・失踪可能性高め
・ジャンル、ごちゃ混ぜ()
・描写が矛盾する可能性あり
・アンチ・ヘイト的なネタが含まれる可能性あり。
・感想書き込み自由
ーーーーーーー以下より開始ーーーーーー
それはどこにでもある、平凡な日常の夜だった。
黒に塗れた路地裏を男が駆けている。呼吸はどこか荒く、それでいて形相も普通じゃない。男は何かから逃げている様だった。
「 はっ、はっ、はっ、くそっ!くそっ!!なんっだよあれ!!!俺が何したって言うんだっ! 」
その質問に答える者はそこにはいない。走り過ぎて足首やふくらはぎも痛くなって来ている。響く足音は一つ。しかし男の上から跳ねる音が聞こえて来る。カツン、カツン。屋根から屋根へ飛び移り、男の後をついているようだ。男が疲れているのに対して、軽快な足取りで距離を徐々に詰めてくる。
気付けばもう逃げ場が無い。どれだけ走っても、逃げても、振り切れない。やけになれば隠し持っていたナイフを片手に、睨みをきかせて怒声をあげる。
「 降りて来いよ、卑怯者がぁ!!真っ向からなら俺だって強い──── 」
そんな男の蛮勇も、最後まで口が続く事は無かった。気が付けば、腕の感覚が無くなっており、首に一本の赤い線が走る。恐る恐る振り向けば、追いかけて来た者の正体を知る。それは……。
「 深夜に大声をあげるものじゃないですよ、近所迷惑ですからね…お静かに 」
男よりも小柄だと言うのに、どこにそんな力を持っているのかと言う大きな刀と、結ばれた銀の髪に青い目が冷酷な輝きを放ち睨む。その女の事を、男は最期にこう思う。
アイツは人間じゃない、怪物だと。
遺体がひとつ出来れば、女は指を鳴らす。どこからか現れた大きな口を持つシャチの様な生き物が、遺体を丸呑みにする。
溜め息を混じらせながら、女はリストアップされた紙に目を通す。
「 ……次は、此処ですか。少し面倒ですね、遠いものですからね。………『知空学園高校』…中々、この仕事も面倒なものです 」
愚痴は誰にも、届かない。