>>507(桜空)
牽制用に鴉から奪った銃を持った、桜空の前には三つの通路と一つの鉄扉がある。通路の先からも、扉の奥からも何の音も気配もしないものの、何の案内板も表示板も無いことから、その先に何があるのかは予想するしか無い……
鴉
「…………ん?
何だ?見かけない奴らだな……侵入者か……?」
桜空の開けた鉄扉の中は、五畳程の小さな部屋であるものの、一面には監視カメラのモニターが映された監視部屋であり、アジト内の至るところに仕掛けられた監視カメラの映像が映し出されている。
監視員である鴉は無線機を持ちながら、モニターを見ており、そのモニターの一つには、倉庫から出て来た紀と中川の二人の姿も移っており、それを見た事で監視員の鴉は無線機を使ってアジト内の鴉達に教えようとしている。
もし、桜空が監視員の鴉が通報する前に、迅速に制圧することが出来なければこのまま紀と中川の潜入がバレてしまい、大量の鴉や十二鴉が二人に立ちはだかる事になってしまうだろう……
スチャッ・・・・・
桜空「無線機を置いて両手を頭の後に回せ、お前の背中は完全に取った・・・・・」
(桜空は、弾が入っていないライフルでの脅し作戦に出る・・・・・
仲間が来ているというのは先ほどの見張りの鴉達の会話でわかってはいたものの、まさか監視カメラで丁度見つかってしまったタイミングに出くわすとは想定外だった・・・・・)
紀「・・・・・まるで侵入してくれと言っているようなものですね、こうも見張りも何も無いとは・・・・・」
(八咫烏といえば噂には少し聞いたことがあり、悪に対して容赦のない制裁を与えるということから、それ相応の見張りや徹底した侵入者対策がされているのかと想像してはいたが、ここまで無防備だと逆に不安にもなる・・・・・
監視カメラで見られているなど、思っていなく・・・・・)
>>510