長らく御待たせしました。お久しぶりです。アポロです。いろんな小説をたくさん掛け持ちさせていただいております。今回のお話は『テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!?【2】』の続編となります。
そういう訳で、【2】の方が完結するまでここのお話は始まらないかもです。いや、ちゃんと書きますけど! 書きますけど、しばらく時間を置くだろうと思います。身勝手を御許しください。
ヒロインちゃん達は変わりません。相変わらずです。ちょくちょく画像も貼っていこうと思うので、よろしくお願いします。
ゴメン、上のこっち。名前書くん忘れとった……。
40:アポロ◆A.:2016/02/07(日) 19:14 ID:eG2 実砂side
放課後の部活にて。
「あ、ユウジ! お疲れ様〜。はいドリンク! 小春ちゃんも!」
「おぉ、きぃきくなまりも!」
「まりもちゃんありがとぉ!」
満面の笑みで私達三人で作ったドリンクをさも自分で作ったように渡す榑栖。
それにたいして私はとてつもない怒りを覚えた。あぁ……黒魔術は“まだ”掛けないから安心して?
「財前君! ドリンk「いおりさん、俺まだ練習するんで見てくれません?」……え……ちょ、財前君!」
「おん、別にかまへんで。けど何でや? 榑栖さんドリンク渡してくれとるのに。受け取っとき、倒れんで」
「……むぅ。……いおりさんが言わはるんやったら。
……どうも」
わぁ、財前ってば超不服そう。すっごい不機嫌な顔してるよ、財前。ちょっとざまぁみろ、って思ったのは許してほしいなぁ。
榑栖さんは榑栖さんでいおりちゃんを睨み付けてる。うーん、怖い。
「……実砂ちゃん? どうしたの?」
『んぇっ、あ、咲ちゃん。なんでもないよ?
さ、洗濯しにいこ?』
「う、うん!」
「行くやったら俺らもつれてってんか?」
「謙也の言う通りやで。
男子が居る方がええやろ?」
『はは、ほざけ』
私が笑いながらそう言うと、ぶーぶー膨れながら文句を言う部長とヘタレに黒魔術の本をちらつかせる。
途端に黙って練習しに行くんだから笑っちゃうよね。
**
いおりside
「ねえ、あなたなんなの?」
『何がかな?』
ただいまの現在地は体育倉庫内。榑栖さんに呼び出しをくらったかと思えば、先程の財前との会話が気に入らなかったらしい。
「とぼけないでよ!!」
『いや、だからなんのっ!! ってぇ……』
あたしがへらりと笑ってかわそうとすれば、直後、バァァンっと鋭い音が体育倉庫に谺する。あ〜、左頬ひりひり、びりびりするわ。いってぇ。
榑栖さんの右手を見てみると、何かが握られていた。
よくよく見れば、部室にあるお盆だった。そらいてぇわぁ。
「あなたの全てがムカつくの! キャラクター達のヒロインは私達補正側! なのに、何で!」
『そら、エクスタピアスがバグ人物やったからやろ』
「……そんなわけ……」
『そう思うんやったら思っとけや』
自分でも雰囲気が変わるのが分かった。あ〜、あかんって。
『ゆーときたいんやけど、あたしをこういう風にするんは構わん。けど、実砂ちゃんをリンチするんは許さんからな』
あたしはそういって体育倉庫の扉を開けて、勢いよく閉めた。
あ〜、あかん。左頬、腫れとるわ。
.
い、いおりちゃんかっけー…。ほ、惚れちゃう☆なんか忍足に少しトキめいてしまってた時が阿呆らしいわ…!
まりも嫌いだ。てか好きになれんよなーまぁ、あっち側で?思い込みの自己中じゃあしゃーないかな。今後の変わりよう(え、変わるんかな?)が楽しみっス!
財前久々の登場やな!嬉しい!限りなく嬉しい!アポロの書く財前本当好き!続きの更新楽しみにしとくなー!
あ、インフル完治したで!部活内でもらったんかもね。心配してくれてありがとーねー!ちゃんとゆっくり休めたよ!アポロ姉さんの御加護は天下無敵やなーww
www
そんなこと言っちゃウチの謙也さん泣いてまうわーwww
そうかな? 俺様過保護? っていうかインフルエンザ治って良かったなぁ!
