>>955
氷華
「いつかは誰かがその業を背負わなければならない。
だけど……時間の経過と共に苦しむ者は増えるばかり。」
桜空の背中に氷の斬撃が命中したのを見ながら、自身の持論について話す。今を生きる者の多くを……罪を冒さずに生涯を終えるかもしれない者や、現在の秩序の中であれば悪事に手を染めずにいる者達と言ったように改心の余地がある者達をも極悪人ともども切り捨て、進もうとしている。
同じ氷の異能を持ちながら、悪事に手を染めた者をも救おうとしていた、薫先生とはまるで対照的な考えとなっている……
幸いなことに出血した箇所が直ぐに氷で覆われ、出血による絶命や気絶をする事は無いだろう。
氷華
「この世で唯一残った肉親へかける最後の情として聞いてあげる。
何か言い残すことはある?」
氷華はブーツの底をスケートのエッジのようなものを形成し、それを活かして氷上を滑るようにして彼の前へ移動すると、手にした瞬時に再生成していた氷剣を大きく振り上げる。
そして、氷華の中に微かに残っていた桜空への情から、最後に何か言い残すことはあるかと問いかける。
桜空「ぐっ・・・・・ぅ・・・・・ず、随分と・・・・・優しいじゃねぇか・・・・・」
(まだ立ち向かうつもりなのか、ボロボロになりながらも桜空は立ち上がるだけ立ち上がってみる・・・・・
周囲一帯が極寒とかした今、桜空の傷口から滴り落ちる鮮血は、瞬時に凍りつき、結晶となって地面へと落ち砕け散る・・・・・
「そ・・・・・それじゃあ・・・・・お言葉に甘えさせてもらうか・・・・・と言っても、俺はもうあまり喋る気力すらねぇ・・・・・だから・・・・・代理に代弁してもらうか・・・・・」
そう言うと、スマホを取り出す・・・・・
恐らく、桜空の言葉から察するに、ビデオ通話が繋がっているのだろう・・・・・)
>>956