>>479
毒鴉
「あ〜?じゃあ、黙って斬り刻まれろ!!」
《ヒュオッ》
毒鴉は死が目前に迫っているにも関わらず……右肩の細胞が壊死し始め、その激痛は筆舌に難いレベルのものであるにも関わらず、断末魔さえも抑えて黙秘を貫こうとしている桜空を見て、再び猛毒の刀を振り上げて今度は左肩を斬ろうとする……
薫
『もし、自分がやられそうになっても……最後まで諦めたら駄目。必ず何処かに抜け出すためのチャンスがある。』
次の一撃を受ければ例え毒の回りが治まったとしても両腕が使い物にならなくなってしまう……そんな絶体絶命の状況の中、神宮によって痛め付けられた後の薫からの言葉が走馬灯のように蘇る。
そして、目の前にいる毒鴉は最初の一撃を桜空が受けたことで身動き一つ出来ないと完全に油断しており、振り下ろされた毒刀を椅子に当てて椅子を破壊させる事が出来れば両足は自由になるだろう。
桜空「・・・・・」
グォンッ・・・・・!
バキィッ・・・・・!!!!!
(桜空は、激痛で気絶しそうでできないという地獄のような状況の中、体を思いっきり捻って椅子に丁度刀の刃が直撃するようにする・・・・・
相手が本気で振り下ろしたこともあり、椅子は簡単に破壊されると、桜空は両足が自由な状況になり、あまりの勢いに一度尻餅をつくものの、すぐさま腹筋運動のように体を動かして立ち上がる・・・・・)
紀「言っておきますが、私はこの作戦が終わったら、帰らせていただきますからね・・・・・あなた方のようにお気楽に呑んだくれているほど時間に余裕が無いので・・・・・」
(紀自身は、なんと言われようと桜空を救出する為ではなく、八咫烏を潰すということを目的としてこれから動くため、もし万が一救出の作戦が成功したとしても、自分はそのまま帰ると言う・・・・・
ここへ呼ばれたことに対する不満は、一応本心のようだ・・・・・)
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