>>40 ヘイネさん
静かにその場に立つ。手にはまだナイフは握られていない。
まだ詰め寄ってくる相手に気づいていないのか。
「…」
(…いる…?)
気づいてはいない。ただ、そう予想する。
確定はしていないが、今までの経験からの勘でそう感じ。
止まった動きに、追い付けない筈がなかった
小山は止まったものにすぐさま、ゆったりとは言えど巨体の歩みで…
通り過ぎた、止まった者の隣を、全く気づかずに
(小山の口から、恐怖を煽るような赤い舌は出ていなかった
暗闇の中、ただ動くもののみを捉える双眼は
止まった者の前を飛んでいた、小さな蜥蜴を追っている…)
まだ、止まらない…しかし、速度が落ちた様に感じる…
(「温度」を感じる派手な舌、小山は警戒からそれを使わなかった
そして、人間と同じ速度で、前を進んでいた蜥蜴に視線は移っていた)