GODZILLA-Raging Giant-

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1:匿名 hoge:2018/07/25(水) 17:49 ID:a8M

それは炎から生まれた。全てを焼き、汚し尽くす禍々しきプロメシュースの火。全ての命を刈り取る死の輝きの中で、"それ"は神のごとき獣となった。もう、誰もヤツを止められない。
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それは星から生まれた。この宇宙にただ一つの、青き命の星。絢爛たる極彩色の翼、優雅なるそれはしかし強者であった。青き星で共に生きる、全てのもののため……"それ"は守るために、戦う。
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それは闇から生まれた。眩い星々と、それさえ包み込む果ての見えぬ宇宙。そして"それ"は黄金に輝く姿であった。己より眩きもの、また己に影落とすものは有らずと嘯くがごとく。伏して拝むがいい。黄金の終焉を。
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そして、一人の男が異世界に召喚された。その過酷な運命を、己ばかりか神さえ知らぬままに。

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GODZILLA-Raging Giants-
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副題:異世界でチート能力で無双でハーレム!のはずが……!

6:匿名:2018/07/31(火) 21:38 ID:kKQ

「油断は禁物だよ、二人とも。……そいつで最後じゃないみたいだ。」
「え?……うわ、ほんとだ。」
「この殺気……いつの間に。だが、この程度。……チイト殿?」
チイトは得物を構えた二人を制しつつ目配せすれば、正面を静かに見据えたのち目を伏せ……剣を一周振るった。直後、三人の周囲が一瞬にして切り開かれる。細切れになっていく木々の中に、トロルの生き残り達だった残骸も紛れていた。先程魔女と騎士を取り囲んだ時の倍は居ただろうか。それが、ただ一太刀で凪ぎ払われた。
「お見事です、チイト殿。何という剣技……流石は選ばれし勇者。」
「さっきの魔法も凄かったです!あんな強力なフレアボール、チイト様にしか出来ないわ。勇者ってやっぱりすごいのね……。」
「ああ、うん……ありがとう。」(そんなに凄いかな?結構簡単なんだけど……。)
勇者。チイトと呼ばれた若者の、もう一つの名。彗星の如く現れ、無双の剣技と魔法の使い手として勇名を馳せる英雄は、今日も一つ武功を重ねることとなった。
(でも……悪くない。この世界では、僕は英雄なんだ。皆が僕を認めてくれるんだ。)
チイトは確かな手応えを感じながら、英雄に至るまでのあの日からをトレスし始めた。
そう、発端はまだ半年も経たぬ頃の事である……。

【Chapter1:終】

【NextChapter:復活のとき】

7:匿名:2018/08/09(木) 00:53 ID:QqM

Chapter2:復活のとき
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ある時、日本の平凡な男子高校生であった神居智絃の人生は一変した。家路の最中交通事故に見舞われ不慮の死を遂げたはずの彼は、尋常ならざる空間に飛ばされ"神"を名乗る存在と対面、信じがたい言葉を掛けられる。
「君が死んだのは手違いだった。お詫びに来世では君を英雄にして差し上げよう。……前世の暮らしは、辛かったろう?」
智絃は"神"の言葉に二つ返事で飛び付いた。家族、同級生といった人間関係、学業、進路といった生活状況……全てが平凡なかつての自分に大きな不満を抱いていたからだ。智絃は神より分けられた力を携え、全てをやり直す道を選んだのである。

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智絃が来世……というより生涯の続きを迎える事となったのは、古風な西洋的文化を持つ世界、しかしそこは魔法や尋常の物ではない生物、そして明確に存在する"神格"のありふれた幻想的な異世界であった。そんな世界における智絃の"英雄譚"の第一歩が踏み出されたのは、転生から間もなくしてのある事件が切っ掛けであった。

【続】

8:匿名:2018/08/16(木) 01:05 ID:Tw.

