イナズマイレブンでエイリア学園のお話です!
2:太陽と月◆i6:2016/07/04(月) 22:43 俺の名前は、ノヴァ。
男みたいな接し方をしてるけど、れっきとした女。
皆にはよく男みたいだと言われるけど、これが俺だから。
あ、こんな話してる時間はなかったや!あのお方たちが呼んでるから、またね!
〜ある一室〜
「すいません・・・、遅れました」
俺は跪くと、三色のスポットライトが当たる。
何も表さない白、真っ赤に燃える赤、凍てつくような青だった。
今日はなんて言われるだろう?
「遅かったな、ノヴァ。一体何してたんだい?」
「・・・すいません、レーゼ様達の練習データを取っていました」
グラン様の声が酷く不機嫌だと瞬時に理解した。
「はッ!セカンドランク如きに手こずってたのか?」
「申し訳ありません」
バーン様も待たされて酷く不機嫌だ。
「ノヴァ、聞いておくぞ?君は私達の何だ?」
「・・・この俺は皆様の人形(ペット)であり、俺は皆様の言われた時刻に絶対に来る事です・・・」
「分かっているなら、いいが・・・今度もし、遅れて見ろ。分かっているな?」
ガゼル様の低い声が響く。
冷や汗が一つ滴り落ちる。
「はい・・・申し訳ありません」
俺がそう言うと、三つの溜息が聞こえて来た。
俺はレーゼ様の率いるジェミニストーム、デザーム様が率いるイプシロン、バーン様が率いるプロミネンス、ガゼル様が率いるダイヤモンドダスト、グラン様が率いるガイアに仕える者だ。
こう言う関係は5年間続いている。
俺は奴隷でそのチームの全員は俺の主人だ。
だから、逆らう事も出来ない。
バーン様、ガゼル様、グラン様のお叱りを終えて俺は部屋を後にした。
〜廊下〜
「ん?ノヴァじゃないか」
「ゼル様、今日も元気ですね」
俺の目の前にゼル様が来た。
ゼル様はそう呼ぶなと言うが、上下関係があるからいつも様を付けて喋っている。
「いや、お前も元気そうだけど・・・また怒られたのか?」
「はい、お恥ずかしい事に・・・」
「・・・俺の時は、そう敬語になるなよ。」
「いえ、貴方様も俺の主ですから」
「・・・そうか、あんま無理するなよ」
ゼル様は俺の肩を叩いて行ってしまった。
俺はまた歩き出す。
いつもの日常が今日も始まる。
続く
今日の予定は確か、ウルビダ様に呼ばれていて、その後はヒート様とネッパー様に呼ばれている。
俺の部屋はエイリア学園の基地の一番下にある。
俺のユニフォームはない、俺はすべてのチームに所属しているから。
だから、練習に参加しろと言われたそのチームの練習に入る。
「・・・ふぅ〜」
小さな溜息が俺の口から零れ落ちる。
部屋を見渡せば、本棚とクローゼット、机、ベッド、時計と置かれていた。
何不自由ない生活だが、この部屋に出たら皆の奴隷として働く。
時計を見やれば、そろそろウルビダ様の所に行かないといけない。
ウルビダ様の所にはガイアのユニフォームを着る。
〜ウルビダの部屋〜
「ウルビダ様」
「あぁ、ノヴァ。すまない、急に呼び出して」
「いえ、俺は皆様の人形ですから」
「・・・そうか」
ウルビダ様の悲しい顔が見られたが、俺の気のせいか?
「で、どうしましたか?」
「この話をグランに伝えておいてくれないか?」
「はい、承知しました」
俺はウルビダ様の用事を終え、すぐに自分の部屋に戻る。
普通に歩いてる様に見えるが、こう見えてすっごい急いでる。
俺は一分一秒も遅れてはならない、次はプロミネンスのユニフォームを着ないといけないし、早く戻ろう。
〜プロミネンス自由室〜
「ヒート様、ネッパー様。」
「あぁ、ノヴァ。本当に時間ピッタリだね」
ヒート様に驚かれた、いや、バーン様に時間通りに行けと何回も言われたからその癖がついてしまったのだ。
「いえ、お二方様の用事ですので」
「そんな大切な用事じゃねぇって」
「遅れてしまえば、お二方様にご迷惑がかかるので」
ネッパー様にそう言った、ネッパー様はそうかと納得するが、何処となく暗かった。
「それで用事とは?」
「あぁ、サトスが急に胃痛起こしちゃってね。バーンがノヴァに練習に入れるようお願いしてくれって」
「サトス様が?分かりました、練習の時間は」
「えっと〜、昼食終って30分後だよ」
「ありがとうございます」
俺はお二人に礼をして、サトス様の居場所をレアン様とボンバ様に聞いた。
サトス様は自分の部屋に居るのだと言う。
俺は早速サトス様の部屋に向かった。
「サトス様、失礼しますね」
「あぁ・・・ノヴァか。」
「胃痛だとお聞きしたので」
「大丈夫だって、いつもの事だし。それより、練習はゴメンな」
「いえ、気にしないでください。早く元気になるよう俺も祈っておきます」
「ありがとうな」
少しだけ喋って俺はサトス様の部屋を後にした
あ、そろそろ昼食だ。
早く皆の昼食を作らないと。
続く
俺は、調理場に着くと、今日の献立を決めた。
サトス様はすり潰したリンゴでいいだろうか?皆様には、ツナマヨのドリアにしよう。
あ、昼食終ったらウルビダ様の用事も済ませなくてはいけない。
「ふう〜、今日は一段と忙しいな」
俺は、そう呟いて料理を開始した。
作って2時間。
皆様が調理場に入って来た。
「今日もご苦労だったな、ノヴァ。ん?これはお前一人が作ったのか?」
「はい、あまり上手く出来ませんでしたが、皆様のお口に合うかどうかも」
デザーム様にそう言うと、後ろからイプシロンの方々が今日の昼食に目を輝かせた。
料理は気に入ってくれているが、味はどうだろう?少し心配する。
その後ろから、レーゼ様とジェミニストームの方々が入って来た、と言うか全ランクのが集まって来た。
「すっごいー!さすが、ノヴァ!」
「いえ、アイシー様が喜んで下さって嬉しいです」
「よくこの量を一人で作れたな」
「これくらい当たり前ですから」
皆様はそう言って、自分の料理を取って、自分の席に着いた。
俺は調理場から出て、サトス様の部屋に向かう。
一応、すり潰したリンゴを作ったが、食べてくれるか不安だ。
「サトス様、昼食をお持ちしました、ん?睡眠中でしたか・・・」
サトス様は睡眠中だった。
俺は机にすり潰したリンゴを置き、持っていたメモに食べれるならお食べ下さいと書いて、部屋を後にした。
そして、もう一度皆様が居る食堂に向かう。
その途中、咳き込んでしまった、いつもの事だから気にしてはいない。
「あれ?ノヴァ、何処行ってたんだッぽ?」
「あ、サトス様の部屋にすり潰したリンゴをお届けに」
「そうか、ありがとな。ノヴァ」
「いえ」
バーン様に褒められ、頭を下げる。
俺は思い切って、味はどうか聞くと、皆様は美味しいと笑顔で答えてくれた。
味に自信はなかったが、皆様に言われると光栄だ。
「ん?ノヴァは食べないのか?」
「はい、俺は自分の部屋で食べますから」
「え?!ここで食べないの!?」
レアン様に酷く驚かれ、俺は食事はもう自分の部屋に持って行っている事を伝えた。
皆様は少し不服そうな顔をされたが、見なかったことにした。
食事が終わると、皆様は食器を俺に預け、俺は食器洗いをする。
「皆様、綺麗に食べてくれて俺は嬉しいです」
俺は洗いながら、そう言った。
すると、誰かが調理場に入って来た、俺は振り返って見ると、バーン様が立っていた。
「何でしょうか?ん!」
いきなりバーン様のキスが来た。
これも慣れた、俺が何かいい事をしたらレーゼ様やデザーム様やガゼル様やグラン様がしてくるのだ。バーン様もその一人だ。
続く
やっと、バーン様の唇が離れた。
「どうかしましたか?バーン様」
「いや、今日は言い過ぎたな」
「いえ、遅れたことは事実ですからお気になさらず」
どうやら、今日怒ってしまった事を謝りに来たらしい。
俺は気にしていないのだが、バーン様にとっては気にしていたらしい。
「じゃあ、練習でな」
「はい」
バーン様はそう言って調理場を後にした。
俺の初めてのキスは、グラン様に奪われた。
その時は、本当に驚いて顔を真っ赤にしていた。
今も少し顔が赤い。
「早く・・・片付けよ」
俺は女の子だが、あまり恋とか女の子が憧れている事は抱いていない。
この方達に仕える事が何よりうれしいから。
やっと山にようにあった食器を洗い終わると、俺はユニフォームをプロミネンスのに変え、練習場に行った。
練習場には、もうプロミネンスの方々が集まっていた。
「あ!ノヴァ!」
「レアン様、今回はよろしくお願いします」
「ノヴァなら、全然いいよ!今日は頑張ろうね!」
「はい」
レアン様は元気でこっちも元気になれるお方だ。
だから、私が尊敬できる人でもある。
そして、全員が集まると練習が始まった。
今日は紅白試合、私はヒート様がキャプテンしている白組だ。
「ノヴァ!」
「はい!」
バーラ様からボールをパスされ、私はボールを持って上がって行く。
だが、囲まれてしまった。
「ヒート様!」
私はマークが少ないヒート様にボールをパスした。
そして、試合も終わり、結果引き分けだった。
「お疲れ様、ノヴァ」
「お疲れ様です、ボニトナ様」
「そんな敬語使わないで、なんだか調子が狂うわ」
「いえ、ボニトナ様も私の主ですから」
「そう?でも、あんまり無理しちゃいけないわよ。」
「はい、分かりました。」
続く
プロミネンスの練習が終わり、お父様の部屋に行こうとした時だ。
「ノヴァ」
「!グラン様」
目の前にグラン様が居た。
どうしたんだろう?と言う疑問が浮かぶ。
「何処に行くの?」
「お父様の部屋ですが・・・グラン様、ウルビダ様から次の練習時間が気になると言っておりました」
「分かったよ、ありがとう。あ、父さんの用事が終わったら、会議室に来ててね」
「分かりました」
グラン様はそう言い終わると、廊下の先に消えてしまった。
俺は用件を頭にしまい込みながら、お父様の部屋に向かった。
お父様の部屋は、まるで庭園だ。
「お父様」
「ノヴァですか、そこに座りなさい」
「はい」
お父様が指差した場所に俺は座った。
お父様の隣には、死神みたいな顔をした剣崎が座っていた。
死神みたいな顔をは元々か。
「どうですか?エイリア学園は」
「とても素敵ですね」
「やはり、お前はよく分かっている。そこで、お前に頼みがある」
「はい」
「瞳子の監視をお願いしたいのです」
お姉さまの監視・・・、少し乗り気ではない。
でも、お父様は私の恩人だ。
「分かりました」
「よろしい、下がっていいですよ」
お父様にそう言われ、お父様はお父様の部屋を後にして、急いで会議室に向かった。
会議室とは、バーン様、ガゼル様、グラン様の三人だけが居る部屋の事だ。
会議室に着き、部屋のドアを開けるとそこにはもう俺の主が居た。
「ノヴァ、時間ピッタリだよ」
「褒め頂きありがとうございます」
「それでノヴァを呼んだのは、雷門の様子を見に行ってほしいんだ」
グラン様の声が響く。
雷門イレブン、レーゼ様の話ならお姉さまの率いるチームだ。
だが、レーゼ様達が試合で何人か怪我人を出したって言っていたはずだが・・・。
「行って・・・くれるよね?」
「はい、ノヴァは皆様の忠実に従う所存です」
「分かったよ、今その雷門イレブンは北海道に行く途中だから見つからないようにお願いするよ」
「はい」
私はそう言って、雷門の所まで黒いボールを使い行った。
着いたのは、自然豊かな所でそこに円堂守達が居た。
レーゼ様の言った通り、暑苦しくてうざい奴だ。
遠くから見てもよく分かるな、だけど、何だ?このドキドキは・・・
続く
お姉さまは・・・居ない。
居るのは雷門だけか、グラン様達の命令は終えたけど、お父様の命令が終わっていない。
お姉さまが居る時に見に行こうか・・・、でも、このまま帰ればグラン様達に怒られるのが目に見える。
そう考えていた時だ、急にボールがこちらに向かって来たのだ。
「!!」
ボールは何とかギリギリかわせた。
もう見つかったのか!?
「すいませ〜ん!ボールこっちに来ませんでしたか!」
「あ、あぁ、すまん。あそこに蹴ってしまった。」
こいつは・・・風丸一郎太か。
確か、スピードが疾風の如く速いだったな。
と言うか、見つかってしまった!!!
「あ、間違ってたら悪いけど、お前・・・望愛?」
こいつ・・・何で私の本名知ってるんだ?
