>>652
>>桜空
剱鴉
「……今の銃声は……ルインか?
……だが先ずは奴らを仕留める……!!」
【無明流 伍の太刀「月輪」】
剱鴉は今まさに桜空を両断すべく大太刀を振るおうとしたものの、二人の危機察知を前に桜空を両断する事に失敗し、身代わりとなった金属板をまるで豆腐のように殆ど抵抗を受けること無く切断する。
狼谷の左足に銃弾の傷があるのを見て"ルイン"と呼ばれる存在の名を口にするが、直ぐ様四人を殲滅すべく最初に放った時よりも速度が大幅に上げられた回転する三日月状の斬擊を五つ放ち、逃げられる前に仕留めようとする。
だが、既に出入口の側にいる事から今なら桜空の能力を使えばファーストのアジトまで帰還できるだろう。
【年末年始は忙しいのでしょうがないですよ!】
瀕死に陥った狼谷を見て、駄目だと知りつつも焦ってしまう。
「チッ……嫌な手を使いやがる。昔やったゲームで見たことあるぜ」
眉間に皺を寄せ、嫌悪感を露(あらわ)にする。
わざと一発で仕留めず、他の敵を炙り出すために重傷を与える。プロのやり方だ。
「けど、あんたらの思い通りにはいかねえよ!」
すぐに不敵な笑みに切り替え、狼谷の大腿部に先程と同じく、針金で止血を行う。流石に輸血などは不可能だが、これで少しでも猶予は伸びるだろう。
「旦那、もう少しだけ踏ん張ってくれ……!」
そして桜空の肩へ触れる。すんでのところで転送が間に合い、漸く脱出に成功したのだった。