一度止まった。
もう進めないのだろうか。
そんな不安が脳裏を過る。
だけど決して諦めない。
それが自分との約束。
闇にの鼓動に耳を澄ませて神経を尖らせる。
冷たい風が体全体に当たる。
また何かの試練を知らせるかのようだ。
戸惑いと震えを感じてしまう。
それでも闇夜に想いを誓う。
まだ捨てられない。
いや、決して捨ててはいけない。
築いてきたものは此処に健在しているのだから。
悪足掻きと捉えられても信念を貫いて歩き続ける。
そんな約束を交わしたことを忘れない。
嫌な感覚。
素肌が冷風に蝕まれるようでいたたまれない。
何度も逃げ場を探す他なかった。
扉を見つけても体が動かない。
そして扉は消えてしまう。
寒い。
体が固まるようだ。
それでも進みたくて・・・。
真実と虚像の自分の区別がつかなくて愛したのは虚像の自分よ。
鏡に身を寄せて問いかけて空想に耽っていたわ。
虚しい現実に押し寄せられることに耐えられなくて逃げ道を作る日々。
芝居じみたわざとらしい振る舞いをして笑って話したり上品ぶったり、下品なキャラに時々なるのは芯が欠けて弱くなったから。
幾つのお面を用意しているわ。
その内私の素性が知れて壊れることでしょうね。
【虚像】