>>62 蝶舞さん
「はわぁ、久しぶりに来たなぁ」
既に何万と生きている大の大人だが
久しぶりに来る人里に目を輝かせる姿は子供のよう。
入り口へと足を踏み入れると、薬屋を見つける。
(…そういえば、神社の薬、切れてなかったっけ)
それを思い出し、薬屋へと足を運ばせる。
………
(無念かな、運命は我が家に悪戯を送ったようだ
人里へ寄る気配が寸ほど向きを変え、行き着く先を此処に捉えている)
……やれやれ、芦名の地が恋しいわい
(心底疲れた気になるが、そうもいかない
護身の術を足元に運びながら、主人は店の机を前にして帳簿を開く)