すると、頭の奥からズキッと痛みが走る。
『望愛ちゃん!』
頭の中から子供の声が聞こえた。
誰だったか思い出せない、だけど、分かる事は早くこいつから離れないといけない。
「さあな」
俺が立ち去ろうとした時、風丸に腕を掴まれた。
「俺だよ、風丸だ!」
「・・・悪い、俺の友達にそんな奴はいない」
俺は風丸の腕を振り払って、林の奥に着くと、黒いボールで帰った。
これは、グラン様達のお説教+お仕置きだな。
〜エイリア学園内〜
「で、トラブルで見つかったって訳?」
「申し訳ございません・・・。」
ヤバイ、これ本気で怒ってる。
お仕置き覚悟で帰って来たが、これはお仕置き直行だ。
「全く、お仕置きだね」
グラン様の声にゾッとした。
〜お仕置き完了〜
くしゃみが出そう。
それにしても、今回のお仕置きはかなり堪えた。
髪の毛も濡れちゃったし・・・、あれは死ぬかと思った。
「ん?ノヴァ!びしょ濡れじゃない!!どうしたの!?」
「あ、リオーネ様、バーラ様。お仕置きが今終わって・・・」
「大丈夫?今回のお仕置きは、酷かったんだね」
「はい、でも、命令にトラブルが出てしまったんで、しょうがありません」
俺がそう言うと、リオーネ様が髪の毛を乾かしてくれると言ってくれた。
続く
ここで、オリキャラの設定を教えます
ノヴァ/藤咲 望愛(女)中学2年
エイリア学園に仕えるエイリア学園の子。
風丸と円堂とは幼馴染だが、エイリア石の影響で忘れている。
親の急死により、お日さま園に入った。
俺っ娘キャラ。
容姿
金髪でツインテールをしている、髪の毛の先は少しオレンジ。
目は、ウルビダと同じだと思ってください。色は、赤。
服は色々と・・・
好きな物
エイリア学園(お日さま園)の皆
どら焼き
嫌いな物
お仕置き
剣崎
髪の毛は乾いたけど、自室で過ごす用の服が濡れちゃったや・・・。
リオーネ様に乾かしてくれたから、布団も濡れずに済んだし、それでもマシって思えた方が良いよね。
にしても、風丸の顔見たら頭が痛い。
お父様にお姉さまの監視を任されてるけど、降りようかな・・・。いや、やっておこう。こんなんで降りたらお父様に恥を掻かせることになる。
「そろそろ夕食の時間か・・・。作りに行こう」
何だろう、目の前がユラユラ動いてる。
疲れ?そんな訳ない。
俺は頭をブンブン振って、部屋を出た。
今日の夕食は魚にしようか?それとも野菜をメイン?あ、でも、最近そればっかりだからお肉料理もいいか!それじゃあ、ハンバーグにしてあげよう。
「あ、でも、お父様って和食しか食べないって剣崎が言ってたっけ?」
じゃあ、お父様には和食料理を作ろう。大人組は、ステーキでいっか・・・。
ん?また視界が・・・。
「うっ!」
その後の記憶は一切なかった、目を覚ました時は、自分は医務室のベッドで寝かされていた。
「俺・・・確か・・・、そう言えば今何時!!」
20時過ぎてる、完全に夕食の時間だ。やってしまった!!
「また、お仕置きだ・・・」
もう、最悪だ。
叫ぼうとするが、頭がズキズキと痛む。
すると、医務室の戸が開いた。
「あ、大丈夫!!?」
「ヒート様、アイキュー様」
「熱は少し下がったようだね、全く、ガゼル様もやり過ぎですよ」
「それなら、うちのバーンもだよ」
話に付いて行けないです・・・。
「大丈夫?頭は?」
「いえ、大丈夫です。あの、ここまで運んでくれたのって誰なんですか?」
「あぁ、見つけたのはレーゼで運んだのはグラン様だよ。倒れた原因は熱だよ」
「すいません、ご迷惑をおかけしまして・・・。あの、夕食誰が作ったんですか?」
俺が聞くと、ヒート様は自分たち全員で作ったと言った。
少しだけ心配した、だって、ガゼル様は料理を作ると魔界の食べ物が出て来るとベルガ様が前に言っていた。
だけど、その心配も無用らしくダイヤモンドダストの子達が一緒に作っていたのだと言う。
「元気になったら、服は着替えててね。多分、クララとパンドラが来るから」
「はい、申し訳ありません」
色んな人に迷惑を掛けてしまった。
後で皆様に謝っとこう。
俺は、医務室のベッドに寝転がりそう考えた。
すると、またガラッとドアが開いた。
クララ様とパンドラ様かな?
「どうかしま・・・したか?」
そこに居たのは、グラン様とガゼル様とバーン様だった。
「その今日は「ごめんね」へ?」
「風邪を引いた原因が、水だって聞いてね。」
「悪かったな・・・」
「いえ、皆様の命令を違反した俺が悪いので気にしないでください」
俺は笑顔で答えると、グラン様達はそうと小さく呟き、ジャージを置いて医務室を出て行った。
続く
次の日の朝、熱も治まり、俺は何時もの様な日常に戻った。
「おはようございます、ディアム様」
「おはようって、もう動いて大丈夫なのか!」
「はい、熱も治まりましたから」
「そうか・・・あんまり無理するなよ。」
ディアム様にそう言われ、俺は分かりましたと頭を下げ、ディアム様と別れた。
そう言えば、このジャージってグラン様のだ。
返しに行こう、今日は誰にも呼ばれてないし。
グラン様は、何処だろう?部屋に来たはいいが居なかったし、ネロ様に聞いてみるか。
「ネロ様」
「ん?ノヴァ、熱は下がったんだな」
「はい、昨日は申し訳ありません」
「気にしてないよ、今度からは無理はするな」
「分かりました、あの、グラン様見かけてませんか?」
「グラン?あぁ、見かけたよ。多分、グラウンドじゃないかな?」
俺はお礼を言って、グラウンドに向かった。
グラウンドに行くと、更衣室にグラン様を見つけた。
「グラン様」
「ん?あぁ、ノヴァ、おはよう」
「おはようございます」
「どうかした?」
「昨日、ジャージを貸して貰いましたので」
私は持っていたジャージをグラン様に手渡した。
グラン様は、返さなくてもいいと言うが、返した方が良い。
すると、グラン様の顔が近くにあった。
「グラン様?」
急にグラン様が抱きしめて来た。
こういう事は、初めてで慌ててしまう・・・!
「あの、グラ「もうちょっとこのままにさせて」
やばい、心臓が死にそう!!
続く
ヤバイ、抱き着くと言う行為に頭がまだ追い付いてないよ。
何で、俺はこう言うのが苦手なのか少し気になる。
そう言えば、昔も誰かに抱き着かれた様な・・・。
え?俺は今何処に居るかって?自分の部屋です。
「今日はお姉さまの監視の日だった!」
俺は急いでクローゼットから人間用の服を取り出し、黒いボールで移動した。
〜北海道〜
私は北海道に来た、来たは良いが薄着だから寒い。
「早くお姉さまの監視を終えて、帰ろう」
私は寒い手を息を当てながら、白恋中に向かった。
白恋中には、お姉さまの姿はなかった。
すると、裏からわぁー!とかぎゃー!とか騒がしい声が聞こえた。
裏を見に行くと、呆れて言葉も出なかった。
「何やってるんだ?あいつら」
雷門が白恋と一緒にスノーボードをやっていたのだ。
本当にエイリア学園に勝つ気はあるのか?
すると、風丸がこっちに気が付いた。
「おい、望愛」
「・・・・また君か」
何で俺に構うのか全くの謎だ。
ここで、俺の正体をばらしたいぐらい。
「お前、そんな言い方だったか?」
「ふん、知らんな」
「まあ、いいや。そうだ!久しぶりに円堂に会いに行かないか?」
「何で、俺が・・・」
「なあ?」
風丸がそう言った時だ、プルプルと電話が鳴った。
電話の主を見れば、グラン様だ。
「はい・・・」
『あ、ノヴァ?父さんからの伝言預かってるんだけど』
「何でしょうか?」
『雷門にスパイとして乗り込んでくれって』
「分かりました、今日はどうしましょう?」
『そうだね、レーゼ達の試合が終わったら、入ってくれないかな?』
「分かりました」
続く
俺は、いつまでも付き纏う風丸を追い払いながら、お姉さまを探した。
雷門のキャラバンを調べよう、多分、お姉さまも居るだろう。
「これだよね・・・」
あぁ、タイヤをパンクさせたい。
え?何かの恨みとかあるのかだって?いや、風丸にただイラついているだけ。
まあ、壊すの容易いからいいとして、お姉さま何処かだな。
「窓から覗いて見よう」
窓を覗いて見ると、居ない。
何処行ったのかと思った時、何してるのかしら?と凛とした綺麗な声が聞こえた。
振り返れば、お姉さまが腕を組みながら立っていた。
「何の用かしら?」
「いえ、お父様に頼まれレーゼ様達ジェミニストームの皆様との試合が終われば、お姉さまのチームに入れとご命令されたので、その知らせを」
「・・・・父さんは何が目的なの?」
「俺が教えるとでも?と言うか、俺も目的は知りません。雷門の連中には教えない事、そして、俺の正体をばらさない事を条件です。」
「分かったわ」
お姉さまは一言そう返すと、帰りなさいと言った。
言うまでもない、俺はもう帰る。
そろそろグラン様達の昼食を作らなきゃれば、確か昼の予定は俺はないが、グラン様達は忙しいと聞いた。
野菜と魚をメインにしとこう。
〜エイリア学園(グラン目線)〜
全く父さんもノヴァに変な事頼むな〜。
俺が行ってあげてもいいのに・・・、ノヴァにあんまり危険な事させたくないんだけどな、え?俺もしてるって?良く言うじゃん、好きな子ほどいじめたくなるって。
「はあ〜、君、ノヴァの事が好きなのかい?」
「え?ガゼルよく分かったね」
「顔に出ていた、バーンもノヴァが好きだったな」
「な!!ひ・・・人の事言いやがって!!お前も、ノヴァの事好きなくせに!!」
ノヴァが居なくなれば、俺達はノヴァで言い争いだ、殆どが。
ノヴァの前でやれば、ノヴァに変な目で見られるからやっていない。
「まあまあ、二人共。そろそろ言い合いやめた方が良いよ?」
「き・・・貴様!!」
「てんめー!!」
「ただいま帰りましたって・・・喧嘩してました?」
ドアが開くと、金髪のツインテールが目に入った。
ノヴァは可愛いから、すぐに分かっちゃうよ。
「ううん、ちょっとした言い合いだよ」
「?また、ジェネシスですか?」
「そういう事だ」
ガゼル、顔を少し真っ赤にしてる。
「それで何の用だ?」
「昼食の準備が出来た事を伝えに来ました」
「そう、ありがとうね。君はもう昼食を食べに行きなよ」
「はい」
ノヴァはそう言って、部屋を出ようとした時、ある事が頭をよぎる。
「ねえ、ノヴァ」
「はい」
「今日は皆と食べなよ。」
続く
はあ〜、いくらグラン様達の頼みでも皆様と一緒に食べてもいいのかな?そう言う疑問を抱きながら、俺は今グラン様達に引きずられながら、食堂に向かっている。
最初は断ったのだけど、グラン様達が強制的に参加させると笑顔で言いながら、俺を引きずっているのだ。
「本当にいいのでしょうか?」
「いいって俺らが言ってんだから、気にすんなって」
「そうだぞ、このチューリップでも言ってるんだからな」
ガゼル様、そのチューリップは禁句なんじゃ・・・。
案の定、それを聞いたバーン様と喧嘩してしまった。
「皆、お待たせ」
「遅いですよ!って、ノヴァ何処に行ってたの?」
「すいません、雷門を見に行っていました。」
「確か、雷門にスパイとして乗り込むんだよね。姉さんが黙ってると思わないけど・・・」
「あ、そこは大丈夫です。帰って来る前に言っておきましたから」
レアン様がさすがね!と褒めてくれた。
なんか恥ずかしいな・・・。
「それじゃあ、ノヴァはあんまり帰って来ないの?」
「はい、でも、休憩時に少しだけ帰って来ますよ」
俺がそう言うと、クィール様がやったー!と俺に抱き着いた。
ん?一瞬殺意の目が来たような・・・気のせいか。
「あの・・・こういう事言っていい身分か分からないんですけど」
「何?」
「皆様と一緒に昼食・・・その食べていいですか?」
「「「「もちろん!!!!」」」」
と言う事で、俺は部屋に持って行った昼食を取りに帰る為、部屋に戻った。
何故か後ろにグラン様が居る事に少し謎が残る。
部屋に着くと、昼食を取ろうとした時、後ろから抱き着かれた。
「ぐ・・・グラン様!」
「しーっ・・・」
グラン様に言われ、静かにした。
あ、そう言えば剣崎の実験に付き合えって昨日剣崎に言われてったけ?
騒ぐ声が聞こえながら、俺はグラン様に抱き着かれながら石の様に固まった。
声が聞こえなくなると、グラン様は耳元で喋っていいよと言った。
「グラン様・・・これは何ですか?」
「ん?いやね、ちょっと早く手に入れなきゃって思ってるから」
「へ?」
「俺さ、ノヴァ、望愛の事好きなんだ。恋愛的な意味でね」
へ??
続く
〜食堂(食事中)〜
「なあ、ノヴァ。お前、顔真っ赤だぞ」
バーン様に言われ、ふえ!と変な声が出た。
俺自身も驚いている。
「熱でもあるのか?」
「いえ、ちょっとさっき研究員に追いかけられてて」
と言うのは嘘だ。
グラン様・・・ヒロト君の告白により、顔が赤いのだ。
〜回想〜
「へ??好きって・・・俺の事がですか?」
「そう、ノヴァと望愛の事がね。」
でも、お仕置きはどうなんだろう・・・
「お仕置きは、まあ好きな子ほどいじめたくなるって奴。告白の返事はいつでも待ってるからね」
グラン様はそう言った。
〜回想終了〜
皆様には心配しない様接してるつもりだけど、ヒロト君の告白がまだ頭の中に回ってる。
「ノヴァ、この後用事とかあるか?」
「いえ、ありませんけど、どうしました?ガゼル様」
「いや、ダイヤモンドダストの練習データを取ってほしいんだが・・・」
「いいですよ」
俺が言うと、アイシー様がやった!と小さくガッツポーズを取っていた。
ダイヤモンドダストの方々は、冷たいけど結構仲間想いなのだ。
皆様と一緒に食べるってこんなに楽しいんだ・・・。
「どうかしたか?グラン」
「別に」
「顔が怒ってるぜ?あんた」
「気のせいだよ、ガゼルとバーンこっち来てよ」
あれ?何処に行くんだろう?
〜ちょっと離れた所(グラン目線)〜
「で、何で私達がここに呼ばれるんだ?」
ガゼルが睨みながらそう言った。
「あはは、ごめんね。二人ってさノヴァに告白した?」
「「ぶっ!!」」
二人共驚き過ぎ、俺が告白したって言ったらもっと驚くかな?やってみよう。
「な・・・何言ってるんだ!!」
「そ・・・そうだぞ!!」
「ねえねえ、もし俺がノヴァに告白したって言ったら、驚く?」
「それはまあ・・・」「驚くけど・・・」
「告白したよ」
続く
〜練習場(ガゼル目線)〜
頭が追いつかない・・・。
彼奴に先を越されただと!!
