立て直しすみません!!またよろしくお願いします!
やっぱり帝光時代からですね(笑)
朱崎ナミ
二年前の姿(まだFカップやな)
帰宅部だが、キセキの世代と仲良し
黒いセーターを着てる
変なあだ名で呼ぶ(ネーミングセンスはない)
朱崎ナミゾウ
ナミの実兄で、ノジコとは双子
まあ、イメージはググってくださいw
シスコン
モデルをしていて、黄瀬の憧れ
朱崎ノジコ
ナミの実兄で、ナミゾウとは双子
二年前の姿
ある意味一番強い
キセキはみんな弟
「じゃあ涼太くん、ちょっと行ってくるわね」
「駅に着いたらLINEしてっス。迎えに行くっスよ」
「はいはい」
あたしは、海常のマネージャーではない。もちろん、なるつもりもない。…合宿の時とかは別だけど
プルルルル プルルルル
『もしもしー?』
「あ、もしもし?あたしよ。東京に着いたからちょっと迎えに来てくれない?」
『あーい』
このままじゃ、あたしは女帝の眼(エンプレスアイ)を使いこなせない。
使いこなすには、それなりのバスケの知識が必要だ。
ーーーー
「おまたせー」
「そんなに待ってないから大丈夫よ。それで、話は付けてくれた?」
「おう。大坪さんと監督の許可もバッチリ!」
「ありがとう、和成」
あたしが向かうのは真太郎、和成がいる王者・秀徳高校
そこで少しの間、練習を見させてもらうのだ。涼太くんには秘密にしてるけど、簡単に言うと夏休みの間だけ秀徳のマネージャーをする。
「ナミ連れて来ましたー!」
「はじめまして。海常高校から来ました、ナミです!夏休み中、皆さんのバスケを見させていただきます」
和成に続いて体育館に入り、そして頭を下げて自己紹介をする。
「オレは主将の大坪だ。よろしく」
すると、大坪さんに握手を求められた。素直にそれを握り返す。
「あたしは海常生ですけど、海常に秀徳の情報を流すなんてことは絶対にしないので、安心してください」
むしろ黄瀬涼太が最近ウザイから、海常の情報を流してやろうか。…いや、笠松先輩たちを裏切るわけにはいかないわね、うんっ
「どういう風の吹きまわしなのだよ、ナミ。あれほど帝光でマネージャーを嫌がっていたお前が、他校でマネージャーなど…」
「いーじゃない!あたし、前から秀徳って気になってたのよ〜。ね?和成!」
「え、そうなの?」
「そうなのよッ!!」
涼太くんとさつき以外に眼のことを言うつもりはない。まあ、秀徳が気になってたのは事実だ
「よし、練習始めるぞ!!三日後は合宿だ!」
とりあえず、見せてもらおう
王者の練習を
あたしは今、学校までの道のりを歩いている。隣にはラッキーアイテムであるアイドルのうちわを持っている真太郎。
夏休みの間、秀徳にお世話になることになったあたしは朝に真太郎に電話で叩き起こされて、和成に借りた秀徳のバスケ部のジャージを着て真太郎と学校に向かう。
「ねえ、あんたホントに和成と学校は行ってないの?」
チラリと真太郎の顔色を伺いながら言う。
「あいつといつも一緒だと思うな。それに、今日の蟹座のラッキーパーソンはオレンジ色の髪をした友達だったからな」
え…何それ、おは朝鬼畜すぎじゃない?オレンジ色の髪とかそんなにいないわよ?世の中の蟹座のやつ今頃困ってると思うわ
などなど色々考えたが、そもそもあの鬼畜占いをまともに信用するのなんてコイツしかいないだろうという考えに行き着いた。
「というか、あんたに友達ができるなんて、和成も物好きよねぇ…」
「友達じゃない。下僕なのだよ」
「あんたね、そんなこと言ってるからあんまり友達ができないのよ。征十郎を見習いなさい。あいつ、親しくない奴等は全員ジャガイモにしか見えないけど、ちゃんとジャガイモとも接してあげてるよとか言ってたわよ?」
「意味が分からないのだよ。とりあえず、あいつは洛山でも相変わらずなのは分かった」
なんやかんや話をしていたら、前方から蜂蜜色の髪をした男が此方に向かって歩いて来た。
「よぉ緑間」
「どうも、宮地先輩」
真太郎の先輩で、あまり話したことのない宮地先輩だ。ちなみに、なかなかイケメンである
「あ、うちわありがとうございます」
「おう。いやーやっぱみゆみゆ可愛いな…お前絶対汚すんじゃねぇぞ!汚したら軽トラで轢く!」
「はぁ…はい…」
なんかいつも堂々としてる真太郎が圧倒されてる…この先輩、できる!
