Fate/staynightの衛宮士郎がセイバーに裏切られた話。
2:匿名さん:2019/12/18(水) 18:22 ID:b02 言峰「さぁどうする?セイバー。衛宮士郎を始末すれば聖杯をお前に渡してやるぞ?」
士郎「ふざけるな言峰!!セイバーはそんなこと絶対にーーーガハッ!?
ザシュッ
セイ...バー......どう.........して............。」
セイバー「私は、貴方が『あの男』の息子だと知って信用できなくなった。
『あの男』は私に『令呪』で『聖杯の破壊』を強制した。
そんな事をされる位なら、その前にこの聖剣で始末した方が良いと思った。」
士郎「......(セイバー。そんなに『じいさん』が憎かったのか?
でも、だからって俺を始末する事はないだろ!?
『じいさん』。あんたの言う通りだった。
アンタノイウトオリ、エイユウガドンナヤツカスコシダケワカッタキガスルヨ)」
言峰「おめでとうセイバー。これで聖杯はお前の物だ。早く受け取ると言い。」
セイバー(ようやく聖杯を手にする事が出来た...!これで選定のやり直しを!!)
ギルガメッシュ「あれを見よセイバー。どうやら貴様の願いは叶わない様だぞ?」
セイバー「何?」
セイバーは後ろを見る。すると...。
士郎「セイ...ハイ...ヨ...。オレヲ......カコニ.........モド...シテ......クレェ......!!」
そして辺り一面が真っ白になった。
士郎「うっ......ここは?」
士郎は目を覚ました。だがそこは真っ白な空間であった。
???「気が付きましたか?」
女性が士郎に声をかけた。
士郎「誰だ!?」
士郎は女性から距離を取って警戒する。無理もない。ついさっき裏切られたばかりなのだから。
士郎「ここは何処だ!?そしてお前は誰なんだ!!?」
???「落ち着いてください。ここは貴方の願いを叶える聖杯の内部です。
そして私は、解りやすく言えばこの聖杯の意思そのものです。」
女性は士郎に落ち着くよう言いながら、質問に答えた。
士郎「ここが聖杯の中?どうして俺がここにいるのか教えてくれないか?」
士郎は聖杯に『過去に戻る』事を要求した。
だが何故自分が聖杯の中にいるのか理解できなかった。
小話=ここでは聖杯に意思がある設定で通しますので、あしからず。
聖杯「貴方は私(聖杯)に求めました。『過去に戻る』事を。
ですが、それだけでは駄目なのです。
『今』の貴方が過去に戻った所で、同じ轍を踏むだけ。
だからこそ、私(聖杯)は貴方をここに連れてきた。」
士郎「な、何が駄目なんだ?お前は俺に何を求めるんだ!?」
聖杯の言った言葉は正しい。
それを正すために士郎は聖杯の内部に連れて来られた。
聖杯「『今』の貴方は、セイバーに復讐する事しか頭にない。
その状態で過去に戻れば貴方は令呪で自害を強要するのではないですか?」
士郎「っ!?」
図星だった。
そして、急速に頭が冷えていく。
セイバーを自害させた所で、自分の命が危ない事に変わりはないのだ。
ランサー、ライダー、キャスター、アーチャー、バーサーカー、アサシン、金色のアーチャー、
その他諸々、数え出したらキリがない。
士郎「......復讐をするなっていうのか?そんな事を言われても、俺は止めない。」
聖杯「貴方自身がセイバーに復讐する事は否定しません。
ですが、自分の気持ちを整理してから行動してほしいのです。」
そう言って聖杯は
聖杯「だから、今は思いっきり泣いても良いのですよ?」
士郎を優しく抱擁した。
士郎「...!?うっ、ううぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅ......!!」
士郎は泣いた。思いっきり泣いた。
何故自分がこんな目に遭わなければいけないのかと、自分は何も間違えていないと、
イリヤスフィールに命を狙われるのはお門違いだと。
そうしていくうちに士郎は泣き止んだ。
士郎「えっと、その...ありがとうございます?」
聖杯「ふふっ、お気になさらず。」
聖杯は微笑み、その後真剣な顔をした。
聖杯「気持ちの整理が着いた今だからこそ言います。
士郎くんはセイバーに復讐をするんですか?」
士郎「復讐はしない。でも、俺はもうあいつと仲良くする気はない。
今度は真っ当な主従関係を築こうと思っている。当然聖杯も渡さない。
私情を挟まず、利用できる時に利用する。それだけさ。」
聖杯「わかりました。では、貴方に力を授けましょう。
聖杯戦争を、この世界で生き残るための力を!」
聖杯は士郎の額に触れて、力と同時に士郎が生き残る上で必要となる知識を与えた。
士郎「っ......これは!?」
士郎は頭を押さえる。
聖杯「貴方の魔術回路の本数を50に増やしました。
そして、貴方は投影魔術が得意のようですから、
幾多の英霊達の武器や技術を貴方の記憶に移しました。
これでうまく立ち回れるはずです。
ただし!体もきちんと鍛えてくださいね!?
体を壊した時に私は責任は取れませんからね?」
謎の圧を感じてそれに頷く士郎。
士郎「...?あれ?」
士郎の体が粒子となって消えていく。
聖杯「どうやら時間のようですね。」
士郎「......そうみたいだな。」
士郎は悲しい顔をしたが、その目には固い決意が宿っていた。
士郎「ありがとう聖杯。お前に会えて良かった。
俺はもう間違えない。必ず生き残って見せる!!」
聖杯「私も士郎に会えて良かったです。貴方の無事を祈ります!!」
聖杯によってやり直しの機会を与えられた士郎は『過去に戻った』。
そして.........
