テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!?【2】

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1:アポロ◆A.:2015/10/01(木) 21:37 ID:4/o

おはようございます、こんにちは、こんばんは、はじめまして。
色々混ぜた駄作者アポロです。
ろくに完結させてないのに書き始めちゃうアポロです。

これはですね、アレですよアレ。
テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!? の別シリーズ第二弾なんです。
そのうちテニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!? とクロスリンクさせていく予定です。

御名前はもういいや! 
【涼風 いおり】でいいや! 面倒臭い!
赤嶺いおちゃんと【り】の違いですけど、そこはそこですでに考えてありますので。

そして赤嶺いおちゃんは氷帝。涼風いおりちゃんは四天宝寺!
しかも男装してます、めっちゃイケメンちゃんと化します。
しかもトリップはいおちゃんの様に階段から落ちたと言う悲惨なモノではなくて、アレですよアレ。

実は、ってここは本編でいいっすよね。

そしてプロフィール!

名前:涼風 いおり(すずかぜ いおり)
性別:女 誕生日:4/9 牡羊座
学年:(前)中三・(現)中三
身長・体重 :170cm ・?kg
一人称(女時)『あたし』(男時)『俺』
喋り方:超一般的。(関西弁)
特徴:テニプリをまずなんにも知らない。聞かされるまで存在すら知らなかった。
相当の面倒臭がり。何もかもにおいて天才。成績トップオンリー。
男女どちらの時もめっちゃ美形。
近畿、兵庫県出身。なので関西弁喋れる(逆に標準語が無理)※←関西人大抵それ。
家庭的。善哉などの和菓子を好んで作ったり食べたり。しかも家が甘味処。(リアルでもテニプリワールドでも)
男子更衣室で着替えていても馴染んで違和感ナッシング☆(もちろんそんなことはしない)な子。
口癖:「俺の辞書に退屈は認めねぇ!(あたしの辞書に退屈は認めねぇ!)」
神奈川の詐欺師の様に嘘をつくのが巧い。
“爆”乳で、男装時はサラシ着用。ギリギリ誤魔化してる。でも先生達は女って知ってる、が、口止め(脅しとも言う)されてる。


次の更新でLet’s go! テニプリワールド!!

22:アポロ◆A.:2015/10/10(土) 16:13 ID:4/o

自室にて。



『……どうしよか。』



あたしは一人、頭を悩ませていた。明日の言葉、明日のみんなの顔、あたしの性別、みんなの目。



『……うわあああっ! もー無理! 明日ぶっつけ!』



そういって部屋に置いてあった鞄の中から凉白風の和菓子を取り出して一人で食べていると。

こんこんこん。

ドアがノックされ、いおかと思い団子をくわえ、服は短パンに薄いTシャツのまま『うぃーす』と出てみると。



『……っ。』



蔵だった。くわえていた団子がぽろ、と地面に落ちて弾力で跳ねる。



「……いおり、ちょお邪魔してエエか?」



蔵の目を見れない。顔を見ずにあたしは『……エエよ別に』と蔵を部屋に入れた。



『……何しに来たん? ……。』

「ん? ふぇふにはんほ?(別になんも?)」

『あ¨?』



喋り方が可笑しかったから蔵を見てみれば、机に置いてあった和菓子を頬張っていた。



『ちょっ、おまっ! ホンマ何しに来てん!』

「いおりに用があってやけど?」

『なら喰うなや。無くなる。』



あたしを見て和菓子を置いた蔵。そしてベッドに座ってあたしに隣に座るように促してきた。渋々隣に座ると蔵が話を切り出す。



「……お前。あのときの凉白風の店員さんなん?」

『……まぁ。








あそこ、あたしの家やし。』

「そか。」



しばらく沈黙が続いて、気まずい。



「なぁ。」



またもや蔵が切り出した。



『なんやねん。悪かったな。』

「まだなんも言うてへんやん。」

『……なんとなくや、なんとなく。』



辛い。やっぱり、こうして面向かって言うんは辛い。



「……気にしなや?」

『……はぁ? 何をや?』

「お前が例え女やったとしても、みんなの態度は変わらへん。そらちょっとはなんか言われるやろうけど、大丈夫や。」

『……蔵。あたし今泣いてエエかな。』

「あかん。」

『なんでやねーん!!』



普通さっきの所は泣かしてくれるところや無いん!?
膝に肘ついて頭を押さえていると……あれ? ちょっと待ってや。ドサッちゅーた思ったら目の前には蔵。でその後ろには天井。

なんやこれ。



『白石蔵ノ介さん?』

「なんや?」

『退けや。』

「イヤや♪」

『いおが見たらなんちゅーやろな?』

「エエもん。」

『あたしが嫌だ。白石退け、それか死ね。』

「今の俺は何を言うても動かへん。」



あ、馬乗りされた。今のあたしの顔、呆れてると思うわ。



「ほなら、いただきます。」



そう満面の笑みで笑って、手を合わせた瞬間蔵に寒気を覚えた。そしてそこにnicegoodタイミングでドアが開いた。



「……部長?」



光ううううううううう! 来てくれてありがとう!!! それからノックしようか! でもありがとう!!!

23:アポロ◆A.:2015/10/10(土) 16:37 ID:4/o



『光うううううう!』

「ちっ、財前……空気読めや。」

『光ありがとう!!! お前マジ救世主!! 空気ちゃんと読めとるよ!』

「とりあえず部長なにしてるんすか。」

『やんなやんな!! 普通そうやんな!』



光がつかつかと歩いてやって来て助けてくれたと思ったら。



「部長、押し倒すくらいじゃ生温いっすわ。」

「俺はこれでも我慢しとるんやで?」

『光もそっち側かーい!』



光に上半身を起こされ、後ろから腹に手を回されたあたし。っていうかなんやねん。我慢って。



『我慢ってなんやねんアホ!』

「「なにって……性よk『なんでやねんんんんんん!』」」



あたしのどこに性欲を思わせる部分があるねん! っていうか光耳元で喋んな! 頭になんや広がって嫌な感じするわボケぇ!



「やって、腹見えとるし。」

『胸のせいやろ!』

「胸めっちゃでかいからっすわ。」

『てめぇらいっぺん死んでこい!』

「「もう無理。」」

『ぎゃあああああっ!!! 誰かああああ!』



ちょっと待ってや! 二人して来るなや! 一人も嫌やけど! 来るなや!
光に関してはもう手が出てきとるし! 離せええええええええええ! 光に後ろから腹に手ぇ回されとるし、足には蔵が乗っとるし、身動き出来んへんねん!



『うをっ!!!』

「……足。」

『うわっ、やめや! 触るな!』



蔵最低や! 太股内側の上からから膝に指滑らしよった!!! っていうか光はなんやねん! 横からにやにやにやにやと! っちゅーか誰でもエエから来てくれや! そしてあたしを助けろ!



『誰か来いやあああああああああああああああああああああ!』



がちゃ。これまたいいタイミングでドアが開きました。



『いおおおおおおおお! どうにかしてコイツら!!!』

「よっし任せろ。」

「待て待て待ていお。構えるな、喧嘩の構えするなや。」

「死ねよ白石。」

「財前は!!?」

「財前はいおりがなんとかするらしいぜ。だから俺はてめぇを殺るのだ。」

「ちょまっ、うぎゃああああ!」



蔵の悲惨な叫び声が聞こえてきたけど、スルーや。お前が悪い。



『光のアホ〜……。手加減せぇへん。覚悟しぃや。』

「いおりさんに負ける気しませんわ。」

『剣道一段柔道三段合気道一段少林寺一段空手二段。なめんなや。』

「……なんかボコられる気ぃしかしないんすけど。」

『やって、ボコるもん。』

「うわあああああああっ!」



最後には光の叫び声も追加しました。

24:アポロ◆A.:2015/10/11(日) 15:30 ID:4/o

翌朝、食堂に入れば全員があたしを見た。
そりゃシャツにスカート穿いてたらな。



「涼風か……?」

「涼風?」

「マジ涼風?」

『てめぇら何回確認すんねん。確認せんでも顔見たら分かるやろボケ。』



あ、言っちゃった。そしたら男子がいっせいに駆け寄ってきた。



「涼風さん!」

「マジでビビったぜお前が女なんてよー。」

「俺時々涼風が女に見えて仕方なかったんだ! けど、ホモ疑惑消えて良かったぜ。」



やら笑顔で迎えてくれるテニス部(各校)に笑顔がこぼれた。そして改めて自己紹介をする。



『改めまして。はじめましてやな。
涼風いおりや! えーと、実は女で、四天宝寺中学3-8の男子テニス部マネージャー! 好きな食べ物は甘いもの、得意教科は全部!
嫌いな食べ物は……ゴーヤとシュールストレミング(世界一臭いにしん(魚)の缶詰)や!
家は凉白風甘味処やで。』



そう言えば、みんなそこまで詳しく言わなくていいのに、のあとに。



「「「家が凉白風甘味処!!?」」」



と目を見開いた。あ、そんなに有名なん? うちの家。



『まぁとりあえずよろしk「認めない!」え。』



声がした方を見ると加川が立っていた。



「なんなのよぉ! みんないおり君にデレデレしてぇ!
しかもぉ、いおり君が実は女の子だったなんてぇ!
いおり君も私と同じマネージャーなんて認めないわぁ!
(私の方が可愛いのに、なんでみんな私を好きにならないの!? なんで赤嶺やいおり君ばっかりなの!?
私の方が数十倍可愛いのにぃ!)」

『……加川。』



あたしは一応声を掛ける。



『……副音声丸聞こえやで。』

「知らないわよぉ! そんなことはぁ!」



あ、行っちゃった。相変わらず走り方キモいな。蔵や精市の方を見てみるとあ、ひきつった顔しとるわ。



『とりあえず!! 今日から涼風いおりは女や! よろしく頼むで!』



と、言うわけで。蔵の言う通りになったんは悔しいけど、みんなあたしを受け入れてくれたから、良かったわ!!