「英雄にする」と約束した"神"の言葉を信じ、自ずから何をするでもなかった智絃は当てもなく放浪を続けていた。そんな放浪の中、智絃は戦火のただ中にあった小国"プライディニア"に足を踏み入れる。王城とその城下町のみが領土というこの小国は、大陸の半分を支配する大帝国"グラトナ"の脅威に晒され、陥落も時間の問題というところまで追い詰められていた。グラトナ軍の蹂躙と略奪を目の前にして、義憤に駆られた智絃はたった一人でグラトナ軍へと立ち向かった。……そして、智絃は神の約束した、己に与えられた"英雄の力"を目の当たりにする事となった。戦う事など当然始めての事である智絃、しかしまるで生まれたときから知っているように、智絃の体は戦いの動きを取っていた。剣、槍、棍、斧、……グラトナ兵のあらゆる攻撃は空しく空を切り、逆に智絃の剣戟が外れることはなかった。人間離れした精密機械のごとき剣術は、刃で敵を斬るに飽き足らぬように疾風を伴って敵の大群を一閃の元に細切れにした。怯んだグラトナ軍は距離をとり、弓やクロスボウ、そして魔術師による魔法攻撃といった遠距離戦に移ったが、彼らの寿命を縮めるだけであった。智絃が自らの眼前で手を翳し、呟くように詠唱すれば、智絃から勢いよく放たれた炎の津波が攻撃を跳ね返し、そしてその先にいた敵を蹂躙した。……国の興亡がかかった戦いは、僅かに30分足らずで決した。プライディニアに侵攻した30万ものグラトナ軍は、智絃たった一人の前に残らず殲滅されたのである。
【続】

9:匿名:2018/08/16(木) 01:15 ID:Tw.

生き残った人々は誰からともなく、瓦礫の山から身を躍らせ智絃を讃えた。故知れぬ無双の戦士、そんな素性の相手へ持つべき懐疑は、救国への感謝に塗り潰されていった。智絃は王城へと召喚され、国王夫妻への拝謁を許された。国王はやはり智絃の活躍を讃えると同時に、その実力を見込んである試練を課した。曰く、王家に代々伝わってきた伝説の武具を与えるという。その強大な力ゆえこれまでにそれを手に出来たものはないとされてきた、竜を刻印された大剣と金刺繍の黒コート。これさえも、智絃にとっては何ら苦もなく物としてしまった。プライディニアにおける智絃の株は、留まるところを知らず上がっていく。そんな中、智絃に二つの出会いが訪れる。
【続】

10:匿名:2018/08/16(木) 01:24 ID:Tw.

最初に来たのは、智絃からすれば子供の様に小さな少女であった。リルと名乗った赤毛の少女は、見習いながらも魔術師であるという。リルは先の戦いで智絃が放った炎の業に惚れ込み、押し掛け弟子として参上したのであった。智絃は不思議がったが、先の炎の業に限らず智絃の用いる魔法は、この世界における最上位の魔法すら凌ぐ代物である。ゆえにあらゆる魔術師の羨望と尊敬を集めるのは必然だったと言えよう。リルの熱意に押し切られる形で同行を許した智絃、しかし教えたところでリル……どころかこの世界の魔術師に理解できるとも思えなかったため、「見て盗め」と言って適当にあしらっている状況が今も続いている。
【続】

11:匿名:2018/08/16(木) 02:08 ID:Tw.

リルを伴い、智絃はそれからもプライディニアの為に戦いを続けていた。相も変わらず攻め混んでくるグラトナ軍は勿論、戦時下の混乱に乗じた野盗などの処理も買って出たのである。しかしそれに待ったをかけたのが、プライディニアの親衛騎士団長ロニアである。齢18という、プライディニア親衛騎士団長として最年少にして初の女性という輝かしい経歴を持つ彼女は、どこの馬の骨とも知れぬ智絃に国防を委ねることに反対したのである。"剣舞の美姫"との異名をとり、騎士団長に相応しい剣術の使い手であるロニアは、宥めようとする智絃を押し切って勝者こそがプライディニアの剣と盾足るに相応しいと決闘を申し出た。そして実際の決闘では、序盤こそ手荒な真似をしたくない智絃が防戦に入っていたが、実力では圧倒的に勝る智絃が一閃でロニアの剣を弾き勝利した。己の不覚を恥じ自害しようとするロニアであったが、智絃から「命を無駄にするな」と諭されれば自害を思い止まったばかりか智絃に惚れ込んでしまい、リルに続く二番弟子として智絃に従う事を決めたのである。
【続】

12:匿名:2018/08/16(木) 02:32 ID:Tw.