あれ、てかこの会話聞くかぎりじゃ…このうちわって先輩のってこと?うそでしょ!?やっぱ人って見かけに寄らないわね…
そんなことを考えてると、隣の2人は…
というか宮地先輩が一方的にその"みゆみゆ"とかいうアイドルについて語り始めた。
すごい白熱してる…1人で…
ーーーー
真太郎がチラチラと此方を見て助けを求めてきたのが面白かったので、少し放って置いたけど、そう言えば学校に向かってる途中だったと思い出した。
遅刻して怒られるのも嫌なので、仕方なく助けてやることにした
「真太郎、早く行きましょうよ」
あたしがそう声を掛けると、宮地先輩がバッと此方を向いて一瞬驚いた後、ヤバイという顔をした。
もしかしてこの人、あたしに気づいてなかったの?
(緑間ぁ!テメェふざけんじゃねぇぞ!なんでこの子がいるんだよ!!)
(はい…?)
(こんな可愛い子の前でドルオタなの晒しちまったじゃねぇか!)
小声で会話しているみたいだけど、すぐ隣にいるあたしには筒抜けだ。
「とにかく、練習に遅刻するからあたしたちは行くわよ」
真太郎の腕を引っ張ってスタスタと歩き始める。
「緑間ぁ!テメェ覚えとけよ!!」
「なぜオレのせいなのだよ…」
背後から絶対緑間轢いてやる、絶対緑間轢いてやると呪文のようなものが聞こえてきた。
物騒ね、と笑えば、笑い事じゃないのだよと小突かれた。
そう言えば…宮地先輩って雰囲気が誰かに似てる気がするのよね…
マネージャーの仕事を終えてからは暇なので、真太郎たちの部活が終わるまで、ボーッと練習を見る
あたしは体育館内を見渡して目当ての人を探す。
「あ、いた…宮地先輩」
そう、あたしはあの宮地先輩に何かが引っ掛かっているのだ。出かかってるのに出ないのは、結構腹が立つ
宮地先輩をじーっと観察していると、彼は後輩たちをよく叱ってヒビられていた。
うーん…やっぱり誰かに似てる…
あっ…もしかして…
「やっぱ宮地先輩かっこいいよねー」
「そうそう!あの爽やかな感じがたまらない」
ギャラリーとしてバスケ部を観に来た人は結構いて、女子がキャーキャー騒いでいる。あたしは白けた目でそのうるさい女たちを見る
「やっぱ強豪校だから、見学する人って結構いるのね…」
帝光ではあまりにも多かったので見学が禁止になっていた。まあ、あたしは色々とコネがあるから極々稀に見学しに行ったら歓迎された。
そんなことよりあたしはさっきの宮地先輩が、あの人に似てるということを真太郎に話したい。
ーーーー
練習が終わって各々が自主練をし始めたとき、あたしは急いで真太郎のもとに走った。
ちょうど真太郎は水分補給をしていた。
「ねえっ、真太郎!」
「ナミか…まだ自主練があるのだよ」
「分かってるわよ!けどちょっと聞いて欲しいの」
興奮しながら話そうとしたら真太郎に落ち着け、と頭を叩かれた。
「あのね、宮地先輩って修兄に似てない?」
「虹村先輩に…?いや、似てない…」
真太郎は宮地先輩の方へ視線を移した。
「高尾!テメェふざけんじゃねぇぞコラァ!轢くぞ!」
「……言われてみれば似てないこともないのだよ」
「ほら!ね、あたしあの人と友達になりたい!いいえ、友達になってみせるわ!」
そう真太郎にそう宣言すると怪訝な顔をされた。
もう一度2人で宮地先輩の方を見る。
すると目が合った。
そして宮地先輩は頭をガシガシ掻いて此方にやって来た。
これはチャンスだわ!!
