もうこれ以上匿名板に創作系スレ要らないよってなれば勝手に下がるだけの、気まぐれ創作スレ
だから目障りだったら書き込まず下げてくれ
基本的にリレー小説式だけどふざけ過ぎはやめてね
(世界観のイメージはファンタジー)
以下スタート
ほい1レス目↓
目の前の水面から飛び出してきた光が、少年の目に駆け込むように入ってきた。
一瞬、彼の濃い緑の瞳が光を吸い込んで黄緑色に変化する。
少年はその眩しさに思わず目を瞑った。
上を見上げる。
太陽はすでに彼の真上にまで昇っていた。
湖の水面が強い日光を受けて、その光を反射したらしい。
少年は深い青色をたたえたそれから目を離すと、そのまま視線を固く握り締めた自分の右手に移した。
「早く帰って、これをお師匠様に見せなくっちゃ」
強い調子でそう呟きゆっくり手を開く。
先ほどの光の何倍もの輝きが、彼の右手から溢れてきた。
血のように真っ赤な、小さな宝石がそこにはあった。
強過ぎる赤の光を鎮めようとするかのように、少年は再びそっと手を握った。
道を歩き出してすぐに、少年は左を見た。
太陽は連なった山々の向こうに沈んでいる最中。
立派な夕焼けが見える。
この場所には時間が二つ存在するのだ。
「綺麗だ...」
少年の透き通った声が、何も存在していないとまで思わせる静かな世界に響いた。
風が彼の鼓膜と金髪を揺らす。
彼の頬を汗がつたった。暑すぎる。もうすぐ秋になるというのに、真夏のように暑かった。
急な強い衝撃が少年を立っていられなくした。どうやら強い力で倒されたらしい。膝から倒れ込んだ彼を、何者かがさらに押さえ込み、その綺麗な髪が地面に着いた。
「なんだ、、?!」
彼が目を細めると、その「者」が見えた。
(こども、、、?)
耳が隠れないほどの赤い短髪に、赤い瞳。綺麗な顔立ちだ。
「お前の持っている宝石、よこせ」
男の子だと思ったが、どうやら女の子らしい。声が高く、短いスカートだった。
「どうして、、」
少年は渡すまいと手を強く握った。
だが、赤髪の彼女はすごい力で少年の腕を強引に彼の頭の上に持ってこさせた。
「これを、渡せ」
「な、、っ」
湖を中心に、向こう側が日が暮れたようだ。たちまち暗くなっていく。
ただ、少年と少女のいる方では、太陽が燦々と照りつけている。
「、、チッ」
日が暮れた向こう側の世界に目をやった彼女は、小さく舌を鳴らして少年から離れた。
「日が落ちる。こんな所でグズグズしている余裕はないんだ」
少女は早口でそう言って立ち上がると、腰元の鞘からすらりと剣を抜いた。
柄の部分に散りばめられた珠は、まるでここの湖のように青く透き通った色をしている
それがあまりにも綺麗に思えて、こんな状況下にも関わらず少年は一瞬それに見惚れてしまった。
だがその切っ先が自分の喉元に向けられると、流石に我に返ったのか、慌てて口を開いた。
「待ってよ、どうして君はこんなことをするんだ?」
「それは私達の大切な宝石の一つだ。長い、長い時の間守り抜いてきた神秘のかけら」
少年よりもずっと幼いように見える少女は、彼よりもずっと落ち着いた、というよりもほとんど機械的な口調で答えた。
少年はその言葉にはっとして、恐れも忘れ聞き返す。
「じゃあ、やっぱりこれは『神秘のかけら』というものなの?」
少女がこくりと頷いた。少年は息をのむ。
「お前などには想像もつくまい。私たちがどれほど神秘のかけらを大切に集めて回っているかを」
彼女の綺麗な顔立ちが悔しそうに歪む。
「その『紅』色は、私が管理を任されていた。抜かりはなかったはずなのに...まさかお前のようなコソ泥に奪われてしまうなんて
少女が片手を伸ばして少年の喉を掴み、ギリっと締め付けた。
幼子の力とは思えない異様な腕力だ。
