どうも、ごきげんようアポロです。今回は映画化第二弾が決定したフェアリーテイルを書こうと思います。
お話は少しシリアスめに進みます。何てったって今回はジュビア成り代わりで成り代わり主は原作知識を持ったお話です。
主人公はジュビアに成り代わってしまい、ジュビアの為にグレイから遠ざかろうと徹底します。流れ的には原作を変えぬようファントム→フェアリーテイルへと移りますが見た目と口調をジュビアに似せぬよう眼鏡に短髪、水系各種魔法+刀に和風装備と成り代わってしまった時に持っていた現代のジャージ、口調は少し堅いです、「〜〜したまえ」とかですね。
原作を変えぬよう努力はしますがよく出ばります。六魔将軍編やエドラス編とか。
みんなとどこか一線引いていますがだんだん打ち解けます。
この話だけをするとジュビア成り代わり主が冷たく表情筋を使わない人だと思いますがちゃんと人並みよりかは厳しいかもしれないですが優しく、ちゃんと笑ったりします。
次の投稿でイラストを乗せますが成り代わり主はジュビアに全く似せて居ません、でも胸は一緒ですけど。
こんなのジュビアじゃない! 見た目はジュビアじゃないと嫌だ! と言う方は見ない方が良いかと思われます。
三回目の投稿はストーリー、ファントム編からです。
ルール。
ここはリレー小説ではないので続きは書かないでください。
ここのスレは自由に小説を投稿できる場所ではなく私が投稿する場ですので御了承ください、ですが、コメントやアドバイスは大歓迎です、敬語は要りません。
最後に荒らしや中傷等はやめてください。ぜんざいメンタルのアポロはそんなことをされると容器の中の白玉やぜんざいが飛び出します。ぺしゃぁです。不味くなります。
それでは、アデュー!
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ジュビア成り代わりです。
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ジュビアのイメージを壊したくない方は見ない方が良いかと思われます。
それはいきなりだった。大学生になって、バイクに跨がって少し遠いコンビニへの道を楽したからバチでも当たったのだろうか、それならそんな神崇めるものか、逆に呪ってやると断言しよう。こんな些細な事でバチが当たってたまるか、この子になって憤りを激しく感じた。
私がこの子の未来を奪ってしまったのだ、居場所も愛する人も全部、ふとした瞬間に、なんの前触れもなく。なら、彼女の為に彼には近づかないでおこう。彼女のしたことを彼に関すること以外全てやろう。生まれて名前を付けられた時に絶対を誓ったのだ。
それから、生まれつき雨女になり水系各種魔法を使えるようになり、それより先に剣術を我流で覚えた。彼女はきちんと存在すると言う証拠を残すために、ここにいる私は別人だと言う証明の為に、髪型も口調も服の趣向も何もかも変えた。
私は、ジュビア・ロクサーと言う彼女の為に生きている。
**
和風の服を纏い、身の丈程の携えて我がギルド、ファントムロードへと足を踏み入れる。
彼女に近づくために、彼女の為に死ぬ気でファントムロードのエレメント4の水を担っている。
現在、前の原作ではアリアの方がジュビアより強かったのだが、今は私の方が強く、エレメント4最強の座に君臨している。もちろんガジルには叶うとは思っていない。
そんな今日、ガジルがレビィ達を潰した。
今頃ナツやマスターマカロフが戦争だなんだと言っている頃だろう。
おっと、マスターから呼び出されてしまったね。さて、ルーシィを捕らえに動きますか。
・
「はぁー。みんなあたし置いてっちゃうんだもんな」
ルーシィを発見した。原作と変わらずに置いていかれたらしい。そこでぽつぽつと雨が降ってきた。私の雨である。
『しんしんと……か。私は雨女なんだ、すまないな』
「はあ!?」
『君は何女かね?』
「あの……誰ですか?」
