紫
「いえ、元々はただの長生きして妖怪化した野犬の一匹に過ぎなかったわ。けれど、ある時、異変解決をしたものの、それによって瀕死になっていた巫女を喰らい、強い力を得たのが始まりだと思われるわ。」
紫は12代目の巫女(先々代の巫女)が失踪したタイミングと豺狼が現れ、どこの水力や組織にも属さないにも関わらず、強い力を振るい始めたタイミングから推測した事を話す。
紫
「アイツは狡猾で油断なら無い獣よ、けれどこの幻想郷は人間の畏れによって成り立っている部分もあり、その点で言えばアイツほどこの幻想郷に」
皮肉にも、幻想郷における恐怖の象徴として豺狼は君臨しているため、彼を迂闊に消せば人々の妖への恐怖が薄れてしまうのでは無いかと危惧している。
紫は幻想郷の維持を第一に考えなければならない立場であるがあまり、紫自身は豺狼の排除を行えない……
だが……もし、幻想郷の守護者である巫女が豺狼を排除すべき悪として退治した場合ならば巫女としての役割を果たしただけに過ぎないため、豺狼による影響力を巫女の役割によって上書きする事が出来る。
そのため、紫は敢えて先日から思わせ振りな言葉を列挙していたのは霊夢にそれを伝えるためだったのかもしれない……
・・・・・アンタは巫女が食われた時、近くにいたの・・・・・?
(霊夢は豺狼が最初に博麗の巫女を食べた時に、紫は近くにいたのかどうかを聞く・・・・・
博麗の巫女が瀕死の状態だったなら、しかも、異変解決直後なら、誰かが駆けつけてもおかしくはないだろう・・・・・
そして、もしその時に紫が近くにいたのだとした、助けられる状況だったのか、それとも助けられない状況だったのか、霊夢はそこが気になっているのだろう・・・・・)
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