25:アポロ◆A.:2015/10/12(月) 22:56 ID:4/o

合宿の二日目、朝はみんなに全てを話した。トリップの事は喋ってはいないけれど。
だけど、加川の姿を見なかった。可笑しい、静かだ。
加川の好きなイケメンがこんなにいるのに静かだ。



『加川の奴……静かやな、っちゅーかマネ業サボりかいな。』



一人でぶつくさ言っていると、謙ちゃん御登場。



「なんやエライぼやいとるな!」

『あ、凉白風の店員さんに一目惚れしたチキン君。』

「誰がチキンや。それと、その人がお前やって分かった瞬間冷めたわ。あと目も覚めた。」

『……貶された気がするんは気のせい?』

「やって貶してるもん。」

『謙ちゃん、「もん」とか可愛すぎやでもうっ!』



がばーっ。そう飛び付けば「離れぇ!」と拒絶された。あん? なんか不満でもあるんかボゲぇ!(影山被っとりまっせ) まぁ離れてあげたけど。あたしおっとなー!



『なんや謙ちゃん。不満か?』

「……不満っちゅーか、なんちゅーか、その……」

『あ、胸か!』

「……お前……俺がやんわり言おうとしてたのにぶち壊しよってからに!」

『そーかそーか! 謙ちゃんも年頃やもんな! 気になるよな!』

「え……いやいやいや! ちゃうて! 全然ちゃu『恥ずかしがらんでええねん! ちなみにサイズは「言わんでエエわアホ!//」……謙ちゃん。』

「お前もう少し女らしくしろや! 普通言うか!? サイズ!」

『……なんや、謙也。これでも結構なコンプレックスやねんで。動くとき邪魔やし。』

「……だからそー言うところをなおせゆーとんねん。」



あ、謙也呆れた。呆れたよ、ヘタレに呆れられたよもう! どーしてくれるんや作者!(知るか)

ドリンクを作り終えたあと、渡していくと、丸井……丸、ま……そう! 丸井ブ太が寄ってきた!



「ようよう涼風!」

『どないしたんや丸井ブ太君。』

「ブン太だ!!! ブ太じゃねぇ!」

『……ハイハイ。ブン太ブン太。で、なんやねん?』

「凉白風の菓子とか持ってる!? 俺一回あそこのぜんざい食べてみてぇんだ! ほら、神奈川とか東京とか店舗ねーだろい?」

『……あぁ。っていうかあたしの家ってそんなに有名なん?』

「ったりめーだろい! 和菓子と言えば凉白風! ぜんざいと言えば凉白風! すっげー有名なんだぜぃ!」

『へー。じゃあ部屋に有るから後であげるよ。ぜんざいは無いけど団子とか最中とかわらびもちとか塩まんじゅうとか軽めのものが有るから。
みんなで食べる用やけどな。』

「っしゃ!」



ブン太はガッツポーズをして練習に戻った。やっぱりアイツは丸井ブ太やな。

26:アポロ◆A.:2015/10/12(月) 23:14 ID:4/o

午前の練習の休憩時間、あたしは家の菓子が入った鞄を部屋から取ってきた。



『凉白風の菓子の差し入れやでー。』



適当にそう言えば、わらわらわらっとみんなが寄ってきた。そして一番にやって来たのはやはりブン太。



『涼風! 俺塩饅頭と最中と「いっぱい有るから自分で取っていきな」涼風太っ腹ー!』



わーい。そんな感じでいってしまわれた丸井ブ太。次は光で、「なんやぜんざい無いんすか」とぶうたれながらもようかんの皿を丸々持っていかれた。

てめぇどんだけ食う気やねん。



「いおり! 栗最中有るか?」

『あー蔵。えーとちょっと待ってや?』

「お、案外うめぇな。何てーんだ? これ。」

『ああ、栗最中……あ! 景吾おまっ、あー……。』

「?」

『いや、なんもない。


悪いな蔵、景吾が最後のひとつ食ってしもて……。』

「ならわらびもち有るか?」

『うぇーい。あるある! ほい。』

「ん♪」



え、なにさっきのわらびもち口に入れたときの幸せそうな顔。可愛かったんやけど。



『精市ー! 真田ー! 練習より糖分摂取やー! はよ食わんとなくなるでー!』



いまだ練習を続ける精市と真田に声をかける。
なんか人がいっぱいでホンマになすなりそうやったから、塩饅頭や餡最中等をハンカチに数個乗せ、持っていく。



『持ってきたったで!』

「え……でも良いのかなぁ。」

「流石に甘えすぎと言うのも有るのだが……」

『食いや、ブン太が横取りに来るで。それに食うた方がええ。あたしが言うんもなんやけど、多分美味しいから。』

「じゃあ貰おっかな!」

「すまんな。」

『どーも。』



真田と精市に渡して戻ってきたらああ、もうないやん。



『あ、いおー!』

「いおり!」

『和菓子食うた?』

「?」

『くうてないんか。じゃあ夜にいおの部屋言ってあたしの家の和菓子、一緒に食お。』

「なんかよくわかんねーけど良いぜ!」



ふんっ、と胸を張るいおに少し可哀想だと思ったんやけど。



『いお……無い胸張ってもむなしいだけやで。』

「っ! んだとこの爆乳関西人!」

『うわっ、触んな触んな!!! それとあたし言うとくけど一応兵庫県民!!!』

「知るかこのやろう!」

『いっ、いおやめや!』



こいつホンマに容赦無く触って来るわホンマに。やめや。

この時一部の男子がいおを羨ましく思ったのをあたし達二人は知らん。

27:アポロ◆A.:2015/10/14(水) 00:19 ID:4/o

『で、』



合宿二日目夜。inいおの部屋。あたしは頭を抱える。いや流石にあかんやろ。



『なんで居るねん……。』

「笑えねーよマジで。」



いおと同時に溜め息をついた。あたしらが座っとるいおのベッドの周りには長髪青髪眼鏡、謙ちゃん、蔵、それと精市と英二と不二さん。
そしてあたしの右隣にはちゃんといおが居るんですが。
左隣には光が陣取ってます。何この子可愛いねんけど。



「だって今日もらった最中とか美味しかったんだもん。」

『精ちゃん……もんって可愛いな! 抱き付いてエエか!?』

「駄目っすわ。」

『「なんで光/財前君が断るねん/の?」』

「……。((プイ」



あ、そっぽ向いた。



「謙ちゃん、御隣のいかにも似非眼鏡な人は誰なん?」

『いおんとこのレギュラーやろ……? 多分。』

「あぁ、こいつは俺の従兄弟の侑士や、よろ「忍足侑士やで、よろしゅうな」侑士、自分俺の言葉に被せてくるなや。」

『似非眼鏡君、いおに忘れられた感想はあるか?』

「なんや背筋に気持ちエエのがぞわぞわっt『謙也その眼鏡この部屋から放り出せ』

「やて。侑士出ていけ。」

「いおもヘタレも酷いわ……。」



あ、眼鏡君落ち込んだ。……ざまぁ!



『……蔵〜、近いでー。』

「何がや?(爽やかスマイル)」

『顔近い近い。いくんやったら謙ちゃんとこ行き。それか加川のとこ「ごめんなさいごめんなさいそれだけは頼むからやめや。」おもろっ。光、光! シャッターチャンっ!』

「了解っすわ。」



光に写メに納めてもらいつつ、先程からいおにべったりな英二に目をやった。



『英二、いおが暑苦しそうやで。』

「えー。いおちょーど良いもーん。」

『さよか。暑そうやけど。』

「ならいおりさん、俺はエエんですか? 俺平均体温35.0っすよ。」

『誰も抱きつけなんてゆーとらんわ。』

28:アポロ◆A.:2015/10/26(月) 09:30 ID:4/o

合宿もそろそろ終わりに近づいてきた。といってももう最終日なのだけれども。

あたし、涼風いおりには少し不安が出てきました。



『……。』

「……さん。」

『……。』

「いおりさん。」

『……。』

「いおりさん。」

『はうあっ。』



え、なんやねん! 頭ばこーんて、ばこーんて叩かれてんけど!
後ろを向けば光が不機嫌きわまりない顔して立っている。
先輩の頭を叩いたのはお前かやめろや。



『……先輩はたくとは何事やぜんざい君。
あたしなんもしとらんで。』

「無視しましたよね、しましたよね? いおりさんホンマ酷いっすわ。」

『あ。すまん。』



……どうしよう。なんか気まずい。



「いおりさん、なんや辛気臭い顔してますけど、なんかあったんですか。」

『いやぁ、なんかあったと言うか、これからと言うか。』

「なんですかそれ。」



光はドリンクを飲みながらベンチに座っとるあたしの隣に座る。
今は練習中、もちろんあたしたち二人はマネージャー業をこなしとったんやけど、あの日から加川は仕事をしとらん。
まぁあたしが女やって分かってやる気なくしたんやろ。ははっざまぁ!