**
あたしは腫れた左頬を冷やしに保健室いくべく、白石のところへ。もちろん、許可を貰う為である。
『しーらいしー』
「おん? いおり? ……なんやそのほっぺ」
白石の迫力がいきなり増し、一歩あとずさる。うぅーん、こえぇ。表向きはぶつけたってことにしとこう。
『いやー、さっきちょっと足元狂って壁にぶつかってもーてん。あたしの凡ミスやわー、あははっ! 保健室いってええ?
(榑栖にやられたわ)』
「あ、あぁ! ならエエよ。いってきー(榑栖かいな。ホンッマに……)」
よし、白石との会話は出来た。保健室にレッツゴー!
そうばたばたと慌ただしく飛び出した。だから気付かなかった。
誰かがあたしのあとをつけていた、ということに。
**
保健室にて。保健の先生もいないと言うことで、あたしは自分で冷蔵庫から氷嚢を取り出し、頬を冷やしていた。
ベッドに座りながら窓の外を見れば、グラウンド。野球部やサッカー部が頑張っている。
そんな時、気付いた。
『……誰や。扉の外に居るんは。入ってこい』
不意に扉の外に人の気配を感じてそう言えば、がらりと扉が開いて姿を見せた。
あたしはソイツに溜め息をつく。
『……光』
あたしが伏せがちにしていた目を光に向けると、光はずんずん歩いてきて、あたしの目の前で立ち止まる。
そしてあたしの目線まで屈み込んでズイと顔を近付けてきた。いや、普通にビビるわ。目付き悪いなコイツ!
「……いおりさん、足元狂わせて壁にぶつかる、て嘘っすよね」
『いやいや、ホンマホンマ』
……なんや妙に鋭いな。まさか見とったんか? あたしが殴られたとこ。いやいや、無い。それだけは。
『……逆に聞くけど、なんでそうやて、おもうん?』
「簡単ですわ。運動神経のエエいおりさんが、体感もエエいおりさんが転けるはずないし、仮に転けたとしても壁にぶつかるんはありえへん。
やっていおりさん、壁に手ぇついて三角バク宙跳びしはるやろ」
光の目に、光の正論に、光の雰囲気に、否定は出来なかった。が、ここで譲る訳にはいかない。
譲ってしまえば事情を話さなければならない。
「……ホンマに、怪我した理由はなんですか」
『……そりゃあ光にもいえへんなぁ』
「……むぅ」
あ、頬膨らましてムクれた。カワエエなー、なんて思ってるうちに、なんでやろ。
マウントポジション取られとる。簡単に言えば、押し倒されてる的な。
「……なんでいえへんのですか」
『……悪い。それも言えん』
「なんでっすか」
『やから……』
「そんなに俺は頼り無いか!!!」
光に叫ばれたのはこれが恐らくはじめてやわ。びくりと跳ねるあたしの肩を光はガッと掴んだ。小刻みに震える光の肩。顔を伏せっぱなしの光の今の表情は読み取れない。
「……そんなに、頼りないんすか」
ゆるゆると上がる光の顔。目には涙が溜まっていて、いつもの表情からはかけ離れた情けない顔をしていた。
そのままぽすんとあたしの胸に顔を埋めた光に居たたまれなくなってあたしが折れた。
.
アポロ、謙也は泣いてなんぼの人物やけん、大丈夫!☆
ざ、財前ー!!いい子!いい子過ぎる!ちょっと私ガチで泣きそうになった!感情移入激しいからなぁ…
いおりちゃんと報われるように頑張れ!
続きまっとーよー!(待っとるよ!)
せやね! 頑張れ浪速のヘタレスター!
こうしーん♪
**
「……そないな事があるんすね」
『やろ? やから言いたなかってん』
あたしが腫れた頬に湿布を光に貼ってもらいながら話を終えると光は態勢を動かさず、そう呟いた。っていうか、そろそろはなしてほしいかな!