予想通りの返答に口元が緩む。雨の激しさは一層増し、ルーシィはあきれた顔をしている。こういう反応をされるのは分かっていたが実際やられると辛いな。
『楽しかったよ、それじゃあ失礼させていただこう……やはり、しんしんと、か』
「え!!? なんなの!!?」
原作ではジュビアはピンクのハート柄の傘を差していたが、私はそれを差す勇気がなく、何も差さず振り返って去ろうとした。このまま何もなく終わってくれと思う気持ちとジュビアの為にと言う想いがごちゃ混ぜになるが、ここでノンノンノンと声が聞こえてきた。やはりこうなる原作通り。
地面から出てきた髭男、ルーシィは「また変なの出たっ!!!」と警戒を露にする。やっぱり可愛いよルーシィ、いや、原作のジュビアのがよっぽど可愛いけど。
「ジュビア様、ダメですなぁ仕事放棄は」
『ムッシュ・ソルか、何をしに来た』
「私の眼鏡が囁いておりますぞ、そのお嬢さん(マドモアゼル)こそが愛しの標的(シプル)だとね〜え」
『ふむ、この娘(こ)だったかね?』
いや、本当は気付いていたけれど、ここは原作通りに。恐らくルーシィは意味が分かっておらず、え?と声をあげるがすまない、ジュビアのした事なんだ、やらないと言う選択肢はない。
「偉大なるファントムロードよりお迎えにあがりました」
『私はエレメント4の一人にして雨女、ジュビア。覚えておきたまえ』
ルーシィが目を見開き「ファントム!?」と大声をあげたあと、レビィの事を思いだし鍵を手に取る。が、「ノンノンノン、3つのノンで誤解を解きたい。ギルドを壊したのもレビィ様を襲ったのも全てはガジル様」とムッシュソルが呟き、私が水流拘束(ウォーターロック)で閉じ込める。
「まあ、我々のギルドの総意である事にはかわりませんがね」
『私は納得しておらんがな、こんな事をするのは胸が痛むが……』
「んっ、ふ……ぶはっ、な、何…これ!!!」
『私のウォーターロックは決して破れん』
「あぶっ」
そのまま酸素がなくなって意識を失うルーシィを見て胸が痛くなったが、致し方無い。
『大丈夫だ、私は君を殺さん。君を連れて帰ることが私の任務なのでね、ルーシィ・ハートフィリア君』
「ん〜!! 勝利(ビクトワール)!!!」
『捕獲完了だ』
その場にはルーシィの落とした精霊の鍵のみが落ちていた。
.
時は過ぎて色々あったが、我がギルド、ファントムはフェアリーテイルにジュピターを放った。第一砲目はエルザが捨て身で庇ったのだが、流石としか言えない。
そして今、この瞬間がやって来た。
「ん? 雨……なんか降ってたか?」
『しんしんと……か』
「!!」
彼、グレイ・フルバスターとの戦いが幕を開ける。
通気口のような所を這い出てきたグレイに自己紹介を挟む。
『そうだな……私はエレメント4の頂点にして雨女のジュビアだ』
私の自己紹介にグレイは神妙な顔をしてエレメント4とおうむ返しのように呟く。
『まさか二つのエレメントが倒されるとは思わなかった。しかし、私とアリアは甘く見ない事だ』
そこで、グレイの表情が明らかに変わる。ここだ、ジュビアがグレイに惚れるのは。
だがしかし、私はもうそんなので惚れる様なことはないと断言しよう。戦いを挟んでちゃっちゃと倒されよう。私だって青空を見たい。
「悪ィけど女だろうが子供だろうが、仲間を傷付ける奴ァ容赦しねぇつもりだからよォ」
『君ならそういうと思ったよ』
「わかってんじゃねえか! じゃあこの巨人を止めやがれ!」
グレイが私に向かって駆け出すが、私は口元に笑みを浮かべてウォーターロックを発動。その際ガルナ島でリオンに受けた傷が開き血液が大量に噴出、私はそれをなんとも思わずに水圧をあげる。
だが、グレイはウォーターロックを凍らせて自力で脱出、「やってくれたなァ、コノヤロゥ」とこちらを睨み付けてきた。それさえも滑稽に見えてきた。「痛て」と服を脱ぎ始めるグレイに少し戸惑いを覚えてしまう。やはり目の前で脱がれるとどうもな……。
