>>566
「あ〜っ、痛ぅ〜」
傷口を押さえながら走る。さほど深くはないが、やはり痛いものは痛い。
「けど、まだまだやれるぜ……ぐうぅうおおぉおお!!」
能力で針金を作り、傷口を縫い付けていく。その際の痛みは全て気迫で堪えた。
「!」
またも差し向けられる羽虫の鋭牙。しかし隆次の目に恐れの色はない。
もう動きは見切った。銃弾クラスの速度でないなら一度見れば十分だ。そして、この揺れは恐らく狼谷の総攻撃が始まった合図だろう。
蜻蛉に対し向き直るようなことはせず視線だけを注ぐ。
「同じ手を、食うかよ……!」
並足を揃えて膝で軽くしゃがみ、背中での強烈な体当たりを繰り出す。
鉄山靠(テツザンコウ)
八極拳の技の一つ。正式名称は貼山靠(テンザンコウ)
本来の使い方とは違うが、広く応用を利かせられるのが武術の利点だ。
再びかぶりつこうと考えていたであろう蜻蛉に、痛烈なカウンターが迫る。
人喰い蜻蛉
「ギッ……!!」
しゃがんで回避する動作に乗せて返す刃として中川の放った鉄山靠が人喰い蜻蛉に直撃し、小さな金切り声が出て、ダメージを与えることに成功する。
だが……相手は空中に浮遊している上に、全ての飛行虫に共通することだが、飛行に特化するためにその体は大きさに反して軽量化されている事も合わさり、放たれた衝撃や勢いも空中にて無数に分散されてしまった事で致命傷には至らない。
分散しきれなかった衝撃と勢いによって天井に叩き付けられるものの、致命傷には至らず、三度目の突進を仕掛けようとする。
蟲鴉
「蟻の群れが………!!!
もういい……虫ケラの相手は終わりだ、最強の友達で全員喰い散らす。」
《メキメキメキメキメキメキメ……》
人喰い蜻蛉の金切り声を聞いた瞬間、
蟲鴉は大きく口を開け、新たな蟲を生み出すために集中し始める。
この場にいる中川と外にいる紀や桜空、狼谷の攻撃部隊の全員をまとめて葬るために最大最強の蟲を生み落とし、これで一気に決着を付けようと考え、
人喰い蜻蛉
「ギッ……!!」
しゃがんで回避する動作に乗せて返す刃として中川の放った鉄山靠が人喰い蜻蛉に直撃し、小さな金切り声が出て、ダメージを与えることに成功する。
だが……相手は空中に浮遊している上に、全ての飛行虫に共通することだが、飛行に特化するためにその体は大きさに反して軽量化されている事も合わさり、放たれた衝撃や勢いも空中にて無数に分散されてしまった事で致命傷には至らない。
分散しきれなかった衝撃と勢いによって天井に叩き付けられるものの、致命傷には至らず、即座に体勢を整え、彼の頭上から三度目の突進を仕掛けようとする。
蟲鴉
「蟻の群れが………!!!
もういい……虫ケラの相手は終わりだ、最強の友達で全員喰い散らす。」
《メキメキメキメキメキメキメ……》
人喰い蜻蛉の金切り声を聞いた事で我に変えると、この場にいる中川と外にいる紀や桜空、狼谷の攻撃部隊の全員をまとめて葬るために最大最強の蟲を生み落とし、これで一気に決着を付けようと考え、大きく口を開けて新たな蟲を生み出すために集中し始める。
次に蟲鴉が生み出すのが蟲鴉の最大にして最強の蟲。
生み出すためには少し時間がかかり、巨大蝗による守りも無いものの、生み出すまでの時間稼ぎは人喰い蜻蛉がしてくれるだろう。
中川の直ぐ前には発電室の扉があるのだが、蟲鴉はその危険性や驚異に気付いていない。