『光、もうええやろ? あたしを解放して』
「……もー、ちょっとだけ。っていうか、抱き締めさしてくださいすんません」
あたしの返事を聞く前にギュウッと抱き締めてくる。なんだか可愛くなって光の背中を撫でた。あたしは、この世界の人間では無いから光の気持ちに答えてあげられるかどうかはまだ謎だけど、今は。
「いおりさん」
『ん?』
「好きです」
『知っとー』
「ホンマ、好き、大好きです」
『知っとーって』
「……愛してますから、別に俺の気持ちに応えてくれんでもエエから……こっちに居る間は頼むから俺の側に居ってください」
『……まぁ、頑張るわ』
「……はい」
非常にかわいい。なんだコイツは。頭をがしがしと撫で回すと、光の腕の力が強くなって首が絞まる。苦しい苦しい。
『光、苦し』
「……そんなもん知りません。好きです」
『知っとるって。解っとるから』
「……ん」
今日今この瞬間の財前光は、ツンデレのツンとデレの割合9:1のデレが漏れ出てるんか?
めちゃくちゃ甘えてくるんやけど。めちゃくちゃかわいい。
.
やっべ!この…財前めっちゃ好き!てかアポロの書く財前って凄く新鮮で…うん、結果やっぱりめっちゃ好き!!かわいぃぃぃいいいい!!!財前、私が愛してやるー!!
ごめん、落ち着くわww
続きまっとるけんねー!
あ、忘れとった…アポロ、遅くなったけど、
ハッピーバレンタイン!私の大好きの気持ちをプレゼントしちゃう♪ww
ハッピーバレンタイン!!! 後でイラストを書くよおおおおお!!!!
あと、財前は渡さん!!!! イヤマジであかん。
イラストは財前といおりちゃんのペアでいくよーー!
https://ha10.net/up/data/img/6752.jpg
イラストおお!!!! 喜んでくれれば嬉しいな!
アァァポォォオロォォオ!!!イラスト、読み込めんくて見れんかった!!悪いけど、もう一回上げてくれんかな??
それと私も財前は渡さんよ!!あかんよ!『純情ピュア少年ツンデレ率9:1』は私のモンやでぇえ!!
…ん?…財前は、ピュア…なのか…?
まぁ、いいさ!あっはっはっはっはー!!
いや、ホント財前はダメ。ツンデレ財前最高。財前だけはダメ。ひかるんあいらびゅー。ダメ。
画像アップするよおおおおおおお!
https://ha10.net/up/data/img/6752.jpg
https://ha10.net/up/data/img/6773.jpg
リトライしますた。あとで小説のせるよおおおおおおお!
ゴメン、名前間違えた。変換し忘れっすわ。
いおりside
翌日、今日は朝練が無かったので、普通に校内へと向かえばそりゃもうなんだか学校全体からあたしが睨まれてしまった。
昨日、イラついてあたしの根も葉もない噂を尾鰭背鰭付けて流したんだろう。本当に性格が悪い。
人も人だ。バグ以外があたしを見てコソコソと悪口を掻き立てる。面倒臭い。
パカ、と下駄箱を開ければ生臭い。生ゴミと、ヘドロ。どんなとこからヘドロとか持ってくんねん。執念かこら。
とりあえず、上履きは使い物になりはしない。なので、スリッパを借りた。そしてこうなるだろうと踏んで、靴を入れる袋を持ってきていてよかった。
がらりと扉を開ければ一氏にぎろりと睨まれた。
「……お前、よお学校来れたな」
『そりゃ来るやろ? っちゅーかなんでこんなぴりぴりしとん?』
「っ、お前!!!」
ガコンと顔を殴られた。おいおい、曲がりなりにもあたし女なんだから。昨日榑栖にお盆ではたかれたところをストライク。いや、あんた左利きじゃないか。右手で殴っても痛かねぇわ。
「しらばっくれんな! まりもにあないなことしよってからに!」
『あぁ¨!? あないなことってなんやねん! みんなして意味わからんわボケ! みんな何言うとん!?』
「はぁ!? シラ切るんやないわ! お前昨日保健室にまりも呼び出してカッターで右の頬切ったやろがボケ!」
『ユウ……ちゃうな、一氏。一時間目終わったらあたしんとここい。結構重大なお話や』
「ああ!? 行くわけないやろくそアマ!!!」
『来い』
あたしが一氏を真っ直ぐ見据えた。一氏は少したじろいで負けじと睨み返す。
「なんでお前の自分所に来い言う“頼み”を聞かなあかんのや!」
『ちゃうわ』
「はぁ!?」
意味がわからないという顔でこちらを見る一氏。
そうだ、これは頼み事ではない。
『コレは__
命令や』
その言葉に一氏はぶわりと冷や汗を掻き、「……」とその場を去ってしまった。
あれは、後でちゃんと来る証や。
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なんか、遂に来ちゃった…って感じやな。そんでもって、いおりちゃん、かっけー!かっけーよ!