「どうかなさいました?ガゼル様」
「!い・・いや、何も」
「そうですか」
ノヴァが笑顔で答えながら、グラウンドに居るチームメイトを見た。
ノヴァの笑顔が私の心も温かくなる、ノヴァが好きなのは小さい頃からだ。
今は、私達の奴隷として従っているが、私はあまり乗り気じゃなかった。
でも、ノヴァはエイリア石の影響で一部の記憶以外全て忘れていると言う。
「ガゼル様、次はクララ様のデータですよ」
「え!あぁ、そうか。」
「どうかしましたか?ずっとボーっとしていますが・・・」
「すまない、気にするな。それより、君は疲れてないか?ここ最近、私達が動かしっぱなしだから」
ノヴァは平気ですと笑顔で答えた。
金髪の髪の毛と髪の毛の先のオレンジがノヴァの目の色と似合っていた。
つい見惚れてしまう。
「ガゼル様?」
「!どうかしたか?」
「いえ、皆様のデータ取れましたよ」
「そうか、ありがとう・・・。おい」
「はい」
「ちょっとだけここで待っててくれ」
ノヴァは不思議そうな顔をしながら、分かりましたと頷いてくれた。
全く私も何をしているのだ、グランから告白したと聞いてから負けられないと言う気持ちが湧きあがってくる。
それを不思議そうに見るアイキューの存在にやっと気が付いた。
「どうかなさいましたか?」
「あ、いや、別に何も・・・」
「・・・ノヴァの事ですか?」
ギク!!
「やっぱりですか」
「何処で分かったんだ。」
「ずっと前からですよ、練習してる時にボーっとしてましたから」
勘が良い・・・。
さすが、副キャプテンだと感じた。
「これ以上余りノヴァとの時間も潰しちゃいけないので、俺はチームの皆と帰ってますね」
か・・・からかっているのが分かる。
アイキューに仕事を押し付けると言う事は決まったな。
続く
〜更衣室〜
「あ、ガゼル様。それで御用は何ですか?」
俺は更衣室で待っていると、ガゼル様が戻って来た。
俺はガゼル様に近づくと、抱きしめられた。
すぐに俺の体全体が熱くなる。
「が・・・ガゼル様?」
「・・・だ」
「へ?」
ガゼル様が耳元で何か呟いた。
横目でガゼル様の顔を見るが、顔がよく見えない。
耳を見ると、真っ赤になっていた。
俺がボケッとしていると、ガゼル様は抱き着くのをやめ、今度はキスをしてきた。
いきなり!と思った時、すぐにキスをやめてくれた。
「ノヴァ、えっと・・・私はお前の事が好きだ。恋愛的な意味でだぞ!」
「ふぇ・・・」
それを聞いて、またガゼル様の顔が真っ赤になった。
いや、それは俺もだ、顔が自分でも分かる程真っ赤だ。
如何返せばいいのかすら、今の俺の頭は分からない。
「ノヴァいや望愛・・・好きだ」
「風介君・・・」
「小さい頃からお前がお日さま園に来た時からずっと・・・好きだった」
「でも・・・俺・・・今は分かんない・・・」
俺が俯くと、ふわっと風介君が抱きしめてくれた。
「今はいいよ、今は父さんの為にやろう。」
「う・・・うん」
俺は頷いた。
その後、ガゼル様と一緒に帰ったが、バレン様に顔が赤い事を指摘された。
まさか、ヒロト君も風介君も俺の事が好きとは思わなかった。
小さい頃の記憶はあまりと言うか朧げで憶えてない。
父様の話だと、俺の体とエイリア石は相性が良すぎて結果記憶を一部失ってしまったらしい。
「・・・俺、どうすればいいんだろう・・・」
お日さま園の頃の記憶は奇跡と言えばいいのかもしれない、その時の記憶だけ憶えている。
小さい頃の俺はどんな奴だったか覚えてないけど、ヒロト君と風介君そして今はバーン様となっている晴矢君とよく遊んでいた。
誰よりもよく遊んでいた。
「ん?ノヴァ?」
「バーン様・・・」
「顔が暗いぜ、どうした?」
「それが・・・」
俺は先程ガゼル様に告白された事、そしてお昼にグラン様に告白された事を話した。
「・・・と言う事なんです・・・」
「・・・なぁ、ノヴァ」
「はい」
「もし、俺もお前が好きだって言ったらどうする?」
続く
「え・・・」
バーン様の言葉に、俺は固まった。
そして、バーン様の顔がみるみる内に顔が真っ赤になって行った。
俺もその顔につられ顔を真っ赤にした。
「もう一回だけ言ってやるから、ちゃんと聞けよ!」
「は・・・はい!」
「俺は、お前が好きなんだよ!チビの時からずっとと言うか一目惚れしてよ、ずっと前から好きだったの!!」
晴矢君が顔を真っ赤にして、俺から顔を逸らした。
俺は答えられないと言おうとした時、晴矢君が口を開いた。
「答えられないんだろ?でも、今告白しなかったら、雷門に取られるんじゃないかって・・・」
「それはないと思う」
「え?」
「だって、今の俺にはここ(エイリア学園)が、帰る場所ですから。いくらスパイとして行くとしても、俺は皆さんの味方ですよ、バーン様」
俺がそう言うと、晴矢君はそうかと笑みを見せた。
「レーゼ達がもし負ければどうする?」
「俺がレーゼ様達の仇を取ります。レーゼ様にジェミニストームの方々も俺の大切な人です」
俺がそう言うと、バーン様はそうかと頭を撫でてくれた。
〜そして、白恋中の試合終了の報告を聞いた〜
「え?レーゼ・・・さま・・・が?」
俺は持っていたバインダーを床に落とした。
それを心配して見るデザーム様とマキュア様。
俺はとてつもない憎しみが押し寄せて来た、絶対雷門を許さない!!
「もう、行くのか?」
「はい、ですが、報告をするときに戻ってきますね」
「気を付けるんだぞ」
ウルビダ様が俺を優しく抱きしめながらそう言ってくれた。
「はい・・・」
「それなら、少しツインテールは止めて・・・」
ウルビダ様がそう言って、俺の髪の毛のゴムを取った。
そして、今の俺はロングヘアになっていた。
「これなら、少しは敵とは認識は無くなる」
「ありがとうございます」
俺はそう言って、ずっと顔を俺から背けているグラン様達を見た。
一体何があったのかと思っていると、ヒート様が耳打ちして教えてくれた。
「バーン、心配なんだよ。ノヴァが裏切るんじゃないかって」
「ガゼル様も同じだよ」「それを言うなら、グランもだっぽ」
俺はそれを聞いて、グラン様達の方に歩いて行った。
「あの、グラン様、ガゼル様、バーン様。絶対戻ってきますね」
「「「!!!」」」
「それじゃあ、目的基地まで私が送ってきます」
「よろしく頼むぞ、デザーム」
「はい」
そして、俺は雷門に向かった。
レーゼ様達の仇・・・絶対取る。
エイリア学園の名に賭けて!!
続く
〜コンビニ前〜
「あの〜・・・」
俺は他人を装い、雷門に近づく。
お姉さまはすぐに俺が来た事を感じ取ったのか、凄い睨んでいる。
「貴方は?」
「ヤダな〜、連絡入って居たと思いますけど?」
「貴方が、藤咲望「「望愛!!」」
お姉さまの声を遮って来たのは、風丸と円堂守だった。
舌打ちを我慢しながら、首を傾げた。
「望愛、久しぶりだな〜!」
「キャプテン、その子誰なの?」
吹雪士郎・・・白恋中のエースストライカー。
技はエターナルブリザード、アイスグラウンド。
弟アツヤが居たが、雪崩によって弟を失い、弟の人格持っている言わば二重人格人間だ。
「あぁ、俺と風丸の幼馴染なんだ!小学校1年の2学期に居なかったから、心配してたんだぜ?」
「貴方・・・誰?」
「え?俺だよ!円堂守!!」
「円堂君、残念だけどこの子は記憶がないわ。親の急死が原因でね」
円堂守・・・雷門中のキャプテンでGK
ベルガ様とグレント様とネロ様とデザーム様と比べたら、弱そう。
円堂守に関わった奴らは不思議と仲間になっている。
技はゴッドハンド、爆裂パンチ、マジン・ザ・ハンド。
「え?急死?」
「えぇ、飛行機の墜落事故によるショックで全て忘れてるのよ」
「そうなのか?望愛?」
あぁ、お姉さま適当に済ませたかったのに・・・。
私は小さく溜息を吐いて、コクリと頷いた。
ショックを受けた様だ、内心嘲笑った。
「だからか、俺の名前も解らなかったの。それで、監督。望愛が何でここに居るんですか?」
「えぇ、この子が通っている学校からマネージャーとしてこの雷門イレブンに入ります」
「そうなんでやんすか?!凄い美人でやんす」
栗松鉄平・・・雷門イレブンの一員。
雷門サッカー部のぐだぐだ部員の一人。
技はダッシュアクセル。
こいつ一人病院送りも容易い。
「ありがとう、と言うか俺はあんまり馴れ合いは好きじゃない」
「おい!てめー!!」
染岡竜吾・・・雷門イレブンの一員。
栗松鉄平と同じくぐだぐだ部員の一人。
技はドラゴンクラッシュ、ドラゴントルネード、ワイバーンクラッシュ、メガネクラッシュか。
血の気が多いしばれるのも時間の問題か・・・。
「何?」
「馴れ合いってどういう事だ!?」
「言った通りの意味、ジェミニストームを倒したからっていい気にならないでよ。ハゲ。監督、私は先に京都に行って来ます。」
「分かりました」
デザーム様達に報告しなくては・・・
〜京都漫遊寺中近くの樹〜
「来たか・・・、どうだった?ノヴァ」
「はい、吹雪士郎・・・。彼の技を教えると、エターナルブリザード。そして、DF技アイスグラウンドを持っています」
俺は、雷門を絶対に許さない。
俺の主を失わせたのだから・・・。
続く
漫遊寺中に着いた雷門。
デザーム様とかに知らせればいいな、漫遊寺中は腰抜けばかりだってね。
すると、急に誰かに肩を叩かれ振り向くと、お姉さまが居た。
「何でしょうか?」
「ちょっと話があるの」
半ばお姉さまに強制的に何処かに連れて行かれ、人が居ない場所に着くと、お姉さまがこちらに振り返った。
「まさかと思うけど、私達の事をお父様やヒロト達に教えていないでしょうね?」
「さあ、そこはお姉さまの考えでお願いします」
俺は怪しく笑うと、お姉さまは悔しそうな顔をした。
教えてるに決まってる。
俺は雷門の味方じゃない、エイリア学園の味方だ。
すると、監督!とか望愛!とか声が聞こえて来た。
「望愛!!サッカー部見つけたから、一緒に行こうぜ!」
「・・・・」
私は頷いて円堂守と一緒に行った。
こいつらがイプシロンの方々に勝てる訳ない。
そう思いながら、歩いて行った。
ある疑いの目に掛けられているとも知らずに・・・。
〜エイリア学園では〜
「そう、雷門イレブンには入れたらしいね、ノヴァ」
『はい、ですが早く潰した方が良い人物が一人』
「誰だ、そいつは?」
『円堂守・・・雷門イレブンの一人でありキャプテンです』
「そいつがどうして早く潰した方が良いんだ?」
『鬼道有人、豪炎寺修也の事を詳しく調べれば豪炎寺修也は一度サッカーをやめています。鬼道有人は帝国学園に居た者なんですが・・・。』
「・・・分かったよ、ノヴァ。それなら、今日の夜、俺も漫遊寺中に行くから待ってて」
『了解しました』
続く
〜色々とあり、夜〜
「グラン様・・・久しぶりに会うな〜」
此処で待っとけばいっか・・・。
グラン様に逢うと思うと、ちょっとだけ嬉しくて恥ずかしい。
告白の事も思い出す。
それを思い出すと、顔を真っ赤にしてしまう。
「やあ、ノヴァ」
「グラン様、お久しぶりです」
「久しぶり、それにしても今日は来なかったね。どうしたの?」
「お姉さまに見張られていました、ごめんな!「気にしないで」
また抱きしめられた・・・。
恥ずかしいくって少し悔しい。
「グラン様・・・抱きしめていいですけど・・・その」
「分かってるって、敵が居るからでしょ?」
「はい、こんな私が文句を言ってすいません」
俺がそう言うと、グラン様はいいよと頭を撫でてくれた。
撫で終わったら、グラン様はキスをした。
昨日帰って来た時もやったのになって思うと可愛いなって思える。
まだ足りないって思える俺もだけど・・・。
「さっきノヴァが言う円堂君に会って来たよ」
「え?!」
「面白い子だけど、父さんの計画の邪魔者になるから早めに何とかしないと」
「分かりました、情報はそちらに回しておきます」
「よろしくね」
グラン様はそう言うと帰って行った、少しだけエイリア学園に戻りたいなって思ったのは内緒だ。
俺が少しエイリア学園としての想いに浸っていると、望愛と言う声が聞こえて来た。
「お前か・・・」
「何でお前、ここに居んだよ?」
「お前に関係ない」
風丸に関係ない事だ。
俺が帰ろうとした時、グッと誰かに引っ張られた。
後ろを振り返ろうとした時、風丸の腕の中に俺は入っていた。
サァーと顔を青ざめ、離れようにも離れられない。
「何してん「俺さ」
俺が文句を言おうとした時、風丸が口を開いた。
「俺さ、お前の事が小さい頃から好きだった・・・。」
「はあ?!」
「本当だよ」
敵のこいつに顔を真っ赤にする自分がバカだ。
「望愛!」
俺は、いつの間にか風丸を押して逃げていた。
音無に会ったけど、俺は適当に返して、竹藪の中に入った。
早くエイリア学園に帰りたい・・・。
俺が思っていると、ピキッと何かが砕けようとした音が聞こえた。
服の中にしまってあったエイリア石の首飾りを見ると、エイリア石に少しヒビが入っていた。
「な・・・んで・・・?」
私はその場にへたり込んだ。
「どうして・・・?」
エイリア石にヒビが入ったって事は、私はエイリア学園の事を忘れて、前の記憶が蘇ってしまう。
それだけは嫌だ、エイリア学園の皆の事を忘れたくない。
私は急いで、ケータイを取り出しグラン様に報告する。
『どうしたの?ノヴァ』
「エイリア石が・・・」
『エイリア石がどうしたの?』
「どうしましょう・・・・皆さんの事・・・忘れたく・・・ない・・・のに」
続く
〜グラン目線〜
電話越しでノヴァの涙声がした。
どうしたのか聞くと、ノヴァは皆の事を忘れたくないと泣き出した。
俺は急いでノヴァを連れて帰る為、ウルビダを起こしに行った。
「ウルビダ!!」
「何だ・・・?寝ている時に」
「ノヴァがなんか皆のこと忘れたくないって急に電話で泣き出して」
「!?分かった、私が迎えに行こう。お前はお父様に知らせろ!」
俺はコクッと頷いて、父さんの部屋に急いだ。
〜竹藪(ノヴァ目線)〜
やだ・・・、壊れないで・・・。
俺が泣いていると、ノヴァ!と聞き覚えのある声が聞こえて、顔を上げるとウルビダ様が居た。
「どうした!?雷門に嫌な事されたのか?」
「どうし・・・よう・・・。皆様の事、忘れたく・・・ない・・・のに」
「一時帰ろう!グランがお父様に知らせてくれている!」
「は・・い・・・」
俺はウルビダ様に支えられ、黒いボールで一時エイリア学園に帰った。
帰ると、お父様が心配そうにこっちを見ていた。
「お父様・・・」
「大丈夫ですか?エイリア石を見せてみなさい」
俺はエイリア石を見せると、お父様はこれは大変ですと言った。
俺のエイリア石をお父様は外すと、新しいエイリア石のエナジーを俺のエイリア石に渡した。
俺のエイリア石をお父様は俺の首に掛けた。
「これで大丈夫です、力が弱っていたのでしょう」
「お父様・・・ありがとうございます」
「いえいえ、何かあったらまた連絡をしてきなさい」
お父様はそう言って、ウルビダ様に俺を漫遊寺中に戻すことを言った。
ウルビダ様は頷くと、ウルビダ様はこちらまで来て一緒に雷門の所まで行ってくれた。
「ウルビダ様、申し訳ありません」
「いや、お前の記憶が無くなってなくて良かった。確か今日はイプシロンがやって来るから、何かあったらデザーム達に言っておけ」
「はい」
ウルビダ様は大きなあくびをしながら、帰って行った。
俺はキャラバンに向かっていると、ずっと待っていたのか風丸がキャラバンの上で眠っていた。
「あいつ・・・」
「ん・・・望愛!その、昨日はゴメンな」
風丸が起きて、こっちに気が付いた。
「いや、俺もごめん。昨日、押しちゃって」
「気にしてないよ」
俺は雷門を許さない。
その筈なのに・・・自分の胸が痛いのは何故だ?