「あのー、お前朝に会った奴だよな…」
「そうよ」
「頼むからオレがアイドルオタクってことはバスケ部以外の奴には言わないでくれねぇか?」
「分かったわ…その代わり…」
あたしはニヤリと笑う。そのあたしの笑みを見て真太郎の顔が引きつった。
ーーーー
「なんだ?そんなことでいいのか?」
「ええ」
「あの…宮地先ぱ「真太郎は口出ししないで」
「じゃあ今から行くか。自主練も終わったし…」
「オレはまだ終わってないので、2人で行ってきて下さい」
「分かったわ」
「おう。ちゃんと家まで送り届けるから心配すんな」
「あ…はい。あの宮地先輩、先に言っておきます。
……御愁傷様なのだよ」
「は?」
「何だったんだ?緑間のやつ」
あたしたちはある所に向かいながら話している。
「さぁ?…そんなことより下の名前聞いていいかしら?」
あたしの質問にそう言えば言ってなかったなと呟いた。
「3年の宮地清志だ」
「そう。よろしく、清志!」
「おい、ちょっと待て!色々ツッコミてぇーんだけど!」
清志はこめかみに青筋を浮かべた。
「なんでテメェ敬語使わねぇんだよ!あと、先輩つけろ!」
「え…嫌よ面倒くさい」
一言でバッサリ斬ってやったら片手で頬を掴まれてグイッと顔を清志の方に向けさせられた。バッチリ清志と目が合う。
「オレは礼儀がなってねぇやつ、大っ嫌いなんだよ」
「大っ嫌い……?」
あたしは目に涙を浮かべる。
もちろん、わざとである。
見なさい!!このあたしの完璧な嘘泣き!
「おう、嫌いだ……え?ちょ、泣くな」
「グスン…清志に嫌いって言われたぁ…」
清志は慌ててあたしの頬から手を離した。
うふふ、どうよあたしの演技力!神奈川にいる駄犬とかナミゾウはこれで一発なのよ!
…いたっ!あれ、今なんか目に入った!!
あれ?なんか超痛い…
やだ、ホントに涙出てきた!!!
「ちょ、悪ィ悪ィ。大っ嫌いって言ったこと取り消すから、頼むから泣き止め」
清志が背中をさすって慰めてくれてるけど、今はそんなことどうでもいいわ!
ーーーー
「ほら、デパート着いたぞ。荷物ぐらい持ってやるから泣き止め」
デパートと聞いて勢いよく顔をあげる。
そして今度は頭をポンポンと撫でられた。
そう、あたしがドルオタのことを周囲にバラさない代わりに、清志にショッピングの荷物持ちをしてもらう約束をしてたのだ。
いつの間にか、目に入ったゴミと思われるものは、たぶん涙とともに流れて痛くなくなっていた。
「じゃあとりあえず、この店とあの店ね。そのあとは三階のあそこの店で服買いたいし、新しいアクセサリーも欲しいのよね〜」
「はぁ?そんなに買えんのか?つーか荷物持つのオレだろ!!部活終わりだぞ!もっと遠慮しろよ!」
「ちょっと、これでも遠慮してあげてるんだけど?」
「まさか…緑間が言ってたのは…」
隣で頭を抱える清志を見て可哀想になった。
「はぁ…しょうがない。アクセサリーはまた今度ね」
「それでも多いっつーの」
ーーーー
「送ってくれてありがとね、清志」
「おー…」
「…ちょっと元気ないわよー?」
「誰のせいだと思ってんだよ」
「フフン」
笑ってんじゃねーよと額を小突かれたからムカついて、清志に抱き着いて思いっきり力を入れた。
「ちょ、テメェどこからそんな力が、いてててててっ」
痛がる顔に満足して力を緩めてやる。でもまだ抱き着いた手は離さない。
下から清志を見上げると目があったがすぐに逸らされた。
「ねえ、コッチ向いてよ」
「っ!?」
そう言うとぎこちなく顔が動いて、あたしと目をあわせた。清志の喉仏が上下に動いてゴクリと音が聞こえた。
「ナミって呼んで」
「は、はぁ?」
「だって全然名前呼んでもらってないもん…ねえいいでしょ?ナミって呼んでみて」
上目遣いで清志を見ると、清志は顔が赤くなった。
「な、…ナミ」
名前を呼ばれたのを聞いて、満足したので清志から離れる。
「よし、じゃあね清志!気をつけて帰るのよ!」