一氏、嫌いになりそうやった…。まぁ、私の中では脇役より上の階級には永遠に上がらんけどな!アッハッハッハー!!
それと、素敵なイラストをありがとう。即・保存☆したよ!私だって財前は渡さんぞー!!
続きまってまーす!
財前はイケメン、そしてこのまま論争しても意味がないと言うことを理解したので財前はイケメンと言うことで。www
イラストはいおりんをもっとイケメンにしたかったのだよ……失敗に終わったけどww
一時間目が終わり、一氏は素直にこちらに来た。うん、もとの世界じゃ『天帝』と呼ばれてたんだから、逆らうことは許さないよー。……ハッ、なんか黒子のバスケの赤司みたいだな。うん、今更やな、今更。あたしオヤコロズガタカとか言わへんし。……言わへんし!
元々目付きの悪い一氏は相変わらず睨むと恐ろしいね。うん、ゴメン。精市の方が遥かに恐怖を覚えるわ。
「なんやねん、涼風」
『少し訂正を加えたくてな』
「は? 訂正?」
『せやで』
訂正、と言う言葉に反応した一氏が眉間にキツく皺を寄せる。お前はどこの不良だよボケ。
『まず、あたしが榑栖を「保健室に呼び出してカッターで頬を切った」いうたな?』
「ゆうたけど、なんやねん。今更謝罪なんて聞かへんで」
『まぁ待ちや。訂正ひとつ目、まず、謝罪する理由が無い』
「あぁ¨!? おまっ」
『聞けよ。二つ目。あたしは昨日保健室には確かにいたけど、光も居た』
「……見えっ見えのハッタリ噛ますまでお前は落ちぶれたんか」
『やから聞けって。そこは光に聞いたらわかるやろ。
三つ目な。そもそもあたしは学校にカッターを持ってこない。ほら、筆箱にも入ってへんやろ?』
「ばれるおもて家においてきたんやろが!」
『お前、覚えてへんの? 毎日の様にあたしの筆箱金色と一緒にあさっとったやん』
「……」
『最後の訂正五つ目。あたしはそんなことをしていないから。訂正ひとつ目の謝罪する理由が無いのはこれと繋がっとるからや』
「……」
『理解の速いお前や。この意味、わかるやろ?』
あたしが一氏の目を覗き込めば、唖然とした顔をしている。
「そ……れは、つまり、まりもが俺らに嘘ついたんか!?」
『そー言うこっちゃ』
「でも、お前のハッタリでもある可能性もないわけとちゃう」
『せやね。でも、今から話すことを聞けば納得するやろ。
まず、あたしは昨日体育館倉庫に向かった、そこはお前……みとったやろ?』
「あぁ、みとった」
『そのあと榑栖が入ってきて、……まぁ一方的に言いたいことぶつけられてんよ。
そんで、お前昨日みんなとさわいどったよな、お盆が無くなっとる! てな』
「さわいどったな」
『あたしはそのお盆で左頬を叩かれた。おかげで頬は腫れるわ“鼓膜”は破れるわ、散々やったわ』
「……今は腫れてへんやろ?」
『めっちゃ頑張って冷やしたからな。でも、左耳は聞こえん。試しに右耳塞ぐからあたしがブチギレする様なこと言ってみ』
あたしは右耳を手で頑丈に塞いで言葉を待った。そして、回りの音が聞こえなくなる。いきなりシンとした空間に放り込まれた感じだ。
そして、一氏が口をパクパクと動かす。分からないから苦笑いをしてみれば、一氏が心底驚いたような顔をする。
あたしは右耳を塞いでいた手を離し、「ほらな」と笑ってみる。
「……信じて、エエんやな?」
『まだ信じられへん、言うならもう一個。榑栖の頬は右頬が切られたんやろ? あたしは右利きや。
右利きやのに、右頬は切られへん』
「……榑栖まりもの、自作自演……」
『そうや』
あたしがそういった瞬間、一氏は目にも止まらぬ速さで土下座してきた。そりゃもう、スライディーング。
.