『……いやなぁ? ほら、あたし学校男装で行っとったやろ? やからあっちはあたしが女やって分かったらどないなるやろ……。めっちゃ不安やねん。』

「……心配することないと思いますけど? 俺らの学校、頭のネジ抜けてますし。」

『……自分の学校やんな?』

「気にしんでください。」



光はそれだけ言い残すと行ってしまった。光ってばあたしが落ち込んでたから見に来てくれたの? もーっホントにツンデレだなお前は!



『おん、大丈夫よな! あたしのクラスには小春ちゃんやらユウジも居るし!』



あたしの中の不安が消えた。

29:アポロ◆A.:2015/10/26(月) 11:53 ID:4/o




「え……。」

『あ……。』



どうしてこうなった。

よし差し入れ行こ! としたらいおも行くことになって共にコンビニへ出向いたら、美少女に出会った。なぜかその子はやべえ見られた、って感じの顔しとるんやけど。



「……何よ。」

『へ?』

「え?」



キッと睨んで来るその子の声に聞き覚えがあった。



『もしかして……加川さん?』

「……。」



ふい、そんな風に目を逸らす加川。え、めっちゃ美少女やねんけど。



「……化粧してない私を笑えばいいわ!」



あ、化粧してないから恥ずかしいのか。でも化粧してない方が、っていうかしてなくても可愛い。



『ごめん、加川さん。めっちゃ可愛い。』

「「!?」」



いおも加川と同じようにあたしを見とる。やって今の加川の顔あたしの好みドストライクやねん、しゃーない。



「な、なんでよ! 化粧もしてないのに!」

『いや、化粧してない方が可愛い。』

「うん、すっごい美少女。」



これにはいおも同意。加川は驚いた顔をしている。



「もうその顔で蔵達の前に出た方が良いよ!」

『いや、ホント冗談抜きで、今みたいに語尾伸ばさず喋っとったら多分清楚な御嬢様風の美少女やで。』

「……そうなの?」

「『そう!』」

「……。」



なんか不服げ。でもあたしはそんなこと気にせず加川……実砂ちゃんの手を引いてレギュラー達のところへ引っ張る。
実砂ちゃんは少し顔をしかめて逃げようとしていたけど、後ろからいおが押していたから逃げ道も無くなり観念して着いてきた。



『蔵ノ介えええええええええええっ!』

「跡部えええええええええええええ!」


遠くに居る部長をフルネームで呼んでやる。(叫んだの間違い)みんなが気付かないように実砂ちゃんを背中に隠しながら。



「なんやいおりーーーー!」

「どうしたいお!」

『悪いけどすぐ人を集めてくれへん!? ニュースやニュース! ビッグニュースや!』

「早く!!!! ゆっきーも手伝って!」

「いおってば仕方ないなぁ。
さぁみんな、10秒以内に集まって! 集まらないと……ふふっ(満笑)」



ゆっきーの一言でみんなこちらに集まる。そして集まったあと、謙也が気付いた。



「涼風の後ろにおる子は誰や?」



それにみんな首を縦に振る。一方あたしといおはにやりと笑って実砂ちゃんを前に出した。

周りは可愛い!! と絶賛。実砂ちゃんは予想もしていなかったのか、目を見開いている。



「ちょっ、その子どないしたん!? 誰や!?」



足綺麗やなぁと謙也の従兄弟が言えば、



『ふっふふ……聞いて驚き!この子はノーメイクの【加川実砂】ちゃんや!』



ざわわっ。
実砂ちゃん含め驚く一同。それに対ししてやったり、とほくそ笑むあたしといお。
なんか爽快感パないわぁ!

30:アポロ◆A.:2015/11/02(月) 23:10 ID:4/o



「え、ホンマに加川さんなん!?」

『せやで、蔵……この子の魅力が分かったか!』



実砂ちゃんの肩をポンと叩いてにししと笑ってみせたった。
みんな実砂ちゃんの周りで「可愛い」を連呼。そしてそれに少しばかり恐怖を覚えたのか、実砂ちゃんはとてて、とあたしの後ろに隠れた。
あかん、めっちゃ可愛い! 前まで太ってるって思てたけど、着込んでてんな! スラッとしてめっちゃかわええよ!



『実砂ちゃん! もうメイクもせず、自然体で居ればめっちゃ可愛いんやから、普通にしとって!』

「いっ、……いおり君っ!?」



肩をがくんがくんと揺らしながらあたしは実砂ちゃんに訴える。この時密かにいおが「胸も揺れてるぞ」と自分の胸をさすりながらあたしの胸を恨めしげに見ていたことは余談である。



「いや、ホンマメイクせんほうが可愛いわ。それと自然体で居ってくれん? そっちの方が学校の奴等も俺らも話しやすい。」

「蔵……。」

『分かった? 次から普通で居って!』

「……うんっ。」



実砂ちゃんとも打ち解けれたところで練習再開。
実砂ちゃんも参加してマネージャーのお仕事を頑張っとるで。



「お疲れ様、謙也くんっ。」

「おぉ、実砂。助かるわ。」



みんな実砂ちゃんの呼び方が『加川』から『実砂』もしくわ『実砂ちゃん』『実砂先輩』になっていたのはあまりにも自然で実砂ちゃんは気付いとらんけれど、大きな進歩や!



『お疲れさん、ほい光、タオルとドリンク。』

「……どーも。」



あ、光不機嫌。むすっとしてるとこがすっごく可愛い。



『あーっ、もー、光めっちゃ可愛いっ。』



がばっと横から光に飛び付けば「わっ」と声をあげて驚いとる。



「ちょ、いおりさん。俺が可愛い言われてもうれしないんすけど。っていうか、何げにいおりさん、俺より6cm身長高いっすね。」

「今頃なん?」



光から離れてそう笑った。

のち、あたしはいおと実砂ちゃんとで慌ただしくコートを走っていた。

31:アポロ◆A.:2015/11/04(水) 21:24 ID:4/o




「いおりく……いおりちゃん! こっちこっち!」



あぁ、実砂ちゃんがあたしのことを君付けからちゃん付けに変えたよ。っていうかその『えんじぇるスマイル』ぱないわ、御姉さんへの破壊力やばいわ。



『どないしたん? 実砂ちゃん。』

「これってどこで洗ったら良いのかなって……。」



そういって差し出してきたのは空のドリンクボトル。あぁ、あんなにサボっていた実砂ちゃんがこんな積極的に仕事をしてくれるとか、御姉さん嬉しいわ!(御姉さんって……)



「これは水道で一旦すすいでからまた準備だぜ。」

『いお。』

「いおちゃん!」

「なんなら一緒にやるか?」

「やるっ、やるやるっ!」



実砂ちゃんのいおを見る目が……なんやハートんなっとるで、ヤバイ、二人とも可愛い。実砂ちゃん普乳やのにいおがぺったんこやからなんや大きく見えるわ。って待てやあたし、いおが可哀想なことわざわざ思うな、あたしは女の子大好きやねん!(おい)
ちなみにレズとちゃうから安心しぃ!



「あ、待ってや手塚。」



偶然通り掛かった手塚を呼び止めた。手塚は怪訝な顔して「なんだ」とぶっきらぼうに言い放つ。
あたしは実砂ちゃんも加え、さきほど監督たちと相談して決めたことを部員に知らせてもらうべく、手塚に教えた。手塚に「みんなにも言っといて貰えん?」と言えばあたしが呼び止めたのを納得したのか「分かった」と一言だけ告げて足早に去ってしまった。



『手塚、顔こえ〜。』



あたしが一人でそんなことを言っていると、金色が寄ってきた。



「なぁにいおりクン? 手塚君と何か楽しいことでもあったのん?」

『いやちゃうから。っていうかなんでクンやねん、あたし女やで。』

「やってカッコいいんやもんっ!」



そういった瞬間、「くぉらぁあああっ」と誰かが叫びながら走ってきた。この声は……



「小春ーっ、浮気かー! 死なすどーっ!」

「やぁんユウ君浮気なんてせぇへんよ!」

『お前らキモいから別んとこでやれやキモい。』



キモいを連発してただひたすらにいちゃつくラブルスを放りその場を後にした。

その光景を光と蔵が見ていたのをあたしは知らない。

32:アポロ◆A.:2015/11/04(水) 21:47 ID:4/o

財前side


休憩時間、先程の休憩時間の様子を見ていて白石部長と話し合い、いおりさんが気になるテニス部部員(加川先輩・赤嶺さん含め)で集まった。マネージャーの二人は「「ちょっと」」と言いいおりさんに断ってやって来たらしい。そして白石部長がいおりさんに聞こえない程度の声で叫んだ。



「第一回『涼風いおり』の魅力を語ろうやの会ーっ!」



白石部長がそう言えば、みんなわああっと乗り気。なんて御調子者が多いんやテニス部。大丈夫かテニス部。かといっていおりさんの話題やし、抜けられへん、っていうか抜けたくない。

集まったのは青学、不二さん、(赤嶺さんについてきただけの)菊丸さん、桃城。立海は幸村さん、仁王さん、切原。氷帝からは(皆を抑えるべくやって来た)跡部さんと、忍足さん、赤嶺さん。四天宝寺からはいおりさんを除いたオールキャスト。