「アイスメイク“槍騎兵(ランス)”!!!!」
いきなり攻撃を浴びせられ、刀の心配をするが、刀を引っ提げている紐だけが千切れたので安心する。そのまま刀を手に握る。その間ランスが体を貫通するが私の体は水なので問題なし。
『私の体は水で出来ている、そんな攻撃はそうそう効かん』
「水だぁ!!?」
ここでジュビアならよくわからん事を言うだろうが、私は早く終わらせたいのだ。そのまま「水流斬破(ウォータースライサー)!」と叫び浴びせる。そのままグレイからの「戦斧(バトルアックス)」を反撃として腹辺りに喰らってしまうが水で流れてしまう。
『……君は、まだ私には勝てんよ。フェアリーテイルに……こんなことを言うのはファントムに居て、ファントムの一員としておかしいと思うのだが、私はルーシィは連れていかん方が良いと思っている、君達が言うのなら私も助太刀させて頂こうと思っている。
非道なマスタージョゼの考えていることは私は正しいと思っておらんからね』
グレイは面を食らったような顔をして固まった。しまった、原作が変わったら元も子もないぞ!? なんてことしてんだよ私。
だが、彼を見る限りそれは無さそうだと安心した。
「なに言ってんだてめえ……。仲間じゃねえのか!? そんなこと言やぁ仲間売ってんのと変わんねぇぞ!!!」
『ふう……安心したよ、グレイくん。やはり君は芯がしっかりしているな。……そのまま私に協力してくれと言うものならば……そうだな、君の首を飛ばしていただろうな』
私が不敵な笑みを浮かべ、刀に手を掛けるとグレイはばっと首を押さえて顔を青くした。
さあ、負けてあげるよ。グレイフルバスター。
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原作ではジュビア自身が熱湯になりグレイを襲うのだが、生憎とちょっと勇気が足りない。なんか、こう……うーん。
なので私は刀を抜いて足だけ水化してグレイを斬りつけた。「速ェ!!! 俺の造形魔法が追い付かねえだと!!?」とグレイはほざいているが知ったこっちゃない。もう一度構えて切り付けるがまあ、やっぱり避けられた。まあ、そうだろな。
「時間をかせがねえと」
私の攻撃を避けたグレイは這い出てきたところから飛び降りガシャと言う盛大な音を立てながら地面に着くなりアイスメイクで盾を造る。だがしかし、今の私の水は高温だ、それは刀も一緒である。私が幼い頃、とある有名な鍛冶屋に頼んで私と同じ体質のようにしてもらったのだ。散財したとは思うよ。後悔はしてない。
まあ、そんなお陰でグレイの盾は意味を成さずにじゅうじゅうと溶けていく。
『すまないね、あの子の為にならなきゃダメなんだ』
「何じゃそりゃ!!!」
足の水でグレイの皮膚を焼く。今度は水を多目でグレイを包んだ。上へと突き上げるとこのあとはジュビアの水にグレイが手を突っ込んで凍らせてちょっとグレイに役得アクシデントが起こると言う事態が発生するがそんなヘマはしない。
凍らされたとはいえ足だけ掴まれている状態だ。……まあ、スカートが氷の中でとんでもないことになっているが。
その氷も自力で破り、水でざぶざぶと攻撃していくとなんか、キレたグレイが叫びながら私を凍らせていき、とてつもない魔力で雨までも凍らせアイスゲイザーで私自身凍らせられてしまった。
『ふむ……私は負けたのか』
「どーよ? 熱は冷めたかい?」
『……頭は元々冷めているよ、グレイ君。
……雨がやんだな』
私の声にグレイが空を見上げて「お! やっと晴れたか」と嬉しそうに笑う。
そんなこと私は見ることもせず前世でよく見た青空がとても懐かしくて、少し涙が出てきた。
「で……まだやんのかい?」
『ん? 何か言ったかね? グレイ君』
「……」
『勝負なら私の敗けだ。……カッコつけるのは……まあ、虚しいだけだから、……やめた方が良いんじゃないか? それ』
「……」
『安心したまえ、私はここで大人しくしているよ』
.