『!?』
「すまんかったああああ!」
『!? !?』
ただいま、ユウジにスライディング土下座をしてもらい、あたしの目は点になっていることでしょう。
「いや、ホンマ悪かった。こんな俺を許してくれええええええ!」
『(……単細ぼu((あかん)いやエエって! 分かってくれたんならエエから! 頭あげて! あたしの方が恥ずかしいわ! な? やめて? ちょ、やめて!? マジやめろ!!』
無理矢理ユウジを起き上がらせて顔を覗き込めばえぐえぐと男前な顔をぐしゃぐしゃにさせてダダ泣きしていた。なんて涙脆いんやコイツ!
**
そのあと、しばらくして落ち着いたユウジは鼻をズズッとすすった。
「よし、3-2に乗り込みに行ってくるわ」
『やめなさい単細胞』
あ、単細胞って言っちゃった。っていうか、金色は? あいつ榑栖側じゃ……。
「小春はお前側や」
『なぁお前なんなん? 読心術でも使えるん?』
「声に出しとったわ」
『マジでか』
っちゅーか金色はなんでこっち側なん? そう聞くとユウジは語り出した。
金色曰く、榑栖を視界に入れると鳥肌が立ち、声を掛けられると吐き気がするらしい。……完っ璧にこっち側やん。
よぉ隠し通せたな。あたしも気ぃつかんかったで。
「とりあえず、3-2に行くで!」
『あっ、おい待ちやボケ! ユウジボケええええええ!』
教室のドアをバンと激しく開いて駆け出したユウジの後を追うべくあたしも走り出した。
**
『……?』
「?」
あたしらは3-2の教室の前で立ち尽くした。可笑しい。
だって……窓と言う窓が綺麗にガッチリ閉められていた。うん、前後の扉にある小窓には布が掛けられている。
着替え……四天は更衣室やな。あたしの中学校は二つのクラス合同体育、例えば1,2組やったとしたら、男子は1組教室で女子は2組教室、てな感じやったから。
これは明らかに可笑しい。人通りもここだけ少ない。8組と2組の教室って離れてるからよく知らないんやけどや。これは、異常や。
あたしはユウジに自分の口元に人差し指をおしあてシーと合図をするとユウジもこくりと頷いた。意味は理解したみたいだ。
あたしが教室の扉に耳を押し付けると、中の会話が聞こえてきた。
.
ちょっ……っ!!気になるやんけーーー!!!!!そして一氏の涙脆さ!イイヤツやったんだな!見直したよ!小春ちゃん、こっち側で良かった…小春ちゃんがおったら百人力やなぁ!
まさかのいおりちゃん、鼓膜まで破れてたの!?病院行った!?行ってなさそうだよね!?アポロ、ちゃんといおりちゃんを病院に行かせてねっ!!
うん、財前はイケメン!それが結論やな!それと、イラスト、失敗作なんかやないよ!私一発で気に入ったし!上手いよ!凄く!色使いとか細かいところまでさ!
続き待っとる。凄く待っとるよ!
続き待っててくれてありがとう!
あと謙ちゃん(謙也)と白石もカッコエエやんなぁ。エクスタピアスいっちゃん愛してんでええええ!
(プリガムレッドだって捨てがたい……あと菊丸も)
あと白雪って好きな声優居る?
こっちは細谷佳正さんと小野大輔さんと石川界人さんと……福山潤さんと岡本信彦さんと逢坂良太さんと神谷浩二さんと諏訪部順一さんと皆川純子ちゃんと鮎置龍太郎さんと木村さんと花江さんと宮野さんと緑川光さんと梶さん! あとは黒バスの黒子の声してる小野さんと火神の声してる小野さん!
小説更新!