「まずいおりの最大の魅力とはズバリ!」



白石部長の声にいち早く返したのは幸村さん。「ルックスじゃないかなぁ」と一言。加川先輩が「いおりちゃんはホントにカッコいいよね、もしかしたら蔵よりイケメンかも」と白石部長のガラスのハートを見事に貫いた。やるな加川先輩。



「俺はあの性格だと思う。」



赤嶺さんが言えば仁王さんと謙也さんと不二さんが『あぁ〜』と同意。
そして次々と魅力が出ていくなか、俺はみんながあの事についてなんにも言っていないのに気が付いた。
が、みんな避けていたようやな。でも、常識が通じへんのがこの人。



「いおりの魅力と言ったらやっぱり第一にあの『爆乳』やろ!」



そういったのは白石部長。さっすが万年発情エクスタシードM男。前にそれをいおりさんに言われてめっちゃ喜んでたのを確かに記憶している。



「「白石さん……それは禁句っすよ。」」



そんな中、桃城と切原が突っ込んだ。ナイスや、よぉそんなことをぬけぬけ言えるわ、感心するで三人とも。

こうして休憩時間が終わり、練習に戻った俺達。やっぱり地獄耳のいおりさんには白石部長の声は聞こえてて、めっちゃどやされてた。はっ、ざまぁ無いわ白石部長。

33:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 03:35 ID:4/o

いおりside
現在午後3時。
さてさて、蔵も叩きのめしたところで、この休憩時間に手塚から聞いてる思うんやけど。

まぁその内容ははな、晩飯がバーベキューやっちゅーことや!



練習を再開したらみんな力がみなぎるように熱心に打ち込んどる。

エエことや!



「いおりちゃん……。」



すると実砂ちゃんが声を掛けてきた。



「明日からまた学校では男装するの? それともこのままで?」

『おん、こんままや! 四天宝寺やで? 大丈夫やって!』



そういうと実砂ちゃんは「そっか」と顔を綻ばせていってもた。
あぁめっちゃ可愛い。っていうかなんよあの『えんじぇるスマイル』は。御姉さんノックアウトやって。



「いおり。」

『ほわぅっち!』



ゆっきー!? 精ちゃん! なんよ後ろから声かけるんは反則やろ! びびるやろ! あたし怖いん苦手やねんで!?



「いおり?」

『すいませんでしたあああああっ!』



出たでちまたで噂の読心術! もー精ちゃん怖いわ!



「とりあえず話を聞けよ。」

『あい……。』

「このお話は結構大事だったりするんだよ? ちゃんと聞いてよ?」

『アイアイサー。』



精ちゃんはそこまで言うと大きく息を吸う。
そして告げた。



「俺はいおりが好きだよ。」

『……あ、はぁ。』



え、なん? あ、はぁ。て、驚きすぎてなんもでてこーへんねんけど!



「もう俺いおりがすっごい好きになっちゃってて……。」



照れてれ笑いな! 可愛いやろ!(おい)っていうかゆっきーにそう見られとったとは。でもちゃんと変えさなあかんよなぁ。



『……精市、ゴメン。』



それを聞いた途端精市の顔が泣き掛けになった。あぁ、悪いことしてもーたどないしょう!



『で、でも!あたし、精市の事あんまり知らんから、お付き合いは無理でも友達からなら!』



あたしがそういうと精市はぱあっと顔を輝かせて「ふられたのは残念だったけど、これからもよろしくね、いおり!」と飛び付かれた。
『おん!』と笑って精市を支えるあたし。まぁ抱き締めあってる様に見えるんかな?


その時あたしは知らんかった。それを、光が見ていたなんて。

34:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 03:44 ID:4/o

財前side



……なんやあれは。

体育倉庫の様なところに歩いていったらしい(加川先輩情報)でいおりさん呼びに向かったら幸村さんと笑いながら抱き合ってる。
意味わからん。


俺はその場をとりあえず後にした。不意に目が合った幸村さんが俺にムカつく笑顔を向けて居たことは視界の端で捉えていた。

うーわ、もう意味わからん。

いや、別にいおりさんは俺のや無い訳やし、恋愛とかはいおりさんの自由や。でも、なんや胸が痛いっちゅうか、ジクジク痛むっちゅうか、なんちゅうか、苦しい? そんな感じがする。
これが嫉妬なんか? いおりさんは好きや。先輩としても、友達としても、異性としても、俺は全ての面においていおりさんが好きや。
まぁ、いおりさんを狙っとるんは俺だけや無い。
部長は目に見えて分かっとるし、ユウジ先輩も自覚はしてないけどきっといおりさんが好きや思うし。謙也さんも結構危ない、興味無いフリしてるけど。千歳先輩なんてもってのほかや。多分副部長かてせやし。

っていうかなんやよく見たらライバル多いな。立海とか絶対いおりさん狙いばっかりやろ。
加川先輩も前より全然マシになって青学にも好かれとる。

なんや、無償に苛立ってきたわ。いおりさん。

35:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 14:52 ID:4/o

いおりside

なんや光に避けられとる気がする。御姉さん悲しい。



『光〜ドリ「加川先輩タオル貰えますか」



なんっで、あからさまやねんっ! あたしお前になんやしたんか!? してないやろ! っと一人顔をしかめて考え事しとると、



「いおり? ドリンク……。」

『え、うおおっ!! ゴメン蔵!! ほいよ!』



蔵に何回か呼ばれていたらしく、気が付かんかった。ヤバイ、あたしあかんやん、別のことは考えたらあかん! 晩飯はバーベキューやで!(言った傍から)



「なんや顔色悪いな、大丈夫か?」

『ん……あぁ、大丈夫や大丈……』



ぼすっ。
あれ? ちょい待ちや、あたし今蔵に抱き締められてるんやけど。



『ちょ、蔵離せや!!』

「しんどいんちゃうん? ホンマに要らん見栄張りよってからに、しばらくこうしとき。」

『えぇ〜……。』

「こ う し と き 。」

『あいっ、スンマセンしたぁっ!』



蔵黒い! もう、白石じゃなくて黒石だよ君!
まぁこう言うわけで、あたしはおとなしくしていることにした。

36:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 15:14 ID:4/o



そして夜、バーベキュー開催! そして光の不機嫌MAX祭開催! もうガン無視やでガン無視!!!
もうなんやろ、謙ちゃんに飛び付いてエエかな。



『謙ちゃんっ! あたしどないしょー!』

「うおおおっ!? ひょ、ひおひ! めひ食うへんほひ、とひふいてふんは! へるはほ!(ちょ、いおり! 飯食うてんのに、飛び付いてくんな! 出るやろ!)」

『食い終わってから喋れや汚い。』

「お前こそ離れろっちゅーねん!」



呆れた顔で怒鳴って来る謙也、謙也まで御姉さんに反抗期や!(誰が)
とりあえず不本意ながら離れる。



「で、なんやねん。どないしょー! て、うるさいから話し聞いたるわ。」

『うわーんおかーさーんっ!』

「誰がお母さんや!!!!」

『謙也。』

「俺男!!」



と、戯れ。そして事を話すと謙也は「あほやな」と言った。酷いわ。



「心当たりは?」

『無しや。』

「今日あったことは?」

『精ちゃんに告白されて振って、抱きついてきたから受け止めて、そこから機嫌が「それやろ」は。』

「いやだから、抱きついてきたから受け止めて、っちゅーのやろ。あぁ財前可哀想に。財前、めっちゃ可哀想や……。」

『? 二回も言うなよ。』

「もうあかんわ。」



あ、謙ちゃん行っちゃった。

その代わり光が来た。



『おー、光。』

「いや……めっちゃ気楽にいうてますけど、俺の顔見てそない軽う居られるんいおりさんぐらいですよ。」

『デスヨネ、ゴメン。』



その通り、光の顔不機嫌極まりない顔しとる。やばい怖い。



「なんなんですか。」

『何がや?』

「幸村さんと抱きしめあっとったやろ、なんなんですかあれ。」

『精市に告白されて、振って、友達になった。そして友情のハグ。』

「なんや、せやったんですか。」

『は、なにむがっ!』



ああああああっづ! 肉を口の中にねじ込まれた。熱いいいいいいいいっ!



『あっじぃぃぃぃぃぃい!』

「もっと可愛げの有る声あげてくださいよ。おもんない。」

『いやあたし光の玩具ちゃうからね? おもんないとか言われる筋合いなんて無いからね?』

「知りません。」

『おい!』



光とのわだかまりが解けました。

37:アポロ◆A.:2015/11/14(土) 19:55 ID:4/o



夜、他校とはお別れや。真っ暗な空の下、他校との別れを惜しんだ。



『手塚、精市…景吾、またな! 次は全国大会か?』

「その辺りだろうね。」

「あーん? てめぇらそれまで負けんじゃねぇぞ。」

「勝つのは青学だ、だが、当たるのを楽しみにしている。」



手塚ってばひょーじょーかてーなーてめーとか肩をばしばし叩く。

そう言えば青学にはスーパールーキーが入って来たらしいんや。この合宿は断ったらしいんやけど。



最後は一人だけ学校の違ういおや。



『いおおおおおおおっ!』

「いおちゃあああんっ!」

「いおり、重いぃ……!」



がばっと抱き付けば重い呼ばわりされた。「てめー頭軽い癖に胸は無駄に重いよな」って言われた。



『いおは頭も堅いし胸も硬いな!』

「跡部、ラケット寄越せ。このイケメン女の脳天をぶち抜いてやる。」

「いおちゃん駄目えええ!」



とこんな感じに最後までごちゃごちゃしとったけど、「また全国大会で!」と約束した。

 これにて4校合同合宿無事終了!