しばらく大人しくしていれば下からドカンドカンと音が聞こえてきてその直後の明るい光がフェアリーロウだとわかるのに時間は要らなかった。
『……あー、暖かいな』
**
それからギルド間戦争は終了、手早くルーンナイトに身柄を拘束され事情聴取、聞かれたことを手短に話し、私は全てをマスタージョゼに押し付けさせていただいた。全く、良い働きしてくれるぜマスタージョゼ!
今はフェアリーテイルの再建中だと言うので顔を出しにいこうかと考えていたのけど、よくよく考えればあちらは私をよく思っていないだろうしやめようかと思ったのだが如何せんやはり私はジュビア、影で全体を見守ることにした。
『……私の好きなキャラ……いっぱい……』
おっと思考があらぬ方向へと逸れた。落ち着け落ち着けジュビア・ロクサー、前世じゃ紙面上のキャラでも今は現実を生きる人間だ、馬鹿なことを考えるんじゃない。
……ルーシィとエルザ、やっぱくそ可愛いな……。
待て待て待て。思いとどまれジュビア・ロクサー!
「お〜もぉ〜て〜えぇ〜」
ナツ君が柱を一気に何本か持ち上げて唸っている。あれに上から乗りたいな……待て、やめるんだジュビア・ロクサー。
「一度にそんな持つからだよ、バカじゃねーの……。……?」
ヤバイヤバイ、影から覗いてるのがバレたかも知れんと焦るが此方に来ないのを見る限り気付いていないだろう、安心した。
「ははっ!!! おめえは軟弱だからそれが限界なんだろーなァ」
「ア? 俺がその気になればてめえの倍はいけるっての!!!」
そのあとはグレイが柱を持ちすぎて下敷きになったりエルザが叱りに来たり、ロキがルーシィの鍵を渡しに来たり。
ごめん、鍵は私も探した方がよかったと思ってるよ。ごめんロキ。ごめんマジごめん。
**
アカネビーチの件はスルー……と行きたいところだが私が居ないと楽園の塔に入れなくなるので仕方なく向かう。向こうでは偶然を装うか。
.
時間は過ぎてアカネビーチへと来たわけだが、夜に事件が起こることは分かっている。
さて、今がこの時間なのだが、カジノにやって来て早速スロットを打つグレイを発見した。「はっはー!! しょうがねえなアイツは」と笑っているグレイに近付く。
『やあグレイ君』
「ん?」
『久しぶりだね、こんなところで会うとは偶然だ』
「ぶほっ」
ぐもっ、そう驚くグレイは「お…おお……お前は…ええ!!?」と訳のわからない声をあげる。それに私は苦笑いしてバーに移った。私は今すぐにでもルーシィのところへ飛んでいきたいのだが、ジュビアの居場所を奪ってしまったんだ、自由は言わないよ。
「聞いたよ、ファントムは解散したんだって?」
『ああ。そのお陰で私は今フリーの魔道士だ、まったく。
今言うと言い訳がましいと言うのは分かっているんだが、私もルーシィを拐って一生飼い繋ぐと言うのに反対はしていたよ。
それでね、謝罪を込めてフェアリーテイルに入ろうかと思っているんだ、私は』
「しっかしあんなことの後だからなぁ、俺は構わねーがマスターが何て言うか」
『大丈夫じゃないか?』
「その根拠はどっから来んだよ」
『私の能力がそう言っているのだよ』
グレイが渋い顔をするがそこで大男が背後に影を落とした。流石に殴られるのは嫌なので異空間から刀を取り出してガードするが、あまりの力に吹き飛ばされた、痛い。隣で「ジュビア!」と名前を呼ぶグレイの声が聞こえる。そして大男、シモンは言った。「エルザはどこにいる?」と。
「エルザはどこだ?」
「ア?」
「どこだ?」
「誰なんだてめぇ……」
険悪な空気が流れ一触即発な雰囲気が漂うけど、私が鞘に入れたままの刀を二人の間に挟む。
『待ちたまえ。こんなところで物騒な喧嘩をするならば、私が相手をしてやる』
「ジュビア」
『早くエルザのもとへ行かないか、危険が迫っているんだぞ』
そう言ったとき、ぴくんとシモンが何かに反応した。口振りからエルザを見つけたらしい。「了解」と口を開いてボヤァとだんだんと回りが暗くなり、真っ暗へと変わる。
「闇の系譜の魔法、闇刹那」
「ぐはっ!」
「ぐっ」
.