ぼーっとしていた清志があたしの言葉に我に返る。
「敬語とちゃんと先輩つけろ!許可した覚えはねぇぞ!」
「はぁ?なんて言ったの?」
と言い逃げして家の中に入る。
「明日会ったら絶対轢いてやるからな、ナミ!!」
清志の声が家の中に入ったあたしにまで聞こえたので、近所迷惑ねと思いながらぷっと笑った。
ーーーー
「ねぇ聞いてよ修兄!今日修兄みたいな人と友達になったわ!」
『ほー…お前と友達になるとか、可哀想だなそいつ』
「どういう意味よそれ」
『そのまんまだ』
「修ちゃん腹立つ!!」
『そのあだ名で呼ぶんじゃねぇーよ!』
「し、真太郎…あっつい…」
「ちゃんと水分補給しろ、あとタオルを首に巻いておくのだよ」
バスケ部専用のバスから降りたら、あまりの暑さと強い陽射しでフラついたところを真太郎に支えられた。
今日から秀徳高校バスケ部で一軍だけの合宿がある。
あたしは合宿中だけ秀徳のマネージャーとして働く。マネージャーと言っても合宿中のご飯やドリンクを作るだけでいいと言われた。
「大丈夫か?ナミ、合宿所は目の前だ。早くいくぞ」
「清志、おんぶして?」
「せめて先輩つけろ!あと自分で歩け!轢くぞゴラァ」
「ナミ大丈夫か?荷物持つから貸せよ」
そう言ってあたしの荷物を掻っ攫った和成にお礼を言う。
ーーーー
「げぇっボッロー」
和成の声を聞いて目の前の合宿所を見上げる。
「…なんか虫がでそうなところね」
「虫ぐらい何処でもいるのだよ」
「イヤよ!あたし虫がいたら死ぬ!おばけとかの方がマシよ!!」
「おばけの方がマシなんだwww」
「そこの一年うるさいぞ」
「すみません大坪キャプテン」
タオルを持っていない方の手で大坪先輩に向かって敬礼する。
「なんかオレとの態度違いすぎじゃね?」
清志があたしを怪訝そうな顏で見る。
「当たり前でしょ。キャプテンは偉いのよ」
「なんだよ。どうやって手懐けたんだよ大坪」
「こいつを手懐けたかったら晩ごはんでも奢ってやれば簡単に懐きますよ」
真太郎が眼鏡をクイッと上げながらそう言った。
「別に今回の合宿は晩ごはん奢ってくれるって言ったから参加したわけじゃないわよ!?」
「晩ごはんでつられたんだナミwww」
「なるほどなー晩ごはん奢ってやるのかー」
「違うわ!清志が奢ってくれても先輩ってつけないから!」
「轢くぞてめぇ!」
まぁ、なんやかんやで楽しめそうね
ーーーー
「ナミ、早く来るのだよ」
「いやでも、虫があたしを待ち構えているかもしれないじゃない」
足元を警戒しながら真太郎と和成の2メートル後ろを歩く。
「おーい荷物こっちー!」
という清志の声を聞いて和成が返事をする。
「って、アレ?」
いきなり和成と真太郎が立ち止まった。
なんだろ?と思いながら2人に近づくと見覚えのある人物がいた。
「どうも」
「なぜここにいるのだよっ!?」
「火神ちゃん!?それにテツも!」
勢いよく火神ちゃんに抱きつくと、火神ちゃんの隣りにいたテツも慣れたようにあたしの頭に優しく手を置く。
「なんで海常生のナミさんがここにいるんですか?」
「こいつは今回の合宿の臨時マネージャーだ。お前らはバカンスとはいい身分なのだよ」
その日焼けはなんだ!?と真太郎が火神ちゃんを指差す。
「ちょっと!もうみんな食堂いるわよ。何やってんの?」
ワイワイガヤガヤしてたら女の人の声が聞こえてきた。そちらの方に目を向けると包丁を持って服やエプロンを赤く染めたリコさんが立っていた。
その光景にあたしを含めた全員がビシッと固まる。
「あれっ?秀徳さん!?それにナミちゃんも!」
そう言ってそのリコさんがあたしに近づいてきた。ってゆーか、包丁持って近づかないで欲しい。恐怖だ。
しかしリコさんは、そのままつまづいた。そして持っていた包丁はこっちに飛んでくる
『ぎゃあああああ!!!』
それは間一髪のところで避けられた。やばい、心臓ばくばくする…!
