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(写真の中の幼い二人は、まだ穢れというものを知らず、どこまでも純粋で、そして些細な喧嘩すらもしなかった・・・・・
たった10年という年月が、二人にとってはあまりにも大き過ぎた・・・・・
桜空がまだこれを持っている理由は、桜空以外では氷華しか知ることは出来ないだろう・・・・・
まだ桜空は幼少期の誓いを・・・・・)
>>984
氷華
「…………………。」
写真の中に映る桜空の顔を見て、表情には現れてはいないものの、数秒だけ立ち止まり、様々な感情が胸の中を駆け巡り、複雑な心境になるが、やがて目線を議事堂へ戻し、議事堂内へ入ろうと歩みを再開しようとする。
自分はもう二度と戻ることは出来ない、一方通行であり、決して巻き戻すことの出来ない時の流れの中では前に進むと言う選択肢しか存在しない……