38:アポロ:2015/11/17(火) 22:31 ID:4/o

涼風いおりちゃんのイラストです!
https://ha10.net/up/data/img4667.jpg

39:アポロ:2015/11/17(火) 22:33 ID:4/o

出てこない……だと!?もう一回トライです!

40:アポロ:2015/11/17(火) 22:35 ID:4/o

https://ha10.net/up/data/img4667.jpg

41:アポロ:2015/11/17(火) 22:35 ID:4/o

もう一回トライです!

42:アポロ◆A.:2015/11/17(火) 22:37 ID:4/o

https://ha10.net/up/data/img/4667.jpg

43:アポロ◆A.:2015/11/17(火) 22:47 ID:4/o

やっと出ました……。一安心です。では小説投下!


昨日の夜、合宿所から大阪にかえって参ったで!

朝、家から出たら蔵が待ち伏せとった。



「おはよう、いおり。」

『おん、おはよーさん。』



そんな挨拶を交わして学校へと赴く。

途中、「白石先輩の隣に居る子めっちゃイケメンやしめっちゃ綺麗ー!」「お似合いって感じやね!」等と好き放題言ってくれちゃってます。

下駄箱へに手を伸ばせばそこは「涼風君の下駄箱やで?」と隣の男子に言われ、髪を後ろでちょいとくくり、パッチン止めと髪止めを外してにやりと笑って見せる。



「おっ、おまっ、まさか!」

『し、黙りや。まだ内緒。お前だけ特別や。』



そんなことを言うてウインクしてみる。友達はこくこくこくと首を激しく縦に振った。



「こら。」

『いてぇ!』



蔵に左腕で殴られた。自棄に痛い。なんなんこいつ、筋肉やべぇ。


ただいまあたしの制服は女子特待生制服です。(イラスト参照)胸が異様にキツいですが。

教室に入ればざわっとざわめくクラスメイト。その中でユウジと金色だけがにやりと笑う。そしてそれににやりと笑い返せば「かっこいぃ……」と言われた。

なんっでやねんんんんんんん!?

44:アポロ◆A.:2015/11/21(土) 22:37 ID:4/o

あたしが元々の席につけば「!!?」と言う表情であたしを見る周囲の目に耐えられず……。



『ど、どおも〜……す、涼風いおりでーす……。』



と手を振ってみた。より困惑していく教室内で金色とユウジが声を掛けてくる。



「いおり君、ちゃんと事情を説明せなあかんでっ! そんなところもカッコいいけど!」



いおり君!?

とか毎回驚かんでエエってば。



「お前、浮気か!?」

『ユウジそれあたしに向ける言葉ちゃう。』

「知るか。」



ひでぇやコイツ!

とかやっていると、



「すっ、涼風君……なんかなっ?」



恐る恐る聞いてきた女の子。その子に「おん!」と笑い返せば顔を赤くして行ってしまった。

女になる前の男友達は「ホンマに涼風なんか!?」と聞いてくる。

しつこいっちゅーねん。



「おん、ホンマホンマ〜。正真正銘涼風いおりやで。
すまんなぁ、今まで男装してて、実はあたし女やねん。」



そう告げればその男友達を押し退けて大して喋ったことのない女の子達があたしの席を取り囲んだ。



「涼風君女の子やったん!?」

「男の子かとおもっとったわ〜。」

「女の子でもかっこよさは健全やな!」

「はぁ良かった! ファンクラブが解散するとこやったわ!」

「また男装するやんな!?」

『男装は……望んでくれたらいつでもするで、やから……その、怒ってへん……?』



<今の涼風君に怒る女の子なんて存在するわけないやんっ!>



『マジですか、光すげぇ。』



光の言うこと当たってたで、お前凄いな。勘が。



『まぁ態度なんて変えずに今まで通りよろしく頼むわ!』



そう机に足をガッとのせて腕捲りしながらクラス全体に告げれば「おおおおお!」と歓声が上がった。

すげぇ、光エスパー!

45:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:32 ID:4/o


次の休み時間、あたしが女ということは瞬く間に全生徒に広まり、主に女の子中心にあたしのクラスには人がいっぱい来た。



「「「「「涼風先輩!」」」」」

『ん? なんや?』

「女の子でもイケメンっ!」

「かっこい〜……!」

「私達先輩のファンクラブの会員なんです!」

「先輩女の子でもかっこいいです!」

「胸もおっきい……!」

「涼風! あんたホンマ最高やわ!」



どうやら受け入れてくれたらしい。席に戻れば男子が「お疲れ〜」と声を掛ける。
元々男の格好をして転入してきたから、男子は慣れたのか、よく喋る。よかった! 嫌われんで!

46:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:38 ID:4/o

翌日の昼休み、あたしのクラスには女の子が殺到した。



「涼風君! これ貰ってくれる?」

『おぉ! 美味しそう! もらってええん?』

「エエってば! 涼風君に作ってきたようなもんやから!」

『ならありがとう頂戴するな!』



1,2時間目が丁度調理実習やったらしく、あたしはいっぱいクッキーやカップケーキが貰えた。自由につくってええとかホンマこの学校自由やな!

いまだブレない女の子達はあたしの事を君付けで呼ぶ。別にエエけど!
こんなに慕ってくれてあたしは嬉しい!

https://ha10.net/up/data/img/4744.jpg

47:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:59 ID:4/o

ちょうど二年生も調理実習やったらしく、三年生に混じって渡しに来てくれた。

身長ちっちゃくてめっちゃ可愛いし嬉しい……!(上のイラスト参照)



『ホンマありがとう! 美味しく頂くな! あたし甘いもんめっちゃ好きやねん!』



そう告げれば照れて顔を染める女の子達。もーかわいい! と飛び付きたいところやけど、手にはクッキーやカップケーキの入った袋が抱えられていて飛び付けない。

よし、美味しくいただこう。そうだ、あれがちょうどあったはずや。



『ハイ、凉白風甘味処の一品無料券!』



渡してくれた三人の二年生。三年生に混じって、と言う勇気に惚れました。と告げれば「エエんですか!?」「ありがとうございます!」「わぁ、凉白風の一品無料券!」と喜ぶ女の子達。
周囲はいいなー、と男子も混じって声をあげる。



「っていうか、先輩……なんでこんなもん持ってるんですか?」



三人の二年生の一人があたしに聞いた。そうや、知らんかったんか。



『実はあたしな、あそこの店の一人娘やねん。』



そう告げれば周囲はざわわっとざわめく。なんなん? 意外なんかな。



「ホンマですか!?」

『おん、ホンマホンマ〜。』

「スゴいです! 今日いきます! 行くやんね!?」

「「おん!」」



興奮気味に女の子達は去っていった。

席につけば「アンタ凉白風の一人娘やったん!?」とか「俺らも今日行くから奢って!」と食い付く友達に『親にゆうてあたしが払ったるわ』と笑う。



「ちょ、いおり!」

『ん? あぁ! 白鷺さん!』

「皐(さつき)でエエって!」

『皐! どないしたん!?』

「三年生のマドンナ、細谷佳奈(ほそや かな)さんが来とるで!」

『マジで!?』

「ほら、待っとるから行ったり!」

『お、おん!』



恐らく親友となった皐に言われドアの前に行けば控え目に笑う女の子、細谷佳奈さんが居た。



「す、涼風きゅっ!」



ぁ、噛んだ。可愛い……!



『焦らんでエエよ、ゆっくり喋り? 待っとるから。っちゅーか大丈夫か? 舌噛んでないか?』



顔を覗けばボッと赤く染まる佳奈さん。熱か?(←鈍感)



「すっ、すす、涼風君! あの……これ……っ!」



そういって渡されたのは周りより可愛くラッピングされたカップケーキ。美味しそう。



『……くれるん?』

「……い、いらんかったらエエよ! あんなにいっぱい貰っとるし……。」

『そんなん貰うに決まっとるやろ?美味しくてなんぼでも食えるし! それにあたしに作ってきてくれたんやったらめっちゃ感謝やわ、あたしホンマ甘いもん好きやねん!』



ソッと受け取り笑えば周りから桃色の悲鳴が上がる。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、気持ち悪かったやんなごめんなさい。(違う)



「ありがとうっ……! あと、お友達になってくれへん?」

『大歓迎やわ! 女の子万歳!』



がばっと飛び付けばきゃああああっ! と声が上がる、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいみんなのマドンナ細谷佳奈ちゃんに飛び付いてごめんなさい。



「ありがとう!」



そういって佳奈ちゃんは友達のところに駆けて行った。

可愛い。

48:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:20 ID:4/o

そのsideの主人公は『』でしゃべってます。

実砂side


私が今日学校に行けば「あの子可愛い」と周りで囁かれる。
私って化粧のし過ぎでみんなよそよそしかったのかな? なんて思って厚化粧し過ぎたなぁ、とかぶりっこ過ぎて思い出したら嫌気が差してきた。