続く
〜福岡(ジェネシス戦まで飛ばす(望愛)飛ばし過ぎ)〜
俺はボーっと陽花戸中の屋上でしていると、見覚えの霧がまわりを囲んでいた。
グラン様だ・・・。
来て・・・くれたんだ。
雷門にはそろそろ嫌気が差してた、グラン様に逢えると思うと、嬉しさで顔が綻ぶ。
「俺も・・・見に行こう」
グラン様達とは時々会っていた。
そう言えば、昨日の夜、グラン様確か円堂に会っていたな。
試合の申し込みか何かと思い、グラン様の所に行くと、試合を申し込んだって言ってた。
いくらイプシロンの方々やジェミニストームの方々に勝ったからって、グラン様率いるガイアに勝てる筈がない。
俺は、お姉さまの隣に立つとグラン様がちょうど現れた。
「やあ、円堂君」
一応今の私とグラン様達は敵となっている。
だから、敵のふりはしておけと昨日の夜言われた。
「もし、俺達が試合に勝ったらそこに居る望愛貰うよ。」
あぁ、うん。
これって、一応敵の立場で言ってるんだよね。
それより、グラン様達の気迫が本当に怖いですよね〜。
とまぁ、俺は渡さないと言う感じで円堂達は試合を挑んだ。
本当、よく試合をやろうと思えるもんだよ。
試合を見れば、一目瞭然。
グラン様達が勝っていた、そしてハーフタイム。
「くっそ!ん?望愛、何処行くんだ?」
「少し席を外してきます、すぐに戻りますので」
ドリンクを普通に屋上に忘れて来たと嘘を言って、今日の記録をしておいた。
すると、ガチャと戸が開いた。
「グラン様・・・」
「さすがの演技力だね、デザームに聞いた通りだ」
「いえ、ありがとうございます」
「ご褒美」
そう言って、俺を抱いてキスをしてきた。
こう言うの本当に初めてですと言おうとした時、口の中にグラン様の舌が入って来た。
で・・・ディープキス!?
「ん・・・ふぁ・・・」
口と口の間から漏れる声にグラン様が目を細めた。
やっと終わると、グラン様に凭れた。
「大丈夫?」
「グラン・・・さま・・・凄すぎ・・・ます」
「そう?あ、そっか。これは、初めてだったもんね。っと、そろそろ試合だ、行って来るよ」
「はい」
何とか、酸欠状態だけは免れて良かった、そこは本当に良かった。
私は急いでパソコンを片手に戻って行った。
戻ると、またもや一目瞭然の試合・・・。
つまらないな〜、グラン様達の試合を見れて嬉しいけどね。
「流星ブレード!!」
グラン様の必殺シュートが円堂の居るゴールに向かった。
その時だ、吹雪が止めに入ったのだ。
怪我を負って・・・。
俺はグラン様の隣に行った。
「グラン様・・・?」
「・・・ノヴァ、これで良かったのかな?」
「え?」
小声で話しながら、ハウザー様がグラン様を呼んでいた。
私はグラン様の後に続きながら、陽花戸中を後にした。
〜エイリア学園〜
「ノヴァーー!!」
「ただいま帰りました、アイシー様」
私が帰って来て、食堂に行くと、ダイヤモンドダストの方々が居た。
アイシー様は私に気が付くと、大喜びで私に抱き着いた。
「久しぶりだな、ノヴァ。ここ最近帰って来なかったから、アイシーも心配してたんだ。」
「すいません、最近雷門が俺の正体を探る様になって・・・」
「それは大変だったわね、でも、いつ戻るの?」
「そうですね、俺もよくは・・・」
クララ様の問いに俺はあいまいな答えを返してしまった。
すると、帰りましたかと言う声が聞こえ、振り返った。
「お父様、ただいま帰りました」
「お帰りなさい、ノヴァ、そろそろ正体を明かしなさい。」
「分かりました」
さて、雷門の反応はどうだろうか?少しワクワク感もある。
私は誰かが雷門に行くまでエイリア学園で過ごす事にした。
続く
自分の部屋に帰って来るのも、懐かしい。
俺は、ふとエイリア石が心配になった。
お父様が昔これをくれた時に言っていた、エイリア石と共鳴し過ぎると本当に記憶を失う可能性があるって、だから、俺はあまり共鳴しない様慎重に見ている。
エイリア石は、禍々しい光を放っているが、ヒビは入ってなかった。
「良かった・・・」
漫遊寺中で初めてヒビが入った時は、初めてでパニックし過ぎてウルビダ様やグラン様に迷惑を掛けてしまった。
それより、俺の答えはどうなんだろう?俺の好きな人・・・・、風丸にも告白されて、バーン様にも告白されて、ガゼル様にも告白されて、グラン様にも告白された。
最近だが、風丸と遊んだ記憶も戻って来てる。
「俺の・・・好きな人・・・。」
解らない・・・。
すると、俺の部屋にグラン様が入って来た。
俺の部屋を知ってるのは、グラン様とガゼル様とバーン様だけ。
「どうかなされましたか?」
「・・・ノヴァ・・・俺、怖いんだ」
「え・・・?」
「ノヴァは、俺を怖いとは思わない?」
「いえ、全然怖いとは思いません。逆に俺にとって、ガゼル様もバーン様もそしてグラン様も大切な主です」
「ノヴァ・・・俺いつかノヴァを傷つけても怖いとは思わない?」
グラン様の瞳は、曇っていた。
私は、グラン様を抱きしめた。
自分からやるのって結構恥ずかしい!!
「いえ、ノヴァは怖くありません。傷つけられても、例えそれが、グラン様やガイアの皆様、ガゼル様やダイヤモンドダストの皆様、バーン様やプロミネンスの皆様に傷つけられても、俺は皆様が大好きです」
「ノヴァ・・・俺が泣いたって事・・・皆には内緒にしてね?」
「はい・・・お約束します・・・。」
俺がそう言うと、部屋からはグラン様の嗚咽が響いた。
グラン様・・・。
もし、皆様がそう悩んでいるのなら、俺は皆様の為ならこの身を滅ぼしてでも構わない。
絶対に守ってみせる。
〜グラン様も泣き止み〜
「ごめんね・・・情けない姿見せて・・・」
「いえ、気にしていません。グラン様も少し疲れたでしょう?」
「うん・・・泣きすぎてちょっと・・・」
この声、ヒロト君だ・・・。
「あの・・・グラン様・・・」
「何?」
「こんな身分でも、一個だけお願いしてもいいですか?」
「いいよ」
「今だけ、ヒロトって名前で呼んでいいですか?」
俺が聞くと、グラン様は目を丸くしたと思ったら、急におなかを抱えて笑い出した。
俺は少し恥ずかしがっていると、グラン様はいいよと俺に抱き着いた。
「じゃあ、俺も望愛って呼んでいい?」
「はい・・・いい「今はタメ口で」うん」
タメ口って久しぶりかも・・・。
「ねえ、望愛?」
「何?」
「望愛って誰が好きなの?」
「ふえ!?」
「だって、ウルビダに聞いたら、バーンやガゼル、雷門に居た風丸とか言う子に告白されたんでしょ?」
ウルビダ様・・・情報源凄すぎます。
「それは・・・俺もよく分からないんだ」
「そっか・・・望愛。もう一回言うよ?ヒロトとして」
続く
「俺は、望愛が好きだよ?多分、バーンやガゼルには負けるかもしれない。でも、俺は望愛が好き。この気持ちは誰にも譲らないよ」
「ヒロト君・・・」
言葉が恥ずかしい・・・。
そんな事、言われた事も無かったから・・・。
嬉し過ぎて少しだけ涙を流した、久しぶりだと思うのは何故?これが初めての筈なのに・・・。
「望愛、俺・・・いつでも返事待ってるから。」
「はい・・・」
「ありがとう、聞いてくれて・・・。・・・何か恥ずかしいな、この告白」
「そうですね・・・。そろそろ自由室に行きますか?」
「そうだね、ジェネシスの皆も待ってると思うし」
俺が立とうとした時、グラン様が手を差し出して来た。
俺は、奴隷なのにこう言うのは許されるのかな?と思ったが、少しだけなら良いよね?俺はグラン様の手を取り、部屋を出た。
〜自由室〜
「望愛ーー!」
「わぁ!」
此処は自由室、ここが唯一の娯楽室と言えるだろう。
今俺に抱き着いてきたのは、アイシー様じゃなくて愛ちゃんだ。
「あ・・・アイ「アイシーじゃないって、ここに来る時はタメ口でいいって」なら、愛ちゃん」
「わぁ〜い!」
「こら、愛。あんまり、望愛に突進したら望愛が倒れちゃうよ」
アイキュー様じゃばくて修児君が止める、俺はこの空間が好き。
エイリア学園の空間もね。
「いいよ、修児君。私も愛ちゃん大好きだから」
「そ・・・そう?でも、前にそれで倒れたから・・・」
「安心してよ、前はちょっと油断しちゃっただけ」
俺がそう言うと、杏ちゃんが愛ちゃんと言い合いになっていた。
微笑ましいな〜。
「そう言えば、晴矢君と風介君は?」
「あぁ、その二人ならヒロトに呼ばれたって言って、ココから出て行ったよ」
「すっごい愚痴って出て行ったけどね」
そう言えば、ヒロト君も言ってたっけ?
なんか急に会議するから先行っといてって・・・。
「そう言えば、望愛。雷門の一人に告白されたらしいじゃん」
「え?!蓮君!!何で知ってるの!!?」
「いやいや、望愛。ポッケ調べて見ろって」
徹君に言われ、ポッケを調べると中から機械じみた物が入っていた。
ボケッとしていると、修児君が同じものを見せた。
「つまり、あの時の事は俺達にも丸聞こえって事。」
「もう!!皆ひどいよ!!」
「ごめんごめんって、みんな心配してたんだよ?」
「う・・・そう言われると、憎めない・・・。」
華ちゃんが謝ると、俺は怒るのをやめた。
もう、今後ポッケの中身もちゃんと調べ解こうって言っても、ノヴァの姿じゃこの人たちに逆らえないや。
すると、プロミネンス練習ですと放送が入った。
「あぁ〜、望愛ともっと話したかったのに〜〜!」
「そうだね、俺も杏ちゃん達ともっと話したかったな。でも、終わったら戻ってきなよ」
「そうね、じゃあ、また後でね」
「はい、いってらっしゃいませ」
続く
今日は自由室で皆様といっぱい話せて嬉しかったな〜、ヒロト君や風介君や晴矢君も来てくれたし。
おっと、ここから仕事モードにならなきゃ!俺がそう思った時、ノヴァって呼ばれ、振り返った。
「ガゼル様・・・?」
「お前の部屋に・・・行っていいか?」
「はい、どうぞ」
部屋・・・綺麗だったよね?確か。
そう思いながら、ガゼル様と一緒に自分の部屋に向かった。
部屋に着くと、俺は部屋のドアを閉めてガゼル様にお茶を入れた。
「どうぞ」
「ありがとう、紅茶は苦手だったが、ノヴァの入れるミルクティーは美味しいね」
「褒め頂きありがとうございます」
「私ばかり良い事はダメだな、お前に褒美をやろう」
そう言って、キスをして来た。
ガゼル様のキス・・・ミルクティーの味だ。
ガゼル様は充分満足したのか、キスをやめて、俺の膝に横になった。
は・・・恥ずかしい!!
「あの、ガゼ「最近ノヴァに会っていなかったんだ、少しだけならいいだろう?」はい・・・」
そんな顔をされたら、断りにくいです!!
それにしても、ガゼル様の髪の毛凄いふわふわ、寝顔も綺麗だな〜。
って!俺は何考えてんだ!?これじゃあ、まるっきり変態だろ!?