「力尽くで奪い返す手段に出る前に聞いてやる。なぜこれを盗んだ、言え!!」
少年は苦しそうに呻いて首を横に振った。
「僕は盗んでない、本当だ!この宝石はさっき拾ったものなんだよ...でも、今はまだこれを返すわけにはいかない。これで...お師匠様の...病気が」
息が出来なくなり、少年は言葉を止めた。
「病気?」
同時に少女の締め付ける手がふと緩くなる。
彼女は表情を曇らせて呟いた。
一瞬の呼吸の自由に、体が酸素を欲し喉がひゅーと音をたてた。咳が出ているが、少女はそんなことまったく気にせず彼を見ている。次の言葉を待っているようだ。
「お師匠様は...、呪いにかかった」
荒い息を整えながら彼は言った。
「この神秘のかけらがあれば呪いが解けるはずなんだよ。お願いだ、これを僕に少しの間預けてくれないか?」
赤い瞳が深い緑色の瞳と合う。彼女の目は、まるでこの神秘のかけらのようだ。
「まさに今会ったお前のことを信用出来るはずもない。私も一緒に行こう」
チャキッと音をたてて、彼女は剣を鞘に戻した。
「君は何者なの」
自分の後ろから数歩距離を置いて歩く少女に向かって、少年は慎重に問いかけた。
「、、プラエフェクトゥスの族だ。」
プラエフェクトゥス。ラテン語で、《守護》を意味していた。
「そうか、僕はヒーラー族なんだ。病気を治したり、癒したりする。」
そう言って、彼は手の中の宝石を見つめた。
「ヒーラー族が呪いにかかったなんて、元も子もないな。」
足も止めず、彼女は声のトーンを変えずに言う。
「マグス族だろう。そのお師匠とやらに呪いをかけたのは。私の仲間もマグス族に呪いをかけられた。お前の話を聞いて、信用は出来ないが同じ思いなのは確かだ。」
「君も……同じ思いをしてるの」
ふいに、今までの体の力がふっと楽になった気がした。自分だけじゃなかった。そう思えた。
「同じ仲間じゃないか。僕は君を信用するよ、だから、君も僕を信用してくれないか?君とこの神秘のかけらで、解決したい!」
「…わかった。ただし、お前の師匠の病気が本当だったらの話だがな。」
と少女は返した。
「、、、うん!」
彼の笑顔を見て、少女は少し息を飲んだが、少年はそれを気付く由もなかった。
「お前、私が恐ろしくはないのか」
少女は、赤い瞳を少年の深い緑色をした目にじっと合わせて尋ねた。
「えっ」
彼の方は今更かという言葉を飲み込みつつも、うん、ちょっとだけ怖いかなと返した。
「ちょっとだけ、だと?」
少女が不意に足を止める。
少年は背後からの足音が突然途絶えたことに気が付いたのか、後ろを振り向いた。
「この剣で一目瞭然だっただろう?私が宝石の守護者、プラエフェクトゥス族の一員だということは。いや、そうであるはずだ。それなのになぜもっと恐れない?」
少女はそこまで言うと、ふうっと息を吐いた。そして彼を威圧するように声を低くする。
「プラエが情けや容赦を知らない者どもである。もしや、このことが分からないわけではあるまいな」
「君の方こそ、どうして僕を見ても石を投げつけたり蹴飛ばしたりしないんだ?」
少年は彼女の脅しに少しも動じなかった。
それどころか本当に不思議なことであるかのように首を傾げてそう尋ねてくる。
「僕がこれまであって来た人達のほとんどは、僕のこの瞳の色に気付くとみんなそんな風な様子になったよ。僕が『人間業ではとても出来ないことをしているヒーラー族』だから。つまり人の病気を直してしまうことが出来るから」
少女が一瞬言葉を詰まらせた。
「僕は覚えている限り、すべての人という人から離れてお師匠様と2人で生きてきたから、普通の人が君を見てどういう反応をするかは知らない」
緑の瞳を微動だにもさせず彼は言う。
「だから本当はさっき君が教えてくれた一族の名前も知らないんだ。ごめんね、知った風に頷いてしまって」