聞き耳をたてれば、聞こえてきたのは。
「ぅわぁっ!」
「実砂ちゃん!」
「きゃあっ!」
「大丈夫か!?」
「実砂っ!」
耳に届いてきたのはガタンと倒れ込む音と、上から実砂ちゃん、謙也、咲ちゃん、白石、あと細谷佳奈ちゃんの声。細谷さんはこちら側みたいや、良かった。なんか、榑栖は無理矢理咲ちゃんとクラスを変わってもらったらしく、あたしのクラス所属やねん。なんて迷惑。よお学校も認めたもんや。や、学校もあっち側やからか、くっ。
あたしは僅かに開いていたカーテンの隙間から覗いてみると、そこは惨劇だった。
クラスメイトにカッターで切りつけられる実砂ちゃん、それに駆け寄る以下四人。くそっ、あのアマ! 実砂ちゃんには手ぇださんいうたやんけ!
とは言えここであたしが出ていったら状況はより過酷になる。出ていかない方が得策だろう。
「大丈夫か実砂ちゃん!?」
「白石……うん、腕に掠り傷だけだよ」
「ちょ、実砂!? 掠り傷なん!? そうは見えんで!?」
「細谷さんの言う通りだよ!! 掠り傷どころかカッター腕に突き刺さってるよ!」
「咲ちゃんツッコミ意外と勢い凄いな!?
くっそ、とりあえず応急処置や! 誰か実砂ちゃん保健室つれてけ!」
「おん、分かったで白石! 実砂ちゃん、たてるか?」
謙也が実砂ちゃんの顔を覗き込み聞いた。実砂ちゃんはこくりと頷く。
実砂ちゃんの利き腕ではない右腕には最大まで出された刃が半分くらい突き刺さっていて、絶えずドプドプと耳を塞ぎたくなるような音をたてながら勢いよく血が流れ出している。
座り込む実砂ちゃんの制服を赤く湿らせながらじわじわと地面を侵食していくそれに咲ちゃんが倒れた。
実砂ちゃんの様子を見てけたけたと心底面白く笑っている男女クラスメイト。
先日まで実砂ちゃんの周りで一緒に笑っていたのに、補正の榑栖のせいでここまで壊れるやなんて!
実砂ちゃんは謙也ににこりと笑うが、顔は真っ青、蒼白い。
机を借りて立ち上がろうとすると、男子から蹴りを入れられた。
「俺の机に触んなよ加川。お前なんかに触られると汚れるっての」
「ぎゃっはは!! ちょ、それ言い過ぎwww」
なんて酷い男たちだ。
実砂ちゃんは白石の肩を借りて二足でやっとのこと立ち上がるとふらりと足が絡まる。それを反射で真正面から受け止めた白石。
実砂ちゃんの顔を見れば顔面蒼白、気絶していた。
「あかん、血ぃが出過ぎたんや。謙也!! お前のスピードが活きるで! 実砂ちゃん連れて走れ!!」
「任し! すまん実砂ちゃん」
白石の指示に勢いよく頷き謙也は実砂ちゃんに一言謝ってから横抱き__お姫様抱っこ__をして目にも止まらぬスピードで駆けていった。
あたしと謙也がすれちがう瞬間、あたしはこう呟いた。
『すまん、あの男子蹴る』
そうしてブチギレ間際の一氏を置き、あたしは教室に駆け込み、そのまま勢いに乗り、「だらあああああ!」と雄叫び、にも聞こえる叫び声をあげながら実砂ちゃんを蹴った男子の顔に飛び膝蹴りを炸裂させた。
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https://ha10.net/up/data/img/6907.jpg
猫の日なんでイラストを載せたぜ! 出なかったら言ってな!
すまん、アポロ。また画像読み込めんかったっ…!
好きな声優ねぇ…うん、黒バスのW小野さんは私も好きだよ!梶さんとか、あと森久保さんだっけ?赤也やシカマルの声してる人!が、好きかなぁ〜!
続きまってんで!飛び蹴り食らわすいおりちゃんが目に浮かぶわぁ…うん、かっけー。ここまで飛び蹴り似合う女子のキャラ、そうそう居らんと思うww
実砂ちゃん大丈夫!?カッター半分とかっ…!!…えげつない…け、謙也はよぉせぇや!!ぉぉおおおぉお!!
https://ha10.net/up/data/img/7033.jpg
出なかったと聞いて猫の日記念イラストおんなじの再び乗せました! にゃんこ白石!
