桜空「・・・・・」
《まずったな・・・・・情ねぇ・・・・・にしても、この部屋・・・・・よく一部の警察じゃあ、犯人への取り調べに脅迫や暴行をする奴もいるってのは聞いたことがあるが・・・・・それをさらに酷くした感じだな・・・・・》
(桜空が連れてこられた場所は、尋問や拷問が情報を聞き出すためでもあるとは思われるが、何より悪人ならばどれだけいたぶっても構わないという理屈の元に作られた部屋のようにも見える・・・・・
今にも、悪人に人権なんてない、という言葉が聞こえてきそうな、一切の容赦の欠片も感じられない異様な雰囲気が感じ取れる・・・・・)
>>395
《ガチャッ》
氷華
「……漸く目が覚めたようね?」
桜空が部屋の異様な雰囲気を感じて不穏な予感を抱いていたところ、正面の鉄の扉のドアノブが動き、ゆっくりと扉が開かれると、その向こうでは全身を黒装束に包んだ青みのかかった白髪の女……八咫烏のトップであり、先の取引現場にて圧倒的な力を見せ付けた氷華が立っている。
氷華が現れた事で部屋の気温が更に低下し、吐く息が白くなるほどだが、氷華はコートに手袋と言うように元から厚着をしているため、そして何よりも生まれつき寒さに強い事もあってまるで寒さを感じていない。