少女が何も言えない間に言いたいことをすべて言ってしまったのか、少年は少し満足気に笑った。
二人の間の蟠りというものが少し消えた気がしたのは、少年だけではないだろう。
24:匿名:2019/07/31(水) 00:00 「名を、教えてくれないか」
切り出したのは意外にも、少女の方であった。
「なんと呼べば良いものか、分からない。」
「ヴァレンティノ」
少年はゆっくりと自分の名を口にした。
「ヴァーレでいいよ。お師匠様からはそう呼ばれてる」
それから微笑みさえ浮かべ、君は?と少女に訊ね返した。
彼女は少し俯いてから顔を上げた。
「エカラット」
「君によく合う名前だね」
「この名の意味がわかるのか?」
「わかるさ、僕は色々な国の人の病気をみてきた」
ヴァーレ、いや、ヴァレンティノはにっこりと笑った。
「『エカラットを浴びたアネモネ』っていう原料は、切り傷なんかを治したりするのによく使われる素材だからね」
それから先ほどの少女の問いかけに答える。
「夕影のことだろう?その赤い瞳に忠実な名前だよ」
その時少女の瞳に夕日が映った。
自分の住む向こう側の世界で沈む太陽。
ヴァレンティノの言葉を聞いて、なぜか夕影のその先まで見たくなり彼女は目を開こうとしたが、あまりの眩さに目は勝手に閉じてしまった。
ぎぃぃっと音をたてて大きな扉が開いた。
「入って」
ヴァレンティノが扉を片手でおさえている。黒く、少し錆びた扉にはいかにもなアラビア語の文字が彫られている。
「いい扉」
エカラットが利き手の左手で扉を触ると、ヴァレンティノが興奮した様子でおさえていた手を離した。
「そうだろ?!この扉、すごくかっこいいんだ!」
「うわっと」
扉の重さにエカラットがよろける。ヴァレンティノが片手でおさえていた扉は、エカラットが体重をかけてもしまろうとしていた。
「ご、ごめん!」
ヴァレンティノが慌てた様子で手をかけた。
力の差を見せつけられたようで、エカラットは少し眉間に皺を寄せたが、ずかずかと館のような家に入っていった。
天井が高く、埃を被ったシャンデリアが垂れ下がっていた。薄暗く、古いとはいうもののとても大きくしっかりした家だった。
こっちだよとヴァレンティノが微笑みながらエカラットを案内する。
廊下の角を一つ曲がった瞬間、二人の横を吹き抜けた突風がエカラットの赤髪を激しく上に舞い上げた。
その風に何か途轍もない力を感じた彼女が、思わず頭を少し下げたプラエフェクトゥス式の警戒を表す姿勢を取る。
廊下の奥からビュンビュン風が吹き荒れている。
家の中なのに、一体なぜ?
エカラットは目を細めて気を引き締めると、廊下の一番奥の部屋の扉を凝視した。
ヴァレンティノは吹き荒む風に慣れているといった様子で、エカラットの戸惑いにも全く気が付いていないのか、迷わずその部屋目掛けて歩みを進める。
エカラットは腰の剣の柄に手をかけて彼の後に続いた。
部屋の前までたどり着いた時には、エカラットの短髪は乱れに乱れていた。
廊下からこの部屋までは大した距離もなかったが、止まない風がそのたった2、3分にも満たない間で彼女にしたことである。
エカラットは狼狽気味に自分の髪を撫で付けると、扉を開こうとしているヴァレンティノに、待てと声をかけた。
ひいっと自分の喉がなるのがわかった。
人間と言っていいのだろうか。ベットに手かせをつけられた「それ」がブンブンと長い灰色の髪をふって呻いている。
恐らく
ヴァレンティノがいう「お師匠様」であろう。
ものすごい気迫で、手かせをガチャガチャといわせている。
「この家に入った我らが族以外のものはなんだ‥なんだなんだなんだ」と低い声が聞こえてくる。
「お師匠様、違うんです。僕の友達です。」
ヴァレンティノが左膝を床につけた。