[小さな庭]
小さな庭に種を巻こう
幸せの種を巻こう
僕たちの花を咲かせよう
水を与えて下さい
太陽の日を与えて下さい
花が満ちるまで
そっと見守って下さい
季節が必ず花を咲かせるだろう
花が咲くまでには
二人の愛も実るだろう
風の言葉に耳を傾けて
生き生きと土の中で
芽吹いている
[小さな自分]
大地に大の字に寝転がり
大地が小さな自分を包んでくれる
風が草花の香りを運んで来てくれる
空には浮き雲がポッカリと
現れては又 消えてしまう
それを見れば儚き我がこの人生
弱気になる心に与えられた
命を大切にしようと言い聞かせる
大地に根を張る大樹のように
自分の存在を知ろう
そして生きる実感を知ろう
愛する者を守る為に生きよう
[色褪せた人生]
その古いアルバムには
色褪せた結婚写真がある
二人仲睦ましい結婚写真
微笑を浮かべ未来を見つめている
愛する二人の間には
見えない生命が見える
静かに時間が流れて
深い海の底から産まれた
二人の愛の結晶は
この世に姓を受けた
溢れる二人の喜びは
どれ程の喜びだったのだろう
どれ程の痛みが彼女を襲ったのだろう
年月は過ぎ二人は老いてしまう
二人の人生は色褪せて逝く
[馬鹿なのか]
サリンの作り方も知らない
原爆の作り方も知らない
原発の作り方も知らない
計算も出来ない
買い物は出来る
人間関係は下手
人間を愛する事は出来る
泪を流せる事も出来る
何故馬鹿なのか誰か教えて欲しい
誰か答えをくれないか
誰も答えてくれない
答えを知っているのは
自分自身なのさ
[俺は障害者]
俺は障害者だ
国に守られている
俺は障害者だ
国に活かされている
俺は税金泥棒だ
身体が動かない
空を自由に飛ぶ
鳥の羽が持ちたい
俺は羽を持っている
詩という羽を
一文字一文字
自分を表現したい
この生命が果てるまで
T[震災]
その日突然大地が揺れ
人々は恐怖に襲われた
あんなに穏やかな海が
街並みと人々を
深い海に流されてしまった
叫ぶ声救いを求める声が聞こえる
人々の消されて逝く
突然爆音が響き渡り
空に煙が立ち上り
この日本[くに]に
見えない魔物が現れた
魔物は風に流されて
この日本を覆い始める
生き残った人々の身体に
沁み込んで魔物が蝕んで逝く
あの街には桜が咲くのだろうか
U [震災]
魂たちよ静かに海の底で眠れ
あの日の悪夢を忘れて眠れ
あの悪夢の日から二年が過ぎ
少しずつ微笑を取り戻して
生きる喜びを知り始めた人々
あの街にはまだ悪夢の爪跡が乗っている
猛毒を吐き続ける魔物は
空気中を漂っている
見えない雨が日本[くに]に降る
四角いコンクリートの中では
政治家たちは討論している
[タイムリミット]
迫るタイムリミット
又、大地が揺れる
人間が知らない
巨大なエネルギーが
地の底に潜んでいる
政治家たちは
魔物を動かそうとしている
巨大な地震が来れば
魔物は眼を覚ましてしまう
政治家たちは
それを知ってて
動かそうとしている
タイムリミットが迫る
この日本[くに]が消える
その日まで考えてほしい
[骨]
見てごらん
これが僕の
焼かれた骨だ
見てごらん
これが僕の
焼かれた骨だ
皮膚は高熱で焼かて
残された物は
灰色になった骨だけ
誰かが泣いている
聞き覚えの人の声
名前は浮かんで来ない
誰かが細くなった
骨を触っている
今までになかった感触だ
お骨は深い土の中へ
埋葬されてしまう
[赤い雨]
窓の向うは赤い雨が降っている
地平線の向うは
赤い湖があると信じて
友はそう言いながら
深い湖に沈んでしまった
友の亡骸は僕等の
掌の中で生きでいきている
今日も赤い雨が降る
あの日のように赤い雨が降る
カラスが不気味に鳴く夜
若者たちはバイクに乗り
地平線の向うにある
湖に向かい赤い雨を降らせる
今日も窓の向うは
真っ赤な染まる
「五七五を書きまくろう!」に来てくれた方ですよね。
詩、素晴らしいです。
[赤い雨]
窓の向うは赤い雨が降っている
地平線の向うには
赤い湖があると信じて
友はそう言いながら
深い湖に沈んでしまった
友の亡骸は僕等の掌の中で生きている
今日も赤い雨が降る
あの日のように赤い雨が降る
カラスが不気味に鳴く夜
若者たちはバイクに乗り
地平線の向うある
湖に向かい赤い雨を降らせる
今日も窓の向うは
真っ赤な夕焼けが染まる
俺には俺の人生があって
他人に決めつけられるのは嫌いだ
ああしろ、こうしろ
そうやって皆俺を支配したがった
どことなく聴こえてきた声は
いつも俺の悲痛の声だった
面倒だ、ウザイ、止めろ、失せろ
そうやって俺から離れるように
顔を歪まして隠すことなく
涙を流す支配人は
ゆっくりと煙の中へ姿を消していく
それでいい、これで良かったんだ
俺はいつも同じ台詞を
自分自身に言い聞かせた
もう二度と過ちを繰り返さないように
もう二度と相手を傷つかせないように
なのに、なのに
いつの間にか顔が歪んでいるのは
俺だった__
アゲ
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