>>156
「ピカ…良かった…」
安心して、ホッとする。
そして、翼竜の元へ寄る。怒っているのか、どんな顔をしているかは
顔につけている紙で見えない。
「……ねぇ、翼竜の君。…痛いよね、治したいの。
だから…怪我させた張本人だけど、警戒しないで欲しいんだ…。
そのままいると、君、死んじゃう…」
斬った本人なのだが、心配して。
ピカを襲ったことは許せないが、死ぬのを見過ごすなんて出来ず。
《キ''ャ''ァ''ァ''ッ キ''ャ''ァ''ァ''ッッ》
(勿論言葉など分からない翼竜は更に後退しながら威嚇する、が
声は小さくなり、尾の動きも鈍くなっている)
《キ''ャ''ァ''ァ''ウ''ウ''ウ''ウ''ゥ''ッ!・・・キ''ィ''ィ''ィ''ッ》
(必死で放った威嚇が突如本気の咆哮並みの声量になり、翼竜自身も困惑する中
今度は焼き切られていた筈の翼が最初から焼かれていなかったかのように
傷ひとつない状態で岩を掴んでいた・・・見れば、首の切り傷も全て塞がっている)
《・・・・・・》(フ''ァ''ッ'')
(マニを一瞬 睨みつけた後、治った翼を確かめるように大きく羽ばたき
素早い動きで滑空して 岩場から去って行った)