かくしてこの三名は、主に智絃の無双に頼るところが大きかったもののプライディニア国防の柱として、各地の戦場を駆け巡っていた。この日も、悪名を轟かせていたトロルの野盗を討伐すべくプライディニアを出立し、通りすがった田舎村にてそれを成し遂げたところであった。
「お疲れ。案外簡単だったね。」
「はは、チイト殿もお人が悪い……貴方ほどの力なら、案外も何もありますまい。あの剣術に勝るものなど!」
「ほんとかっこよかった!でも、あんなの見せられたら自信無くしちゃうかも。あんな凄い魔法、一体どこで……?」
尊敬の眼差しを向けてくる二人に左右から挟まれつつ、智絃(チイト)はプライディニアへの家路についていた。この世界では自分が一番、それが許される。嘗ての世界では絶対に味わえない優越感を胸に抱いて、その永遠と絶対を願いながら。
……この時のチイトには、知る由も無かった。異世界の民が己だけではないことを。そしてそれが、終末を呼ぶ絶対的な破壊の力であることを。

【Chapter2:終】

【NextChapter:異変、そして加速】

13:匿名:2018/08/24(金) 23:22 ID:8AM

Chapter3:異変、そして加速
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洋上を帆船の船団が行く。十数隻のフリゲートを従えるは、巨大な一隻の戦列艦。全長は70m弱、100門を超える砲を備えた巨船の名は「グラン・グラトナ」。この世界における最大最強の戦列艦であり、その名が表すようにグラトナの強権の象徴でもあった。しかし今、その船はプライディニアの国章を主帆に頂き大海を渡っている。それは、一週間前の事。先のプライディニア侵攻の折、チイトただ一人に負わされた陸軍の大損害を鑑みたグラトナ皇帝は、海軍力によるプライディニア制圧を命じた。それは軍事作戦と言うよりも、大国の面子を潰された皇帝の個人的報復に近く、占領よりも殲滅を優先させる命が下されていた。無論、その中には「グラン・グラトナ」の姿もあり、皇帝の本気を窺わせた。だが、海での戦いもプライディニア……厳密には、チイトただ一人の勝利に終わった。チイトの繰り出す剣術と魔法の数々は、最強を謳われたグラトナの海軍を赤子の手を捻るように退けていった。無数の火球が船を一撃で火だるまにし、暴風が船を砕き散らし、そして渦巻く水流が船を引きずり込んだ。最早天災じみたチイトの魔法に浮き足だったグラトナ艦隊に、チイトが単身乗り込み剣術によって容易く制圧し、結果多くの艦艇がプライディニアに拿捕されたことでプライディニアの海軍力を大きく強化することとなった。そして今拿捕された艦に含まれていた「グラン・グラトナ」は、慣熟訓練の為プライディニアの手に落ちてから最初の航海に出た所であった。
【続】

14:匿名:2018/09/02(日) 18:21 ID:mXE

「よし、このままミシャン港に戻ろう。進路を保持。……それにしても凄い船だ。勝てぬはずだ……だが、そんなものが今や自由に使えるとは。彼が来てからというもの、風向きは明らかに良くなっている。」
船員達に指示を飛ばしながら最上甲板で歩みを進める年若い男は、その身なりから船長であることが窺えた。船長は新たな相棒の主帆マストを軽く撫でれば、かの英雄に思いを馳せていた。神のごとき絶対の力。世界を導く光。チイトがそれであると、プライディニアの誰もが信じて疑わなかった。夢にまでみた自由と平和の日が、異世界から来た一人の若者の手でついに取り戻されると確信していた。
【続】

