>>708
朱音
「……こんなとこに居たら風邪をひくよ?
早く中に入りなよ。」
まるで空から叩き付けるようにして雨が降る中、独りで外に出て叫んでいる桜空に対し、藍色の傘を差しながら歩み寄り、建物の中に入るように言う。
狼谷が命を落とした事は聞いている……
自分は救出作戦が開かれた際に沖縄でファーストの部隊と共に別の作戦を行っていたため、駆け付けることが出来ず、慌ててこの場に到着した頃には既に全てが終わってしまっていた……
もし、自分がいれば……いや、仮に自分がいたとしても、八咫烏の最高戦力の一人である劔鴉に勝利するのは非常に困難だっただろう……
桜空「・・・・・ほっといてくれ・・・・・」
(桜空は、かつて家族を失い、孤児院に来たばかりの頃、後に仲良くなる薫先生にすら心を閉ざして反抗的な時期があった時と同じように、相手の言葉にも冷たくただ一言、ほっといてくれとだけ返す・・・・・
リーダーである分、仲間を守れなかった心の傷が深いのだろう・・・・・)
紀「無駄ですよ、もう数時間、ずっとあんな調子です、本人の言う通り、ほっときなさい・・・・・」
(雨が強まる一方で建物の中には入ろうとはしない桜空に対して心配して呼びかける朱音に、ここ数時間ずっとあんな調子で、多分今は何を言っても突き放してくるだろうと忠告をする・・・・・
「今はほっておくのが一番です、それよりも、ココアでも飲んで少し休憩なさい、長旅だったのでしょう?」
沖縄から急いで駆けつけたのだから、少しは休憩したらどうだと誘う)
>>709