天使の館

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1:伯方さん:2021/11/07(日) 07:10

「天使の館」って知ってる?
不思議なルートでしか行き着くことのできない奇妙な場所。
そこには天使がいて・・・
願いを叶えてくてるんだって。

2:伯方さん:2021/11/07(日) 07:11

https://i.imgur.com/B1PKCn2.png

3:伯方さん:2021/11/07(日) 18:04

喫茶店の路地裏を通り、出る直前に目を瞑って二礼二拍手一礼。
目を開けて路地裏を出るとそこにはあるはずのない森が広がっている。
眼前には森の中にぽつんと佇む一軒の洋館。
そこには天使がいて、願いを叶えてくれる。

それは都市伝説だと思っていたが…
「本当にあったんだ……」
口をぽかんと開けて洋館を見つめていると、洋館から男性が出てきた。
男性、とは言い切れない。肩幅や体格は男っぽいけど顔は女らしい。
喫茶店の制服のような服を着たその男性は口を開く。
「ようこそ。」
その声は中性的で、喉仏も見当たらない。
身長はおそらく180cmは越えているだろう。
年齢は二十歳を越えているか越えていないか。
にこりと微笑みながらドアを開け、私に入るようにと促した。

4:伯方さん:2021/11/09(火) 17:44

「えっと……ここは?」
館の中はアンティーク風で統一されており、普通の制服で来た私が目立つことこの上ない。
長身の男性(?)は私にどうぞと言うように椅子を引いた。
ペコリと会釈をして座ると男性(?)は待っていたかのように話し出した。
「はじめまして。ここは本当に悩みを抱えている人しか来れない秘密の館。
あなたの悩みを教えてください。…水野凪さん。」
「!?」
私はまだ名乗っていないのに名前を当てられた…!?
超常めいたことだが、そもそも路地裏を出たら森が広がっている時点で既に非日常は始まっていたのだ。
名前が割れたことくらいどうってことない。
自分の恐怖心に言い聞かせ、初対面の相手に語りだす。

5:伯方さん:2021/11/09(火) 17:56

「両親から虐待を受けているんです…
母からは殴られて…ごはんもろくに食べさせてもらえない…」
絞り出した声を聞き、男性(?)は優しい声をかけてくれた。
「ゆっくりでいいですよ。
両親ってことは父親からも?」
「……ッ…」
「……あぁ…」
“父親”
この単語を耳にした途端顔を真っ青にして息を荒げる私に気付いたのだろう。
納得したような顔でこちらを見つめてくる。
「あの……私………あの人と………あの人に……い、いれ…」
「もういいです。わかりました。
では…あなたの願いを思い浮かべながらコーヒーを飲んでください。
ローザ、持ってきて。」
「はーい!」
ひょこりと青い髪をふたつに結んだ少女が別の部屋から現れた。
キッチンのような場所でコーヒーを淹れ、私の目の前に置いた。
「よしローザよくやった。お前は最高傑作だ。」
褒められながら頭を撫でられ少女はえへへと笑う。
なんとも微笑ましい状況だが、ひとつの異変が全てを台無しにしていた。
ローザと呼ばれた少女には、右手がなかった。おまけに目は少しロンパっている。
ローザの頭を撫でたのち、コーヒーに手を向け言う。
「さあ、どうぞ。」

6:匿名:2021/11/13(土) 00:20

((( 楽しみです


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