「布団・・・遠い・・・」
少しだけなら触ってもいいよね?俺はそう思い、ガゼル様の髪の毛を触ってみた。
あ、ふわふわだ。
「ノヴァ」
「あ!」
「私の髪の毛を触るとは、度胸がいいな」
お・・・起きてしまった。
怒られる!と思った時、お仕置きも来なかった。
いつもならここで来るのに・・・。
目を開けるとガゼル様の妖艶な笑みが俺の目の前にあった。
「まあ、ノヴァだから許してあげるよ。私はそろそろ部屋に戻る」
「あ、送りましょうか?」
「いや、大丈夫だ。今日は楽しかったよ、望愛」
不意打ち・・・。
ガゼル様が俺の部屋を後にしても、俺は顔がリンゴみたいに真っ赤にさせた。
急に名前を呼ぶなんて!!それにしても・・・ガゼル様の髪の毛フワフワだったな〜。
俺はそう思いながら、部屋の電気を消し、ベッドに体を預けた。
〜そして、円堂達が沖縄に行ったと言う情報はすぐに俺の耳に入った〜
「炎のストライカー・・・豪炎寺修也だな。俺が入った時は、居なかったけど」
写真から見ると、瞳は輝きに帯びていた。
舌打ちが一つ出る、こいつを見ているとただ苛立ちしか来ない。
すると、ノヴァと声が聞こえた。
「どうかしました?バーン様?」
「今からさ、沖縄に行くんだけど、正体をバラしに行かないか?」
「え!?でも、無断で・・・」
「だから、すぐに戻りゃ、誰にもバレねぇって!」
「分かりました」
グラン様に怒られないかな?お父様も怒らないといいんだけど・・・。
俺はそう思いながら、人間の時に着ていた服を着て、沖縄に向かった。
続く
〜結局、バレてしまった(グラン様がバラしたけどね)〜
「望愛・・・お前も・・・」
正体をバラした俺の姿に、雷門は口をあんぐりと開けた。
やっぱりこの姿の方が好き・・・。
「そうだよ、こっちが本当の俺。でも、何処のチームにも所属していない」
「ど・・・どういう意味や!!」
「言った通りだよ、浦辺リカ。俺は、エイリア学園の為に全てを尽くす、それが俺の役目」
「そんなの・・・ただの操り人形じゃねぇか!!」
「土門飛鳥、それは違う。」
何もわからない癖に・・・。
何も知らな癖に・・・、俺がどれだけグラン様達に尽くしているか!!
そう思った時だ、服に収めてあった筈のエイリア石が一層禍々しく光り出した。
しまった!!共鳴し過ぎた!!
「「「ノヴァ!!/望愛!」」」
力が抜けて行く・・・ヤバイ・・・。
そう思った時、誰かが受け止めてくれた。
顔を見ると、バーン様とグラン様だった。
「大丈夫か!?おま・・・エイリア石、置いて来なかったのかよ!!」
「すいません・・・」
「喋っちゃだめだよ!バーン、早く帰ってノヴァを部屋に!!」
「あぁ」
バーン様は俺を抱えて、グラン様と一緒に帰って行った。
あの後、力は何とか戻って、バーン様の部屋に行った。
「バーン様」
「あ、ノヴァ・・・。」
「部屋に入っていいでしょうか?」
「あぁ」
何か暗い・・・。
いつものバーン様じゃない、どうしたんだろう?沖縄の事か何かかな?
「ノヴァ、悪かったな。あの後、グランと父さんに怒られちまった」
「いえ、俺もすいません。エイリア石は置いて行けって言われたのに、置いて行かなくて」
「悪い・・・。共鳴の事、知ってたのに・・・。ごめん・・・」
バーン様を見ると、涙を出していた。
俺のバカ!主であるバーン様を泣かすなんて!!バカじゃん・・・。
「バーン様・・・」
「ごめん・・・俺が誘わなかったら・・・ごめん」
バーン様・・・。
俺はバーン様の笑った顔はすごいって思える。
だから、笑って欲しい・・・。
俺は無意識に自分からキスをしていた。
ごめんなさいと言う謝罪のキスを・・・。
続く
俺はキスをやめると、バーン様を見た。
バーン様は目をパチクリして、俺を見ていた。
「ノヴァ・・・」
「す・・・すいません!」
即座に土下座したい勢いだ、無意識とは言え自分からやるなんて・・・。
でも、帰って来たのは怒鳴り声じゃなかった。
「ありがとうな」
「え?」
「お前さ、俺の事嫌いになった?」
「いえ、滅相もございません!」
「そっか、良かった。怖かったんだ、好きな奴を失う怖さってこういう事なのかな?」
バーン様はそう言って、俺を抱きしめた。
やっといつものバーン様に戻った。
俺が尊敬出来るバーン様に・・・。
そして、ガゼル様から連絡があって、急いでダイヤモンドダストの会議室に入った。
「何でしょうか?」
「君も来たまえ、試合に」
「え?」
「チームの意向だ、文句は今から受け付けるが?」
「いえ、ございません」
「後、エイリア石は外して行け。バーンの話だと、付けたまま沖縄に行ったそうだな」
うわ、相当のお怒りだ。
それはそうか、俺もう少しで皆様の記憶が消える所だったもんね。
あ、でも、イプシロンの方々が行っている筈じゃ・・・・。
それを察したのかガゼル様は少し困ったような表情をしたが、すぐにいつもの顔に戻り、俺の肩を叩いた。
「ノヴァ、今から話す事はお前にとってショックが大きい。それでも、聞いて欲しい」
「ま・・・まさか」
「そのまさかだ、イプシロンは負け追放された。」
その言葉に俺は力なくその場に座り込んだ。
ジェミニストームの方々が居なくなって、やっと治りそうだった傷をまた抉られた。
その途端、雷門への怒りが込み上げる。
これ以上、俺の大切な人達を追放させない!!
「行きます・・・試合に・・・」
「分かった・・・。エイリア石をくれ」
「分かりました」
絶対に雷門を許さない・・・。
その言葉しか頭になかった。
その時だった。
「憎しみに飲み込まれるな、ノヴァ」
「え?」
「君の今の顔は、憎しみに飲み込まれそうだった。イプシロンは確かに追放された、だが、あいつらの想いを引き継ぐのが君の役目でもあるんじゃないか?」
俺の役目・・・。
続く
〜フットボールスタジアム〜
ガゼル様と共にスタジアムに来た。
そして、見覚えのあるチームがこちらを見ていた。
「望愛!!」
「円堂守・・・、お前だけは絶対潰す!!」
俺は円堂守を指差して言った。
だが、豪炎寺修也の姿があった。
帰って来たと理解して、怒りが込み上げる。
「望愛!!お前・・・どうして・・・」
「お前に話すつもりなんて・・・さらさらない!!」
「望「いや、話して貰うか?望愛」鬼道!」
鬼道有人の声にガゼル様達も振り返った。
俺は横目で鬼道有人を見た。
「お前に何があったと言うのは、チーム全員が思っている事だ。」
「チーム?悪いけど、俺はエイリア学園が仲間だって思ってる。お前らの事、仲間とかチームとか思った事なんて、1ミリも無い。」
俺はそう吐き捨てて、ガゼル様達の後を追った。
「ノヴァ、勝つぞ」
「はい」
ガゼル様の声に俺は大きく頷いた。
後ろから円堂守達の声が聞こえるが、聞こえない。
そんな声・・・聞こえる訳ない!!
そして、試合はスタート。
こんな試合、ガゼル様達が勝つに決まっている・・・。
でも、何?この胸騒ぎ・・・。
「おまえ・・?!」
そして、試合途中に乱入者が入った。
アフロディ・・・。世宇子のキャプテン。
アフロディが入った事で、チームは変わった。
最初は信じてなかったのに・・・信じるようになっているのだ。
「ゴッドノウズ!」
「うわあああああ!!」
ベルガ様の悲鳴で我に返った。
ゴールを見ると、ボールが入っていた・・・。
嘘・・・、ガゼル様達が失点??嘘・・・。
「望愛さん」
「君か・・・」
声を掛けたと思ったら、マネージャーの秋だった。
「どうしてそこまでエイリア学園にこだわるの?」
「知って、どうする?」
「貴方を救いたい」
「救う?はっ、所詮君達のハッタリだ。」
「嘘じゃないわ、円「君に何が分かる?」え?」
続く
「君に何が分かるのかって聞いた。答えてよ」
俺がそう言った、一応言うよ?俺はすっごい怒ってる。
救いたい?俺の気持ちに何が分かるって言うんだ・・・。
秋は俺の問いに困ったのかそれは・・・と言葉を濁していた。
ほら、ハッタリだ。
「俺は・・・レーゼ様達もデザーム様達も大切な人だった。それを奪われた気持ちを君は分かるのか!?」
「それは・・・「ハッタリなら、俺は嫌いだ!!」望愛ちゃん」
「なら、逆に聞くわ」
秋とは別の声・・・、夏未か。
「なんだい?」
「なら、どうして貴方は風丸くんと楽しく話していたの?」
こいつもか・・・。
知ったかぶりって奴は・・・。
「私には、とても信じていないって言う感じじゃなかったわよ?これは、どういう事?」
「それは「おい、私達のベンチに何の用だ」
声のした方を見ると、ガゼル様が夏未を睨んでいた。
すぐに俺はアイシー様とアイキュー様によって、違う位置に動かされた。
「大丈夫?」
「はい、申し訳ありません・・・」
「いいよ、怪我はなかったんだからさ。ねえ?」
アイキュー様は皆様に聞くと、皆様も頷いた。
すると、話し終えたのかガゼル様が戻って来た。
「ガゼル様・・・」
「彼奴等の言葉は気にするな、いいな?」
「はい・・・ん?あれって・・・」
「バーンとグランか」
どうやらガゼル様と俺を呼んでる様に見える。
ガゼル様は行くぞと俺に言うと、俺はガゼル様の後に続いて、人が誰も来ない所に着くと話が始まった。
「互角ってのは・・・恥ずかしんじゃねェの?」
「勝てるよね?円堂君に・・・」
「・・・絶対に勝つ、ダイヤモンドダストの名に賭けて!!」
「ノヴァ、お前もだぜ」
「すいません・・・」
「君も雷門の言葉に怒りを覚え過ぎだよ」
「はい・・・」
そんな会話が静かにそして残酷にも流れて行った。
〜雷門ベンチでは〜
「どうだった?」
「無理ね、あの子達が守ってる限り」
夏未がそう話すと、皆顔を暗くした。
「監督!」
「何かしら?」
「望愛の両親が亡くなった話、聞かせてください!」
円堂はそう頼み込んだ。
瞳子は断ろうとした時、秋も私からもお願いしますと頭を下げた。
「・・・いいわ、望愛さんの両親の話をしましょう」
続く
〜雷門ベンチ(少し作者目線)〜
「藤咲さんの家は代々家の当主は男と決まっていた。けど、藤咲さんは女の子。藤咲さん以外の両親は全員罵り、蔑んだ。だけど、藤咲さんの心の支えだった両親は、海外出張で行く飛行機の墜落事故で他界してしまった。一人となってしまった藤咲さんは、捨てられたのよ」
瞳子の話が終わり、その場は静かになった。
「望愛ちゃん・・・可哀想ですね・・・」
音無の呟きに一同はコクッと頷いた。
そんな中ガゼルとノヴァが帰って来た。
〜試合(後半戦)開始(ノヴァ目線)〜
ガゼル様が負けたら、どうなるのかな?追放・・・だよね。
「ガゼル様・・・」
俺はガゼル様が勝つ事を望んだ。
試合は結果的にも最悪な結末が待っていた。
ダイヤモンドダストが引き分け・・・、つまり負けたのだ。
エイリア学園に帰って、皆様の顔は悲しさで溢れていた。
「私達が・・・負けたの・・・?」
リオーネ様の声に重苦しかった空気がもっと重くなった。
俺・・・何も役に立たなかった。
「ノヴァ・・・すまない。勝つって言ったのに・・・」
「俺もすいませんでした・・・、役に立てなくて」
俺はガゼル様に頭を下げた。
それしか出来なかった。
今の自分を呪いたかった。
もう・・・失いたくなかったのに・・・。
何で、俺には力がないの?力があったら、守れたのに・・・。
「ノヴァ、部屋に戻りたまえ」
「・・・・分かりました・・・。皆様、本当に申し訳ございませんでした」
最後は涙声だったから分からなかったかな?泣きたい・・・。
〜抜かしカオス戦〜
カオスの話を聞いた。
俺もその一員として、雷門に挑んでいた。
「望愛!戻って来いよ!!」
「・・・・・」
私は黙って円堂守を見た。
バーン様が行くぞと言う声を聞くまでは、ずっと見ていた。
そして、試合は開始。
今回は試合に出して貰った。
「望愛!」
「その名前で・・・呼ばないで!!スタースティール!!ネッパー様!!」
塔子ちゃん・・・。
「望愛さん!」
「邪魔!!」
壁山くん・・・。
「望愛!」
「退いて!!」
綱海くん・・・。
色んな子の声が聞こえた。
聞きたくない・・・、
暗闇一人耳で塞いでいると、光の扉が開いて、手を差し出して来た。
「くっ!」
「取らせるもんか!!」
私がその手を取った時、エイリア石が砕け散った。
ヤバイ・・・。
落ちる!!このまま落ちれば、即死だ。
「「「「ノヴァ!!!!!」」」」
叩き潰されずに済んだ・・・。
でも、おかしいな・・・。
「ノヴァ!!ノヴァ!!」
「・・・すいませ・・ん・・・。ヒック・・・」
涙が止まらない・・・、何で?
続く
「望愛・・・」
あ、思い出した・・・。
円堂君・・・、サッカーバカで助けてくれた円堂君。
「円・・・どう君・・・。ごめんね」
「!思い出したのか?俺の事、風丸の事!」
俺は弱々しく頷いた。
涙が止まらなかった・・・。
「ノヴァ・・・望愛!忘れないでくれ!!私達を・・・一人にしないでくれ!!」
「ガゼ・・ル様・・・。」
「おい!目を閉じるなよ!!」
「バー・・・ン様・・・、忘れないよ。また・・・ね・・・」
そして・・・そこで俺の意識は無くなった。
〜エイリア学園騒動が無くなり、数か月後(ヒロト目線)〜
「望愛、今日も来たよ。それも皆でね」
望愛が倒れて意識が無くなってもう数か月経つ。
目を覚ましてくれた時、憶えてくれたらいいなと少し期待も持ってる。
「おい、晴矢。邪魔だ」
「いいだろ?お前、いっつもいい席座ってんだから!!」
「まあまあ、いいじゃないか」
晴矢と風介の喧嘩を止めたのは、風丸くんだった。
聞いた話、円堂君と風丸くんと望愛は幼馴染らしい。
早く目を覚ましてくれたら、嬉しいな。
「ねえ!皆で何か買いに行こうよ〜!」
「はあ〜、ルル。何かまた見つけたの?」
ルルが駄々をこねたので、皆で何か買いに行った。
けど、帰って来た時、俺達は予想もつかない事になっていた。
お店で色んな物を選びながら、病院に着くと、姉さんが受付の前で慌ただしく待っていた。
「あれ、姉さんだよね?」
「いや、そうだろ」
晴矢のツッコミ、さすだ。
俺達がそんなやり取りをしていると、姉さんは気が付いたのか俺達の所に来た。
それも息を荒くして。
「どうしたの?姉さん」
「ヒロト!皆!望愛が・・・」
姉さんの目に涙が浮かんであった。
望愛と聞いて、皆買っていた物をその場に落として、望愛の病室に駆け混んだ。
「望愛!?」
「・・・・皆、早いね」
そこには、酸素マスクが外されていた望愛が居た・・・。
〜望愛目線〜
目を覚ました・・・長い期間眠っていた気がする・・・。
「望愛ちゃん?!起きたの!!先生!!」
看護師さんが慌てて病室を出て行った。
その後、先生とお姉さまが息を荒くしながら戻って来た。
お姉さまは、私の顔を見て涙を零しながら俺を抱きしめてくれた。
「望愛・・・!望愛・・・!」
「お姉さま・・・、エイリア学園は?」
「今はもうないわ・・・、でも、望愛が無事でよかった」
お姉さまの事を憶えていた・・・。
と言う事は・・・エイリア石の副作用は発動しなかったの?