下駄箱のところに行けば謙也君に出会った。



『おはよう謙也君!』

「ん? どっちらさ……実砂ちゃん?」

『そうでーす。』

「おん、今の方が断然可愛いわ。」

『ありがとう謙也君。今前までの私を思い出すと吐き気がするよ。いおちゃんといおりちゃんに感謝しないと。』

「気にしぃな、俺らはもうそんなことないで。」

『ありがとうっ!』



そう笑えば謙也君も笑った。


謙也君とお話ししながら教室に入ればざわっとざわめく教室内。多分いおりちゃんの所もそんな感じなんだろうなぁ。



「ちょっとちょっと! めっちゃかわいい!」

「御嬢様? 転校生なんかな?」

「転校生なら先生がHRの時に連れてくるやろ?」

「「せやなぁ。」」

「誰やろ。」



周りがさわさわと喋る中、私は席に着いた。



「ちょ、名前分からんけどあんた! そこ加川さんの席やで!?」



慌てて教える女の子に苦笑が漏れた。



『あはは……。』



私のその声にその女の子は目を見開いた。それは周囲も同じ。しばらくの静寂。聞こえてくるのは謙也君と白石君の笑いを堪える声。



「あんた……もしかして、加川実砂さん……?」

『うん。加川実砂、歳は15歳。誕生日は4/16、スリーサイズは上から「いや、あんた女の子やろ!!?」……はっ!』



途端にその女の子の表情は柔らかくなった。そしてぱらぱらと人が集まり始め、私は訳を話す。



『私ね、前まで厚化粧してて、ぶりっこしてたの。でも、テニス部の合宿に涼風君と一緒に行って……化粧落としたところを見られて、いおりちゃんとその時一緒にいた他の学校のマネージャーさんが「かわいい」って言ってくれたの。
だから勇気を持って化粧をせずに来たの。
今思えばぶりっこしてるときの自分に吐き気がして……うっぷ……。』

「わあああ! ちょ、加川さん!?」

「誰かビニール持ってこおおおい!」

「ちょ、吐いたらあかんって!」

「大丈夫!?」

『だ、大丈夫……。』



ヤバかった。ホントに吐き掛けた。でも、みんなはもう笑っていた。



「これからよろしゅうな加川さん!」

『よろしくね!』

「実砂ちゃんって呼んでもええ?」

『良いよ!』

「友達になろや!」

『ありがとうっ!』



わらわらと男女問わず集まるクラスメイト受け答えにちょっと大変だったけど。
白石君と謙也君が親指をぐっと立てていたので私は笑いながら親指を立て返した。

49:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:37 ID:4/o

加川実砂親指立て返しイラスト
https://ha10.net/up/img/4746.jpg

50:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:39 ID:4/o

もう一回トライ!

https://ha10.net/up/img/4746.jpg

51:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:42 ID:4/o

大事なところが抜けてました! もう一度トライ!

https://ha10.net/up/data/img/4746.jpg

52:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 00:47 ID:4/o

実砂side
翌日の三時間目、1組と合同で女子はお菓子作り、男子は木工だった。
お菓子は何でも良いので、みんな無難に、クッキー等を作っている。
私は昨日一番仲良くなった細谷佳奈ちゃんと一緒にお菓子を作ることにした。
そして昨日、いおりちゃんが女の子と言うことはすぐに広がり、クラスの子も見に行ってた。
「色っぽくてかっこいい女の子とかマジで惚れそうやわ!」等々騒ぐ女の子達。みんなテニス部とかいおりちゃんに渡しにいくんだろう。
佳奈ちゃんに聞けば「涼風君に渡す!」と意気込んでカップケーキを作り始める。いおりちゃん甘いもの好きだからな。あ、白石君や謙也君にも作らないと。

「ねねっ、実砂実砂! 涼風君って甘いの苦手なんかなっ!?」

そう聞いてくる佳奈ちゃんに『いおりちゃんは甘いのが好き!』と返せば「甘いのが好きなんや〜。」と返ってくる。
そして私の発言を聞いたクラスメイトは「どうしょう! 甘さ控えめにしてもーた!」と慌て出した。

『……メレンゲ菓子でも作ろーかなぁ。』

それを聞き付けた佳奈ちゃんとは別の女の子、『宮原飛鳥』ちゃんが「メレンゲ菓子作れるん!?」と言ってきた。

『うん! 一緒に作ろ!』

「かわええ!」

くぅー! と唸る飛鳥ちゃん。謙也君も似たようなことするときあるよね……。いおりちゃんにはメレンゲ菓子で、謙也君と白石君にはクッキーにしよう!
のち、佳奈ちゃんも加えて楽しくお喋りしながらお菓子を作り終えた。メレンゲ菓子をひとつつまんで食べる。
メレンゲ菓子はオーブンで焦げない程度に焼いた。サクッとしたかと思えば溶けていく。隣の飛鳥ちゃんも「うま〜♪」と笑っている。佳奈ちゃんは苦笑い。

『一個食べる?』

「エエの!?」

『はい!』

「ん、ふぁ……美味しい!」

美味しかったし良かった。三時間目と四時間目の間の休み時間、私は謙也君と白石君にクッキーを渡す。

『はい、いつも部活お疲れ様です』

「ありがとさん実砂ちゃん!」

「おっ、実砂ちゃんありがとう! クッキーか?」

『そ。いおりちゃんはメレンゲ。』

「メレンゲも食いたいわ〜。」

『謙也君の分はありません。』

「あ、コラ白石! 笑うな!」

小突き合いを始める二人に笑みが漏れた。すると、肩をちょちょんと指でつつかれた。見ると女子クラスメイトが。内容を聞けばみんな揃っていおりちゃんが貰ってくれるかどうかと言うものだった。みんな昼休みに渡しに行くらしい。私は部活の時に渡そ。

『いおりちゃんに限って一生懸命作った物を貰わないなんて絶対無いよ!』

私が言えば不安気な声を発す女子クラスメイト。それに気づいたのか、白石君と謙也君が聞いてきた。

「(みんな何でこんな不安そうなん?)」

「(白石に同意やわ。)」

『(いおりちゃんにみんな渡したいんだけど受け取ってくれるかどうか心配なんだって)』

「(マジか、いおりに限って受け取らんとかないやろ)」

「(いおりホンマ女の子と甘いものには弱いしな)」

『(二人とも言ってあげて?)』

「(実砂ちゃん言えばええやん?)」

『( 言 っ て あ げ て ? )』

「「(分かりましたああああ!)」」

すると謙也君と白石君が喋り始めた。

「いおりに限って受け取らんとかないやろ〜。なぁ白石?」

「せやで。あのいおりが女の子からのプレゼントを受け取らへん筈が無いわ。絶対それは無い! 絶対無い! ありえへん!」

そして「そうなんかぁ」と納得する女子クラスメイト。

53:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 03:08 ID:4/o

爽加side


っと言う訳でやって来ました立海。


……なんで立海?


あぁ、どうも、トリッパーの太刀川爽加です。
よく冷めてるねと言われます。そうですね、冷めてますよ。冷めてますけどなにか?

校舎を見上げ、『うわでか……』と声をあげた。

いやマジ立海の校舎バリでけぇんだけど。


確か神様はテニプリ界には私含め『3人』の日本人女の子がトリップしたとか言ってたなぁ。
どこの学校に居るんだろう。青学? 氷帝? 四天宝寺? それとも、ここ?

まぁテニス部と関わるつもりはさらさら無いので放置。会えるなら赤也クンに会いたい。わかめ美味しいよね。



『さて、職員室。どこだ。』



とりあえずあそこの木の上で寝てる人に聞いてみよう。



『すいません。』

「……ぐぅ。」

『……すいません。』

「……ぐぅ、ぐぅ。」

『……。(イラッ)』
















『狸寝入りしてんじゃねぇよ銀髪。』



どかっ。

木を蹴る。案の定その男は頭からドシンと落ちた。痛そう。

んん? なんか見覚えあるぞ。

銀髪に赤い髪ゴム……あ。

やべぇ、やべぇ。逃げろ。



『あ、やっぱ良いです。さようなら。』



すたすたすた……がしっ。

あ、やっぱり? 腕掴まれました。



「待ちんしゃい。」



あ、フラグ立った。やべぇ。



『なんですか。』

「人を頭から落としておいてそれは無かろ?」

『勝手に頭から落ちたのは貴方です。なので私的には有りなんです。』

「俺的には無しなんじゃが。」

『貴方の有る無し私様に関係無しです。さようなら。』

「だから待ちんしゃい。」

『だから離してください。』

「いや、だから……待てっちゅうとるんに。」

『いや、だから……離せよ気持ちわりぃなてめぇ。』

「本性を表しよったな。」

『知るか、死ね。離せ、死ね。死ね。死ね。離せよ銀髪チョロ毛。』

「死ね。を連発するんじゃなか。」

『貴方が離せば済むことです。』

「おまんが俺を落としたことを謝れば良いことです。」

『ごめんなさい。さようなら。』

「待ちんしゃい。」

『まだなにか用ですか。なんなんですか、寂しいんですか、ボッチですか。かまってほしいんですか。もしそうならとんでもないかまってちゃんならぬかまって君ですね貴方。んだよめんどくせぇな。』