ふぉ、ふぉぉおおおおぉお!!!ありがとう!アポロ!!めっちゃテンション上がる!!猫だ!白石だ!にゃんにゃんだぁ!似合ってるよ!相変わらず上手いね!!猫の日作った人ありがとう!そしてアポロもありがとう!
こんなに猫の日に感謝したのは生まれて初めてやわww
学年末テスト、死んでしまった。数学が壊滅的すぎて…一問に対する配点が高いんだよっ!
国語はよかったのにぃ!!
アポロのとこは学年末テストまだ??
うーん、こっちの学年末は24日(水)〜26日(金)やからもう終わったで! あと、テストが終わって家帰ってきてから高熱出した。病院行ったらインフルエンザ! テスト終わった後でよかった。あと学級閉鎖にもなってもたwww
今回英語と理科死んだ。れっつ飛び降り!
今度は謙也のイラストを……って謙也の誕生日もうすぐやん!!
イイイイイインフルだと!?もしかして私のが移ったか!?学級閉鎖って…わぁお……。かなり流行ってるんだね…。お大事に〜無理はしたらいかんよ!
私の先輩のクラス(3年生)も学級閉鎖になったんだよ。でも学校ではそこのクラスだけ!まだ良かったと思っていたい……。
謙也のイラスト楽しみにしとるよー!誕生日近いから、バースデーイラストかな??
学年末テスト、国語は96点取れたのに、数学が…ろ、ろろろくじゅうにぃぃいいいい……やっべぇ!!マジやべぇ!!
まぁ昨日はもう元気になったで! A型やったし! 家でのんびり過ごしとった!
マジか! 国語96……。すげぇな。(真顔)
こっちテスト前勉強全くせんからなー。まず根本的にやり方が不明やっちゅーねんwwwww
やから平均点うろちょろしとるわーwwwww((
**
謙也side
実砂ちゃんを抱えながら走る。俺の腕に実砂ちゃんの血液が伝い、ぴちょんと滴った。
早く連れていなければと慌てる俺はなにもないところで足を絡ませ転け掛ける。
『どわあっ!!! ……おっと、あぶなー』
バランスを取るのが苦手な俺だが、今回ばかりは転けてなど居られない。自身の真っ白な制服に赤い液体が付着したのを目に入れるも、そんなの気にしないように再び加速する。
医者の息子の俺はまぁそれなりに知識はある方だ。「「コイツになんか負けられるか!」」と幼い頃侑士と共に本を読み学んだ事は白石も知っている。知識の使いどころはここだ、と言わんばかりに白石に目配せされ駆け出したものの、パニックに陥ってしまった。そんな俺をパニックから冷静へと引き戻したのは、意識を取り戻した実砂ちゃんだった。
「忍足……焦りすぎ」
額に脂汗を浮かべ、すっかり血色の悪くなった顔に苦笑いを浮かべる実砂ちゃんに俺は、視界は広がったような感覚を覚えた。今ならいつもよりもう一段階早く走れるかもしれん、的な。
やっとのことで辿り着いた保健室には幸い先生もおらず、苦しげに息をする実砂ちゃんをベッドに寝かせた。
『実砂ちゃん、ちょお痛いかも知れんけど我慢してな』
「構わないよ」
俺は実砂ちゃんの目を見て告げると、そう返ってきて、実砂ちゃんの腕に深く刃が突き刺さるカッターへと手を伸ばした。
傷口を見て、グッとカッターを握る。その瞬間「った!」と顔を歪めて目に涙を浮かべる実砂ちゃん。
慌ててばっと手を離す。
「具、ぅっ、いたっ。刺さったときよりひっこぬくときの方が痛いよね」
『……すまん』
「いいよ、刺さっててもいたいし。ちゃっちゃと抜いちゃって」
実砂ちゃんにそういわれ、カッターを再び握る。「ほら勢いよく!」と急かされ、深呼吸。そして力強く引き抜いた。
「いぁぁっ、だっ、うあぁっ!」
『実砂ちゃん! 今すぐ応急処置の手当てするから待って! これ終わったらおとんに連絡するわ』
「んっ、ぅうっ」
涙ながらに力なく頷き、その様子に俺は包帯を巻くスピードを速めた。あっという間に出来上がったそれを見て、おとんに連絡を入れる。何科やって? んなもん今はどないでもエエわ!