俺がそう考えていると、お姉さまは皆に知らせてくると言って病室を出て行った。
看護師さんがそれまで酸素マスクを外しますねと言って、外した時だ。
「望愛!?」
聞き覚えのある声・・・。
振り向くと、息を荒くした皆が立っていた。
あ、戻って来たんだ・・・。
「・・・・皆、早いね」
続く
「望愛!!望愛!!!」
杏ちゃんと愛ちゃんが俺に抱き着いてきた。
温もりがあった・・・。
俺、生きてるんだ・・・。
「皆・・・、俺・・・」
涙が溢れる、情けなく溢れて来る。
ごめんねって一言言いたいのに・・・言えなかった。
その代り、皆が俺に抱き着いた。
「お帰り、望愛」
「ただいま・・・皆・・・」
嬉しかった・・・。
皆が居る事に、その後、ヒロト君と治君とリュウジ君に怒られた。
三人のお叱りが終わった後は、カオスの皆にも怒られた。
「望愛・・・」
「風丸君・・・ただいま・・・」
「お帰り・・・望愛・・・」
俺には大切な仲間が居るって事に改めて気づかされた。
ありがとう・・・皆。
大好き!!
END(あぁ、番外編もあるよ。望愛のこ「話すな!!」)
番外編望愛の恋の話(風丸編)
俺は、雷門中に通っている。
お姉さまに頼み込んで、雷門中に転校した。
「望愛〜!」
「あ、円堂君。風丸君」
そして、最近好きになった人が居る。
それが今、円堂君の隣に居る風丸君だ。
初めてここ(雷門中)に来て、案内してくれたのが風丸君だ。
と言うか、風丸君が好きだって気が付いたのは、FFIの時だ。
「一緒に帰ろうぜ!」
「うん」
FFIは、イナズマジャパンの勝利で終わった
この気持ちに気が付いたのは、ガルシルドの時だった。
私の両親は、ガルシルドによって亡くなった。
そんな私を助けてくれたのが風丸君だった。
「じゃあ、俺はこっちだ!じゃあな!」
「あぁ、またな円堂」「またね」
私と風丸君は同じ道のりだ、家は全然違うけど。
「なあ、望愛」
「何?」
「家に泊まるか?」
「え!?いいの??」
「あぁ、お日さま園まで遠いだろ?それに、俺の親、今日は居ないから」
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
凄い胸がドキドキしてる・・・。
風丸君の家に着くと、俺はソファーに座った。
「久しぶりだろ?俺の家来るの」
「うん、小1の時はすぐお日さま園に行ったから・・・。」
「知ってるよ、エイリア学園騒動が終わった後、円堂に教えて貰った。お前の意識がなかった事も・・・」
「・・・お婆様とお爺様達は俺が生まれてすぐに男の養子を入れてたらしいから。唯一可愛がってくれたのがお母様とお父様だったもの」
「・・・ガルシルドの話だと、お前ら家族の金が必要だったんだってな」
そう、どうやら両親は、ガルシルドの会社で昔働いていたらしい。
やめた時、ガルシルドは両親の莫大なお金に気が付いたらしい。
お金の為に俺の両親を他界させ、お金を奪うつもりだったが、お婆様とお爺様のおかげでお金は全てお日さま園に寄付された。
この時ばかり、お婆様とお爺様には感謝している。
「望愛・・・」
「気にしてないよ、でも、助けてくれてありがとうね。風丸君」
「ッ!あのさ、望愛・・・」
「ん?え!?」
俺が風丸君の方を見ようとした時、抱きしめられた。
「か・・・風丸君?」
「憶えてるか分からないけどさ、俺が告白したの憶えてる?」
「う・・・うん」
「俺の事・・・どう思う?」
カァと顔が赤くなった。
ここで、好きってちゃんと伝えれば良いのかな・・・。
「ねえ、風丸君・・・。」
「何だ?」
「その・・・風丸君にはおかしい事かもしれないけど、言っていいかな?」
「お・・・おう」
「俺・・・風丸君の事・・・好き。最初は、分からなかった・・・。けど、最近になって、風丸君の事しか頭になかった。だから、こんな俺でも付き合ってくれますか?」
最後は涙声で伝えられたか分からなかった。
涙を拭いていると、風丸君の抱きしめる手が強くなった。」
「そんなの俺から伝える事だろ?こんな俺でも、付き合ってくれるか?望愛」
「うん・・・、好きだよ。一郎太」
〜10年後〜
「全く!風丸君、起きてってば!」
「ん〜〜・・・望愛!」
「今日は円堂君と遊ぶ約束したって言ってたじゃん!円堂君が怒ってるよ?」
「分かったって。なあ、望愛」
「何?」
「好きだぜ」
「そんなの俺だって好きだよ、一郎太」
風丸編終了
番外編望愛の恋(風介編)
「あっち〜〜」
「大丈夫、皆?夏休みの宿題終わってないけど・・・」
俺は、目の前の光景に苦笑した。
早く終わらせとけば、こんな嫌な思いもしないのにってね。
俺は雷門中の夏休みを終わらせてるけど、他の皆は難しいからとか遊びに行くからとか言って、宿題に一切手に触れてなかったのだ。
お姉さまの怒りに触れてしまったヒロト君達は、この暑苦しい部屋でみっちり宿題をやらされている。
「お茶持ってきたから、ちょっと休憩しょっか」
「お茶〜〜!!!」
「そんな叫ばなくても、持って行くって。はい」
「望愛〜〜!風介さんが暑さでのびた〜〜!!」
「えええええええええええええ!!」
風介さんは一旦涼しいお部屋に連れて行って、介抱。
「大丈夫かな?」
「うぅ・・・ん?望愛・・・。あれ?私は・・・」
「暑さでやられたんだよ、ちょっとの間、ここに居よう」
「あぁ、すまないな。」
「ううん、エアコンつければ良かったね」
と言うか、お姉さまも拷問じみた事するな〜。
いくら宿題やってないからって・・・。
「望愛の手・・・冷たいな。アイスみたいだ・・・」
「風丸君や円堂君にも言われるんだ、秋ちゃんや春奈ちゃんにも言われたし」
「雷門でも上手くやってるようだな」
「うん、サッカー部のマネージャーしてるんだ。円堂君ったら、ヒロト君達に負けないって張り切ってるもん」
「ふん、私も負けるつもりなんてない。それと、あまり私の居る前で他の奴の名前は出すな」
クスッと笑ってしまう。
ガゼル様の時は、あまり嫉妬とかヤキモチ見せなかったのに・・・。
「?何だ」
「ううん、風介君でもヤキモチとか妬くんだな〜って。」
「バカにしてるのか?」
「そうじゃないよ、小さい頃は泣き虫でそれでも強がってた風介君がな〜って」
「バカにしてるな!?私だって成長はするんだ!!」
あ、怒っちゃった。
風介君は、頬を膨らませながらプイッと私から顔を逸らして、ソファーで横になった。
ちょっとからかい過ぎたかな?私はそう思って、風介君の顔を覗きこもうとした時、風介君の手が俺の腕を掴んだ。
「え?!」
「ふっ、引っ掛かったな。さっきのお返しだ!」
「ん・・・」
驚くよりも前に風介君がキスをしてきた。
俺は目を見開いて、口を固く閉じていると、風介君の舌で無理矢理こじ開けられた。
これ、ヒロト君がグラン様だった時やった奴!!
「ん、、、ふぁ、、、ん」
ちゅくちゅくと鳴り響く広間に誰も見てないのか心配になった。
あ、と言うかこれを見た時、ネタにされないか心配。
風介君は満足したのか唇を離した、唇を見た時、銀色の糸がプツと切れ、キラキラと輝いた。
「どうだ?」
「参ったよ、さすがの俺も無理だったよ」
「まあ、私はこんな事、好きな奴にしかしないよ。私の大好きな彼女にしかね・・・」
そう、言い忘れていたけど、私達はもう付き合っている。
それはお日さま園の皆も雷門サッカー部の皆も知っている。
あ、でも、彼氏彼女の雰囲気を出さないから、よく皆に付き合ってるのか?と聞かれる。
「風介君、いきなりディープは無理だって前にも言った」
「フフ、すまない。だけど、君が悪いだろ?私をからかったんだから」
けど、風介君は私と二人っきりになると、彼氏っぽくなる。
其処が好きなんだけどね。
「ねぇ、望愛」
「何?」
「好きだよ、大好き」
それを聞いて、顔がボッと赤くなる。
「俺も・・・風介が好き・・・大好き!」
「私もだよ」
〜その頃〜
「風介大胆だな〜、皆居るのに。まあ、これは見なかった事にしようっと!」
「しなかったら、風介がこぇえだろ?」
(((望愛は良いんだ!??)))
見ていたのでした。
その後、全員が見ていたとばれると風介のノーザンインパクトが炸裂したとかしてないとか想像に任せます。
望愛は、見られた恥ずかしさで杏達の後ろに隠れていた。
風介編しゅ「終了じゃないぞ」
はい、そうです。
付き合うって望愛が言うシーン書くの忘れてた。
FFI編〜設定〜
藤咲 望愛(ふざさき のあ)中学2年生
元・エイリア学園の子。
イナズマジャパンのオペレーターとしてイナズマジャパンにやって来た。
エイリア学園の時とは違い、冷酷な性格は優しい性格に戻った。
今でもヒロト達の告白に戸惑っている。
〜名前だけ出るけど、望愛の両親の設定〜
藤咲 蜜柑(ふじさき みかん)
望愛の母。
飛行機墜落事故により亡くなった。
藤咲 松一郎(ふじさき しょういちろう)
望愛の父。
飛行機墜落事故により亡くなった。
ガルシルドの会社に働いていた。
FFI始まり
エイリア学園騒動が去り、数日後、世界を轟かす出来事が起こった。
それがフットボールフロンティアインターナショナル通称『FFI』だ。
その出来事には、日本にもある。
円堂守もその事を知らず、今、雷門中に向かっていた。
行く途中には、宇都宮虎丸と言う子にも出会った。
そして、雷門中に着くとそこには一緒に戦った者、出会った者が居た。
「珍しい奴らも来てるぞ、円堂」
「やあ、円堂君」
「ヒロト!」
そこには、エイリア学園のグランだったヒロトも居た。
円堂は目を真ん丸にして、ヒロトの元に歩み寄った。
「連絡を貰った時は驚いたけど、雷門には君が居る。今度こそ、本当のサッカーが出来るんじゃないかと思ってね」
「おう!」
すると、ヒロトは急にキョロキョロと辺りを見回すが、居なかったのかすぐに円堂の方に向いた。
「どうしたんだ?」
「いや、なんでもないよ。それより、もう一人いるんだ」
ヒロトは暗い顔を一変し、ある場所に向いた。
円堂達皆もヒロトが向いた方を見ると、緑色のポニテールをした男の子が居た。
「何で、あの不気味なオーラは・・・」
「あいつ、誰だ?」
皆が口々にそう言うと、男の子は円堂達の近くに来て、こう言った。
「失敬だな、地球にはこんな諺がある。男子、三日会わずは括目してみよってね!」
「そのフレーズ・・・!」
「レーゼ!」
「ジェミニストームのキャプテン!」
レーゼはそれは宇宙人ネームと笑った。
「俺には、緑川リュウジって言う名前があるんだから!」
「な〜にが、緑川リュウジだ!!俺の学校を壊したっ的な?」
「それには色々諸々申し訳ない!ここだけの話、結構宇宙人役頑張ったんだ」
緑川の印象に雷門中の皆は目を点にした。
緑川はこれからよろしく!と言って、ヒロトと同じキョロキョロと辺りを見回した。
「ヒロト・・・やっぱり居ないね」
「うん、望愛・・・何処行ったんだろう・・・」
「望愛がどうかしたのか?」
「それがさ、望愛ここ最近お日さま園に帰って来てないんだよ。買い物して来るって言って」
緑川が説明すると、幼馴染の円堂と風丸がえええ!!と驚いた。
「こういう事は、初めてなんだ・・・。どうしたんだろ?」
「晴矢か風介がまた望愛に変なことしたんじゃない?」
「それはないよ、緑川。望愛が居なくなったのって、晴矢と風介が居なかったときじゃん」
〜色々飛ばし〜
不動の姿を見つけた鬼道は目を丸くした。
佐久間は不動も集められたと分かり、響を見た。
響はようやく集まったなと深く頷いた。
「お前達は、日本代表候補の強化選手だ!」
続く
「日本代表・・・?一体、何・・・」
「円堂君、世界大会の日本代表だよ」
「「「「望愛!!!!」」」」
そこには、パソコン片手に少し頬を赤らめている望愛が響の後ろから出て来た。
それには、円堂と風丸と緑川とヒロトは驚いてすぐに望愛の元に駆け寄った。
「何処行ってたのさ!望愛!!」
「あ、っと・・・、響さんに呼ばれてこの日が来るまで響さんの家に泊まらせて貰ってたの」
「何で姉さんにも言わなかったの!?」
「あ、姉さんにはメールで伝えたんだけど、間違えて消しちゃったみたい」
望愛がそう説明すると、緑川は心配した〜と望愛に抱き着いた。
「心配し過ぎだよ、リュウジ君は。そこは小さい頃から変わってないね」
「と言うけど、一番心配してたのヒロトだからね」
緑川はからかうようにヒロトを見た。
ヒロトはそれはいいからと慌てた様子で言い、望愛にどういう事か説明してくれと頼んだ。
「そうだね、皆をここに集めたのは、今年からフットボールフロンティアインターナショナル、通称FFIが開催される事になったんです。ここに居る22人はつまり、日本代表候補なんです」