「テヘッ♡滑っちゃった」
「テヘッじゃねーよ!!包丁持ったまま歩き回るなよ!」
「コエーって!しかも一匹仕留めてるよ!」
「きゃあああ!!ゴッ、ゴキがーー!!!」
壁に刺さった包丁は、Gを仕留めていた。虫が嫌いなあたしは、真太郎に抱き付く。
「熟練の殺し屋なのだよ…」
真太郎も少しビビりながら、あたしの頭を撫でた。
「カントク、包丁…きちんと洗ってくださいね…むしろ使わないで欲しいです」
ーーーー
ごはんの準備をしてドリンクを用意して、ついでにレモンの蜂蜜漬けを作って、あたしのやる事は終わった。
「終わったか、ナミ。じゃあ後は自由にしてていいぞ」
「ハーイ、キャプテン!」
よし、海に行こう。
足だけでも浸かりたい。
「ナミ、外に行くならちゃんとタオルを持って行くのだよ」
「分かってるわよ緑ママ」
「ブフッ!!緑ママwww」
真太郎の説教くらう前に体育館から逃げ出した。
後ろから真太郎の怒声が聞こえるがそんなもの無視だ。
タオルを頭に乗せてスキップで浜辺に向かった。
「ん?」
浜辺に行くと砂浜にバスケのゴールがたっていた。
「あれは…誠凛の人たち!」
スキップしながら誠凛のみんがところへ近づく。あれ?リコさんがいないわね…
ちょうど休憩に入ったのか、みんなドリンクを飲み始めた。
「テツ!火神ちゃん!俊くん!」
あたしの声にみんなが振り返った。
「ナミさん」
「よぉ」
「ナミ!?」
「なんで海常のナミがいんだ!?」
日向さんの質問に火神ちゃんがあたしのことを説明する。
「へえー、臨時マネージャーか。オレらも臨時マネージャー付けとけばよかったな」
「俊くんだけのマネージャーになら、いつでもなるわよ?」
「あ、あのー、ナミさん?」
にっこりと微笑みながら、俊くんの腕に抱き付くと俊くんは苦笑いしながらも頭を撫でてくれた。
ーーーー
「お、ナミかー」
「…! 鉄平さん!」
久しぶりに見るその人に、俊くんから離れてバッと駆け寄る。
「木吉先輩、ナミさんを知ってるんですか?」
「中学の頃にコンビニで会うようになって、仲良くなったんだ」
「海常に行く決意も、鉄平さんがいたからできたのよ。」
「……そうですか」
「「……」」
何故だろうか。テツと火神ちゃんと俊くんの顔が少し険しくなった。まあ、すぐにいつもの顔に戻ったから気にしないけど。
「じゃあ練習頑張ってねー!」
そう言って靴を脱いでそこら辺に放り投げた後、海の方へ向かう。
今日は和成のジャージの下にタンクトップと短パンだったため、足が露わになっている。
「白いな…」
「火神くんエロい目でナミさんを見ないでください」
「み、見てねーよ!」
ーーーー
暫く海に足をつけて遊んでいたら、いつの間にか誠凛のみんながいなくなっていた。ドリンクとかボールはあるのでランニングにでも行ったのか。
海からあがってちょっとだけボールを拝借する。少しだけならいいかなと思ってタオルを置いて、そこら辺にさっき放り投げた靴の横に置いた。
ボールを両手で持って適当にゴールリングに向かって投げ放った。
ボールは綺麗な弧を描いてネットをくぐる。
さすがあたしね!
