>>all(36)
「……いやぁ、運がいいとはいえ、そんなあっさり会えないよねぇ」
少し高い位置から辺りを見回し。
運はいい方なのだが、やはりすぐ姿をあらわすほど大蛇探しは容易くない。
「…手がかりになる痕跡も情報もない。そのうえあの種が里近くまで…ねぇ」
ふむ、と真面目な顔つきで考え。
今回はちょいと手のかかる奴かもなぁ、と再び歩み始め。
話などから今回の大蛇はなかなかに強者だとわかっている。
「頼むから人々やヘイネに手を出すんじゃないぞ…」
そう、小さく呟けば更に歩みを進めた。
>>37 副隊長殿
(ヘイネの向かう先と真逆の方角、副隊長の現在地付近…)
地面に埋まった巨大な視線は
確かに先を行く妙な人間を捉えていた
(死線をくぐり抜けてきた視線の主は、小山の様な体を地面と同じ様なものに感じさせる
それでいてその視線は、確実にこの場所を行く人間を捉えているのだ)
警戒は、解けない
視線は注意深さとともに人間を見続けた