「ノーブレスでようそうつらつら言えるの。」

『聞きたいことはそれだけですか。私は職員室に行くんです。さようなら。』

「待ちんしゃい。」

『まだなにか御用なんですかてめぇ。いい加減にしろよ、めんどくせぇ男だな。とっとと要件言えよめんどくせぇな。』

「めんどくせぇな連発じゃの。」

『そうですねハイハイ。もうダルいんではなしてもらえます? てめぇのたけぇ鼻ブチ折るぞ。いい加減私様も腕いてぇんだけど。何気に力入れんのやめてくんない? あぁあめんどくせぇ。あくびすんのもめんどくせぇ。てめぇとしゃべんのめんどくせぇ。てめぇと対峙すんのもめんどくせぇ。立ってんのめんどくせぇ。しゃべんのめんどくせぇ。息すんのもめんどくせぇ。』

「見事にめんどくせぇ連発じゃの。」

『あーハイハイそーですね。とっととはなしていただけますでしょうkあーめんどくせぇ。』

「会話が成り立たんぜよ。」

『とっとと離していただけますか。』

「えー、どーしょーかのぉ。」

『じゃあお先に失礼。アデュー。』



腕を振り払い全力疾走。

校舎に入れば超安全。あー、自分の安否確認すんのもめんどくせぇな。

54:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 05:34 ID:4/o

爽加side
職員室に着いて先生に挨拶して。
そして3-B組の扉の前へ。いやいや、あたし3-Aがよかったたよ。
3-B、銀髪ちょろ毛居るじゃん。



「入ってこーい」

『嫌です。』

「!?」



がたがたと扉を向こうで開けようとする先生。こちらで必死にそれをさせまいと閉めている私。

それが30分続いて、疲れたから力を抜いたらドア開いた。最悪。



「ぜぇ、はぁ……自己紹介をしなさい。」

『嫌です。』

「嫌ですじゃなくて。」

『太刀川爽加です。よろしくしないでください。よろしくお願いします。』



そう言えば笑い始める3-B。そんなにあたしの自己紹介は滑稽だったか。良かった良かった。これで私には誰も近付かないだろ。


嘘だろぃ?

人がわんさかわんさか集まってくるんだけど。
コミュ障な私を追い詰めないで。



散々だ。

55:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 16:11 ID:4/o

いおりside



「いおり君!」

「いおり! これ!」

「涼風様! はい!」

「涼風先輩! どうぞっ!」

「涼風! やる!」



わらわらと集まる女の子。エエね……THE.女の子やねっ!



『みんな纏めてありがとさんっ! 美味しく頂くわ!』



笑って席に戻る。エエわぁ、女の子可愛い……!



「涼風……顔緩みっぱなしやで。」

『なんやユウジ、羨ましいんか? 安心しぃや、五時間目俺ら調理実習やから……。』

「俺とか言うな! 耳元で喋るな気持ち悪い。」

『俺様ホモの方がキモい思うわ。』

「ひっど!」

56:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 16:24 ID:4/o




『おし。』



調理室にて。あたしは食料準備を終えた。



『(塩饅頭作って部活のみんなで食べよ)』



こりゃ量がヤバイなぁ。

そう考えて苦笑い。周りの女子はなんぞなんぞとあたしを覗きに来る。



「ん……なぁ、いおり。」

『なん? 皐。』

「なんでうちも一緒に作らんといかんの? 女子の視線がヤバいんやけど。」

『ええやん、心細いやん。』

「それうち以外に言うたあかんで。」

『はいはーい。』

「気ぃ抜けた返事やなぁ?」

『ふいふーい。』

57:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 17:26 ID:4/o

太刀川爽加ちゃんです。いおちゃんと同じ中学三年生にして胸は真っ平ら。

http://up10.net/up/data/img/4758.jpg

58:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 17:28 ID:4/o

間違えました……(笑)

https://ha10.net/up/data/img/4758.jpg

59:アポロ◆qg:2015/11/24(火) 22:57 ID:4/o


さて、お菓子作りも終わり、部活。みんなはテニスの打ち込んでいるけど、あたしはフェンスの傍でおろおろと苦笑い。



「涼風先輩!」

「先輩!」

「いおりさんっ!」



ばばば、と渡されるお菓子に笑顔が溢れる。嬉しい。苦笑いなんてしたくないけど。
背中の視線がパない。光のオーラがヤバイ。




そして部活も終わった放課後、塩饅頭を差し出せばみんなわらわらと集まってくる。



「いおりさんいおりさんっ!」

『光? どないした。』

「……めっちゃ旨いっすわ。」

『てーんきゅっ! 愛しとるで光!』

「「「「愛しっ!?」」」」



あれ、みんないっせいにこちらを向いたんですけど。光顔真っ赤。あ、頭掻いた。

……はっ!



『愛しとるで、言うても友達としてっちゅー話やで?』

「なーんや、安心。」

「紛らわしいやっちゃな。」

「ねーちゃん旨いでー!」

『金ちゃん可愛いわー。純粋。』



わちゃわちゃやな。



「あ、いおり君、はい。」

『?』



突然実砂ちゃんが鞄から袋を取り出した。甘い匂いが漂う。メレンゲ菓子か!?



『メレンゲ菓子か!?』

「よくわかったね!」

『いただきます。』

「「「「はやっ!」」」」

60:アポロ◆qg:2015/11/25(水) 17:21 ID:eG2

prrrr、突然あたしの携帯に電話が掛かってきた。誰やねん。



『どちらさんや?』

「電話か?」

『うお! 蔵! ビビらすな!』



とかわちゃわちゃしながらディスプレイを覗く。そこには『幸村精市』と出ていた。ので、まとわりついている蔵を突き飛ばして『精ちゃん!』と叫んだ。



「こんにちはいおり。うるさいね。」

『ごめんなさいごめんなさいこんにちは。お願いやから呪わんといて。』

「仕方ないなぁ。ところでね、なんで俺が連絡したと思う?」

『暇潰しか?』

「呪うよ?」

『ごめんなさいいいいいい!』

「ふふっ。」

『ヒッ。』

「実はね、立海にマネージャーがついたんだ。」

『……ミーハーか?』

「だれがそんなこと言ったんだい?」

『すいませんんんんんん!? え、ミーハーちゃうの!??』

「うん、そうなんだ。」

『精ちゃんのお気に入りか?』

「よくわかったね。」

『そりゃ友達やからな。』

「ありがとう。その子がね、俺たちのことすっごい嫌ってるんだ。面白いから無理矢理マネージャーにしちゃった。」

『鬼畜か。』

「殺るよ?」

『殺らんといて! っちゅうか災難やな、その子。名前は?』

「太刀川爽加だよ。俺から見ても可愛いね。」

『マジでか。調べよ。今度写真送ってや。』

「分かった。じゃあね。」

『おん。』



ぶつっ。
電話が切れた。すればすぐにみんなが誰から!? と聞いてくる。



『幸村や、幸村精市。』

「あぁ、友達の。で、何の話やったん?」

『おん。っていうか謙也でしゃばんな。まぁ、そんでな。立海がマネージャー取ったらしいんや。』

「「「「マジでか!!!!?」」」」

『うっさい。精ちゃんが無理矢理入れたらしいんや。』

「鬼畜……。」

『精ちゃんに呪い殺されるで。』

「嘘!? ほんまに!?」

『あたし腹痛止まらんかった。』

「嘘や幸村呪わんといて。」

『蔵のばーか。嘘に決まってんだろ。』

「!!?」

61:アポロ◆A.:2015/11/25(水) 17:28 ID:eG2

翌日、写真が携帯に来た。

https://ha10.net/up/data/img/4775.jpg


『可愛い……!』



あたしは一人悶えた。

62:アポロ◆A.:2015/11/26(木) 13:30 ID:eG2




『……な、光。』

「え、なんすか? ようやくその気に?」

『ちゃうわアホ。お前今なんつった。』



裏庭で光と二人きり。なぜこうなった。

事の出来は遡ること一分前。

光に呼び出されたあたしは共に裏庭へ。そして言われた。



「いおりさん、好きです。付き合ってください。」



なんか王道な告白を受けた。そしてしばらくフリーズ。やべぇ。



『ひかるん、ごめんなさい、あたし今そんな余裕ないねん。』

「そうですか、ならこれから俺はずっといおりさんの周りに居ますんで。」



すたすたすた、そんな感じに行ってしまった光。

おい作者! 雑だよバカ!

63:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 08:57 ID:eG2

光の告白はとりあえず置いておく。返事はゴメンで返したし。

でも、次の日。なんだろう、実砂ちゃんが黒い。しかもベッタリ。


『実砂ちゃん……なんかあったん?』

「ううん? なんにもないよ? とりあえず悪い虫が付かない様にねー。」


くすっ、そんな風に笑った実砂ちゃんは完璧な黒属性だった。
腕に引っ付く実砂ちゃんは可愛いから許すけど。
すると。



「いーおーりーさーん!」

『え、ひかふッ』



あたしにタックル! というかあたしに飛び付いただけなんだけど……。



『光、重い。』

「愛の重さです。」

「財前君、離れようか。」

「実砂先輩……嫌です。」

「絶対呪ってあげる。」

「やめてください。」

『まず離れよか光!! 実砂ちゃん……はとりあえずその中学生が読まんようなまがまがしい分厚い本片付けて!!』



笑顔が黒いよ実砂さん!!