なんて思ってると背後からパチパチと拍手の音が聞こえた。
「あ、リコさん」
急いでボールを拾ってリコさんの元へ駆け寄る。
「さすがナミちゃんね。すごいわ、バスケやってたの?」
「やってないです。あたし、その辺の女子より少し運動神経がいいのよ」
「もったいないわね。いいもん持ってるのに」
「いいもん?胸のこと?」
そう言えばリコさんに胸を掴まれたんだと思い出した。
「ちがうわよ!」
「…っ、」
「あれ?どうしたのナミちゃん!目が座ってるわよ!」
あれ?なんだか頭がクラクラする…
「あ、カクトクとナミ」
するとちょうど誠凛の人達が帰ってきた。
でもあたしの身体は限界がきていてバタンと音を立てて倒れた。
「あれ?ちょ、ナミちゃん!どうしたの!?」
「カントク何したんすか」
「何もしてないわよ!!」
倒れてたナミをみて誠凛の人たちは慌てる。頬が赤く、息も荒い。額からは大量の汗が流れている。
なんとも色っぽい姿にゴクリと喉を鳴らす音がいろんなところから聞こえた。
「熱中症かしら」
「そ、そうかもしれません…ナミさんはジャージを着ていたので…早く日陰に…あと水を…」
そう言い残して黒子が倒れた。
「黒子ぉおおお!?お前もっと体力つけろよ」
「うるさいです火神くん。あと僕にも水を持ってきてください」
ーーーー
リコは素早くナミに水を与えた。しかし飲みきれなかった水がナミの口から垂れて首筋をつたって行った。
その光景にまたもや、いたるところからゴクリと喉を鳴らす音がした。
そんなやつらをリコが部員をキッと睨みつけると全員が固まる。
「今から秀徳高校と練習試合だから、そのままナミちゃんを引き渡しましょ」
『練習試合ぃーーー!?』
「鉄平、ナミちゃんを運んで。あと水戸部くんはナミちゃんにタオルで日陰を作ってあげて。日向くんは黒子くんをお願い!火神くんは練習試合じゃなくて他のことしてもらうから」
リコの言葉に木吉がナミをお姫様抱っこをして、水戸部がタオルを持って日光を遮る。水戸部のもう片方の手はナミが脱いだ靴下が握られている。
火神は「なんで!?」と絶望していた。
ーーーー
練習試合する体育館に向かう途中、黒子がやっと復活した。
そして、体育館の扉を開ける
すると秀徳生の人達が一斉に此方を見た。
『ナミ!?』
みんなの視線は木吉の抱いているナミにいった。
「緑間くん、ナミさん熱中症みたいです」
黒子が緑間に声を掛けるとハッとして、緑間がナミをお姫様抱っこしている木吉に駆け寄る。
「迷惑をかけてすいません」
そう言って木吉からナミを受け取った。
「ブッ!真ちゃんがお姫様抱っこしてるwww」
「コラ高尾笑い事じゃねぇよ!刺すぞ!…緑間、大丈夫かナミ」
「大丈夫みたいです。もう少しすれば目を覚ますと思います」
そう言って緑間はナミをベンチに寝かせた。そして秀徳生がみんなナミに駆け寄る。
頬が赤くて息が荒い、さらには額から汗が流れているナミ。そして高尾のジャージから延びる白い脚。
誠凛のときと同様、何処からかゴクリと喉を鳴らす音が聞こえた。
「おいお前ら!変な目で見てんじゃねぇよ!轢くぞ!!」
そんな奴らを宮地が片っ端から成敗していく。
「高尾、お前もキモイ目で見てるのだよ」
「ち、ち、ち、ちげーよ」
明らかにどもった高尾を緑間が虫ケラでも見るかのような目でみる。
そしてみんなが落ち着いた後練習試合が始まった
あたしが倒れてから目を覚ましたときは、秀徳と誠凛の練習試合があってら退屈だからもう一度寝た。
そして次に目を覚ましたのは真太郎と清志に起こされたときだった。
その後お風呂に入って、暇だったから真太郎を誘って外の自販機までジュースを買いに行った。
「ナミ、ちゃんと髪を拭くのだよ」
