカリキュラム終わってるし、毎年一定数は学校来なくなるらしいよ」
「へぇー」
受験が近づくにつれて学校に来る人は減って行った。
秋になれば、5、6人程度しかクラスにおらず、大半の生徒は塾や家で勉強をしている。