15:匿名:2018/09/03(月) 22:45 ID:2Ls

「……船長!」
船長を我に帰したのは、悲鳴のような船員の呼び声だった。一人ではなく、最上甲板にいる全てが左舷に集まり一様に海上を指差している。船員達の異様な雰囲気に言い様のない不安を抱えつつ、彼らを掻き分け最前列にたどり着く船長。
「ああっ……!"コペリア"が!?」
左舷側に展開していたフリゲート艦"コペリア"が、"へ"の字に折れ曲がり大破していた。その船体はさらに折れ曲がり瞬く間に引き裂かれ、大量の船員と僅かな浮遊物を残して容易く海に消えた。
「て、敵か!?いや……海竜か!」
一切の砲声もなく、第一敵船の姿も見えない。それでいてフリゲートを容易く沈める存在の心当たりは、"海竜"を置いて他になかった。この世界の海に生きるものにとって、海竜は最大の脅威であった。一般に体長20mを超え、柔軟で細長い肢体と強靭な牙と顎を持つ海洋生態の頂点捕食者。並の戦闘艦艇でさえ撃沈することは珍しくないそれの存在を確信しつつも、船長はすぐに落ち着きを取り戻した。
「この船を何だと思っている。あのフリゲートとは訳が違うぞ。海竜め!火薬玉をばら蒔け!」
確かに海竜は脅威だが、勝てない相手ではない。一線級のガレオン船さえあればどうにかなるのだ。ましてや自分の乗る船は世界最強の船。負けるはずは無い。"グラン・グラトナ"の威容は若き船長を自信付かせ、またそれは戦術的にも事実であった。"グラン・グラトナ"の甲板と舷側の砲口から、大量の火薬を詰め込んだ鉄球が海に投げ込まれていく。海竜との戦いにおける常套手段だ。空気ごと密閉された導火線の発火装置を備えたそれは、一定の深度で炸裂し衝撃波で水中の全てを凪ぎ払う。爆発の後、気泡が激しく巻き起こり"グラン・グラトナ"を取り囲む。爆破の衝撃にあてられた魚類等の海洋生物が浮き上がってくる。その中には、海竜の姿もあった。船員達の歓声が上がる……だが。
「小さすぎる……フリゲートを一撃で沈めるはずがない。」
それは10m弱に過ぎず、船長が危惧した海竜の半分にも満たないものだった。……そして、本当の脅威が迫りつつあった。

【続】

16:匿名 hoge:2018/09/10(月) 18:00 ID:9C.

乗組員達の歓声は、"グラン・グラトナ"正面で発生した閃光と共に遮られた。海面を割るようにして、一筋の青白い光柱が天へと伸びる。海水は激しく煮えたぎって白煙となって蒸発し、光柱の周囲にいた三隻のフリゲートは衝撃波によってマストをはじめとした構造材を毟り取られ、半秒と立たぬ内に船の形を失った。離れていた"グラン・グラトナ"もまた風圧によって各所を破損、乗組員の一部も甲板から拐われ海に消えていた。吹き飛ばされ頭を打ちながらも、辛うじて甲板に止まった船長であったが、度重なる異常事態に当惑するばかりである。
「……ば、バカな……こんな海竜がいるはずが……!それにこの破壊力、まるで彼の……!」
己を襲った数々の現象があからさまに自然の物ではないと思い至り、またその圧倒的な破壊力は船長の脳裏に心酔するチイトの存在を過らせるも、続いて海中から現れた存在が全てを明らかにした。
「ああ……!?こ、こんな……こんな物が……!!」
海竜どころか、この"グラン・グラトナ"でさえも及ばぬ漆黒の巨影。小山のごときそれの頂点部から先の光柱と同じ青白い閃光が迸った瞬間、若き船長の体感時間が鈍化する。迫り来る光の奔流が接触するより先に、衝撃波によって"グラン・グラトナ"の船体は先のフリゲート同様に紙細工よりも容易く砕け、引き裂かれていく。自分の前にいた船員たちは松明のように燃え上がったかと思えば、骨さえ残さず蒸発しつつ光の中へ呑み込まれていく。そして、若き船長も……。

△△△△△△△△△△△△△△△△△△

【続】


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