「・・・世界・・・」
望愛がそう説明すると、円堂は唸りそして皆の方に向き、叫んだ。
「すっげーぞ!皆!!次は世界だ!!」
「「おう!!」」
「世界か・・・」
「ついに世界か・・・・」
「腕が鳴るぜ!!」
「皆さん、喜んでいただけて何よりです。ですけど、残念な事に今居る皆様は、“候補”です。この22人から16人に絞り出します。秋ちゃん、選考試合のチーム発表よろしくね」
「えぇ、それではチームを発表します」
秋がそう言うと、Aチーム、Bチームと別れた。
円堂はAチーム、鬼道はBチームだがBチームに問題が発生した。
「よろしく、鬼道クン?」
「はあ〜、不動君やめてよ。全く」
佐久間が文句を言おうとした時、望愛が不動の足を少し蹴って不動を睨んだ。
「チッ!」
「全く、呆れた。」
「てめーに言われたくねぇな。」
「忘れてると思いますけど、私が紹介したんだからね?」
不動と望愛の火花の睨み合いに、さすがにまずいと思ったのか、緑川が望愛を何処かにやった。
不動はまた舌打ちをして、何処かに行ってしまった。
「はあ〜」
「望愛、不動とはどういう関係だ?」
「あ〜・・・、不動君とはちょっとした知り合いですよ。昔はああじゃなかったんですけど・・・」
望愛はそう言って、また大きな溜息を吐いた。
それに苦笑する緑川は、まあまあと落ち着かせた。
そして、キャプテンは円堂と鬼道になった。
「試合は二日後、個人の能力を一人一人見たい為、連携技は禁止とします」
「全ての持てる力を出して全力でぶつかれ!」
「「「「はい!!!!」」」」
続く
夕方、円堂と秋は夏未に呼ばれ、鉄塔広場に居た。
夏未は、留学で今日この日本を出発する事を話した。
「選考試合、見ない内に行っちまうのかよ・・・」
「残念だけど、前から決めていた事なの」
「でも、FFIの応援には来てくれるんでしょう?」
「えぇ、応援には来るわ。・・・木野さん」
夏未は秋の方に向いた。
「これ、望愛さんに渡してくれないかしら?」
「これ・・・何?」
「望愛さんの両親からの遺言らしいの。お父様が持っていたわ」
「望愛のお母さんとお父さんの!!」
円堂は、秋が持っている封筒を見て、夏未を見た。
夏未は、正確には手紙だと言って、秋の方をまた見た。
「私が居ない分、貴方と音無さんと望愛さんに頑張って貰わなくちゃ、日本代表をお願いね。」
「・・・・えぇ」
「よーし!分かった!!留学、頑張って来いよ!!」
円堂はそう言って、夏未を応援した。
夏未と秋は円堂の様子にクスッと小さな笑みを浮かべた。
〜その頃、雷門中では〜
「すまない、君の両親の手紙を私が持っていて・・・」
「いいんですよ、もし、響さんや理事長様の言葉が正しければ私の両親の死の真相が分かります」
理事長は望愛に頭を下げるが、望愛は気にする様子もなく夕日が沈む窓に目を向けた。
「不動君との関係は円堂君達には?」
「まだ、話しておりません。彼は、まだ信じてない。そして、円堂君達は彼を一切信じていません」
「君と不動君は、何処か似ている。どうして彼を日本代表候補に?」
「彼が変われるのは、円堂君達と思ったのです。ですが、このまま行けば日本代表は世界には行けません」
「そうか・・・君は松一郎に似ている。正義感溢れ、人の心を見ている」
理事長はそう言うと、望愛はありがとうございますと言って、また窓に目を向けた。
(お父様、お母様・・・)
〜雷々軒〜
雷々軒では、円堂と鬼道が不動を何故選んだのかと響に言っていた。
すると、理事長の話が終わったのか望愛が店のドアを開けた。
「あれ?鬼道君、円堂君・・・」
「望愛、教えてくれないか?何で、不動を入れたんだ?」
鬼道に尋ねられ、望愛は少し顔を曇らせて、響にラーメンを一つ頼み話した。
「不動君を入れたのは、まあ、簡単な話なんですよ。不動君は実力共々良いんですよ、けど、その実力を終わらせたくなくて、入れたと考えてください」
「だが!」
「鬼道君・・・こう言う事はあまり私は言いませんけど、不動君は確かに真・帝国学園ではやり過ぎる行動に出ましたが、それをチームに入れないと言うのはどうかと思います。」
「・・・・」
「そして、不動君が日本代表に相応しくないと決めるのは、響さんです。」
望愛は赤色の瞳は鬼道を見据えた。
響はラーメン出来たぞと言い、望愛の目の前にラーメンを差し出した。
望愛は、ラーメンを啜りながら響たちのやり取りを横目で見た。
続く
「望愛の言う通り、相応しいか相応しくないかは、俺達が決める。その為の選考試合だ」
響の言葉に、鬼道は返す言葉もなかった。
「いいか?試合の内容によっちゃお前達は落とされるぞ」
「分かってます!分かってますけど・・・」
「自分の心と向き合えばいいんじゃないかな?君達がどう変わっていくかは、君達の心がカギだよ。円堂君」
望愛はそう言って、ラーメンの器を厨房に持って行き、器を洗っていた。
円堂は、心・・・と呟き、響を見た。
響もまた、胸に手を当て、二カッと笑っていた。
「それは、監督から俺達の挑戦ですか・・・?」
「“挑戦”か・・・。そういう事だな。」
響の言葉に望愛は、挑戦ってと少し苦笑いしていた。
すると、円堂は思い出したのか鞄から夏未に貰った封筒を望愛に渡した。
「これは・・・?」
「夏未の話じゃ、望愛のお父さんとお母さんからの手紙だって!」
「夏未ちゃんが・・・・」
「望愛、選考試合応援してくれよな!!」
「・・・・うん」
望愛は少し笑みを浮かべ、頷いた。
円堂と鬼道は雷々軒を後にし、残ったのは響と望愛だけだった。
「響さん、本当なんでしょうか?」
「何がだ?」
「俺の両親は只の事故じゃなくて、やっぱり誰かに殺されたんでしょうか?理事長や響さんを疑うつもりは一切ないんですけど」
「封筒の中身を見て見ろ、その中にお前の両親の死の真相に少し辿り着ける事が出来るヒントが書かれている」
望愛は言う通り、封筒を見て、中に入って居る手紙を手に取り、目を通して読んだ。
読み終わった望愛は、響に向き直った。
「俺、イナズマジャパンのオペレーター引き受けます。」
「そうか、真実にそれ程までに辿り着きたいのか」
「はい、俺の両親を事故に見せかけて殺した人を少しでも近づきたいんです」
「・・・分かった、あいつにはそう伝えておこう」
「ありがとうございます、それじゃあ、ヒロト君達が怒ってる可能性あるんで帰りますね」
「あぁ、気を付けてな」
望愛はそう言って、雷々軒を後にした。
〜選考試合当日〜
「凄い量だね・・・」
望愛は辺りを見渡しながら、口を半開きにした。
風丸は代表を決める試合だからなと笑みを見せて言った。
「皆!悔いのないゲームにしようぜ!」
「「「「おう!!!!」」」」
「俺達はチームでありライバルでもある!自分の力を出し切って行け!!」
「「「「「おう!!!!!」」」」」
そして、試合は開始する。
続く
〜選考試合中〜
望愛は、誰も居ない所に着くと、昨日の封筒をもう一度出した。
「ガルシルド・・・」
そう呟き、まだ中に入って居る書類を見て、書類を封筒に戻した。
すると、お前が藤咲かと後ろから声が聞こえ、振り向くと男が一人立っていた。
「そうですが・・・あなたが久遠道也ですね」
「私の名前を知っているのか、なら、話が早い。響さんからお前の事は聞いている」
「ありがとうございます」
〜選考試合おわりまでカット〜
「俺、皆の力を出せたかな?」
円堂は息を切らしながら、自分のチームを見た。
鬼道も息を切らしながら自分のチームを見た。
「俺もチームに活かすゲームが出来ただろうか・・・」
二人は不安そうな顔をしながらチーム一人一人を見た。
「さて、これから運命の選択をしなきゃいかん。望愛、出来ているな?」
「はい、しっかりと日本代表を決めましたから」
そう言って、出て来たのはボードを持った望愛と響だった。
望愛は22人を整列させると、響を見て頷いた。
響の後ろには男が一人と少女が一人立っていた。
「選考通過者発表の前に、お前達に新しい監督とオペレーターを紹介しょう」
そう言うと、久遠と望愛は一歩前に出た。
「私が、日本代表の監督を務める久遠道也だ。よろしく頼む」
「知ってる人もいるかもしれませんけど、俺が日本代表のオペレーターをする事になった、藤咲望愛です。副監督も務めるので、よろしくお願いします」
紹介を終えると、円堂達は狼狽えて響を見た。
響は望愛と久遠の力を知っているだろうと円堂達に言うと、円堂は響を見て頷いた。
響もまた頷き、発表に入ると言った。
「では・・・代表を発表する。発表は藤咲頼むぞ」
「はい、ではこれより代表を発表します。まず最初・・・鬼道有人!」
「はい!」
「次、豪炎寺修也!」
「はい!」
「基山ヒロト!吹雪士郎!」
「「はい!!」」
「風丸一郎太、小暮夕弥、綱海条介!」
「「「はい!!/おう!」」」
「土方雷電、立向居勇気、緑川リュウジ!」
「「「おっす!/はい!!」」」
緑川は選ばれたという安心感で胸を撫で下ろした。
「不動明王!」
「フっ・・・」
「宇都宮虎丸、飛鷹征矢!」
「はい!/・・!はい!」
「壁山塀五郎!」
「は・・・はいっす!」
壁山に栗松は希望の星でやんすと壁山に言うと、望愛はフワッと笑った。
「栗松鉄平!」
「え!?俺でやんすか!?」
「最後に・・・・円堂守!」
「はい!」
「これにて、代表メンバー16人+1人の発表を終えます。」
続く
発表を終えると、喜び合う者が居れば、悔しさで顔を歪ます者も居た。
染岡は暴れて来いよ!と円堂に言うと、円堂は選ばれなかった者への気持ちもあるのだと理解した。
その思いに円堂は頷いた。
そして、響は皆に向かってこう言った。
「今日からお前達は、日本代表イナズマジャパンだ!選ばれた者は、選ばれなかった者の思いを背負うのだ!」
「はい!」
「「「「はい!」」」」
響が去ると、すれ違いに久遠が前に出て来た。
「いいか?世界への道は険しいぞ!覚悟はいいな?」
「「「「はい!!!!」」」」
皆は顔を合わせ、何か喋っていた。
望愛は顔を浮かなそうにして、皆を見ていた。
そんな顔に気づいたのは久遠一人だけだった。
「どうかしたか?藤咲」
「!いえ、何も・・・・。久遠さん・・・俺ちょっと席を外します」
「分かった・・・」
望愛はそう言って、円堂達を横切った。
「望愛?どうしたんだ?」
「・・・ちょっとね、すぐ戻るよ」
「??おう」
望愛は、すぐに雷門中を後にした。
それには、皆首を傾げ、目をパチパチとした。
〜色々と飛ばす(不動が虎丸をからかったところ)〜
「不動君!そんな言い方はないでしょ!」
「けっ!お説教かよ、望愛」
「お説教してないでしょ?全く・・・。ごめんね虎丸君」
望愛は不動に蹴りを一発入れると、虎丸に謝った。
虎丸は気にしてないと頭を下げている望愛に慌てて言った。
「不動とどういう関係だ、望愛?」
「え?どういう関係・・・。ただの友達ですよ」
「誰が「何か言った?」別に」
望愛は文句を言いそうだった不動を一睨みして黙らせた。
「大体、ママって言い方は誰でもすると思いますけど・・・」
「あぁん?」
「昔、不動君もしてた癖に」
「うっせな〜、で、練習は何するんだよ?」
不動は望愛の言葉に少し顔を赤らめ、文句を言い、練習の事を聞いた。
不動は望愛から離れると、鬼道は望愛に近づいた。
「不動はお前に弱いようだな」
「まあ、ちょっとした関係でしてね。不動君どうも私が苦手なんですよね〜」
茶化してる様に言うが、目は笑っていなかった。
「望愛、目が笑って無いよ」
「そう?あ、監督さんが来たようですね。」
望愛はそう言って、監督の所に行った。
だが、望愛を見ている人影が一つ。
「ガルシルド様、居ました。藤咲松一郎の娘です」
『そうか・・・そのまま調査をよろしく頼む』
「りょ「何してるんですか?」
了解と言おうとした男に、望愛は睨みながら問うた。
男は何もないと言って、逃げるように去って行った。
「ガルシルド・・・か・・・」
望愛はそう呟いて、チームの皆の所に戻って行った。
続く
20を超えたので、特別企画です。はい。
「いやいや何でさ」
望愛ちゃんではないか。
まあ、いいじゃないか。
風丸君達以外にも絡ませたいから。
「それ、貴方の考えてる事でしょ?」
男の子の告白に弱い望愛ちゃんに言われた・・・。
悲しす・・・。
「まあ、見てる人のお礼としてはいいんじゃない?」
わーい!
「あ、やっぱり言わなきゃ良かった。」
と言う事で、少しの間FFI編はお休みだぜ!