グレイを水の中で匿っているとルーシィが駆けてきた、やはり脱出出来たかと感心し姿を見せると「ひっ」と声をあげ、「あ……あんたは!!?」続ける。
『安心したまえルーシィ、グレイ君はちゃんと生きているよ』
「い……生き……あは……あはは……」
『あのときはすまなかったねルーシィ』
「い、いや……」
微笑みを携えているとなんか引かれた。なんだよ悲しいな。
「突然の暗闇だったからな、身代わり造って様子を見ようと思ったんだが」
『私も少しパニックだったらしい、余計な事をしてしまった』
「ホントにな、逃がしちまったじゃねーか」
『だから謝っただろうが。しつこい男は嫌われるぞ』
「あ¨ぁ!?」
『それよりルーシィ、火竜のとエルザは?』
「ナツは分かんない、エルザは……」
私が聞いたとたん後方で爆発が起きる。明らかにナツだろ……。
.
とりあえず、ナツの鼻を頼りに楽園の塔へ辿り着いた私達。グレイとは険悪になりつつも距離は取ってある。いや、グレイに限らず、だ。
楽園の塔に来たので下で道を探す。
「見張りの数が多いな」
「気にする事ァねえ!! 突破だ!!」
「ダーメ!! エルザとハッピーが捕まってる、ヘタな事したらエルザたちが危険になるのよ」
「しかも塔らしきものはずっと先の方だ、ここでバレたら分が悪いな」
その言葉を機に私は海から顔を出した。うん、水はまだ冷たいな。「水中から塔の地下への抜け道を見つけた」と告げれば「マジか!! でかした」とグレイから返答が返ってくる。
『どうだねルーシィ。今度一緒に買い物に行かないか?』
「はいはい」
グレイをガン無視してルーシィに話し掛ければ適当に流されてしまった。悲しきかな。
『とりあえず、水中を10分ほど進むが、息は持つか?』
「10分くれえなんともねーよ」
「だな」
「無理に決まってんでしょ!!!」
ルーシィからの鋭いツッコミに苦笑いをしつつやはりこうなると思っていたので予想通りとなので空気の入った水の玉を一人ひとつ渡した。
**
楽園の塔侵入の際の戦闘か終わったところでエルザと出会った。
「お……お前たちがなぜ、ここに……」
「なぜもくそもねえんだよ!! なめられたまま引っ込んでたらフェアリーテイルの名折れだろ!!!
あんの四角だけは許しておけねー!!!」
非常に憤りを感じているナツは歩き出そうとするがエルザに全員帰れと一蹴される。
そこからまたごちゃごちゃあって、エルザの過去の話を聞いた。アニメでも漫画でも見たけど実際に聞くとかなりダークなお話だ。
「私は……ジェラールと戦うんだ……」
震える声で涙を流しながらそういったエルザはとても気高いように思えた。
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もう色々ぶっ飛ばして天狼島編、行きまーす!(ガンダーム)
楽園の塔編、ニルヴァーナ編、エドラス編をスッ飛ばし、天狼島編へ突入しようとしている私達。
遠くでルーシィがカナの事できゃんきゃん吠えているがみんなそれどころじゃないらしく仕事仕事と騒がしい。そんな私もたった今、魔物討伐の仕事から帰ってきたところなのだけど。
まぁ翌日、マスターからの発表でS級昇格試験出場者に選ばれてしまった訳だが。
『……私はこの試験を辞退したいのだが』
「ええ!? なんで!?」
『面倒臭いからだ。厄介事は回さないでほしいものだね全く』
「ア? ジュビアてめえ……なんつー言い草だ?」
グレイと睨みを効かせ合う。気はなぜかびっくりするほど合うのだが、喧嘩は絶えない。今のところ戦績は五分五分だ。
『なんだ? やるのかグレイ君? 私は別に構わんよ』
「上等だ」
『では負けた方は辞退と言う事で良いな?』
「構わねーよ」
『よし言ったな? 私の敗けだ、辞退させていただこう』
「ハメられた!」
結局突如現れたロキに全力で止められた。
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ロキはグレイのパートナーになるらしく、ルーシィとは今だけ縁を切るらしい。
「君がジュビアだね? なんて格好いいんだ、今日の夜、一緒にご飯でも?」
