【氷華と桜空の過去編】
氷華
「ほら、桜空!
外に遊びに行こうよ!」
運命の歯車が狂わされる前、二人がまだ人間だった頃……
平穏な日常が繰り返され、特別裕福と言うわけでも、貧しいと言うわけでもなく、小さな田舎にある一件家の中、今となっては見ることの出来なくなった屈託の無い満面の笑顔をした七歳の氷華が当時五歳だった桜空の顔を覗き込んで一緒に外に遊びに行こうと誘う。
桜空「うん!今日は何して遊ぶ?」
(どこまでも純粋無垢で無邪気な笑顔を浮かべながら、桜空は大好きな姉の氷華の遊びの誘いにのり、氷華の手を握る・・・・・
まだ人間らしさがあり、暖かかった頃の氷華の手は、幼い桜空にとってはすごく安心できる手だった・・・・・
一緒に遊んで、時々喧嘩して、遊び疲れたら眠る、そんな当たり前の日常がずっと続くと思っていた幼少期、失われた日々の話である・・・・・)
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