【>>80 千鶴さん】
受話器を耳に置いたら心臓が五月蝿い程鳴った。息を潜めながらマイマイの鈴の音がするのを待つ……今思うとなんで私こんな悪戯電話に本気なってるんだろう…その瞬間。チリリンという鈴の音が僅かに聞こえた。今だ!「私メリーさん今…貴方の後ろに居るの…」そう言った刹那、ニャーンという可愛らしい声が聴こえる。……………負けちゃった…
…来た…?
手に持っている本をかざしながらさっと後ろを振り向くと、誰もいない。
よかった、悪戯だ…。本当に来たらどうしようかと思った。
「よく出来た悪戯電話ですねー。暇潰しにはなりましたよ。それではまた。」
そう若干挑発するような言葉を言い残し、内心ホッとしながら電話を切った。というか何故自分はこんな悪戯に夢中になっていたのだろうか。
そう考えながら、疲れからの溜息をつく。