『君の女の子が全て私にかっ拐われても良いなら考えてやらん事もないよ』
「……この話は無かったことに」
そして冷や汗を掻いたロキはグレイと少し話している。するといきなりグレイがこちらを見た。
「つー訳で、お前も本気で来いよ、久しぶりに熱い戦いをしようぜ」
『構わないがパートナーが決まらんことにはどうもね』
「私がジュビアと組むわ!!」
そういって名乗りをあげたのはリサーナだ。原作とも変わりはないリサーナの様子に微笑ましくなる。
「私……エドラスじゃジュビアと仲良かったのよ、それにこっちのジュビア……なんかすごくかっこいいんだもん」
『リサーナ……』
「決定ね!!」
『よろしくリサーナ。そうだ、親睦を深めるために今日私の家に来ないかね? なに、飯を一緒に食うだけだ』
「あんたどんだけ女の子好きなのよジュビア!! やめなさい!!」
ルーシィからのルーシィキックを御見舞いされたが華麗にかわして『可愛いのを付けているなルーシィ』と微笑めば眼鏡をかち割ろうと顔面にパンチを頂いた。もちろん避けたが。
ふと斜めのグレイと目が合えばふいと顔を逸らされた……思春期は大変だな。けらけら笑っていると「なに笑ってんだてめえ」と本人に睨まれてしまった。
『……思春期は、大変だな』
「「いきなりなに言ってんの!!?」」
その場の全員からツッコミを頂いた、ジュビアさん可哀想だからやめてくれ。
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「アツい! 冬だってのになんなのコレ……。
あたし溶けちゃうかも、アイスになってハッピーに食べられちゃうんだ」
「マズそうだね」
「ルーちゃんだらしないよその格好」
「この辺は海流の影響で一年中この気候なんだとさ」
ルーシィ、ハッピー等がだらけながら到着を待っている中、水着のリサーナが私に声を掛けてきた。
「ジュビア、アツくないの? 着物ってアツいんじゃない? その上からジャージなんて……」
『暑くは無いな、だがしいて言うならば……女の子達が輝きすぎていてアツい!!!』
「はいはい……」
あ、呆れられた。グレイは全裸だし、酔いに酔ったナツがロキの方へ歩いていくしでしっちゃかめっちゃかだ。
グレイに関しては見ていられないので落ちていたグレイの下着と私の水色のジャージを顔面に投げ付けてやった。今はコップで隠れているが立たれたら本能的に潰してしまうかもしれない可能性があるからだ。
「うぷっ、ジュビアてめえ! 毎度毎度……喧嘩売ってんのか!」
『あのだね、見苦しいからとっとと下を履いて私のジャージを巻いておきたまえ、潰すぞ』
「どこをだよ!?」
渋々と言った様に下着を吐いてジャージを巻き付けているグレイに溜め息を吐きこんなののパートナーのロキに同情の視線を寄越す。
ふとルーシィを見れば暖かい視線をいただき首をかしげて『どうした?』と問えば「別にぃ〜?」とはぐらかされた。一体なんだと言うのだ。
そして見えてきたのは天狼島、おかしな形をした大きな島で初代マスターの墓があるらしい。所謂フェアリーテイルの聖地だ。
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天狼島の一次試験の説明を受けて、やはりこうなるかと苦笑い、エルザに勝つ算段を考える。原作じゃ私たちはエルザに負けてしまうから。
原作通りにするなら別に良いのだが、やはり通りたい。頑張るか。
「さあ始めい! 試験開始じゃ!」
『リサーナ行くぞ!』
「え、ええ!?」
リサーナを連れてフリード達より先に船を降りる。リサーナに『これは早い者勝ちだ』と教えれば「そう言うことね」と微笑まれ、海を進んだ。
**
私達はやはりエルザに当たってしまっていた。
『強いな……これほど強いとは……』
「海王の鎧、完全にジュビアの水を防ぐ気だ」
リサーナと共に唖然としていると「どうしたジュビア、そんなことではS級魔導士にはなれんぞ」と挑発してきた。
『……私は、お前に勝つ』
