>>112
水鴉
「ちょこまかと逃げるなぁぁぁぁぁ?」
《ボコボコボコボコボコッ》
水鴉の体である巨大なスライム状の体の一部がボコボコと泡立ちながら巨大な腕として形成されると、それを桜空目掛けて振り下ろす事で彼を捉え、口内や耳等の身体中の穴を介して体内に侵入して即座に絶命させようとする……
水鴉の体はその大半が水分となっており、下手に攻撃してしまえば上記のように水の浸透性を利用して体内へ侵入され、海や川のなかでもない、陸上でありながら溺死するようにして肉体の内部から破壊されてしまうだろう。
だが、水鴉の体の大半が水分と同質のものとなっていると言うことはつまり、水が持つ弱点もそのまま受け継いでいる事になっていると思われる。
潜鴉
「……ククッ、なるほどお前の異能はさしずめ身体強化だな?
だが……何時まで持ちこたえられるかなぁ?」
潜鴉は相手の足を掴んだままではあるものの、地中30m程まで潜ったところで潜水を止める。だがこれは決して攻撃の手が止まったからではなく、潜鴉の異能による潜土の効果が切れた
土を掻き出そうにも、土を逃がす場所が無く、それどころか掻き出した土が上から雨のように降り積もる事になるため、結局のところ幾ら土を掻き出そうにも無意味なものへ変えようとする。
永遠に展開し続けられる異能は無い、人間には体力や寿命があるように、異能を行使し続ければやがては限界を迎える……潜鴉の狙いはそこであり、潜鴉自身は自分の周囲だけに異能の範囲を限定することでこれ以上潜れなくなる代わりに異能による消耗を最低限のものへと切り替え、長期戦に備える。
十二鴉は八咫烏における主要戦力とも呼べる実力者集団であり、その全員が一筋縄にはいかない猛者だ。自分の異能の性質と限界を知り、それに合わせて最適なものへと戦法を切り替える事で相手を仕留めようとする……
桜空「くっそ・・・・・!しつこい奴め・・・・・!」
(桜空は能力で逃げ惑う中、打開策を考え始める・・・・・
こうも追い詰められた状態では、アジトへの移動の余裕すらない・・・・・
捕まったらすべて終わりだ、そんな緊張がより一層焦りを募らせる・・・・・)
取り引き相手「おぉらぁっ!!!!!」
ゴッ!!!!!
(体力的にまだ余裕で能力が使える内に、全力を出し始める・・・・・
地中全体に亀裂が入り、そのまま地面が避け始め、巨大な洞窟のように穴が空き脱出に成功する・・・・・
まだまだ取り引き相手は余裕を見せている・・・・・)
>>113
桜空「ほら!こっちだこっち!どうしたうすのろ!」
(どこまでも命知らずなのか、それとも自分の能力への過信か、桜空は水鴉を挑発し始める・・・・・
確かに、空間移動系の能力は便利な上に戦闘の面では逃げに特化している能力でもある・・・・・
だが、遠くへの移動に関しては多少の時間が必要であり、それこそ水鴉が有利に立てるのは事実である・・・・・)
>>113