お風呂から上がったあと、面倒くさかったので髪を軽く乾かしてから頭の高い位置でお団子にした。
だからまだあまり乾いていない。
「大丈夫よ〜」
と言いながら駐車場を通って宿泊先に向かっていると、目の前でバスケのゴールと火神ちゃんが倒れていた。
「何してんの!?」
「おお、ナミか」
真太郎は火神ちゃんを睨みつけていた。
「んだよ緑間」
火神ちゃんは立ち上がってゴールを立たせた。そして真太郎を睨む。
「用などない。オレたちは飲み物を買いに出ただけなのだよ」
「あたしは真太郎に無理矢理付き合わされたわ」
と嘘を吐くと真太郎に頭を叩かれた。
「飲みもん?…よく夏にそんなもん飲めんな」
そう言って火神ちゃんは、真太郎が左手に持っているお汁粉を指差す。
「冷た〜いに決まっているだろうバカめ」
「そーゆーこっちゃねぇよ!」
2人のやり取りに笑いそうになって必死に堪える。
「まったく…お前には失望したのだよ」
「なんだいきなり!」
「オレに負ける前に青峰にボロカスに負けたろう」
その言葉に反応してしまった。
「ちょっと真太郎!」
真太郎の服を引っ張るが、真太郎はあたしを無視する。
「オレが倒す前にそう何度も負けてもらっては困るな…来い」
そう言って真太郎が左手のテーピングを外し、そこら辺に転がっていたボールを拾ってあたしにお汁粉を渡してきた。
もう知らないわ。お汁粉も飲んでやる!
そして真太郎と火神ちゃんの1on1が始まった
ーーーー
どうやら10本勝負らしい。あたしが記録をつけることになった。
「すごい…!真太郎」
今のところ真太郎が圧勝だ。
「やめた。このままでは何本やっても同じなのだよ」
「なっ…てめぇ」
「いいかげん気づけバカめ。お前を止めることなどたやすい。なぜなら、必ずダンクがくると分かっているのだから」
その言葉に火神ちゃんはハッとする。真太郎がアドバイスするなんて珍しいわね…
「行くぞナミ…あと高尾」
「和成?」
「あり?バレてた?」
なんと草むらの向こうに和成とテツが隠れていた。あたしはお汁粉を真太郎に返してテツに駆け寄る。
その間に真太郎と和成はスタスタと歩いて行ってしまった。何よ、こんなかわいいあたしを置いて行くなんて
「ナミさん、髪がまだ濡れてますよ。ちゃんと拭いてください」
「はいはい」
テツが言うなら仕方ない。あたしはテツから離れて、髪の毛をゴシゴシと拭く
「次の公式試合…なんだっけ?」
「WCです」
「そうそれ。……がんばって」
「お前は海常生だろ?オレたち応援していいのかよ」
真太郎に負けたからなのか火神ちゃんが若干イラ立ったような声で言った。
「火神くん、ナミさんに八つ当たりしないでください」
「……わ、悪ィ。そんなつもりなかった」
すごく焦っている火神ちゃんだが、あたしはあまり気にしてない。
「大丈夫よ。それにあたし、みんな応援してるの。海常生だけど、バスケ部じゃないあたしには関係ないわ。
友達を応援するのに、理由なんていらないでしょ」
「ありがとうごさいます」
「うん。あ、でも大ちゃんはボコボコにしてやって構わないわよ」
この前会ったとき胸揉んできてムカついたからという言葉は伏せておく。
それじゃ、と手を振って真太郎たちを追いかける。
「青峰とナミって仲悪いのか?」
「いえ、その逆ですよ。でも大方、青峰くんがナミさんを怒らせるようなことしたんでしょうね」
ーーーー
「真太郎!和成!」
「お、ナミ来た」
「…………おい、ナミ。お前から返してもらったお汁粉が空なのだが、どういうことか説明してくれるか?」
「げっ…ヤバイわ………逃げるわよ和成!」
「え、何でオレも!?」
「ナミィィィ!!!」
どうも、中々いい感じの小説だね。サンジのもリクエスト良いかな?