「ごめんなさいね、こんなダメ作者で」
ダ・・・。
まあ、それでは最初に書く方は大体決まってるので、お楽しみに〜。
望愛の追加設定とこれから出るキャラ設定
藤咲望愛
不動とは元カレ。
別れた理由は互いの力の為。
〜これから出る新キャラ〜
藤咲来夢(ふじさき らいむ)中学2年生
藤咲家の養子。
望愛を連れ戻す為、ガルシルドに協力する。
サッカーは望愛より上手い。
必殺技
・ダークレイン(シュート技)
・サザンストーム(ドリブル技)
・ザ・ロック(ブロック技)
元でも一応は彼氏だから(望愛×不動)特別企画第1弾
「は〜いって、不動君じゃん」
「悪かったな、俺で」
ここは雷門中、今は合宿所と言う事で使っている。
オペレーターや副監督を務めている望愛は、ノックした人物を見て目を丸くした。
それは不動だったからだ。
「何?」
「冷たいな〜、久しぶりに会ったってんのに」
「はあ〜、別れを切り出したのそっちの癖に」
望愛は不動を部屋に招き入れると、机に置いてあった書類をファイルに直した。
「とはいえ、お前も別れ話しようとしてたじゃねぇか」
「しょうがないでしょ?お父様の為だったんだから。不動君は力が欲しいって言う理由で別れ話した癖に」
「お前と変わりねぇだろ?で、前に会ったお前んとこの養子男どうなったんだよ?」
「使用人の話じゃ最近行方不明だって」
「使用人と連絡取ってんのかよ」
「えぇ、使用人の半分は俺の方が当主で良かったんじゃないかって言う子が多いのよね〜。」
望愛はそう言いながら不動の隣に腰を掛けた。
「ふ〜ん、養子男が家出ってか。おもしれぇな」
「面白くないわよ、そのせいでお婆様とお爺様がお日さま園に押しかけてるんだから!」
「あぁ、あの婆と爺か。まだ生きてんのかよ!俺が会った時は79だろ?」
「そうよ、俺達が付き合ったのが小学6年だから・・・もう81歳」
望愛はそう言うと、大きな溜息を出した。
「それにしても、久しぶりに会った時はまさかエイリア石持ってるとか思わなかった」
「力が欲しかったんだよ「結局影山には切り捨てられたけどね」お前・・・グサグサ言うな」
「でもね〜、俺がイナズマジャパン入れた理由本当は知ってるでしょ?何で、円堂君達と仲良く出来ないかな?」
「はっ、仲良しごっこは嫌いなんだよ」
不動はそう言って、望愛の肩を借りた。
「重い・・・」
「そりゃな・・・。」
「眠いの?」
「ねみぃよ・・・。寝ようとしたらあいつらに起こされたんだから」
「はあ〜・・・分かったよ。ちょっとの間なら寝ていいから」
「やけに優しいな〜、泣き虫望愛よ〜」
「誰が泣き虫よ!一応元でも彼氏だったからね」
望愛はそう言って、不動を見た。
不動は不敵な笑みを浮かべながらも望愛の肩でゆっくり目を閉じた。
終わり
作者と望愛の雑談
作「はい、作者の太陽と月です」
望「ネーミングセンスゼロね。」
作「よく言われます」
望「まあ、いいけど・・・。本当に駄文ね。会話文しかない」
作「泣いちゃうぞ?」
望「泣くな、うっとしい」
作「え?私の接し方酷くない!?円堂達には優しいのに!!」
望「それはそれ、あれはあれよ。」
作「ああ言えばこう言うだね。で、不動君ともう一回付き合おうとは思わないの?」
望「さぁ?不動君はどう思ってるか分からないし、だからってヒロト君達の思いを無駄にしたくない」
作「・・・・不倫ッスか?ゴホ!」←殴られた
望「そんな訳ないでしょ!?今度変な事言ったら、シャドウブレスト打つわよ!!」
作「はい、すいません。申し訳ありません!」
望「そう言えば、FFI終われば、GOよね。其処は書くの?」
作「10年後の望愛ちゃんか・・・、可愛いな〜。」
望「・・・・・シャ「すいません」
作「まあ、あれだわ。書くけど、映画の奴を書こうと思ってます」
望「えっと〜、どっちの?」
作「シュウと白竜が出て来る「絆のグリフォンね」はい、そうです」
望「え?何でそれに私を居るの?」
作「え〜、うん、まあ、幼馴染の風丸と円堂が心配で一緒に来たんだよ、望愛ちゃんが」
望「あんたね、一応言うけど、円堂君は本当に心配するのよ?小さい頃なんか「思い出話はまた今度で」
作「さて、雑談もここまでにしよう。と言うか、望愛ちゃんの家って、舞踊とかなんか?使用人がどうとか言ってたけど」
望「俺の家は代々能面とか作る家業でさ、それを仕切るのは男だったって訳」
作「うわ、来夢可哀想だね。と言うか、来夢とは連絡取ってるの?」
望「来夢の顔すら見た事ないのに、連絡なんて取れる訳ないでしょ?」
作「まあ、もう少しで出て来るかもね。それじゃあ、最後の挨拶を望愛ちゃん!よろしく!!」
望「全く、これからもこの小説を応援してくださいね」
作・望「それじゃあ、小説で!」
FFI編再開〜とある場所〜
「全く、使えん奴め。ヘンクタッカー君、彼奴を呼べ」
「はっ、ガルシルド様。おい、来夢」
「んだよ、おっさん。望愛姉の居場所分かったのかよ」
扉の奥から現れたのは、茶髪で片目を隠れた少年だった。
ヘンクタッカーと言われた男は口を慎めと来夢に怒った。
来夢は気にする様子もなくガルシルドの方を向いていた。
「お前の言う望愛は見つかったぞ」
「へえ〜、で、今から回収か?」
「よろしく頼むぞ」
「任せなよ、望愛姉を取り戻せるなら何だってやるさ」
来夢はそう言って部屋を出て行った。
それを不敵な笑みで見送る二人。
〜イナズマジャパン合宿所〜
「皆〜、お疲れ様〜!」
秋が食堂で皆に料理を配った。
「お疲れ様、今日も大変だったね」
「とか言って、練習内容を考えてるのは望愛だろ・・・」
風丸にツッコまれ、望愛は舌を少し出して、しょうがないじゃんと笑顔で言った。
「久遠監督に頼まれたんですもの」
「あの監督もきついッス〜」
「そんなんでへこたれんなよ」
土方がそう言うと、円堂もそうだなと頷いた。
すると、音無が慌てた様子で食堂に入って来た。
皆は音無の様子に首を傾げていると、音無は何処かを指差していた。
「ど・・・どうしたの?音無さん」
「何か、男の子が一人望愛先輩を出せって」
「俺・・・?」
望愛はそう言って、窓辺に近づき校門を見て、舌打ちを一つした。
「望愛の知り合いか?」
「・・・・ちょっと下に行って来ます」
望愛はそう言って、窓を開け放ち飛び降りた。
全員はギョッとし、窓の下を見た。
望愛は無事に地面から着地したのか、校門に歩いていた。
全員も急いで下に降りて行った。
「貴方・・・誰?」
全員が望愛の近くに行くと、望愛の低い声で男の子に語り掛けていた。
「やだな〜、望愛姉。まあ、僕の顔見た事ないから知らないか・・・。」
「だから、誰?」
「僕の名前は藤咲来夢。望愛姉が言っている養子だよ」
「「「「養子!!!!」」」」
続く
「え・・・円堂君!それに皆さんも!」
望愛は声のした方を見て、目を大きく見開き皆の元に行った。
「の・・・望愛!養子ってどういう事だ?!「望愛姉の義理の弟って事」
円堂の問いに来夢は不機嫌な様子でそう言った。
望愛は、そういう事と小さく呟き大きな溜息を吐いた。
「貴方がお婆様達が言っていた養子ね。今、貴方は当主の筈よ?」
「だって、望愛姉が居ない家は面白くないからさ〜」
「お婆様達が俺を家に戻すことは望んでいない。俺の今の居場所はお日さま園だもん」
「・・・・そっか、でも、望愛姉知りたいでしょ?望愛姉のお父さんとお母さんが死んだ理由」
その話を聞いた円堂達は一斉に望愛を見た。
望愛は持っていたバインダーをギュッと強く握り締め、来夢を見ていた。
「だったら、何?」
「僕と一緒に来てくれたら、話してあげるよ。と言うか、望愛姉のお父さんとお母さんを殺した人物の元まで案内してあげるよ」
「・・・・・・」
(望愛・・・!)
「お断りするわ、今の私は自分の力で真実に辿り着きたい。それに、オペレーターが勝手に居なくなったらチームの皆にもご迷惑になる」
望愛はそう言い切ると、来夢はチラッと円堂達を見て、そうと呟いた。
「また会いに来るよ。その時は、僕のチームも連れて来てあげる」
来夢はそう言うと、雷門中を出て行った。
「何だったんでしょうかね?あの子」
「気にしない事だ」
春奈が不思議そうに言うと、後ろから声が聞こえた。
振り返ると、久遠が望愛を見ながらこちらに近寄って来た。
「それより、藤咲。あの事は伝えたのか?」
「!忘れてました・・・・」
「何をだ?」
「皆さんはもう知ってますよね?FFIの地区予選の相手・・・。」
「あぁ、いきなり優勝候補だったから憶えてるよ。ビックウェイブスだろ?」
「はい、それで監督の命令により皆様をこれから2日決して合宿所から出ないで下さいと」
望愛がそう言うと、全員は久遠を見た。
久遠は望愛より前に出ると、こう言い放った。
「これは命令だ。オーストラリア戦までの2日間、一切合宿所から出る事を許さない。」
続く
合宿所から出るなと望愛や久遠に言われ、皆は渋々ながら自分達の部屋に戻った。
だが、それで納得する筈もなく、監視している望愛に皆集まった。
「あの〜・・・俺に言われも意味ないですよ。」
「何でだ?」
土方が聞くと、望愛は自分の本業はオペレーターであり副監督は副業だと話した。
それでも納得のいかない円堂は、久遠監督に言ってくれと頼んだ。
その頼みでも望愛は浮かない顔をしながら首を横に振った。
「何でダメなんだ?」
「俺は、あの人に頼まれて皆さんの監視をしています。俺だって、皆さんには練習をして貰いたいのですが・・・、今度の相手は今まで戦ってきた相手とは全然違います。」
「その為の練習だ「そのための命令じゃないんですか?」・・・・・」
鬼道は言うが、望愛は赤色の瞳で皆を映しながら言った。
未だに折れない円堂に緑川は急いで耳打ちした。
「円堂、この時の望愛って怒らせると怖いからやめといた方が良いよ?」
「でも〜・・・「一体何してるんだ?」監督・・・」
望愛は礼を一つすると、ファイルから紙を取り出し、久遠に渡した。
久遠は紙を受け取ると同時に円堂達をギロッと睨んだ。
全員は渋々部屋に戻った。
「やっぱり・・・呪われ監督なんだよ」
部屋に帰る途中ヒロトはそう呟いた。
ヒロトの呟き、全員は振り向いた。
「望愛はあんまりそう言うのは信じないし、大抵の事は秘密にしてるんだ。桜咲中のサッカー部が、フットボールフロンティアを棄権する事になったのは、久遠監督の事故を起こしたからだよね?なら、今度はこの日本代表で・・・」
「俺も初めっから胡散臭ぇと思ったぜ」
ヒロトの言葉に綱海も深く頷いた。
すると、それは違うと後ろから声が聞こえた。
「望愛!話聞いてたのか?」
「はい、監督に言われてここに来たらちょうど・・・」
「望愛、どういう事だ?それは違うとは・・・」
「・・・オーストラリア戦で分かりますよ。それに棄権したのは別の理由です」
望愛はそう言うと、持って来ていた椅子に座り、ファイルを開き始めた。
全員は望愛の言葉が分からず、首を傾げ、自分の部屋に戻った。
望愛は、戻って行った皆を見て、ボソッと呟いた。
「そう、この命令を聞かなきゃ試合に勝てない・・・。」
〜ここから望愛と久遠の会話〜
「で、満足の行く予想は出来たのか?」
「いえ、全然。ですけど、今日俺の養子が来た事で少しだけ・・・」
「何だ?」
「俺の両親を殺したのは、養子の後ろに居る。それだけです」
「そうか・・・、監視に戻れ」
「はい・・・おかしい事を言っていいですか?」
「何だ・・・」
「俺と貴方の娘さん、少し似ています。気に障ったらすいませんが、冬花さんって貴方の娘さんじゃありませんよね?」
「・・・・・さあな」
続く
〜お昼〜
食堂では、浮かない顔をしながら昼食を口に運ぶ選手達が居た。
それには秋と春奈と冬花も心配そうな顔をしながら、一人一人見ていた。
「御馳走さん」
その中で一人だけそんな顔をしてないのが、経歴不明な飛鷹だけだった。
円堂は、急いで立ち上がると、飛鷹を呼び止め、話さないかと言った。
飛鷹は大した人間じゃないと言って、食堂を出て行った。
「どうかしました?」
「・・・・飛鷹の事なんだけど、望愛、飛鷹もお前が候補として入れたのか?」
「いいえ、入れたのは響さんですよ。それより、練習もた「練習も必要ですが!知識も必要です!!」
目金が息を荒くしながら望愛の言葉を遮った。
望愛と円堂は急に出て来た事に驚きポカーンと目金を見た。
目金の持ってきたDVDを皆で見るが、そこには海で遊ぶビックウェイブスが映っていた。
「目金・・・これ・・・」
「プレイは無理でも、海で遊ぶシーンを手に入れて来ました!!」
その言葉を聞き、見に行っていた円堂達はズコッとこけた。
不動と冬花は、役立たずと言うと、目金はそこで石の様に固まった。
だが、望愛は・・・
「凄い・・・」
「「「「え!????」」」」
褒めていた。
その言葉を聞いた皆は、頭に!?マークを浮かべ、望愛を見た。
「さすが、噂だけはあるなって思いまして。先程、すべてのファイルをまとめていたら、ビックウェイブスの情報が。ですから、本当かどうか解らなくて目金君か春奈ちゃんに聞こうとしたら、これを見て本当だなと」
「望愛さん・・・・!いつでも聞いてください!!」
褒められた事で立ち直った目金に望愛は優しい笑みでありがとうございますと笑った。
「それじゃあ、改めて。ビックウェイブスの情報はすべて私のファイルの中にあります、まあ簡単に言えば海の男って感じです。先程、DVDでもあった様に海で心と体を鍛えています、そして、守備が固く未知な戦術を使うとか・・・」
「どんな戦術かは分からないの?望愛のファイルの中でも」
「えぇ、ただその戦術は攻撃を完全に封じます。」
その話を聞いた円堂は、ジッとしていられないと張り切って出ようとした時だ。
望愛はあちゃーと言う様子で両手で顔を覆い隠した。
「・・・・監督・・・・」
「・・・・藤咲、監視に戻れ」
「はい・・・・あ!皆さん、ビックウェイブスの資料が必要だったらいつでも来て下さい」
望愛はそう言うと、監視に戻って行った。
〜まあ、少し原作を飛ばして〜
「で、望愛がお願いしたら・・・」
「練習が出来たって事?」
グラウンドに全員集められ、ユニフォームを着ている望愛に聞くと、望愛はコクッと頷いた。
「そのユニフォームで行くの?エイリア学園の」
「これしかなかったから・・・それにエイリア学園の時の実力じゃなくて世界大会並みの実力で行きますよ」
ヒロトの問いに望愛はコクリと頷き、足で止めていたサッカーを円堂達の頬すれすれに蹴って、ゴールに入った。
「いいぜ!「ですけど、俺に勝てたら監督は貴方達の練習を認めると」本当か!?」
「えぇ、俺がウソツキと?」
「絶対勝つぞ!!」
「「「「おう!!!!」」」」
続く