【現在】
桜空《・・・・・あいつのパンチ、結構痛かったっけかな・・・・・》
(囚われの身となった桜空は、過去に狼谷と出会った頃の出来事を、腹に受けたパンチが痛かったなと、そんなことを思いながら過ごしていた・・・・・
明日の今頃は、もう自分はこの世にいないかもしれないし、その可能性は極めて高い・・・・・
過去のことを思い出すのは、走馬灯のようなものだろうか・・・・・)
【翌日/八咫烏 桜空拘束拠点】
毒鴉
「ククク……よぉ、待たせたなぁ?」
地下室には返り血を浴びたオールバックの黒髪黒服の男……毒鴉が右手に骨を連想させる刀を手にしており、舌なめずりをしながら桜空が捕まっている地下室に現れる。
毒鴉の返り血は、桜空を救出する際に潜入した者達のものであり、その返り血の多さから少なくとも十人の構成員達が惨殺されてしまっていると考えられる……