111:お香しゃちょー◆kk hoge:2018/03/18(日) 22:00 ID:u5k なかなかって…褒められてんのかわかんねー(笑)
いいけど、書くの遅いっす(笑)
「笠松先輩!みんな!!」
「ナミっち!!…ってそこは涼太くんって言う所じゃないスか?」
急いで海常高校の控え室に入る。駄犬が何か言ってるがそんなもの無視だ
今日はインターハイ当日。駄犬に見にくるようにと言われてたし、合宿の場所から近いということで見に行くことにした。
(今日はキセキの世代のスタメン同士の戦い…涼太くん対大ちゃん…!!)
涼太くんが大ちゃんに憧れてバスケ部に入ったことは何度も聞かされててから知っている。よく二人で1対1(ワンオンワン)をしていたことも…
そして、涼太くんが一度も大ちゃんに勝ったことがないことも
「や(り)ますよオ(レ)っ!!練習の成果を今こそっっ!!がんば(り)ますか(ら)っ!!マジでオ(レ)っ!!」
「は!?なんて!?」
やはりと言うべきか、このラ行が言えてなくて早口の先輩、早川充洋は、いつも通り暑苦しい
「だか(ら)っがんば(り)ますオ(レ)っ!!」
「あつっくるしーし、早口だし、ラ行言えてねーし、何言ってっか分かんねーよバカ!!」
バコッと笠松先輩が充洋を殴る。
「すんません!でもオ(レ)っ…」
「オイ森山!なんとかしてくれ、このバカ!」
笠松先輩がそう言うと、ストレッチをしていた由孝がこっちを見た。
「おお、ナミ!オレは今日、オマエのために戦うぞ…!!」
「無視かオマエ!そんで海常(ウチ)のために戦え!」
ヒラヒラといい笑顔でこちらに手を振る由孝に、苦笑しながらあたしも手を振る。
「センパイッ!!」
「あぁ!?」
すると、さっき控え室から出て行った涼太くんが笠松先輩に声をかけた。
「ファンの子からさっき差し入れもらったんスけど、食って大丈夫ですかね!?万が一何か入ってたら…」
少し困った様子を見せる涼太くんに、なぜか無性に腹が立ってので、そばにあったスクイズを涼太くんの顔面にめがけて投げる。もちろん命中した。
「食ってできれば死◯ね!!」
笠松先輩も目を釣り上げて涼太くんを蹴る。
ーーーー
「どいつもこいつも…つーか集中させろ!!」
笠松先輩がキレていると、ガチャっとドアが開いた。
「オイ、お前ら準備はできてるか。もうすぐ入場だぞ」
「監督!あたし、ベンチで見た…い!?」
「気合い入れていくぞ。
それと朱崎、ベンチで見るのはいいが周りに迷惑はかけるなよ」
((なんで桐皇のイケメン監督に張り合ってんだオッサン!))
あぁ、あたし今、笠松先輩と同じツッコミを入れた気がする…
だって小汚いただのオッサンが、ピッチピチのスーツ着て髪の毛も整えて、ひげも剃ってるのよ!?
「ゲームプランはさっきのミーティングで話した通りだ。あとは集中力高めとけよ」
笠松先輩はツッコミに疲れていたが、あたしたちは面白くて笑うのを必死に堪える。
ーーーー
「黄瀬、あと五分になったら呼べ」
「あ、はいっス」
そう言うと笠松先輩は、そのまま控え室を出た
「やっぱセンパイでもキンチョーするんスねぇ…」
「そうね…」
「まあ
それだけじゃないがな…あいつは」
「「え?」」