水を浴びせつつ超速連撃を繰り出していく。水は防がれてしまったが剣は防げないだろう、そのままウォータースライサーを喰らわせその間にリサーナがとびかかる、まあ反撃されるのは目に見えているので微動だにしない。原作のジュビアなら食らっていたその攻撃を避けつつ衝撃刃を浴びせて水で目眩まし。
「くっ」
『言っただろう? 私はお前に勝つと』
最後の一撃を喰らわせWIN。原作は変わってしまったが一次試験突破だ。
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「グレイ、ロキ!」
前方からやって来る二人組にルーシィが「やっぱり一次試験を抜けてきたんだね」と声を掛ける。
「一次試験を突破出来たのはこれだけか!?」
「ナツは……」
「あっちにいるよ」
そんな会話を耳に挟み、私もリサーナもそちらに耳を傾ける。
「カナとルーシィはフリード ビックスローを闘で破り突破」
「ふふん」
「何ー!!?」
「ナツとハッピーはギルダーツの難関を突破」
「嘘だー!!!」
グレイは顔を色々とダメな方に崩壊させつつツッコミを入れていく。イケメンが潰れるぞお前。
他にもレビィ、ガジルの突破を話し、グレイとロキの突破を表したところでグレイは「ジュビアは落ちちまったのか」と告げる。いや、居んだけど。
じーさんもじーさんでグモッと口を開くからグレイが勘違いしてしまっている。
「な、なんだようじいさん……」
「ジュビアとリサーナは奴と当たってしまった、あの手の抜けない女騎士に」
「あ〜あ」
グレイとマスターがそんな話をしているなか、リサーナが苦笑いした。グレイももっと回りを見ろよ。
『まるで私が落選した様な言い方はやめてくれたまえよマスター』
「……と言う訳じゃ。ジュビア、リサーナはエルザを破り、突破した」
「マジでか」
言い方酷いなと思った私は悪くないと思う。
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とりあえず一次試験を突破したのはこの六組。次から二次試験をするのだが、生憎と墓の場所を忘れてしまった。一生の不覚である。島中を探し回るが変な動物に襲われるわでてんやわんや。
そうこうしているうちに私達はエルザ達のキャンプを発見してしまった。どうやら誰かの話をしているようだ。まぁメストだろうとは思うけど。
『なんの話をしている?』
「ああジュビアか。試験はどうした?」
『実行中だ、偶然ここを見つけてな。なんの話をしているんだい?』
「まだ帰ってきてないウェンディとメストの事よ」
「メストかぁ、私の居ない2年の間に入ったんでしょ?」
「そうだったっけ」
「昔から居たような」
「存在感ないのね」
そんな会話をしていくうちに原作に則った方が良いだろうと『私が探してこよう』と告げる。だがエルザに「お前は今試験中だろう」と咎められるが『試験より仲間だ』の言葉を聞き押し黙った。結局エルザもついてくると言うことで事は決着した。
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しばらく森を歩けば気絶して倒れているレビィを発見した。意識があって良かったが、グリモアハートがもう来てるのかとレビィの報告を受け、私達は直にガジルの元へと推参した。
で、まぁ倒れた敵から(エルザが強引に)情報を聞き出し、この島に黒魔導士ゼレフが居ることが分かった。エルザも事の重大さが分かっているからかすぐに赤色の信号弾をあげた。意味は全員戦闘配備、敵が来るぞという意味だ。
『エルザ、今からどう動く?』
「とりあえずメストとウェンディを探そう、キャンプの場所がわからず迷っている可能性もある」
その後ろでレビィにガジルを任せ、動こうとすると後ろから「作戦中に敵に遭遇、直にこれを排除」と幼さの混じった少女の声が響く。
「これより殲滅を最優先事項へと変更、戦闘を開始する」
『……子供か』
いや、知ってるよ? メルディでしょ? うんうん、今回だけはジュビアの為にグレイを想ってあげよう、これ以外にメルディ戦を切り抜ける方法は無い。絶対使いたくない切り札のようなものだ。
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