士郎「痛っ!?ここは?......お前は!!?」
???「サーヴァント、セイバー。
召喚に応じ参上した。
ーーー問おう。
貴方が私のマスターか?」
第五次聖杯戦争は幕を開ける
第一部 騎士王の裏切り/衛宮士郎のやり直し 完
『プロフィール』
衛宮士郎
聖杯の力で過去に戻ったセイバーのマスター。
『聖杯の意思』と邂逅した際に、『今』の状態で過去に戻っては同じ轍を踏むだけだという事で、肉体改造的な事を3つされた。
1、魔術回路の本数を50本に増やした。
2、幾多の英霊の武器や技術に関する記録を脳に移された。
3、膨大な魔力を体内に宿した。
セイバーの事は裏切られた事もあり嫌っている。仲良くする気は毛頭ない。
間違いを犯さないために、主従関係を築こうと思っている。恨みはあるが、復讐心はない。
好きなもの 家庭料理
嫌いなもの 梅昆布茶
天敵 言峰綺礼、セイバー、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、アーチャー
聖杯戦争が終わったら 自分の夢(正義の味方になる事)を実現する
士郎「痛っ!?ここは?......お前は!!?」
士郎は怒りと恨みの感情に囚われそうになった。
だが、それを必死に抑える。
???「サーヴァント、セイバー。
召喚に応じ参上した。ーーー
士郎はこの瞬間に、何度も思った。
あの時の大災害で『あの人』に助けられた頃に戻れたらどれ程幸せだったのかと。
−−−問おう。
貴方が私のマスターか?」
そこは、自分を裏切った英霊と初めて出会う切っ掛けとなった蔵だった。
今更どう思っても遅い。ここからやり直しが始まる。
戦いの火蓋は切って落とされたのだ...。
第2部 裏切者との再会/第五次聖杯戦争、開幕
セイバー「ここに、契約は成された。私は貴方の剣となり、勝利へと導きましょう。」
セイバーは何か言っているが、士郎の耳には届かなかった。
???「何!?クソッ、あの小僧が最後のマスターだったのか!!」
赤い槍を持った男、ランサーが言った。
セイバー「っ!?離れていてくださいマスター!!
貴方の安全のために私はあのサーヴァントを倒す!!」
士郎「あっ...待て!!」
セイバーが離れて、ようやく落ち着きを取り戻した士郎。
しばらくの間セイバーはランサーの槍を捌き、ランサーはセイバーの剣を捌いた。
ランサー「お前、セイバーか?」
セイバー「どうだろうな?これは槍かもしれないし、斧かもしれない。」
ランサー「へっ、抜かせ。」
そして時間がやって来る。
ランサー「悪いが止めを刺してやる。」
その言葉と同時に槍が赤く光る。
ランサー「その心臓貰い受ける!!」
槍は投合され、不可思議な動きをしながらセイバーに当たりそうになる。
ランサー「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)!!!」
セイバー「躱して見せる...!」
セイバーは躱そうとしたが、
セイバー「グッ...!?」
左肩に命中した。
ランサー「クソッ、仕留め損なったか...!」
槍はランサーの下に戻って来る。
セイバー「今の槍......まさか貴方は、ケルト神話の英雄クー・フーリン!!」
今ここに、ランサーの真名が判明した。
ランサー「ヘッ!今のでバレたか。まだ戦い足りねぇぜ!!...と言いたいところだが、
生憎俺のマスターは臆病でね、暫く戦った後は帰ってこいとの事だ。」
セイバー「逃げるのか?」
セイバーは挑発する。
ランサー「ワリィな。今度会った時は全力ぜ戦うさ。じゃあな!!」
ランサーは霊体化して帰っていった。
セイバーは士郎の下に駆け込む。
セイバー「ご無事ですか?マスター?」
士郎は答える。
士郎「...あぁ、平気だ。」
セイバー「ところでマスター、貴方の名字と名前を聞きたいのですが...。」
セイバーはそう言った後、士郎は迷う。
名前は良い。だが、名字まで教えるべきか?
その迷いを振り払って士郎は答えた。
士郎「......衛宮士郎。俺の名だ。」
セイバー「衛宮?」
セイバーは顔を歪める。
士郎は『やはりそうか』と心の中で呟く。
士郎「...何か不満でもあるのか?」
士郎は問う。
セイバー「っ、いえ、何も...。」
セイバーは少し焦る。マスターに不信感を与えるわけにはいかないのだ。
士郎「そうか...。なら、俺の事は『マスター』と呼んでくれ。
名前で呼ぶと敵マスターにバレるかもしれないだろ?」
セイバー「はい。わかりました、マスター。」
士郎は自分の事を『マスター』と呼ぶように言った。
主従関係を築くため、二度と自分が失態を犯さないようにするための決意を込めての言葉だ。
この二次創作における衛宮士郎の現在。
1、聖杯の加護により力を得た。(>>10参照)
2、前回の士郎は『やり直しなど不可能』だと考えていたが、
セイバーに裏切られた事で、『自身の考えに疑問を抱くようになった』。
3、士郎はセイバーの事を、『聖杯のためならマスター殺しも厭わない外道』と認識している。