連絡をし終わり、すぐにつれてこいとのことで。なんやねんこのおとんは。鬼畜か!
『実砂ちゃん、立てるか?』
「っ……ぅ、まだ、ちょっと無理みたい」
『ならしゃーないな。背負ってくわ、乗り』
「……セクハr『ちゃうわ!』……分かったよ」
渋々、と言ったように背中に乗る実砂を確認し、完全に乗ったのを見て、全力ダッシュで保健室を飛び出した。
.
うん、今回のテスト、国語は奇跡だと思う。(真顔)私の得意なところばっかやったけんかな?助かった。マジで…ww数学もある意味奇跡やけどなww
A型やったんやな。治ったなら良かった!でも、無理は禁物やからなー?
部活の先輩凄いんで!今年に入ってから、イルフルA型→肺炎→インフルB型 で、今日復活してた。本当、厄年かって位病気になってんだよw決して体が弱い訳じゃないと思うんだけどね…皆、心配どころか呆れ返ってるよww
な、なんやねん、謙也格好ええやないか!財前の次に!実砂ちゃんは大丈夫なん!?はよぉ走れやこのスピードバカー!!
続き待っとるよ!
追記
私もスレッド作ったよ〜!良かったら、遊びにきてね!アポロは原作、てかこの漫画知らないかもだけど…。
あ、主にはこっちのスレに来るから!あくまでも遊びに来てってだけだから!
小説を指摘してほしいなーなんて!感想とか。
題名は、
【妖精の尻尾〜星霊界の危機〜】
だよ〜!
えええええっ、知ってるよ知ってる知ってる!
漫画全巻と公式ファンブックとアニメーションと小説とCDと画集と月刊フェアリーテイルマガジン全巻持ってるよ! 大好きだよ! 真島先生を崇め称えてるよ! スティングとグレイとジュビアとリオンとウルとゼレフと12のみんなを愛してるよ!
マジか、見に行ってくる!
マジで!?色々マジで!?私はアニメではまって、小説も好きで…やっぱ一番最初はナツルーにはまったなー!今もちょっとナツルーブーム再燃しそうww意外とゼレフとメイビスのカップリングも好きやなぁ!
おう!見にこい!見にこい!てか、本当に来てたね!
白石side
その後はバグ側であった宮原飛鳥さんと言う実砂ちゃんの友達が連れてきた先生によって実砂ちゃんを刺した男子生徒は停学処分となった。
謙也からの連絡によれば実砂ちゃんは出血多量だが無事だとのこと。俺はふうと溜め息を吐き、今回榑栖まりものみんなからの反応などを含めてどういうことかと聞いてくる人物が二人。言わずもがな細谷さんと宮原さんである。
「白石君! どないゆうことなん!? 男子はみんな榑栖が可愛え言うし女子も実砂イジめよるし!」
「ちょ、ちょおストップ! 俺もそないはよ答えられへんて!」
「答えんとちゃうくて大人しく説明しや! アホ白石!」
「はい! 大人しく説明します!」
宮原の剣幕に見事にビビった俺はピシッと敬礼していおりや実砂ちゃん榑栖まりものトリッパーから神様同士喧嘩しとる言うことまで詳しく話したら「何やそれ私らもいおりくんに協力する」と二人共瞳の中にいおりに頭を撫でられる光景が映っていたが割愛。
「実砂ちゃんは無事やし、いおりも落ち着いて教室帰ったし、一旦山は越えた感じやな」
「でも一旦やねんよなぁ……」
「なら青学ゆう所はどうなっとん? 連絡一切ないんやろ?」
「それが問題やねん、倉間さんと朱李ちゃんがなぁ」
せやねん。合宿まであと残り数日なのだけど青学のマネージャーからの連絡が途絶えている。いおりの方にも連絡は来ていないらしいし、何かあったんやろか……。
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