>>54 ナタリー
エルザ
「それもいいわね!たまには気分転換に城から出てお茶会をすると言うのも良いかも!!」
これまで、城の近くにある赤薔薇の庭園にまで出掛けてお茶会を開いている事はよくしていたものの、そこから更に外に出て何かをしようとは思わなかった。城の中にいるだけで舞踏会も演奏会も開けたし、両親が生きていた頃も城の周辺から出た事がなかった。
確かに王冠争奪戦が始まれば何時如何なる時に襲撃を受けたり、戦争や戦闘が勃発するかわからない。有り余る兵力を有するハートの王国においてもかなりの苦戦を強いられるのは目に見えているため、気軽に外出するチャンスは今をおいて他に無い。
何でも揃える事の出来る城の中で何かをしようと言う考えに捕らわれて直接外に出て何かをしようと言う発想が出来なく無くなってしまっていた自分とは違って外を知っているナタリーに対してより一層強い信頼を抱く。
エルザ
「そういえば、私は東の国についての知識があまり無いのだけど、アリスは何か知っている?」
部下の近衛兵達に外出するための準備や護衛の編成を命じる中でふと、自分は生まれついた頃から西洋文化に囲まれていて、それが当たり前として生活してきたものの、国の急速な拡大と版図の拡張に伴い、東洋の文化圏とも接触するようになって来たにも関わらず、生まれついた習慣や文化とは異なる東洋の文化についての知識がまるで無かった事を思い、アリスは東洋の文化についてどれだけ知っているのかと聞いてみる。