>>557(桜空)
素鴉
「…………!!」
もはや相手も心が折れたと思っていた矢先、急激に気力を取り戻し、一瞬にして姿が消えたと思いきや、背後から風を切る音が聞こえ、その次の瞬間、強い衝撃が走り、今度は素鴉が片膝を付く事になる。
素鴉
「ようやく本気を出し始めたと言うことか……
いいだろう、お前の貫き通したい信念があると言うのなら……俺を倒してそれを証明してみせろ!!」
一瞬で死角へ入り込み、自分の背後へ回り込んで、親子ほどもある自分との身長差を脚力で埋め、後頭部へ踵落としを行った事から桜空の身体能力の高さを認める。これで、桜空の体格があと10cm大きければ自分を倒すことも出来ていただろう。
子供を相手に本気になるのは大人げないが……
相手が自分の命を燃やしてでも戦うつもりならば、相手を子供と見なすのは侮辱になる。相手が死力を尽くして戦うのならば、此方も先程までのような情けを捨てることにする。
素鴉は両腕を構えてボクシングのファイトポーズを取り、床を蹴って左腕拳で桜空の右腹部、右顔側面に向けて高速でジャブを放ち、側面から打撃を行おうとする。
>>557(紀)
水鴉
「ヒヒヒ……溺死させるには心配停止から10分がかかる。
このまま10分かけて完全に仕留めてやるぞォ……?」
水鴉はこれまで数多の犯罪者達を葬って来た経験から、人間は心配停止してから3分間、応急救護を行わなければ50%の確率で死亡し、10分行わなければ生存は絶望的になると言うことを知っており、意識を失ってから10分はこのまま捕らえておこうと考える。
仮に脱出したとしても、外には鉄球を乗り越えて来た巨大な蝗の群れと、鉄をも噛み砕く百足が待ち構えており、どの道生存することは困難だと思われる……
ヒュッ・・・・・!
桜空「あぁ、してやるよ・・・・・」
ドガッ!!!!!
(桜空は、素鴉の攻撃を避けるのとに成功すると、そのまま相手の下顎へとさっきのお返しと言わんばかりに強い蹴りを入れる・・・・・
そしてそのまま、続けて相手の頭頂部へと肘鉄を入れる・・・・・)
紀「・・・・・」
ズズッ・・・・・
(水鴉の体が、突然水鴉自身の意思に関係なく動き始める・・・・・
つまり、紀が能力で水鴉の体を動かしているものと思われる、ギリギリ意識を保っているのだろう・・・・・
だが、かなりゆっくりであり、いずれにしても脅威ではないほどである・・・・・)
>>559