「財前、次いおりちゃんに飛び付いたらどうなるか、考えてね?」

『(『財前』呼び捨て!!?)』

「実砂先輩、同性愛っすか。」

「バカだなぁ、私はいおりちゃんに悪い虫が付かない様にしてるだけだよ? というわけで財前バイバイ。」

『あ、ちょ……実砂ちゃんんんんん!?』



ちょっと光と話したいことがあったんだけどなぁ!!?

64:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 09:01 ID:eG2

実砂ちゃんと別れて教室に入ればおはよう、おはよう、と返ってくる。良いねぇ、可愛い。

席に付けば。



『なぁユウジ……あたし光に告白されたんだけど。』

「!!? なんやいおり!? 浮気か!? 死なすど!」

『なんでやねん!』

「いおりは小春の次に好きやで?」

『ああ、おん。(良かったギャグか……!)』

65:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 16:26 ID:eG2

調子に乗って書いてみた絵です。下手。

https://ha10.net/up/data/img/4797.jpg

66:アポロ◆A.:2015/11/29(日) 12:04 ID:eG2

部活にいけば、蔵が他校からお前に連絡があったと話出した。



「なんやまた合同合宿するらしーてな。」

『またかよ。ホンマ作者合同合宿好きやな。』

「まぁ聞きや。
そんで、幸村からの提案やねんけど、各校のマネージャーの交流を深めてほしいから、日曜日にマネージャーだけで遊びに行けって。」

『精ちゃんからか。仕方ないわ。遊びにいく。
氷帝のいおも実砂ちゃんも立海の太刀川さんも来るんやろ!?』

「いや、青学もマネージャーを取ったらしい。」

『マジか。どんな子?』

「手塚クンと割り込んできた不二に聞いてんけど、なんやいおりらがめっちゃ嫌いなタイプらしいで。
媚売って、レギュラーと親しい子を虐めて、ブスで。あ、最後のブスは不二からや。
やから気ぃつけや。」

『それあたしらめっちゃ嫌いなタイプやん。』

「言うたやろ、頑張りや。」

『おん。』

67:アポロ◆A.:2015/11/29(日) 20:33 ID:eG2



やって来た日曜日。
精ちゃんに言われた時間帯に学校に来れば、景吾のヘリが止まっていた、しかも校庭に。

とりあえずそれに実砂ちゃんと乗り込めば、あっという間に東京に着いた。



『ありゃま、東京は空気が濁ってるやなー。』

「私東京から転校してきたから懐かしいな、ってぐらいしか思わないけど。」



そんな風に会話をしていると、いおが太刀川さんを連れてやって来た。



「いやー、悪い悪い。爽加がだれてて。」

「いお、お願いだから離してちょうだい、腕が痛い。」

「「よろしく/よろしゅー、太刀川さん。」」

「うん、涼風さん、加川さん。よろし……く……






待て。いお、どーなってんの。」



あ、なんか、あたしら見てすぐにいおに太刀川さんが質問した。

そしてずんずんとあたしに向かって……え!?
なんであたしに向かってきてんの!?



「……あなた、本当に女の子?」

『あたしは女の子や。この胸を見ろ。……やっぱり見ないでください。』

「どっちなのよ。
というか、あなた、顔がすっごくイケメンで、胸も大きいとかなんなのよ。ずるいわね!」

『おわ! 触んな触んな!』

「声もイケボなの!?」

『ちょ、誰か助けてやあああああ!』



その後、みんな名前呼びになり、実砂ちゃんは太刀川さんに「可愛い」を連発され、結局みんな名前呼びになった。

68:アポロ◆A.:2015/12/23(水) 16:10 ID:eG2

それからして、やって来たのは二人の女の子だった。片方は荷物をたくさん持った小柄でいかにも気が弱そうな可愛い女の子。もう一方は身長が高く、スラッとした美人の貧乳、気がキツそうで金髪をひとまとめに束ね、見下す様にあたし等を見ていた。



「お、おおおっ、御待たせしましたっ……私、青学マネージャーの御影 朱李(みかげ しゅり)と言います。3年生です……。」

「あたしは倉間かのん(くらま かのん)中学三年生ー。この子と同じ青学マネージャーでー、役立たずのこの子の代わりに仕事してまーす。あ、ちょっと聞いてもらえますー? この子ー、あたしの事いじめてくるんですよ? 酷いとか思いません?」



いかにも、と言う二人の光景にやっぱりか、とあたし等四人はそう思った。多分いじめられているのは御影さんの方で、いじめて荷物まで持たせているのは倉間さんの方や。
なんて酷い子なんやろ、と思いつつ『あたしは中学三年生四天宝寺のマネージャー、涼風いおりや。よろしゅー御影さん、倉間さん。』と笑って告げる。「いおり君と同い年で、四天宝寺中学テニス部マネージャーをしてる加川実砂、よろしくね。」実砂ちゃんが言い終わればいおが口を開く。



「中学三年、氷帝テニス部マネージャー、赤嶺いお。」



機嫌悪そうに告げるいお、それは多分倉間さんの態度や。あたしも今ちょー我慢してるもん。



「私は太刀川爽加、立海テニス部マネージャーをさせられているの、よろしくね。」



さすが、大人な対応の爽加。御姉さん毎回驚かされるわ。
よろしくー、と挨拶を交わしてあたしは御影さんに声を掛けた。



『よろしゅー、御影さん。良かったら朱李ちゃんって呼ばせてろもてええ?』



声を掛けられるとは思っていなかったのか、驚いた顔をしながら「あ、はぁ」と頷く。あたしが笑って『荷物持つわ』と声を掛けたら「えええっ!? 良いですよ! 大丈夫です!」と強がるもんやから、強引にあたしが持ってやった。困った顔をする朱李ちゃんに笑うと、いつの間にか隣に来ていた倉間さんに笑ってこう言われた。

69:アポロ◆A.:2015/12/23(水) 16:21 ID:eG2

実砂side



「いおりちゃんってすっごいかっこいいねー! どう? 今度あたしとお茶でもしない!?」



いおりちゃんの腕に絡み付いてにこやかに御影さんから離れた倉間さんに私は怒りで顔をしかめた。
あれはいおりちゃんのイケメンさに惚れた人の顔だ。気持ち悪い……美人だけど、気持ちが悪い。
ミーハーにいおりちゃんは触らせない。誰であろうと私達三人以外にいおりちゃんは触らせない。

私は早くいこうよ!と告げる。その時の爽加ちゃんといおちゃんの顔が怯え切った顔をしていたのは多分気のせいだ。
ぞろぞろと大世帯で歩く。男の人がいおりちゃんやいおちゃん、爽加ちゃんに声を掛けていたが、いおりちゃんは「すんません、君に興味あらへんわ」いおちゃんは「結構だ」爽加ちゃんは「今この子達と居るの分からない? 目が見えないの? 見えてるでしょ? っていうかあんたの相手をするにも面倒臭いのよ、どっか行って。」と返したにも関わらず、依然と言い寄るそいつらに「「「近寄んなキモい」」」と全員声を揃えて告げた。流石。


こうして、倉間さんが御影さんをはぶろうと一生懸命な所にいおりちゃんが割り込み自分の隣に居させて、とあまりトラブル無く今日は終わった。

……とりあえず。
今日の朝から私達を付けてきていた白石君と財前と謙也君は明日お仕置きかなっ?

70:アポロ◆A.:2015/12/24(木) 21:43 ID:eG2

実砂side
翌日。あれから、みんなと別れて私たちも大阪へと舞い戻ってきた。
月曜日、昨日は私たちのあとをコソコソ付いてきていたエクスタピアスに近付く。丁度集まってるなー……。

私は黒魔術の分厚い本を片手に三人に近付いていった。



『白石君、謙也君、財前。君達昨日は御苦労様、立派なストーキングだったよ。』

「あ、あはは……やっぱり実砂ちゃんには気づかれとったか。目ぇ合ったもんな。」

『話を逸らさないでよ白石。』

「君付けが無くなったやと……!?」

「実砂ちゃん! 実砂ちゃんは可愛いままで居って!」

『黙れ忍足。ストーキングなんて趣味悪い。』

「俺暴言吐かれた気ぃすんねんけど。」

「実際吐かれてますしね。」

『財前、何自分関係無いみたいな顔してるの。いおりちゃんのストーカー。気持ち悪い。』

「いおりさんへの愛の重さです。」

『いおりちゃん重いのは嫌いらしいよ。』

「なんやと……!?」

『分かったら三人共、私の黒魔術の実験……じゃなかった、お仕置きされなさい!』

「「おもいっきり実験する気やん!」」

「……ホンマタチ悪いっすわ。やめてくださいよ。」

『問答無用っ!』


そのあとテニス部部室内には三人の悲痛な叫び声が聞こえたとか♪

お仕置き完了!

71:アポロ◆A.:2016/01/10(日) 23:11 ID:eG2

いおりside

なんや部室から主力三人の断末魔が聞こえてきた気がしたんやけど、気のせいか。

とりあえず、関西大会を無事突破したあたしら四天宝寺はのんびりと全国大会に向けて英気を養っていた。
3-2と書かれた教室のドア付近で他愛もない会話をしようと実砂ちゃんを呼ぶ。

『実砂ちゃーん!』
「いおりちゃん!」

ぱたぱたと駆け寄ってきてくれる実砂ちゃんは天使だ。




そして今、あたしたちは知るよしも無かった。
これから先、とんでもない事が起こることなんて__


【神様のゲーム】に続く


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