>>161
…待たれよ、影人の御仁
(刀に向けていたであろう蹴りを自らの脚を当てて封殺、
芦名の太刀足…いまだ衰えを見せぬわ)
儂も影の穀を食む者、双方痛み分けに終わるは分かり切った事…
見れば其方も儂ではなく儂の知る事を狙いとしていると見た、
そうであれば無駄な争いは不要、双方刃を収めようぞ…
(言い終えると、当てた脚を外し 鞘に手のものを収めた、
恐らくは此奴も殺.しを犯した妖を追っているのだろう…
そうであるのなら、この争いを収める事ができるやもしれぬ)
…人打ちの妖を追っているのであろう?
そうだ。
ふもとの件でね。
どうやら今回は戦う必要が無さそうだな。
話がはやくて助かる。
はじめましての相手に対し、
こんな態度でいられる藍玉は
何も警戒していないわけではない。
し、相手を信用しているわけでもない。
自分を、信用しているだけだった。