桜空「っ・・・・・!?」
(唐突に起きた想定外の大きな揺れに、桜空も思わず驚きと困惑を隠せない表情をするものの、すぐさまファーストによる八咫烏への総攻撃により発生したものだということを直感で悟ると、桜空はこの隙を無駄にするものかと言わんばかりに・・・・・
「これで・・・・・終わりだっ・・・・・!!!!!」
右拳に全身全霊の全力を込め、素鴉の顔面へと叩き込む・・・・・
今までとは比にならない威力のパンチは、顔面だけじゃなく、脳へも相当な衝撃を与えるほどであり、それを体勢を大きく崩した状態で受けたのならば尚のこと立っているのは愚か、一度倒れればしばらくの間は立ち直すことすら困難を極めるだろう・・・・・)
>>572
素鴉
「!!!」
《ゴッ》
全身全霊の右ストレートが繰り出されるのを見て、少し微笑むと、桜空の拳に対して頭突きをするようにして額で桜空の一撃を受けると、そのまま大きく床に倒れる。
素鴉が負けるとは思っていなかったからなのか、周囲を取り囲んでいた素鴉の部下の完全武装した鴉達はどよめき、混乱し、狼狽え始めてしまう。
体格的にも筋力的にも経験的にも圧倒的に素鴉が勝っていた……
だが、素鴉は最初から勝つつもりはなく、桜空の意思や覚悟を試しつつ、タイミングを見て倒されようとしていたかのようでもあった……